百箇日法要のお布施の相場・封筒は?書き方や渡し方、それ以外のお金
百箇日法要を知らない方も意外と多く、お布施となるともっと見当がつかないことも多いかと思います。
この記事を通して、百箇日法要とはどう言ったもので、お布施の金額の相場から渡し方のマナーについてしっかりと知っておくようにしましょう。
この記事で解決される疑問
百箇日の御布施の相場は?
百箇日の御布施に適した封筒は?
百箇日の御布施の書き方は?
百箇日とは
百箇日法要とは、 故人の死から100日目に行う法要のこと を言います。
百箇日法要があまり知られない理由が、自宅で行われたり、そもそも行わないという方も多いためです。
百箇日法要は、卒哭忌(そっこくき)とも呼ばれており、「嘆き悲しむことをやめるための法要」という意味があります。
卒はやめるという意味があり、哭は大声で泣くという意味からきています。
この百箇日法要をきっかけとして、遺族は 普段通りの生活を再び送り始める と言われています。
百箇日法要の流れ
- 施主の挨拶
- 僧侶の方による読経と法話
- お焼香
- 施主の挨拶
- 会食(献杯の挨拶)
- 締めの挨拶
以上が当日の流れになります。
会食を設けるかは特に決まりはありませんが、 49日法要と一周忌でも親族は集まるはずですので、余裕があれば設けてもいいかもしれません。
百箇日法要のお布施相場
では、百箇日法要を執り行なった場合、お布施の相場はいくらくらいになるのでしょうか?
そもそもお布施とは、 お寺に対して感謝の気持ちとして渡す寄付金 という意味があります。
実際には、百箇日法要を行うにあたっての読経や法話に対して支払っているといえます。
寄付金という建前ですので、相場が具体的に決まっているわけではなく、読経にいくら、法話にいくらとはなりません。
法要名 |
お布施の金額 |
四十九日 |
3万円〜5万円 |
一周忌 |
3万円〜5万円 |
3回忌 |
1万円〜5万円 |
7回忌以降 |
1万円〜5万円 |
以上の表がメインとなる法要におけるお布施の金額の相場です。
百箇日法要は、この表にもないことからわかるように、基本的に行わないことも多いため、お布施の金額も 1万円〜3万円ほど が相場といえます。
ですが、 菩提寺であったり、葬儀社を通して頼んだお寺などだとお布施の金額は必ずしもこの価格ではない ので、事前に確認するようにしてください。
菩提寺とは
菩提寺とは、先祖代々のお墓があるお寺のことを指します。
菩提とは、サンスクリット語で 「めざめ」や「さとり」 という意味を持つ言葉に漢字を当てたものです。
そのため、めざめやさとりのために建てられたお寺を菩提寺と呼び、お釈迦者様のように亡くなった親類もさとることができるようにという願いも込められているのです。
お布施の金額を尋ねる
百箇日法要のお布施の金額を直接お寺に聞くとき、「お布施の金額はいくらですか?」と直接的に聞いてしまう方がいますが、これはやめてください。
先述したように、お布施はあくまでも気持ちとして渡すものですので、お寺の方もお気持ちで構いませんという濁した言い方しかすることができません。
そうならないように、 「百箇日法要を執り行う際のお布施として、他の方をいかほど包んでいらっしゃいますか?」 という間接的な言い方にしましょう。
そうすれば、お寺としては平均的なお布施の金額を言えばいいだけなので、スムーズに答えてくれるはずです。
百箇日法要のお布施を入れる封筒
百箇日法要のお布施の金額が決まったら、何に包めばいいのでしょうか?
これは百箇日法要に限らず、お布施や香典などは、一重で無地の白い封筒に包むようにします。
この一重という点が特徴です。
日本において、働いている方は経験したことがあるかもしれませんが、儀礼的な意味や正式な文書を封筒に包むときは、中の文字が透けて見えないようにするという意味から、二重の封筒が一般的です。
ですが、冠婚葬祭などでは、重なるというのは、 「不幸が重なってしまう」という点から避けなければいけません。
正式な場ではありますが、 二重の封筒を使わないようにしてください。
コンビニでは、すでに「御布施」の文字が印刷されている封筒も販売されていますので、こちらを使ってもいいかもしれません。
水引とは
水引とは、封筒を硬く縛るひものことをいい、 一度結ぶと解けないようにし、2度と繰り返さないように という意味が込められています。
水引が付いているものが多く販売されていますし、ご自分でつける方もいるかもしれません。
ですが、地域や慣習によっても変わりますが、水引をつけることは失礼になってしまう場合がありますので、わざわざ水引をつけるということはしないようにしましょう。
百箇日法要のお布施の書き方
百箇日法要の表書きには、 「御布施」 と書きます。
裏には、 「氏名」と「包んだ金額」 を書くようにします。
お布施の封筒に書く文字には、通常の濃墨を使います。
お通夜や告別式の香典などには、薄墨と言って、 「突然の訃報のために墨を研ぐ時間がなかったこと」や「悲しみの涙で墨が薄くなったこと」 を表すため、通常の墨より薄いもの使って書きます。
ですが、百箇日法要というタイミングですし、お布施はお寺に渡すものですので、通常の墨で書いてしまって問題ありません。
