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葬儀

2024.04.30

檀家制度とは?メリット・デメリット、問題点や檀家離れも解説

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最近では檀家離れが進み、霊園を使用する人がふえています。
皆さんは檀家制度について知っていますか?

では、檀家制度とは一体どのような制度なのでしょうか。
またどような成り立ちで、どのような歴史があるのでしょうか。
ここでは檀家制度のメリット、デメリット、檀家離れの問題について詳しく解説していきます。

檀家制度とは?
檀家制度とは檀家といって特定のお寺(菩提寺)に所属し、葬式や供養といった仏事すべてを執り行っていただく代わりに、お布施や寄付の形でお金を支払いそのお寺を支援する関係性を指します。
そのためお寺はお坊さんではなく檀家に所属するというのが形式的には正確です。

近年は突然の不幸があった場合に檀家に所属しているか分からない方も多いようです。
自分の家が檀家にであるか簡単に見分ける方法は、お墓がお寺にあるか霊園にあるかを確認することです。

もし、お寺にある場合は檀家である場合が多いです。
お寺には檀家の名簿があるので、問い合わせをすると確実です。

檀家であることを知らないまま他のお寺にお葬式や法事・法要を頼んでしまうと、後々トラブルに可能性もありますので、確認しましょう。

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檀家制度の歴史
お墓
檀家制度は宗教的な関係から生まれた制度ではなく、江戸時代に幕府がキリスト教の広がりを恐れ、2代目将軍徳川秀忠以降から発足されたキリスト教、不受布施派(ふじゅふせは)を弾圧するための制度です。

そのため、江戸時代は誰しもどこかのお寺の檀家になることを義務化されていました。

檀家制度
また、檀家制度の基礎となっているものは「寺請制度」です。
寺請制度は、自身がキリスト教でないことをお寺のお坊さんに保証してもらい、その証文を幕府に提出する制度です。

この証分を「寺請証文」といい、後に結婚や養子縁組、出生、死亡の戸籍の保証文になり、その度にお寺の押し印をすることが檀家の義務でした。
今でいう役所の役割を果たしていたお寺は、人々を檀家としお寺を営んでいました。

お盆やお彼岸などの際のお墓参り、お葬式、法事・法要などの寄付の義務付けがこの檀家制度のはじまりといわれています。


檀家制度のメリット
メリット
では、檀家制度にはどのような利点があるのでしょうか。
以下、4つのメリットを詳しく説明します。

供養が手厚い
仏事に関する相談ができる
法事・法要の依頼が優先的にできる
葬儀・お墓の心配がない
檀家制度のメリット①供養が手厚い
供養が手厚いことによるメリットとは何かを説明していきます。

まず供養とは、具体的にはお墓の掃除やお経を読むことで故人に対して冥福を祈るすべてのことをいいます。

故人の方は生まれ育った場所のお墓を持つ方がだいたいですが、遺族の方の中には頻繁にお墓参りへ行けない方もいます。
檀家制度の場合、葬儀からの執り行いをお坊さんに任せられます。

また死者を供養する専門家がいるため、大切な家族の死後も安心できます。

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檀家制度のメリット②法事に関する相談ができる
檀家であることの1番のメリットは法事に関して相談できるという面だと思います。
これは非常に重要なことです。

はじめて葬儀を行う場合には故人のことを考えてる時間がないほど様々な要件で追われてしまいます。
そういったときに相談ができる相手がいるということは精神的にも大きな支えになってくれるでしょう。

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檀家制度のメリット③法事・法要の依頼が優先的にできる
法事や法要は時期が重なるとお寺への依頼をすることが困難になります。

しかし、檀家である場合はお盆や年末年始のお寺の忙しい時期でも優先的に法事の依頼を受けてくれます。

法要の際には、お経を読んでくださることはもちろん、会食などもお寺を使って行う事ができます。
また、年回忌の時にはお寺から事前に「そろそろ○回忌です」と連絡をもらえます。

そういった面でも大切な故人への供養をしていただけることは家族にとっても安心できるでしょう。

なお、年回忌法要については以下の記事で取り上げています。

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檀家制度メリット④突然の葬儀・お墓の心配がない
いつ身内に不幸が起こるかはわかりません。
その際には葬儀をしなくてはいけない、お墓を探さなければいけない、等と大変ですよね。

遺族の中には実家から遠いところに住んでいてあまり時間がとれない方もいます。
だからといって、大切な家族の葬儀を葬儀社から紹介された全く知らないお寺のお坊さんに任せるのは抵抗があると思います。

しかし、檀家に入っていれば、菩提寺(ぼだいじ)があるので新しくお墓を探す必要も、建てる必要も心配ありません。
また、葬儀に関する一切を任せられることも檀家制度の大きなメリットです。

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檀家制度のデメリット
デメリット
次に檀家制度のデメリットについて解説していきます。
以下の5つについて詳しく説明していきます。

