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葬儀

2024.04.23

数珠の選び方を解説!本式・略式、性別など!無宗教の人は?

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現代の日本において、最も身近な仏具である数珠。

仏式の通夜や葬儀、法事など、故人を供養する際に欠かせないものとなっています。

しかし、数珠の種類や作りの違いについては知らない方が多いでしょう。

そこで今回は数珠の種類や選び方を解説します。

どのような数珠を使用するか迷われている方は、ぜひ参考にしてください。

数珠の選び方①本式か略式か
数珠
本式数珠
略式数珠
2種の数珠の特徴とともに、選び方をご紹介します。

本式数珠
本式数珠 は、仏教の宗派ごとに規定がある数珠です。
「正式数珠」という名称もあります。

選び方として 自分の家系が信仰している宗派が分かる場合は、本式数珠を選ぶのがおすすめ です。
特に日蓮宗では、信者は必ず本式数珠を使用する決まりがあるので選び方には気を付けましょう。

基本的に本式数珠は、1番大きな玉である母珠(もしゅ)が1玉、母珠と同系色で一回り小さい四天珠(よんてんしゅ)が4玉、主玉(しゅしゅ、おもだま)が108玉で作られています。
玉の数が多く長さがあるため、二重にして手にかけます。

108玉の主玉は人間の煩悩の数を表し、数珠が個人の煩悩を受け取り昇華してくれるとされています。
また僧侶が108回の念を唱える際、数珠の玉を使って正しい回数を確認していたため、108玉の数珠が定着したともいわれています。

素材や玉の形においては、各宗派で細かな違いがあり、選び方に注意が必要です。

略式数珠
略式数珠は、日蓮宗以外であれば宗派に関係なく使える数珠です。
一重構造で、玉数も108より少ないためコンパクトな作りです。

略式数珠は、お釈迦様が自ら所有している1本の数珠を、弟子に分配したことが由来だとされています。
そのため、本式数珠の玉数の108をもとにして、半分の54玉、1/3の36玉など108玉を割った玉数で作られているものが昔は多くありました。

最近では玉の数も比較的自由になり、選び方にも幅が出ました。
祈祷の際に片手でも持てるコンパクトさから「片手数珠」とも呼ばれます。

初めて数珠を持つ方や、宗派が分からない方など選び方に迷われている方は略式数珠がおすすめです。
最近は略式数珠を持つ方が多くなっています。

どの宗派にも対応可能なことや、持ち運びがしやすいことが選び方に考慮されている理由です。
また、核家族化や親戚付き合いの疎遠さから、自分の家系が信仰してきた宗派が分からない方が増えていることも関係しています。

お通夜での数珠のマナーに関しては、こちらの記事を参考にしてください。

【ご住職監修】お通夜で使う数珠の色・持ち方を宗派別に紹介!数珠がない時は?
第三人生編集部

数珠の選び方②性別
喪服
数珠には、本式数珠にも略式数珠にも 男性用 と 女性用 があります。
選び方で考慮するのは サイズ と 色 です。

以下に特徴をご説明します。
性別における数珠の選び方の参考にしてください。

男性用
男性用 の数珠の特徴として、まず、数珠を構成する玉の直径が女性のものより大きいことが挙げられます。
直径10ミリ以上の玉 で作られることが基本です。

輪の大きさは28.5センチが標準サイズ とされています。
また玉や房の色は、黒や紺、茶色など暗い色合いが用いられています。

全体的に男性の頑丈な印象の手に似合うようなデザインが選び方での優先事項です。

女性用
女性用 の数珠において、 玉は直径8ミリ以下のもの を用いて作ることが基本です。
色合いは、白や黄色、紫など明るい色合いが用いられています。

輪の大きさは25.5センチが標準サイズ とされ、女性の華奢な手に似合うようにデザインされています。

なお、数珠においては、葬儀などの際にもピンクなどのパステルカラーを用いても良いとされています。

もともと数珠には、日常での個人のお守りの意味もあり、昔は普段から持ち歩くものとして作られている側面がありました。
そのため、葬儀などのお悔みの場面だけのものではない意味から、明るい色合いの数珠を使用することが許されています。

