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葬儀

2024.04.30

【行政書士監修】死体検案書とは?記載内容や請求方法!元号は令和に変更?

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死体検案書とはどのような書類かご存知でしょうか?
死体検案書は死を法的に証明する書類の一つであり、死亡届等様々な行政手続きで重要となる書類です。

特に死亡届は死後七日以内に提出をする必要があり、死体検案書の受理は必須事項と言えます。
この記事では死体検案書について、記載内容や請求方法について説明を行ってきます。

また、死亡診断書に関しても解説を行っていくので実際の受け取りまでの参考までにして下さい。

死体検案書とは
手続き
医師からの死亡判断でもって人の死は認められます。

その死に対して法的な証明を果たす書類が死体検案書です。

特に死因が特定できないための検案を行ったり、不審死や死後、警察で死体に対して検視が行われた際に書かれます。

Q. 死亡届と死体検案書の違いは何ですか?
井上 通夫
井上 通夫
「死亡届」の構成にポイントがあります。
「死亡届」の用紙には、左側に故人の遺族などが故人の氏名・住所・本籍などを書き込む箇所と、右側に医師が故人の死亡日時、死因などを書き込む箇所があります。
あらかじめ、医師から死亡届の右側の箇所が書かれた「死亡届」が遺族などに渡されます。
そのため、左側の必要箇所に記入をして、市区町村役場に、亡くなって7日以内に提出することになります。

「死亡届」の右側の箇所は、「死亡診断書(死体検案書)」という表題があります。
病院で死亡した場合は「死亡診断書」、自宅で死亡した場合には「死亡診断書」あるいは「死体検案書」、事故死・変死の場合は「死体検案書」という使い分けになります。
従って、ご質問の回答としては、遺族などが故人の氏名・住所等を記入するものが死亡届、医師が故人の死因などを記入するものが死体検案書ということになります。

提出の期限
カレンダー
死体検案書の提出は基本死亡届と同日とみなせます。

そのため、 死後7日間以内に区役所の方に提出を行って下さい。

7日間を越えての提出は罰金を受けるので必ず注意しましょう。

死後、その他の手続き等で忙しい際は、葬儀会社の方に委託するのも一つの方法です。

なお、海外での死亡確認となった際には 三か月以内の提出となります。

死体検案書の記載内容
チェックリスト
主な記載内容は以下の通りです。

故人の氏名や性別、生年月日
死亡日時、死亡場所
死亡原因
死因の追加事項
医師の署名・印鑑
以降で詳細な解説を行ってきます。

故人の氏名・性別、生年月日
医師の方で故人に関する基本情報は書かれます。

死亡日時・死亡場所
死亡日時や場所に関して正確な把握が不可能だった際は「不詳」と記載されます。

また、死亡日時に関しては検案を行った上での判断を行うので正確な時刻ではなく推定時刻である事もあります。
場所に関しては基本的に介護病院や病院や診療所が記載されますが、山や川、路上で死亡した際には「その他」と記載がされます。

死因の追加事項
追加事項としては以下の三つが主です。

事故死
殺害
自殺
上に述べたように死因が特に病死以外に当てはまる際は、死因に直結する理由となった出来事に関しての情報が書かれます。

具体的には事件の発生場所や発生時刻、自殺や殺人の手段、事件当時の周囲の状況が挙げられます。

死体検案書の請求方法
方法
以降で実際に死体検案書を受け取るまでの過程に関しての詳細な説明を行ってきます。

病院からの受け取り
行政解剖を受けた後に受け取り
死体検案書の実際の請求
請求可能な人間
複数枚コピーをとっておく
保険の請求を行う時
これらの項目についてそれぞれ説明します。

病院からの受け取り
病院での検案のみで死因が特定された際、死体検案書は検案した当日の翌日に受け取りが可能です。

行政解剖を受けた後に受け取り
基本、 死因が異常死でないと認められた際には、病院の医師の元での作成となります。

しかし、事件性がある時では死因が異常死とされ、医師は義務として警察の方に連絡を行います。

その際、病院の医師ではなく、警察の方に所属する監査医の元での検視が行われます。

検案では行わない解剖を、検視では行い、死因を明確にします。

その後、死体検案書が発行するため、 行政解剖後だと受け取りまでに40日程かかる事があります。

死体検案書の実際の請求
実際に請求を行うには、以下の二つの方法が挙げられます。

病院の窓口の方に受け取りを行う
郵送での受け取り
病院の窓口での受け取り
窓口での受け取りも可能ですが、郵送での受け取りも可能です。

郵送での受け取り
自治体や地域で多少変化はありますが、郵送で請求を行う際に死体検案書交付申請書を事前に書く必要があります。
交付申請書には予め以下の事項を記しておきます。

申請者と故人の続柄、
申請者の住所、連絡先番号、氏名
故人の氏名、死亡年月日
検案を行った年月日
必要枚数
解剖の有無
使用目的
請求可能な人間
人が亡くなった後には葬儀の手配だけでなく、死に伴う年金の停止や生命保険や医療費の請求を行わなければなりません。

この際にその方の死を証明するのが死体検案書です。

ゆえに、委任状を書かずに請求を行う方は、 故人の配偶者か故人を主軸と見た際に3親等以内の親族 に限られます。

以下の記事では親等の数え方について解説しています。

いとこは何親等?忌引き休暇に含まれる?親等の数え方や範囲も解説
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複数枚コピーをとっておく
死亡届の提出を行うためにも死体検案書は必須ですが、法的に死を認める効力を持つ書類が限られる点からも、その他にも必要な場面は多いです。

