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葬儀

2024.04.30

遺体安置の方法とは?場所や手順、料金、面会のマナーを解説!

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もし急に身近な方が息を引き取られた場合、葬儀が行われるまでの間の一定期間そのご遺体を適切な場所に安置する必要があります。
この遺体安置は法律にも規定されており必ず行う必要があるものです。

そこでこの記事では遺体安置の手順、場所、期間、料金について解説していきます。
遺体安置についてしっかりと理解し、故人に最も相応しい形で葬儀を執り行いましょう。

遺体安置とは
葬儀会場
故人のご遺体を所定の安置場所で一定期間保管することを言います 。

遺体安置場所
以下の3つの中から選びます。

自宅
斎場
葬儀社、民間の安置施設
場所ごとの特徴や利点欠点を鑑みた上で、故人の生前の意思や残された遺族の意向を加味して場所をどこにするか決めます。

宗教や宗派によって場所が前々から定められた事も多いので、不安点や懸念要素が残る際は相談をし懸念要素を潰すようにして下さい。


遺体を安置する場所への搬送方法
一般的な移動手段は葬儀社が手配する寝台車による方法です。
行き先が遠方の場合は、飛行機や船舶を使う事もあります。

費用は距離や、総重量で左右されます。

自らの車でご遺体を搬送をする
ご自身の車も一つの移動手段です。
法律に抵触する文言はなく、法的な面からは問題はないですが、現実的ではありません。

体液が漏れた場合の処理や車の荷台のスペース確保、ご遺体の損傷の軽減を鑑みると、素人による搬送はかなり厳しいと言えます。
無理せず会社の方に依頼するのが無難 です。


遺体安置所と霊安室の違い
違い
類似した言葉に霊安室があります。
差異は存在するので混同せずに覚えて下さい。

霊安室とは
病院で息を引き取った場合などに 一時的に移動される部屋のこと です。
警察署や病院では長期間の安置はできず、あくまで一時的にご遺体を保管する施設です。

また設備も十分に整っている可能性は低いので、保全的面からも短期間で次の場所への搬送を行います。
霊安室に比べ遺体安置所は保存設備が充実しているので長期の安置にも対応が可能です。


遺体安置の期間
時計
火葬は死亡から24時間以内に行うのは法律上禁じられてます。

これは仮死状態を見逃さないための制度です。
したがって、安置の期間は最低でも1日以上となります。

平均的には2〜3日ですが、火葬場の予約状況によっては期間が長引く事も多いです。

火葬場は元日や友引は休業です。
民間の運営の際はそれに加えて正月の三が日まで休業日の事が多いです。

休業や予約の状況を考慮して場所を選択して下さい。


遺体安置の流れ
流れ
故人が息を引き取られた直後には実は いくつかの儀式を行わなくてはなりません。
以下の流れで行われます。

順    内容
①    末期の水
②    清拭・湯灌
③    エンバーミング
④    着替え
⑤    死化粧
⑥    搬送手続き
遺体安置の流れ①【末期の水(まっきのみず)】
遺体安置の流れ②【清拭(せいしき)・湯灌(ゆかん)】
遺体安置の流れ③【エンバーミング】
遺体安置の流れ④【着替え】
遺体安置の流れ⑤【死化粧】
遺体安置の流れ⑥【搬送手続き】
遺体安置の流れ①【末期の水(まっきのみず)】
葬儀の一番最初の儀式がこの末期の水です。
最期に立ち会った者が、水を含んだ脱脂綿や筆を故人の口に軽く当て唇の表面を湿らせます。

末期の水をとる順番は血縁上近い人から行います。
以下は順の一例です。

順    人物
①    配偶者
②    子供
③    両親
④    兄弟姉妹
⑤    子供の配偶者
⑥    孫
遺体安置の流れ②【清拭(せいしき)・湯灌(ゆかん)】
清拭とはアルコールなどを浸したガーゼでご遺体を拭き取る行為になります。
死装束をまとう前にあの世への旅支度として体を清めるのが主な役割です。

エンゼルケア(逝去時のケア)として行われます。
一方でご遺体を入浴して清める行為を湯灌といいます。

以前は病院よりも自宅で息を引き取ることが多く、その場合は遺族が自宅のお風呂で遺体を清めていました。

遺体安置の流れ③【エンバーミング】
専門の技術者の元で行う物で、ご遺体の体液を除去し防腐剤に入れ替えることにより長期間保存できるようにする処置です。

火葬場の都合により長期間の安置を強いられる場合などで役に立ち、外観を整える処理をするので、故人が健康だった頃の顔に近づけることも可能です。

ですが、料金が高額になる事が多いので重々に検討を行って下さい。

エンバーミングに関しては、こちらの記事を参考にして下さい。

エンバーミングとは?依頼方法や費用相場、メリットを解説!手順も
第三人生編集部


遺体安置の流れ④【着替え】
故人があの世へ旅立つ際に纏う着物が死装束です。
白い着物を左前で着用し、以下の物を身に着けます。

経帷子(きょうかたびら)


白足袋・わらじ
頭陀袋・六文銭(ずだぶくろ・ろくもんせん)
数珠
三角巾
手甲(てっこう)
脚絆(きゃくはん)
ただし最近では故人が生前気に入っていた服を着せる事もあります。