毛筆で書く時間がない方は筆ペンを使うと便利 です。
また、裏に書くお布施の金額ですが、漢数字を使わない方はいませんが、注意すべきは、 旧字体の漢数字を使う 点です。
数字 |
旧字体の漢数字 |
1 |
弌・壱 |
2 |
弐 |
3 |
参 |
5 |
五・伍 |
7 |
七 |
10 |
拾 |
万 |
萬 |
円 |
圓 |
以上のように現代の私たちには使い慣れない漢字が多いですので、注意してください。
忌み数字
日本において、忌み数(いみかず)といって、漢字の「死」や「苦」を想起させるという点から、 4や9といった数字は、用いないようにしてください。
包む金額の数字にも少し気を使うようにしてください。
百箇日法要でお布施以外に僧侶に渡すお金
必ずではありませんが、百箇日法要のお布施以外にも僧侶の方に渡すお金があります。
それが、 「御車代」と「御膳料」 です。
御車代は、 自宅で百箇日法要を行った時にお寺から自宅までの交通費として支払うお金 のことです。
このお金の相場は、 5千円〜1万円 となっています。
また、御膳料とは、 会食を用意したものの僧侶の方が出席を辞退された時に払うお金 のことです。
もし、僧侶の方も参加する場合は、支払う必要はありませんので、事前に確認を取っておくといいかもしれません。
このお金の相場も、 5千円〜1万円 となっています。
百箇日法要でのお布施の渡し方
百箇日法要でのお布施の渡し方について注意するのが、
渡すタイミング
手で渡さないこと
お布施をまとめない
の3点です。
お布施を渡すのは、 僧侶の方が法要を終えて、帰り支度をしている時にします。
法要の前に渡すのは、なんとなく慌てた印象を与えてしまいます。
渡すときは、袱紗(ふくさ)と切手盆(きってぼん)の両方かどちらかを使って渡すようにしましょう。
袱紗とは、風呂敷のような、絹や縮緬(ちりめん)で作られた布のことで、切手盆とは、7号〜8号サイズの小さめのお盆のことです。
正式には、お布施を袱紗に包み、切手盆の上に置いて僧侶の方に渡すのが一般的です。
どちらかがなくても問題はありませんが、 手で渡すことはマナー違反 ですのでしないでください。
先述した、「御車代」と「御膳料」を前もって準備したから、お布施の封筒に入れてまとめてしまうという方がいますが、これは好ましくありません。
封筒は、3種類に分け、それぞれで表書きを書いて渡すようにしてください。
【コラム】百箇日法要をしないという選択
冒頭でも述べましたが、百箇日法要はしないという選択もあります。
これは、49日法要から期間が空いていないということ以外にも、百箇日法要が中国の 「十王信仰」 が影響されているためです。
この十王信仰は中国で信じられているもので、七日ごとに判決が下されるのは、四十九日法要で終わりですが、その判決で極楽に行けなかった魂のために、100日と一周忌と3回忌の三回を加え、 合計で10回の審判の機会が設けられています。
そのため、仏式を重視している日本の法要では、百箇日法要をそれほど重要視していないのです。
十王 |
読み |
本地 |
審理 |
生前の判断基準 |
秦広王 |
しんこうおう |
不動明王 |
初七日 |
殺生 |
初江王 |
しょこうおう |
釈迦如来 |
二七日 |
盗み |
宋帝王 |
そうていおう |
文殊菩薩 |
三七日 |
不貞 |
五官王 |
ごかんおう |
普賢菩薩 |
四七日 |
ウソ |
閻魔王 |
えんまおう |
地蔵菩薩 |
五七日 |
来世宣告 |
変成王 |
へんじょうおう |
弥勒菩薩 |
六七日 |
|
泰山王 |
たいざんおう |
薬師如来 |
七七日 |
来世へ |
平等王 |
びょうどうおう |
観音菩薩 |
百か日 |
|
都市王 |
としおう |
勢至菩薩 |
一周忌 |
|
五道転輪王 |
ごどうてんりんおう |
阿弥陀如来 |
三回忌 |
|
ちなみに、以上の表が十王と言われています、閻魔大王などは、聞いたこともあるはずです。
自分の死んだ後の供養はいらないと生前に言っているとどんな判断をされるかわかりませんので、言わないことをおすすめします。
百箇日法要のお布施は事前確認が肝要
相場は1万円から3万円です。49日の法要よりも低額ですが、不安な場合他の方はどのくらい包んでいるかお寺に聞くこともできます。
不幸が重なるという意味合いにならないよう1重で無地の白の封筒を選びます。水引は使わないようにします。
通常の濃さの墨・筆ペンを使って表書きに御布施と書き、裏に氏名と金額を書きます。金額は旧字で書きます。
百箇日法要のお布施について解説してきました。
先述したように、百箇日法要は行わない家も多いのが特徴です。
そのため、あまり欲しい情報を見つけられないということもあるのではないでしょうか?
当記事では、百箇日法要のお布施は1〜3万円と記述しましたが、あくまでも平均的な額ですので、ネットの情報だけを鵜呑みにしないようにしましょう。
菩提寺に連絡したり、葬儀社に相談してみて、適切な額を包むことができるように準備してくださいね。
百箇日の服装や挨拶など全体についてはこちらを参考にしてください。