この記事の結論
通夜の平服とは略礼服のことです。黒やグレー、紺色のスーツやワンピースを着用し、小物は黒でまとめます。アクセサリーは控え、女性の化粧は薄めにします。
仕事の帰りなどに通夜へ参列する場合は、できるだけ地味な服装にします。着替えがない場合は、腕に喪章を付けることで弔意を表して参列します。
通夜での女性の平服
喪服の女性
ここでは、通夜での女性の平服について、次のポイントに沿って確認していきましょう。
女性の平服とは
ストッキングの色について
アクセサリーについて
お化粧や髪型について
夏・冬の服装での注意点
通夜での女性の平服とは
通夜において、女性は平服として、紺やダークグレー、紫といった地味な色合いで、光らない素材のワンピースやアンサンブル、スーツを着用します。
パンツスーツなどのズボンスタイルでも平服として問題ありません 。
平服では、肌をあまり出さないことが原則ですので、スカートを合わせる場合は、膝下丈のものを着用しましょう。
また、合わせるブラウスも黒色が理想的ですが、無い場合は地味な色のものを選びましょう。
フリルのある華やかなものや、透け感があるもの、生地やボタンが光るものはお通夜での平服には相応しくないでしょう。
通夜での平服に合わせるストッキングの色について
ストッキングの色は肌色でも問題ありません。
突然のことで慌てて来た、というニュアンスを出すため、あえて肌色がいいという方もいますが、 黒いストッキングを履いた方が無難 と言えます。
ストッキングに関しては、こちらの記事を参考にしてください。
喪服はタイツ?ストッキング?女性の喪服マナーや夏・冬別の対策も
第三人生編集部
通夜でのアクセサリーについて
通夜では、 アクセサリーは基本不可 です。
指輪は、結婚指輪だけならつけていても構いませんが、華美なものでしたら外しましょう。
通夜の平服に合わせてネックレスをつけるならば、 一連の真珠を着用 しましょう。
二連のものは不幸が重なるの意味合いになりますので、通夜では避けましょうね。
通夜での化粧や髪型について
メイク
また、通夜での化粧については、派手すぎないナチュラルなメイクにします。
髪型については、焼香の際に顔にかからないようなアレンジにしていくと良いでしょう。
結べる長さの人は、 耳より下の位置でまとめ 、黒いゴムで結びます。
バレッタなど使う場合は黒くて目立たないものを選びましょう。
夏・冬の服装での注意点
夏の通夜の場合、平服として無理してジャケットを羽織る必要はありません。
ですが、 ノースリーブなどの袖の短いものや、胸元の開いたデザインの服は避けましょう 。
冬の通夜では、コートについては、殺生を連想させるので、革や毛皮、ファーのついたのコートは着用できませんので注意しましょう。
通夜での男性の平服
喪服の男性
ここでは、通夜での男性の平服について、次のポイントに沿って確認していきましょう。
男性の平服とは
ネクタイについて
アクセサリーについて
髪型について
夏・冬の服装での注意点
通夜での男性の平服とは
男性は平服として、 黒や濃紺、濃いグレーのダークスーツ で、上着はシングルでもダブルでも構いません。
無地、もしくは目立たないストライプのものを選びます。
パンツは裾がシングルのものが良いでしょう。
あわせる ワイシャツは白い無地のもの を選びます。
また、白でも織模様のあるものや、カラーシャツは着用しません。
さらに、ボタンダウンや開襟シャツも、平服としてはカジュアルすぎますので避けましょう。
ワイシャツは苦しいからといって一番上のボタンを開けたりせずに、しっかりと上まで留めましょうね。
靴下は黒や暗色 とし、白や色物、柄物は避けます。
ベルトは地味な単色のもの を用い、光沢のないものにしましょう。
通夜での平服に合わせるネクタイについて
ネクタイ
通夜でのネクタイは、 黒無地の光沢のないもの を選びましょう。
派手なデザインや色は避けます。
結び方は吊り下げ式にし、窪みは作らないようにします。
また、ネクタイピンは付けません。
ネクタイに関しては、こちらの記事を参考にしてください。
お通夜のネクタイの選び方やマナーを解説!販売場所やおすすめ商品も
