お盆のお布施の金額相場は?封筒の選び方・書き方・渡し方も解説
お盆ではお墓参りや精霊棚を飾ったりなどしますが、僧侶の方を自宅に招き上げて読経をお願いすることがあります。
お盆のお布施はその際に僧侶の方に手渡します。
ここではお盆のお布施について、封筒の選び方から書き方、実際に僧侶の方へ渡す際に注意すべきことなどを解説していきます。
お盆とは?
お盆とはあの世にいった魂が一年に一度現世へと戻る時期のことをさします。
先祖や故人の方の霊がお盆には帰ってくるとされ、各地で法要や供養が盛大に行われます。
またお盆では棚教が行われます。
棚教とは菩提寺の僧侶の方が檀家の家に読経をすることをさします。
棚教をして頂いたら、お礼をいって僧侶の方にお布施を渡します。
お盆について広く知りたい方は以下の記事をご覧ください。
お盆の時期
お盆の時期は旧盆と新盆のどちらかに基づいているかで時期が一ヶ月程異なります。
旧盆・新盆のお盆の時期に加え具体的な地域についても以下に示しますが、 市町村単位で異なる場合もあるので注意してください。
お盆 |
時期 |
地域 |
旧盆 |
7月13日~15日付近 |
東京・函館・金沢 |
新盆 |
8月13日~15日付近 |
ほぼ全国 |
お盆のお布施の金額相場
葬儀などで僧侶の方に支払うお布施の具体的な金額が明確にさだまっていないのと同様、お盆のお布施での金額も定まっていません。
お布施は僧侶の方が御経を上げてくださったことに対する料金ではなく、あくまで仏様に捧げるものです。
そのため、お札を何枚お布施として包むべきかを、菩提寺の僧侶の方にお聞きしても、返答をにごされることが多いです。
一般的な金額
一般的なお盆のお布施の金額は 最低でも5,000円、多くて20,000円程度 です。
金額が高い際は水引や包む奉書紙が高級な不祝儀袋を選びますが、お盆のお布施に関してはあまり高くないので、金額に合わせた選び方は気にしなくても構いません
お盆のお布施の封筒の選び方
お盆のお布施は仏様に供えるものです。
香典のように相手方の不幸のために渡すものではありません。
そのため、お盆のお布施には 郵便番号等が印刷されていない白の封筒を使います。
お盆のお布施の封筒の水引について
基本としてお布施の封筒には水引をかけません。
お布施を準備する際は水引の印刷のない白無地の封筒で十分ですが、地域によっては水引をかける場合があります。
その際の水引の色は 双銀・黒白・黄白 です。
黄白の水引がある封筒は主に関西地方で用いられています。
ですが、水引をかけた封筒を渡すということは、僧侶の方に不幸があったことを意味するために失礼だという考えも存在します。
封筒を選ぶ前に一度、菩提寺や地域の方に相談しておきましょう。
お盆のお布施の封筒の書き方
お布施の文字は薄墨でなく 黒墨 で書きます。
お盆のお布施は原則、自宅で読経をしてくださった侶の方に渡します。葬儀のように突然起こるようなことではなく、予め日程などは前もって知られています。
そのため、弔事の際に、「涙で墨が薄まってしまった」「悲しみにくれて墨をする時間がなかった」という意味で使われる薄墨は用いません。
文字は 毛筆や筆ペン を用いて書きましょう。
- お盆のお布施の封筒の表面の記載事項
- お盆のお布施の封筒の裏面の記載事項
- お盆のお布施の金額の書き方
- 中袋付きの封筒でお盆のお布施を渡す
お盆のお布施の封筒の表面の記載事項
封筒の用途を示すのが表書きです。
今回はお布施なので 「お布施」、「御布施」 と記します。
表書きの下、水引より下側の余白部分には名前を記載します。
施主の氏名、「○○家」 と記します。
表面の文字全体の調和をとるためにも、表書きよりも文字の大きさは少々小さくしてください。
お盆のお布施の封筒の裏面の記載事項
お盆のお布施の裏面には原則 住所・金額 を記載します。
少しの手間をかけて住所等の情報を記載することは、僧侶の方がどなたのお布施か把握することに役立ちます。
できるだけ書くようにしましょう。
中袋付きの封筒の場合、 住所・金額は中袋に記載します。
お布施のお札を入れる封筒の中袋有無で記載事項の位置が変わるので注意してください。
一般的なお布施の書き方については以下の記事で紹介しています。
お盆のお布施の金額の書き方
お盆のお布施の文字は原則 縦書き です。
そのため金額も普段使うアラビア数字ではなく、漢字で表記しますが、お布施の金額を示す文字は大字と呼ばれる旧字体を用います。
漢字 |
大字 |
一 |
壱 |
二 |
弐 |
三 |
参 |
五 |
伍 |
六 |
陸 |
七 |
漆 |
八 |
捌 |
千 |
仟 |
万 |
萬 |
円 |
圓 |