選び方の参考にしましょう。

男女兼用はない
なお、個々の体の特徴や好みなどがありますが、数珠において 男女兼用は作られていない ので選び方に注意しましょう。

例えば、男性で小さな手の方には、男性用の色味で輪のサイズを小さくしたものなども作られていますので、そちらを選びましょう。

実は厳密にいうと、男性が女性用を使ってはいけないなどの決まりはありません。
しかし仏事では、周りに配慮して違和感のないものを使うという、日本古来の風潮が関係しています。

数珠の選び方③色・材質・デザイン
数珠
数珠の種類や男女差を踏まえ、いざ数珠を選ぼうとしても、多種多様にあり選び方に迷いますね。


材質
デザイン
この項では以上3つの観点から数珠をご紹介します。
選び方の参考にしてください。


数珠には、前項で述べた男女差以外に、 基本的に色のマナーはありません 。
「数珠は個人のお守りである」という観点においても、自分の好きな色を選び方の条件にすると良いでしょう。

ただし、地域によっては、仏事によって数珠の色の選び方が決まっている場合があります。
例えば北陸一部地域において、葬儀では透明の石に白い房の数珠、法事では色付きの石に色付きの房の数珠、と使い分けが必要です。

また、京都一部地域では、葬儀に赤い数珠を持つ慣わしがあります。
気になる方は、自分の在住地域において数珠の色の決まりがあるかリサーチし、ある場合は数珠の選び方の条件にしておきましょう。

材質
数珠の材質には、 木製 と 天然石素材 があります。
選び方はご自身の好みで良いでしょう。

木製
木製は、丈夫で軽い利点があります。
また時が経つごとに色合いに木独特の変化が見られたり艶が出たりするところも人気です。

主には黒檀(こくだん)、鉄刀木(たがやさん)、桜、杉、紫檀(したん)などです。
中でも 菩提樹(ぼだいじゅ) は数珠の材質において特別視されています。

菩提樹の下でお釈迦様が悟りを開いた、とされているためです。
菩提樹の中でも金剛菩提樹や、星月菩提樹など種類があります。

言い伝えを大事にされる方は選び方の候補にすると良いでしょう。

天然石
天然石は 輝きや透明度 が魅力です。
また石ごとに「魔除け」「仕事運上昇」などの意味があり、選び方の参考にする方も多いです。

男性には タイガーアイやオニキス 、女性には ローズクォーツや藤雲石 が人気です。

デザイン
デザインにおいて、本式数珠には宗派ごとに形式がありますが、略式数珠では男女差以外の決まりはありません。
特に最近では、球が輝くようにカットが施されていたり、スワロフスキーが用いられていたりおしゃれなデザインが出てきました。

華やかすぎなければオールマイティーに使えるので選び方の候補にしましょう。
また、数珠の房も一般的な形に加え、1本に編まれた紐房(ひもふさ)や、丸い形の梵天房(ぼんてんふさ)などがあります。

房の形が崩れることを嫌う方は選び方の条件の1つにするとよいでしょう。

数珠の選び方④値段
費用
価値や予算を踏まえ、選び方の参考にしてください。

価格帯
数珠の価格は、1,000円台から100万円近いものまで幅広くあります。
一般的によく選ばれているのは、10,000~30,000円台の数珠 です。

また昔から「嫁ぐ娘に数珠1つ」という言葉があるように、数珠は贈り物としても用いられ、その際は少し高価なものを購入される方が多数です。

選び方に配慮しましょう。

費用を上下させる要因
費用を上下させる要因は主に2つです。

材質の希少性
加工の仕方
材質の希少性
例えば、木製であれば 香木(こうぼく)と呼ばれる、香りがする木 で作られた数珠は、比較的高価です。
香木は現在数が減って採取しにくくなっており、希少価値が高くなっています。