第三人生編集部
通夜でのアクセサリーについて
男性は、通夜では 基本的に結婚指輪と腕時計以外のアクセサリーはすべて外すことがマナー とされています。
腕時計は金色であったり、派手なものである場合は、外したほうが良いでしょう。
カフスボタンも基本的にはつけませんが、つける場合は色はシルバーのものか、黒曜石や黒オニキスのものにします。
通夜での髪型について
髪が長い場合は、顔が隠れないように 整髪料で固める ほうが良いでしょう。
通夜での夏・冬の服装での注意点
夏は、昨今のクールビズで半袖にノーネクタイが主流ですが、通夜に関しては、 夏でもジャケット、ネクタイを着用していくべき です。
平服としては、半袖のワイシャツも相応しくありませんが、ジャケットを脱がないのが基本なので、中が半袖な分は問題ないでしょう。
冬場のコートは、色は黒や暗色を選びましょう。
毛皮は着用不可です。
また、トレンチコートやダウンジャケットも避けた方が無難です。
もし着ていく場合は、色は黒、光沢のないもの、装飾のないものにしましょうね。
また、フードのあるものは着用しないように気を付けてください。
平服の指定がある通夜での子供の服装
子供服装
ここでは、平服の指定がある通夜における子供の服装の基本と、年齢毎の服装を確認しましょう。
子供の平服は制服が基本
赤ちゃん
未就学児や小学生
制服があるとき
通夜での子供の平服は制服が基本
通夜での子供の平服は、制服のある学校に通っている場合は、 制服を着ていくことがマナー です。
赤ちゃんや幼児、制服のない小学生生などは、子供用の喪服を用意することもできますが、すぐに大きくなってしまう子供にフォーマル一式を揃えるのも大変ですので、服装のマナーを守れば必ずしもフォーマルを揃えずとも良いでしょう。
赤ちゃんの平服
赤ちゃんの通夜での服装についても、 黒や白の洋服が好ましい です。
しかし、黒色のベビー服はあまり見かけませんので、ベージュや淡い水色などを着用させても構いません。
フリルなどのの装飾もないものを選びましょう。
未就学児や小学生の平服
未就学児や小学生で制服がない場合は、 黒や白のモノトーンで、制服風な装いにすれば良い でしょう。
男の子は白のワイシャツに黒っぽいズボン、女の子は白いブラウスに地味なスカートがおすすめです。
制服があるときの平服
子供制服
中学生や高校生など、 制服がある場合は、制服を着用 します。
靴は黒や白や紺、グレーのものであればスニーカーなどで構いません。
学生はローファーも履けます。
靴下は黒を選びますが、学生らしい色合いの無地のものでも構いません。
しかし、くるぶし丈のものは避けましょう。
仕事帰りの服装で通夜に参加してもいい?
香典と数珠
通夜は本来、急な訃報を聞いて、駆けつけていき、弔意をあらわす場でした。
そのため、親族や親しい友人のお通夜の場合、仕事帰りにそのまま通夜に行くことは問題ありません。
最も大切なのが、 故人や遺族、他の参列者が不快な思いをしないように配慮する ことです。
仕事帰りの服装で気をつけること
仕事帰りに急に通夜だけに行くことになったようなときは、平服に着替えて行く間もないことがありますよね。
このようなときは、 寒色系の地味な通勤着ならお通夜に参列しても良いでしょう。
男性はワイシャツを白、ネクタイを黒いものに変え、光るネクタイピンは外します。
女性は、薄化粧にし、アクセサリーを外し、マニキュアが濃い色のものであれば落としていきましょう。
また、通勤時に私服や作業着を着ており、着替える間のない人は、腕に喪章を付け、弔意を表して参列するのが良いでしょう。
今では、 コンビニでも黒のネクタイや黒い靴下、黒いストッキングなどを調達することもできます ので、できる限り平服に近づけ、マナーに合った装いをするよう心がけましょう。
通夜で平服を着るときの靴・バッグ
黒のパンプス
ここでは、通夜で平服を着るときの靴とバッグについて、性別ごとにお伝えします。
女性の靴
女性のバッグ
男性の靴
男性のバッグ
通夜で平服を着るときの女性の靴
女性が通夜で平服に合わせる靴は、 光沢のない黒のヒール靴 を選びます。