上の表に、四と九が記載ないのは、これらの数字が縁起の悪いものとして敬遠されているためです。
お布施の金額が四や九の数字を含む金額になるのは避けるようにしてください。
実際に表記する際には 「金壱萬圓」 と、初めに「金」を表記した上で元の料金の金額を大字で書き表しましょう。
中袋付きの封筒でお盆のお布施を渡す
水引がついている不祝儀袋等でお布施を渡す際に、中袋が付いていることがあります。
その際は
- 中袋の表面中央に金額
- 中袋の裏面の左半分に住所と氏名
を縦書きで記載してください。
中袋が無い封筒でお盆のお布施を渡すときは、 裏面の左半分の下側に住所と金額は縦書きで書くようにしましょう。
お盆のお布施の封筒の渡し方
お布施は封筒のまま直接渡すことはしません。
正式には切手盆に載せて渡します。
- 切手盆にのせてお布施を渡す
- 袱紗(ふくさ)の上に載せてお布施を渡す
切手盆にのせてお布施を渡す
切手盆とは以下のような四角く小さなお盆です。
なければ小さめの派手な柄等がないお盆や袱紗(ふくさ)でも構いません。
値段も安く、身内に何かあった際にはよく用いますので購入を検討してみてはいかがでしょうか。
袱紗(ふくさ)の上に載せてお布施を渡す
袱紗とは縮緬や絹で作られた布の袋のことです。
香典やお布施を持ち歩く際に主に使用しますが、お布施を渡す際にも用いられます。
落ち着いた色のものを選ぶようにしてください。
下のような紫の布地のだと、慶事弔事双方に使えて便利です。
ふくさの包み方については以下をご覧ください。
その他お布施を渡す際の注意事項
棚教では、僧侶の方は数多くの家々を回ります。
僧侶の方が読経をしやすいよう、予め読経に必要な仏具をだしておきましょう。
次の家へと回る必要があるため、通常のお盆では会食などの特別なもてなしは必要ありません。
ただし、暑い中わざわざいらしてくださった僧侶の方の労いも込めて、お茶や小さなお菓子などは出しておきましょう。
お盆のお布施以外で僧侶の方へ渡すお金
お布施以外でお盆の時期に僧侶の方に渡す金銭としては
の二つがあります。
なお、 お車代や御膳料を渡す際はお布施とは別途の袋に包んでわたす ようにしてください。
また、別途封筒を用意した時は、 向きを揃えお布施が一番上になるように重ねてください。
これら二つに関しては以降の項目で説明します。
お車代
自宅までわざわざいらしてくださった僧侶の方に渡すのがお車代です。
白の無地の封筒に「お車代」と表書きを記してください。
タクシーを施主側が手配した時は、到着した際に運転手に払うようにしてください。
その場合は、お車代は渡さなくても構いません。
御膳料
お盆の法要では僧侶の方は数多くの家で読経する必要があるため時間の関係性上、法要後に会食を行うことはありません。
また、お盆の時期で多忙のため、僧侶の方が会食を断る場合もあります。
その際に払うのが御膳料です。
お盆の法要で払う必要がない、という地域もあるので、適宜周囲の人々に相談しながら準備してください。
新盆(初盆)のお布施
故人の方の命日から49日後に初めて訪れるお盆が初盆・新盆です。
この時に行われる法要が初盆法要です。
この際、あの世から故人の方は初めてこの世へと戻ってくることになるので、近所の方や故人の方と関係の深かった人々を招いて、初盆法要を盛大に行います。
新盆(初盆)の金額の相場
初盆法要で僧侶の方に渡す金銭は主に以下の三つです。
初盆と普段のお盆で金銭面において違う点としては、大規模に法要を行うため、お布施の相場は 3万円~5万円程度 と通常のお盆よりも高くなります。
また、法要後の会食も参列した人々を含める大人数のものとなるので、それ相応の用意をする必要があります。
ただし、初盆法要だからといっても、僧侶の方が会食を辞退した場合は無理に引き留めるようなことはせず、見合う値段の御膳料を払うようにしてください。
繰り返しになりますが、地域によりお布施などの金額は変動します。
予め周囲の方々に確認をとってから初盆で渡すお金は用意するようにしましょう。
お盆のお布施の規則について
お盆は故人や先祖の方々の霊がこの世へと戻り、家族の方と同じ時を過ごせる一年で唯一の機会です。
お墓参りや送り火・迎え火、飾りつけなどすることも多く、様々なことに追われて時間がなくなりがちです、しかし読経は先祖の方々や故人の方にとっても重要なものとなります。
お布施は本来仏様に捧げるためにお札を包みますが、渡す相手は僧侶の方です。
きちんとお布施に関する注意事項を知り、僧侶の方に対してどうか失礼とならないようにしましょう。
僧侶の方は暑い中わざわざ自宅へいらっしゃってくださいます。
きちんと感謝の思いを込めてお布施は渡すようにしましょう。