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葬儀

2024.04.30

【ご住職監修】納骨の方法や手順を解説!費用や服装、納骨式についても紹介

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故人が亡くなると火葬され遺骨になり納骨されます。
以前はお墓へ納骨されるのが当たり前でしたが、近年では納骨堂の利用も増えてきました。

このような納骨先の変化や、適切な納骨時期について見ていきましょう。
また、納骨前に行われる納骨式の流れやその際の服装、費用についても解説します。

納骨とは
納骨の仕方 準備
納骨とは、お墓に火葬後の遺骨を納めることです。
葬儀・火葬が終わると、お坊さんやカロート(納骨スペース)を開けるための石材店などのスタッフの方とお墓の中に遺骨をしまっておく為の儀式を行います。

その儀式を 納骨式または埋葬式 と言います。
以前は、納骨は仏式の場合四十九日の忌明け後に行われれるのが一般的でした。

しかし、最近では葬儀当日に初七日と四十九日の法要を済ませ、すぐに実施する家庭も増えてきました。
これは、 お墓の近くに親類縁者が住んでいないことが多く、四十九日や納骨の日に再度集まるのが難しいケースが増えてきている からです。

また、以前まで納骨先は先祖代々のお墓がほとんどでしたが、近年では納骨堂や永代供養墓を選ぶ人も多くなっています。
このように、 納骨のタイミング納める場所は時代の流れとともに変化 してきています。

【ご住職監修】納骨の時期
カレンダー
納骨の時期は、仏式では忌明け以降が一般的だと冒頭で述べましたが、 厳密な決まりはありません。
ただし、多くの人が選んでいるタイミングは以下のとおりです。

四十九日法要
百か日
一周忌
厳密に定められてはいない
タイミングは、厳密に決まっていません。
先祖代々のお墓を継承することが多かった時代には、遅くとも三周忌までといわれていました。

ですが、 最近では年忌などにこだわらず、気持ちが落ち着くまで手元に遺骨を置き、その後納める人が増えてきています。
また、お墓を持たない人も多くなっており、家族が生きている間は手元供養、その後は永代供養墓といったケースもあります。

このように、 納骨のタイミングは定められておらず、いつ行っても問題ありません。

釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)
釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)
浄土真宗においては49日や一周忌など、特に決まりはありません。

一方で、お骨が礼拝対象になったり、お骨に執着の思いが強いあまり、気持ちが落ち着かないということが生じるなら、遺族や周りのすすめによって、一定の期間に納骨堂や墓地に納めるということを勧めています。

四十九日法要
決まりはありませんが、仏式で一番多いタイミングは 四十九日法要時 です。
四十九日法要は、一周忌までのなかで最も重要だと位置づけらているため、この時期を選ぶ人が多いです。

百か日
四十九日の後に行われる 百か日に納骨をする人もいます。
百か日は四十九日に比べ規模が小さいため、落ち着いて納骨ができるとの考えで選ばれています。

一周忌
一周忌で納骨をするケースもあります。
新しくお墓を建てた場合、四十九日や百か日に完成していないこともあります。

このような場合に、一周忌に納骨をするのです。
それまで遺骨は自宅や寺院の納骨堂で安置します。

納骨の時期に関して詳しくはこちらを参考にして下さい。

【ご住職監修】納骨の時期はいつまで?四十九日、百か日、一周忌?宗派ごとにも解説
第三人生編集部

納骨の手順
納骨をすると決めた場合の手順を見ていきましょう。
大まかな流れは以下のとおりです。

遺骨の埋葬許可証の発行
納骨の日程調整
お布施の準備
開眼、納骨法要
それぞれについて詳しく見ていきましょう。

遺骨の埋葬許可証の発行
納骨をするには、埋葬許可証が必要です。
こちらは、火葬をする際に必要な死体火葬許可証に記入・押印したものです。

一般的には火葬場の担当者によって作成され、火葬後に喪主に渡されます。
埋葬許可証とあわせて墓地の使用許可証と印鑑も必要 ですので、忘れないよう注意しましょう。

埋葬許可証に関しては、こちらも参考にしてください。

【行政書士監修】埋葬許可証とは?発行に必要な書類・手順は? 紛失した場合の再発行も解説
第三人生編集部

納骨の日程調整
納骨をするには、 石材店や宗教者の都合の良い日を聞き、調整 しなければなりません。
四十九日や一周忌の法要は、あらかじめいつ頃かわかっているため、早めに予定を合わせるようにしましょう。