長時間立っている場合もありますから、太めの3〜5センチのヒールがおすすめです。
ピンヒールはやめておきましょう。
カジュアルな印象になるスニーカーやフラットシューズなも、通夜の場に相応しくありません。
また、つま先のないオープントゥや、かかとのないミュールやサンダルなど、肌の見えるものも避けましょう。
光ってしまうような金具はが付いているものもやめましょう。
また、 殺生に関わるスウェード靴やアニマル柄の靴は履いてはいけませんので注意してください。
通夜で平服を着るときののバッグ
フォーマルバッグ
女性が通夜で平服に合わせるバッグは、 黒で布製のもの にしましょう。
は虫類革や、エナメルなどの素材、金属の装飾のあるものや派手なブランド品は避けます。
金具は避けますが、ファスナーや底鋲くらいでしたら許容範囲です。
しっかりと手に持てるものを選びましょう。
通夜で平服を着るときの男性の靴
革靴
男性が通夜で平服に合わせる靴は、 黒一色で光沢のないもの を選びます。
革靴ならば、ストレートチップやプレーントゥといった、落ち着いたデザインのものを選びます。
ウイングチップや飾り穴の開いたものもカジュアルとなりますので、通夜には避けます。
子供は着用して良いローファーも、革靴の中ではカジュアルなものとなりますので大人は履いてはいけません。
また、エナメルや金属の装飾のあるものも避けましょう。
アニマル柄やスウェード、型押しのデザインも殺生を連想させるので相応しくありません。
靴に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
【図解】喪服に合わせる靴のマナーを男女・子供別に解説!ストッキングや靴下選びも
第三人生編集部
通夜で平服を着るときの男性のバッグ
男性が通夜で平服に合わせるバッグですが、 男性はバッグを持たずに手ぶらで参列するのが基本 です。
ハンカチや香典などはスーツのジャケットに入れておきます。
どうしてもバッグを持ちたい場合は、地味な単色で、光沢のないものにしましょう。
黒くて小さいセカンドバッグのようなものを選ぶと良いでしょう。
また、男性の場合通勤用バッグとしてショルダーバッグを使用されている方が多いですよね。
ショルダーバッグをそのまま通夜へ持って行く場合、紐が長くカジュアルな印象になってしまいますので、 肩にもたず、紐を結んで手に持つ ようにします。
平服ではなく喪服で通夜に参加してもいい?
通夜会場
通夜に参列する場合は、「取り急ぎ駆けつけました」という意味で、平服を着てくることがマナーとされていました。
しかし、 喪服を着て参列する方も増えて きました。
通夜に平服ではなく喪服を着る人が増えた理由
喪服を着て通夜に参列する人が多くなった理由は、 お通夜が翌日に行われる場合も多くなった ためです。
訃報の知らせを受けてから時間が取れる場合は、喪服を選ぶ方が多いようです。
ここ最近では、通夜に平服で行ったら、喪服の人ばかりだった、ということもあるようです。
もちろん、 通夜が当日で着替える時間がない場合は平服で参列してくださいね。
また、告別式には参加できないため、お通夜が故人との最期のお別れの場になるという方は、きちんとしたお別れをしたいという気持ちで喪服を着られるようです。
「平服でお越しください」と指定されたとき
「平服でお越しください」という旨の指定を受けた場合は、平服で参列します。
指定がある場合は、 喪服を着てしまうと逆に失礼にあたる かもしれません。
喪服は平服よりも格式の高い準礼服にあたります。
指定があるのに喪服を着てしまうと、先方よりかしこまりすぎてしまうかもしれませんね。
しかし、 親族の方が平服の指定を受けた場合は、喪服を着ていくのが良いでしょう。
通夜での平服を正しく理解し、穏やかに故人を偲びましょう
通夜に相応しい平服を着ると、安心して通夜に参列できますね。
マナーを守った平服で、故人を偲ぶしめやかな雰囲気を壊さないようにしましょう。
自分の服装に自信を持つことで、遺族や他の参列者への配慮ができる ような余裕が生まれることでしょう。
故人との最期の場であるお通夜。悔いのないようにお別れがしたいですね。