入檀の際にかかる出費が多い
他のお寺への葬儀依頼が不可
お寺のルールに従わなければならない
離檀の際にも離檀料がかかる
先祖代々、関係性を続けなければならない
檀家制度のデメリット①入檀の際にかかる出費が多い
やはり、檀家制度の大きなデメリットは費用です。
入檀する際にも相当な額を支払わなければなりません。

お布施代は決まった金額が提示されておらず、上限もありません。

檀家制度ではこの経済的な面での負担がかなり大きいです。

檀家制度のデメリット②他のお寺への葬儀依頼が不可
檀家に入るということは檀家と菩提寺の関係が対等という状態が通常であるため、断わりなく他のお寺とのつきあいができません。

葬儀や法要を行う場合には菩提寺に依頼することが暗黙の了解になっているので、葬儀や法事に関する相談ができる一方で、葬儀は菩提寺にしか頼めないという制約もあります。

檀家制度のデメリット③お寺のルールに従わなければならない
お寺のルールの例として、戒名(かいみょう)に関して説明します。
戒名とは仏教において故人が死後の世界で迷わないためにつける名前です。

檀家に入った場合、その戒名をつける際にもお坊さんに戒名料を支払のがルールです。
また、お坊さんとの関係上戒名の変更は難しくなります。

戒名については以下の記事をご覧ください。

戒名とは?宗派別の付け方やランク別の値段を解説!生前戒名も
第三人生編集部

檀家制度のデメリット④離檀の際にも離檀料がかかる
檀家をぬけることを離檀と言います。
離檀するということはお墓を移転、撤去することを意味します。

その際にも離檀料がかかります。

基本的には離檀料はお寺から請求することでの法律上の義務はありません。

しかし、お世話になったお寺への感謝の気持ちとして、一般的には法要1~3回分にあたる額とされています。
そのため 最低で1~3万円程度、最高で20万円程度 とされています。

また、最近では檀家の減少に悩むお寺も増えているため、お寺側から離檀料を請求することもあります。
もし、請求されることがあった場合には行政書士など専門家に相談することも必要です。

離檀料については以下の記事で詳しく取り上げています。

離檀料は義務?相場は?高額請求等のトラブルの対処法も解説
第三人生編集部

檀家制度のデメリット⑤先祖代々、関係性を続けなければならない
お墓がある限りお寺との関係は続けくので、一度檀家になると先祖代々檀家であり続けなければなりません。

親の代は熱心な仏教徒であったが、こどもの代はそれほど熱心ではなく、あまり仏教行事に費用をかけたくないという家もあると思います。

その場合にも檀家になっている以上離檀する以外は関係を続けていかなければならず、お布施など金銭的に支えていかなければなりません。


檀家制度の入檀と離檀の流れ
手順・流れ
入檀の流れ
入檀するには基本的にはそのお寺でお墓を持つことが必要です。

入檀手続きは、入檀料や志納金を納め、契約書にサインする

入檀したい旨を寺院に伝える
入檀料や志納金を納める
墓地と檀家の契約書にサイン
開眼法要
もともとその寺院にお墓がある方は新たにお墓を建てる必要はありません。
そのため開眼法要を行う必要もありません。

離檀の流れ
檀家でなくなることを離檀と言います。
離檀するには遺骨やお墓を他へ移すことが必要になります。

また、その際に発行する必要書類でトラブルが起こりがちなので気を付けましょう。

主な離檀の流れは以下の通りです。

事前に寺院に離檀を申し出る
離檀後の遺骨の管理場所を決める
埋蔵証明書や収蔵証明書等を発行
離檀料を納める
お墓を移すまたは撤去する
注意すべき墓じまいのトラブルを紹介!事例を元に対処法も解説!
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檀家制度の問題点と檀家離れの影響

檀家制度の問題点は

多額の檀家料
不確かな金相場
やはり檀家制度の問題点は、多額の檀家料と不確かな金額相場です。
入檀する為に多額のお金を支払わなければならないというのは大きなハードルになります。

檀家制度、檀家離れの影響
檀家離れによる悪影響もあります。
それはお寺という歴史的な文化財の維持が難しくなることです。

全国にあるお寺の中には歴史的な建物も多くあります。
檀家離れはお寺の経営を崩壊を意味します。

2040年には4割のお寺が失くなってしまうと予想されています。


檀家制度で必要な費用
お金
檀家とはお寺を経済的な面で支援することとされているため、様々な場面での費用がかかります。
お寺によって違いはありますが、今回は一般的に発生する費用を説明していきます。

入檀料
檀家になる為に必要な初期費用を入檀料といいます。
相場は 10万~30万円程 です。

永久使用料
お墓を建てる場所の土地を永代にわたって使う権利を取得するために支払う費用を永久使用料といいます。
相場は 60万~80万円程 となっています。

しかし、この金額は全国の平均です。
永久使用料の値段は お墓の広さや立地によって大きく変わる ため事前に相場を確認しましょう。

永代使用料の相場!返還は可能?永代供養料との違いやその他の費用も
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注意
お墓の土地は買うのではなく 借りる 場所なので永久使用料に対する消費税、贈与税はかかりません。
また、権利の貸し借りもできません。