具体的な場面に関しては金銭関連事項の請求が挙げられます、主な内容は以下の通りです。

生命保険金
健康保険の埋葬料
遺族基礎年金
遺族厚生年金
特に生命保険金に関しては複製書類が不可のため、原本を取っておく事も重要です。
しかし、上に述べた事例以外にも必要な場面はあるので、 10枚以上はコピーで複製をとると後から再発行を行う手間が省けます。

受け取り次第、必ずコピーをとるようにして下さい。

生命保険金
請求は死亡日時から二年以内です。
加入した保険会社の方に請求を行って下さい。

ただ、死体検案書の原本が必要となる事が多いので注意して下さい。

健康保険の埋葬料
死亡日時から二年以内に、健康保険組合、又は社会保険事務所の方に請求を行います。

遺族基礎年金
自治体の役所の国民年金窓口の方に申請を行います。
死亡日時から5年以内に行って下さい。

遺族厚生年金
社会保険事務所の方に申請を行います。遺族基礎年金と同様、 死亡日時から5年以内に申請を行いましょう。

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保険の請求を行う時
なお、特に保険の請求に関して、保険会社の方から指定用紙の記入を要請される事があります。

しかし、病院側から死体検案書のみで保険請求ができる形式となっていると言われた際には記入の必要はありません。

記入をそれでも要請された際には、保険会社から病院の方に問い合わせを行うよう頼んで下さい。

死体検案書の発行相場
費用
実際にかかる費用は約2万円~8万円程です。
事件性が疑われるため、行政の方で解剖や検視を行ったりする際には 最高10万円程度かかる事があります。

また検案に伴い、遺体の移動を行う際に必要となる納体袋の実費も 1万円から3万円 ほどの請求が行われる可能性があります。

後に説明を行いますが、通常、検案を行わない形で手渡される死亡診断書よりも圧倒的に額が重なります。

発行に関する費用の請求は基本的に葬儀後、会社の方から一括で行われるので、 故人の方の死体に対して検案を行う事になった際は実際に見積もった葬儀の費用に加えて10万円程かかると予め考えて行いましょう。

死体検案書は医師からの発行
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死体検案書を発行可能な人間は検案を行える職業についている方に限られるため、 基本は医師の元での発行です。

基本は死亡判断を行った病院の方で記載が行われます。
なお、事件性があり医師から警察の方へ連絡が言った際は監察医が記載を行う事があります。

死体検案書と死亡診断書の違い
違い
生前に患者が医師の診療を受けており、亡くなった要因がその診療に関連した病気や怪我との関係性がある際に発行される書類が死亡診断書です。

検案書と同様同様に法的な死の効力を持ちます。
また、検案を行わずに発行が可能なため、一枚目及び、再発行にかかる費用が3000円~10000円程と安いのも死体検案書との違いの一つです。

共に法的な死亡の証明を行う書類ですが、主な違いは 検案の有無 です。

検案とは
遺体、及び死体に関して死亡の要因に関しての医学的な検証を行う事です。
行う事例を具体的に示すと以下の通りになります。

事前診療がなく死亡した
事前診療と死因の関連が見られない
死因の要因に異常死が疑われる
事故死や自殺、他殺
また、旅行などで病院の診察を受けずに遠方の土地で死亡した際でも、遺体の死因を記載する医師は生前診察を行っていないため、検案を行います。

死亡診断書とは?発行方法・料金・期限は?再発行に関しても解説
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死体検案書の元号を令和に訂正すべき?
訂正 元号
基本的には2019年5月1日以降で死亡確認となった際には、「令和」の元号のある書式の物で病院側が死体検案書の記載を行います。

そのため、病院の方での受け取りに関しては医師の方の方で確認するので問題ないでしょう。

元号に関して問題が生じる可能性があるのは、死体検案書よりも死亡届を出す場合です。
死亡届は遺族側の方で記載を行うので、元々の書類では不備が生じる可能性があります。

令和にあたる時間帯に関して、平成のままの記述がされてた場合は書類のうち、 「平成」の元号の部分を二重線で消した後に、新元号「令和」と記し、その上で訂正印を行う必要があります。

死体検案書の受け取りは
この記事では死体検案書に関して、実際の記載内容や請求の仕方に関しての説明を行ってきました。

概要は以下の通りになります。

死体検案書は法的に死を示す書類であり、手続きの際に必要
原則、死後七日以内に役所の方に提出を行う
死体に関して検案が行われた際に発行される
検案を行うため発行料は2万円~10万円程と高い
後の手続きの事も踏まえ原本は複数枚コピーをとっておく
元号が不適合の際には二重線を引いた後に正しい物を書き、修正印を押す
死体検案書は死亡届を出す上で必須の書類です。

その上、生命保険金や遺族厚生年金の請求等、行政的な面の金銭事項に纏わる際でも必要書類です。

複数の場面で必要となるので、必ず受け取り次第複数コピーをとるようにして下さい。
受け取りの際は、まだ死の事実を受け入れられず、後の葬儀の事も考えると心理的に落ち着かない状況であると考えられます。

この死体検案書以外にも事前に知識をもったり、葬儀の費用に関しても予め見積りを立てて置くと落ち着いて行動が可能です。

頼れる人間には頼りつつ、適切な行動を心がけるようにして下さい。
この記事の監修者
井上 通夫

熊本県南関町出身。福岡大学法学部法律学科卒。 2008年に福岡市内で行政書士事務所を開業。 現在、主に相続・遺言、民事法務(内容証明・契約書・離婚協議書等)、法人設立(社団・財団法人、株式会社)、外国人在留資格等を専門に担当。

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