お布施の準備
納骨に石材店や宗教者に同席してもらった場合、 謝礼やお布施が必要 となります。
詳しくは後述しますが、石材店と宗教者それぞれに謝礼が必要です。

納骨が終わり、速やかに渡せるように 謝礼やお布施は、早めに準備 するようにしましょう。

開眼、納骨法要
新しくお墓を購入したり改葬したりした場合は、納骨の際に開眼供養 が必要となります。
既存のお墓に納骨するだけなら、納骨のみでかまいません。

各ご家庭の事情に応じて、開眼及び納骨法要を行いましょう。
開眼供養に関しては、こちらも参考にしてください。

開眼供養・開眼法要とは?流れ・費用は?時期・服装・マナーも紹介
第三人生編集部

納骨・供養の方法
お墓
納骨するには

一般墓
納骨堂
共同墓
永代供養墓
樹木葬
などがあります。
それぞれ、どのような納骨方法なのかを見ていきましょう。

一般墓

一般墓には、 墓石の下にカロートと呼ばれる納骨室 があります。
カロートには、地域や墓地により、 底部が土のものとコンクリート・石材のものに分かれます。

土のものは、骨壺から遺骨を出して戒名が書かれた袋などに入れて納骨するのが一般的です。
コンクリート・石材のものは、骨壺のまま置くことが多いです。

袋より骨壺の方がかさばるため、 底部が土のカロートに比べ、コンクリートや石材のものは、納骨できる数が少なくなります。

納骨堂
納骨堂
寺院や民間が経営する 納骨堂 を利用することもできます。
納骨堂には、ロッカータイプや仏壇タイプなどさまざまなスタイルがあります。

納骨堂には屋根が付いており、歩道も整備されているため、 悪天候のお参りにも便利です。
多くの納骨堂では、数年から数十年間骨壺のまま供養されます。

いつまで骨壺のままなのかは、初期の契約により違ってきます。
そして、その年数が経過すると、 合祀・永代供養されることがほとんどです。

納骨堂に関して詳しくはこちらを参考にして下さい。

【専門家監修】納骨堂とは?費用・値段相場や永代供養などの特徴、選び方を解説
第三人生編集部

共同墓
最近では、血縁などに関係なく 他人同士が自分の意思で共同の墓に入るというスタイルも誕生 しました。
これは、共同墓を経営している組織の会員となることが条件です。

生前からの会員同士の交流を促す組織が多く、 お墓に入る前から一緒のお墓に入る人と仲良くなれます。
この点が、全く見ず知らずの人と合同供養される永代供養墓とは違う点です。

永代供養墓
永代供養墓
ご家族に代わってお寺が供養と管理をしてくれる、永代供養墓を利用することもできます。
永代供養墓は、他の方々と合同供養されることから「合同墓」「合祀墓」「合葬墓」などと呼ばれます。

後継者がお墓が遠方にある場合や、お墓参りをしてくれる人がいない方などが多く利用 されています。
永代供養に関しては、こちらも参考にしてください。

【専門家監修】永代供養墓とは?費用が安い?墓じまいからの永代供養墓への流れも解説
第三人生編集部

樹木葬
樹木葬
樹木を植えて供養をする樹木葬を利用される方もいます。
樹木葬は、遺骨を土にまき混ぜてから樹木を植えるケースや遺骨を埋めるケースもあります。

植える樹木は、故人が好きだった樹木を選ぶこともできます。
故人の魂は大地に還るという思想に共感できる方、生前に故人が好きな木を植えて供養したい人などが利用 されます。

樹木葬に関しては、こちらも参考にしてください。

樹木葬の平均費用・値段相場は?一般墓より格安で人気?タイプ・地域ごとの特徴なども解説
第三人生編集部

納骨の費用相場
金額
お墓に納骨しようと思うと、さまざまな費用がかかります。
主なものには

作業代
彫刻料
お布施、謝礼
会食費、引き物代
塔婆料
があります。
具体的にどのようなものか、こちらで解説します。

まず、各項目の 相場についてご紹介 します。

項目    相場    備考
作業代    1万円~3万円    
彫刻料    3万円~5万円    
お布施、謝礼    5万円~10万円    四十九日や霊祭の法要と納骨式を同時に行う場合
会食費    6万円〜12万円    親族20名の場合(1人あたり3千円〜6千円)
引き物代    3万円から5万円    親族10家族の場合(一軒あたり3千円から5千円)
塔婆料    3千円から5千円    施主にみ1本の場合
合計    約18万3千円〜35万5千円    
作業代
作業代とは、 石材店にお墓のカロートを開けてもらい、遺骨を入れてもらう費用 です。
石材店によって違いますが、 相場は1万円~3万円 です。