なお、永久使用料は1度支払った場合お墓を使用していなくても返還されないことが多いです。

墓石代
お墓を建てる場所に設置するすべての石材にかかる費用を墓石代といいます。
費用の内訳は

棹石
カロート
外柵
墓誌
卒塔婆立て
などです。

墓石代と工事代を合わせると相場は 100万~200万円程 とされています。
なお、墓石代と工事代は、石材の種類、墓石のデザインや彫刻などによって値段が大きく変わります。

墓石の価格を地域・大きさ・石の種類・デザインで比較!注意点も
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管理費
お墓の維持・管理する費用を管理費といいます。
ここでの管理費はひとりひとりのお墓の管理をする費用でなく、お墓全体(清掃、備品、修繕など)にかかる費用をさしています。

相場は 年間で数千円~2万円程 とされています。

お墓の管理費の相場・払い方は?滞納したら?管理費がない供養方法も
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注意
檀家になった際にはお寺を維持・管理していくために維持管理費を支払わなけらばなりません。
お墓の管理料は、この維持会費に含まれていない場合もあるため事前の確認をしておきしましょう。

開眼法要のお布施代
新しくお墓を建てた際、仏式では 開眼法要 といって新たな墓石に故人の魂を入れる儀式を行います。
開眼法要を行って、やっと「お墓」になります。

そのため納骨は開眼法要後に行われます。
開眼法要の際の お布施代 は相場が 3万~5万円程 とされています。

開眼法要のほかにもお車代・御膳料など各1万円程を渡します。

開眼供養・開眼法要については以下の記事で詳しく取り上げています。

開眼供養・開眼法要とは?流れ・費用は?時期・服装・マナーも紹介
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戒名料
戒名には位がありるため、つけた戒名によって変わっていきます。
戒名料の相場は以下になります。

信士・信女    30万~50万円程度
居士・大姉    50万~70万円程度
院信士・院信女    70万~100万円程度
居士・大姉    100万円以上
なお、 宗派によっても戒名料の値段が変わります。

戒名の付け方については以下の記事を参照してください。

戒名・法名・法号の付け方を宗派別に解説!自分でつけることは可能?
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戒名のランクと金額については以下の記事で詳しく取り上げています。

戒名のランクごとの金額!戒名の付け方や注意点、変更はできる?
第三人生編集部

入檀後にかかる費用
入檀後にかかる費用を簡単に説明していきます。
まずは年会費です。

相場は年間5千円~2万円程とされています。
次に行事や法要のお布施代です。

お布施代は特に決まっていないのですが相場は以下になっています。

お通夜・お葬式・告別式    20万~50万円程
回忌法要    3万~5万円程
納骨式    3万~5万円程
初盆    3万~5万円程
個別のお彼岸法要    3万~5万円程
寺院行事    5千円~1万円程

檀家制度に入るのがおすすめな人
檀家
上でも説明したように檀家制度にはたくさんのメリットがあります。
どのような人が入檀するとより良いのかを説明していきます。

檀家制度は以下のような特徴に1つでも該当するにおすすめです。

法事法要をしっかりと行いたい人
地域に根強く関りたい人
手厚い供養を希望する人
無縁になることを避けたい人
檀家制度を利用することで故人または自身の希望通りの法要を行うことも可能です。

また、菩提寺の方と人間関係を気づくことも大切です。
檀家になると菩提寺の方と関わる機会がとても多くなります。

そのため自身の法要に対する理解も深めることができます。


【コラム】檀家と信徒の違い
はてな ?
お寺を成り立たせているのは、お坊さんと檀信徒(だんしんと)です。
檀信徒とは、檀家と信徒をまとめた言い方です。

では、檀家と信徒ではどこが違うのでしょうか?

信徒とは
信徒とは浄土宗の教えを信じ、そのお寺に所属している人のことを言い、檀家とはそのなかでも継続的にそのお寺で仏事を行うものをさし
ます。

檀家とは初めに記述した通り一般的にそのお寺にお墓を持っている家のことさし、信徒とはお寺にお墓はおいてないがお葬式や法事・法要を任せる人のことをいいます。


檀家制度は良いのか?
今回檀家制度について書いていきましたが長所・短所どちらもあるため迷う方も少なくないのでしょうか。

仏教に対してあまり信仰がない方は、檀家制度はあまりお勧めしないですが、仏教への信仰が厚くお寺にお墓を建てたいという方にはいいでしょう。

最近はお墓を建てずに納骨堂を選ぶ方も増えています。
まずは、お墓を建てることが重要であるか否か考えましょう。

そして必要な際にはしっかりと調べてから檀家になるかを決めましょう。

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