伽羅(きゃら)や白檀(びゃくだん、沈香(じんこう)など が挙げられます。
同じく天然石も採取できる量、加えて透明度などの質において希少性が決まります。

高価な素材は長く使用できるのも事実です。
選び方の条件の一つにするのも良いでしょう。

加工の仕方
玉の通し穴が均一の大きさで紐が切れにくくないか、輝きが出るよう磨かれているかなどが数珠の品質に関係してきます。
また 職人による手作業 か 機械 で作られているか、日本製か外国製かなども考慮されています。

選び方の1つに、数珠の加工法を見るのも良いでしょう。

値段の安い数珠は宗教的に良くない?
数珠
数珠の選び方で、「値段が安い数珠は宗教的に良くないのでは」という怖れにも似た疑問が出てきます。
しかし 値段の違いによって、宗教的に恵みやお陰に差が出ることはありません 。

仏事の場面において、持っている数珠は値段が高いほど仏にとって価値があるものとはされていません。
それよりも数珠を持つことで、故人を供養し、先祖に感謝の思いを持つ精神が重要視されます。

また、個人のお守りとしての役目もあるため、値段よりも自分が愛着を持てる材質やデザインのものを選び方の優先事項にしましょう。

仏教以外の宗教を信仰する人の数珠の選び方
選択
仏教以外の宗教を信仰する人にとっては、数珠の選び方以前に、そもそも持たなければならないかの疑問が沸くでしょう。
仏教以外の宗教を信仰する人は、数珠は必要ありません 。

数珠は仏具であるため、仏教徒が所有するものだからです。
人が亡くなった儀式の際には、参列する個々の慣習や宗教を大切にしてよいとされています。

参列者が身に着けるもの等を仏式に合わせなくても、マナー違反にはなりません。
ただ、日本では8~9割が仏式での葬儀が行われています。

故人の宗教を尊重したい、周りの参列者に合わせたいと考える場合、 略式数珠を用意しておくと良いでしょう 。

子供用の数珠の選び方
子供服装
そもそも子供に数珠は必要?
子供が仏事に参加することもあるでしょう。
その際、数珠が必要か疑問に思いますね。

子供に数珠は、必ず必要なものではありません。
しかし小さな頃から、大人と同様に数珠を持ち、合掌することは心を育む良い機会です。

先祖に感謝し、命を大切にするという認識を持てます。
小さな頃から子供にも、専用の数珠を用意しましょう 。

子供用の数珠の特徴と選び方
子供用数珠の特徴をご紹介します。
選び方の参考にしてください。

サイズは 子供の手に合わせて小ぶり に作られています。
デザインも子供が好むような可愛らしいものが多いです。

大体3歳位の手のサイズから持つことができます。
小学校高学年くらいまでは子供用数珠が良いでしょう。

子供の手の大きさ も選び方に考慮します。
中学生になると、体の大きさから大人用数珠が持てます。

また大人と同じように子供用数珠にも男の子用と女の子用があります。
材質は、木製や天然石ではなく、 アクリル などで作られているものが多いです。

子供用の数珠は、幼児~小学校高学年くらいまでと使用期間が短いので、高価な天然素材を使用するよりも材質費用を抑えるためです。
また、子供は落としたり乱暴に扱ったりしてしまうことも多い時期なので、なるべく 丈夫な材質 を使っています。

仏具店などでは子供用の数珠が販売されています。
一緒に店へ行き、子供本人の選び方を尊重するのも良いですね。

数珠の正しい選び方を踏まえて仏事に参加しよう
今回は「数珠の種類や選び方」についてご紹介しました。
宗派や性別によって数珠の種類があります。

また素材やデザインも多岐に渡ります。
数珠の正しい選び方を踏まえ、周囲と調和するものを選びましょう。

また数珠は個々のお守りの意味もあります。
自分の好みに合ったものを探しましょう。

愛着を持てる数珠で仏事に参加すると、先祖への感謝の思いもひときわ湧き上がるでしょう。

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