最近では、自分で開け閉めできるタイプも出てきていますが、こちらなら無料です。

彫刻料
彫刻料とは、 墓石に故人の戒名・俗名・没年・享年を掘り込む費用 のことです。
もしくは、これらの文字を墓石の横に建てる 墓誌 に刻むこともあります。

費用相場ですが、3万円~5万円 です。

お布施、謝礼
石材店に支払う謝礼は、上記の作業代のことです。
謝礼の表書きは「志」 となります。

ほかには、僧侶や宗教者に対するお布施や謝礼が必要です。
四十九日や霊祭の 法要と納骨式を同時に行うのであれば、相場は5万円~10万円 です。

納骨式や埋葬式のみなら、費用相場は3万円~5万円 となります。
仏式であれば表書きは「お布施」、神道は「御祭祀料」、キリスト教は「御礼」となります。

そして、石材店や宗教者への謝礼に用いるのは白封筒です。

会食費、引き物代
法要のあとに会食などを予定するなら、その場所代が必要です。
飲食店であれば、料理の費用に場所代 が含まれています。

もし、自宅で会食を営むようなら、場所代は不要ですが、 仕出し弁当などの費用 が必要です。
どのような形式であっても、 参列者一人あたり3千円~6千円が料理の相場 です。

さらに、これに加えて飲料代と引き物料を用意しなければなりません。
引き物は、参列者一人あたり三千円から五千円が相場です。

塔婆料
浄土真宗以外の仏式では、 卒塔婆を建て故人を供養 することがあります。
卒塔婆は参列する人の中から希望者を募り、建てます。

その費用相場ですが、 一人あたり三千円~五千円 です。
事前に僧侶に供養する人の人数・氏名を伝え用意してもらいましょう。

納骨の服装
喪服
納骨の際の服装は、 遺族は喪服 です。
一般の参列者は、 ブラックフォーマル でも構いません。

具体的にこれらの服装について

男性
女性
子供
に分けて見ていきます。

男性
男性 平服
男性の喪服は、ダブルまたはシングルのブラックスーツ です。
ワイシャツは白無地で、ネクタイは黒を用意しましょう。

靴下も黒、靴はシンプルなデザインのものが望ましいです。
一般参列者の男性のブラックフォーマルは、 ダークカラーのスーツ です。

できるだけ 漆黒に近いもの を選ぶと良いでしょう。
それ以外のワイシャツや靴の選び方は、男性の喪服と同様です。

女性
女性 平服
女性の喪服は 黒無地のワンピースやスーツ です。
スカート丈は正座した時に 膝が隠れる長さのもの を選ぶと良いでしょう。

ストッキングや靴、バッグも 光沢のない黒色 です。
ブラックフォーマルも、黒無地のワンピースやスーツです。

中には慶弔両用のブラックフォーマルもあります。
そのようなタイプなら、できるだけ装飾は外しましょう。

子供
男の子の場合
喪服 子供
女の子の場合
女の子 喪服
小さい子供なら遺族も一般の参列者も、 ボトムは黒やグレー、ネイビーの地味なもの、トップスは白や黒 などの色を選びます。
靴下は白や黒、靴はシンプルなものです。

制服があるなら、そちらを着用します。
大学生なら、大人の服装と同様です。

納骨式の服装に関しては、こちらも参考にしてください。

【図解】納骨式の服装を男性・女性・子供、時期別に解説!平服指定時は?
第三人生編集部

宗教ごとの納骨の仕方
方法
宗教により納骨の方法や時期が違います。
こちらで

仏式
神道 
キリスト教 
無宗教 
の場合について見ていきましょう。

仏式
仏式では、先にご紹介したとおり 初七日から四十九日にかけて納骨 をするケースが多いです。
もちろん、決まりはありませんので、好きなタイミングに納骨しても問題ありません。

初七日や四十九日にするなら、 法要を終えて、墓前で僧侶とともに納骨式 をした後に納骨します。

神道
神道では、 十日から五十日祭の十日ごとの霊祭 で納骨することが一般的です。
また、 火葬や骨揚げに続いてすぐに納骨する ケースもあります。

お墓がない場合は五十日祭や一年祭を目処に納骨する人が多いです。
神道の納骨式では、 神官によるお祓い・祭詞奏上・玉串奉奠 が行われます。

キリスト教
キリスト教では、 葬儀の日 に納骨が行われることがあります。
もしくは、 カトリックでは七日目の追悼ミサの翌日か、一か月後、プロテスタントでは一か月後の昇天記念日 に納骨される人も多いです。

キリスト教では、納骨式ではなく埋葬式と呼ばれます。
埋葬式では 神父の祈祷や出席者による賛美歌、お祈り が行われます。

無宗教
無宗教では、いつ納骨するかはご遺族や故人の希望により全く異なります。
各宗教の節目にのっとり、初七日や昇天記念日にする人もいれば、故人の誕生日や記念日に納骨する人もいます。

無宗教のため、宗教者同席のもと納骨する人はあまりいません。
ただし、 お墓を開ける場合は石材店、納骨堂を利用する場合は先方に事前に連絡が必要 です。

納骨式の流れ
流れ
納骨式とは、仏式や神式で宗教者を招いて納骨の際に行う式 です。
キリスト教では埋葬式と呼ばれます。

親族であっても、遠方の親族や高齢の人は参列しないことがあります。
また、 四十九日の法要の際に行う場合であっても、すべての参列者が納骨式に参加しないこともあります。

一部の人が法事の会場で待機し、宗教者と一部の人が墓前に向かい納骨式をするのです。
納骨式は基本的に墓前で行われますが、寺院墓地などであれば、途中から屋内に移動して行われることもあります。

このように、 納骨式の進行は依頼先などによってさまざま です。
仏式の納骨式の大まかな流れは

喪主、施主の挨拶
納骨
読経
焼香
会食
となります。
それぞれを詳しく解説します。

喪主、施主の挨拶
納骨式は喪主や施主の挨拶から始まります。
納骨式の挨拶は、墓前にで立ったまま行われることもあるため、 手短な挨拶をしましょう。

次は挨拶の一例です。

本日は○○の納骨式にお集まりいただきありがとうございます。
また、葬儀や法要の際には皆様に大変お世話になりました。

故人に代わりまして厚くお礼申し上げます。
当家のことで、皆様にお世話になりますが、今後ともよろしくお願いいたします。

なお、終了後には粗餐を用意しておりますので、故人の思いで話を聞かせていただければと思います。
(石材店や僧侶の方を向き)それでは、よろしくお願いいたします。
納骨
お墓の 納骨室を開け、遺骨を安置 します。
その後、 卒塔婆を建てお供え物を墓前に配置 します。

お供え物は、お花や故人の好きだった食べ物や飲み物などです。

読経
僧侶による 納骨経の読経 が始まります。
墓前で行われることもありますが、室内のこともあります。

同唱十念などがあれば、数珠を手にかけ一緒にお経を唱え、供養しましょう。

焼香
焼香
遺族や参列者による 焼香が行われます。
順番は施主、故人に近い親族、遠縁です。

タイミングについては、僧侶からの指示 があるため、待つようにします。
立ち去るときは、必ず火の始末やお供え物の持ち帰りをするようにしましょう。

焼香に関しては、こちらも参考にしてください。

焼香の正しいやり方とは?意味や回数、宗派ごとの作法も解説
第三人生編集部

会食
場所を移動し、会食を始めます。
僧侶にも基本的に参加してもらいますが、辞退されるようなら、お膳代 を包みます。

お膳代は五千円が目安です。
会食の始まりの際にも、改めて納骨式が終わったお礼を述べます。

本日は○○の納骨式にお運びいただきありがとうございました。
おかげさまで滞りなく納骨式を終わらせることができました。

故人も一安心のことと存じます。
ささやかではございますが、お食事を用意いたしましたので、お疲れを存分に癒していただきたく思います。

本日は誠にありがとうございました。
納骨は段取りよくしよう
納骨とは何かや納骨方法、納骨式の流れについて解説してきました。
納骨式は誰を招くのかや宗教の有無をはっきりさせれば、準備は難しくはありません。

落ち着いて段取りよくすれば、大丈夫です。 
法要と重なることが多いため、 慌ただしい時期ですが、落ち着いてしっかりと準備をしましょう。

※ご住職様には数あるお寺のご住職の一人としてコメントをいただいております。
同一の宗教・宗派でもご住職によって多少の相違があることがあります。
この記事の監修者
釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)
1977年、北海道生まれ。浄土真宗本願寺派一乗寺所属 寺院活動のかたわら認定こども園、学童クラブを運営。 東日本大震災では民間のボランティアセンターを開設、 現在も原発事故被害者支援などを続ける。

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