死装束に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。

【図解解説】死装束とは?左前はなぜ?金額相場・購入場所!着物で代用できる?
第三人生編集部

遺体安置の流れ⑤【死化粧】
清めの儀式の一つとしてお化粧を行います。
爪を切り、髪を整え、女性であれば薄いメイク、男性であればひげ剃りなどを施し、故人の顔をより安らかな寝顔に近づけます。

生前に気に入っていたお化粧品などを使うこともできます。
感染症のリスクなどもある死後処理になりますので葬儀社の専門スタッフの指示に従いましょう。

遺体安置の流れ⑥【搬送手続き】
手続きの際には行き先を決める事が重要です。

故人の生前の意思や宗教的理由、安置場所の都合などを考慮して遺族で相談し、場所を決定します。
行き先が決まれば搬送車の手配です。。

基本的には葬儀社に依頼してお任せします。
なお病院が出発地となる際には死亡診断書を受け取って下さい。

死亡診断書がなければ火葬が実地できません。
保険に加入している場合は、保険会社に提出する分も必要なので適宜必要な分の診断書を書くよう要請して下さい。

死亡診断書に関しては、こちらの記事を参考にしてください。

死亡診断書とは?発行方法・料金・期限は?再発行に関しても解説
第三人生編集部


遺体安置にかかる費用
金額
安置をする際においては、以下の場所の区分で費用がかなり変わってきます。

自宅
斎場・葬儀社
安置施設
遺体安置の費用【自宅】
腐敗防止を最優先に考え、冷房が効き、かつ広さの面でも十分確保可能な部屋を選んで下さい。

料金(参考金額)
項目    費用(目安)
①    搬送費用    20,000円/10km
②    施設利用料    なし
③    枕飾り    10,000〜30,000円
④    保存費用(冷却材など)    5,000〜30,000円
⑤    付き添い費用    なし
遺体安置の費用【斎場・葬儀社】
利用する期間が長くなるにつれ費用も高額になる傾向です。
また、枕飾りの用意を行う場合には別途金額が増加します。

料金(参考金額)
項目    費用(目安)
①    搬送費用    20,000円/10km
②    施設利用料    5,000〜30,000円
③    枕飾り    10,000〜30,000円
④    保存費用(冷却材など)    5,000〜30,000円
⑤    付き添い費用    50,000円
遺体安置の費用【安置施設】
民間の施設は 24時間営業が多く、面会について対応できる時間が幅が広いのが特徴です。

料金(参考金額)
項目    費用(目安)
①    搬送費用    20,000円/10km
②    施設利用料    10,000円
③    枕飾り    なし
④    保存費用(冷却材など)    7,000円
⑤    付き添い費用    5,000〜30,000円

自宅での遺体安置のメリット・デメリット
メリット・デメリット
落ち着いた時を過ごせる
自宅で安置することの一番の利点は 面会するための時間が自由 ことがいえます。
斎場等では施設の利用時間に制限がありますが、自宅では望んだ時に故人の方と別れの時を過ごせます。

また自宅が場所に選ばれる理由としては故人の生前の意思や、家族の強い意向によることも多いようです。
いつもの住み慣れた環境で故人とのお別れのひとときを落ち着いて過ごすことが出来ます。

搬入時の困難
ご遺体の搬入経路を十分に確保しなければならず、アパートやマンションによっては事前に管理会社に報告を行う必要もあります。

さらに搬送の回数が増えるのもその都度費用がかさむのも、問題点の一つでしょう。


斎場・葬儀社での遺体安置のメリット・デメリット
斎場
手間の少なさ
1番の利点はご 遺体の管理や枕飾りの準備の手間が少なくて済む という点です。

葬儀社にお任せしてしまえば、保全や枕飾りの準備、弔問客の対応の準備に気を紛らわすことがなくなるのでとても助かります。

別途特別の応対部屋を使って弔問に来たお客さんの応対をすることも出来ます。

自宅への搬入やスペースの確保の問題が解決するだけでなく、弔問客の面会にも余裕のあるスペースで対応できるという点も利点です。
ご遺体を一度運び入れれば葬儀まで行うので、その分移動する回数を少なく済ませることが出来ます。

時間的な制約
死後、お別れの時間をゆっくりとる事は新たに前に進むための下地とも言え、弔問は重要な役割を持ちます。

自宅では自身の都合に合わせ、制約なく死と向き合う時間を持てますが、施設だと面会可能な時間帯などに決まりがあり、指定した時間を過ぎれば故人と会う事は不可能です。


安置施設での遺体安置のメリット・デメリット
メリット・デメリット
営業時間が24時間
民間の安置施設は 営業時間が24時間であるところが多い です。

火葬場の混雑の為待ち時間が長く持たれる傾向にある場合や葬儀会場が遠方なので搬送前に一時的に安置したい場合など用途も幅広く利用できます。

距離が遠い場合に搬送費用が高い
特に数が少ない地方で言える事なのですが、民間の施設を利用する際は施設までの 距離が遠い場合に費用面で高額となるので注意が必要です。


宗教ごとの遺体安置の方法
方法
遺体安置には決められた作法があります。
宗教や宗派によって細かい決まりに違いがあるので、葬儀社の担当者や親戚、地域の方から聞いた上で則るのが適切です。

遺体安置の方法【仏教】
遺体安置の方法【神道】
遺体安置の方法【キリスト教】
遺体安置の方法【仏教】
北枕(もくは西枕)の向きで安置します。
寝具を用意してご遺体を寝かせますが、枕は必要はありません。

薄い敷布団に新しいシーツをかけ、薄い掛け布団をかけます。
この時に掛け布団の上下は逆にして下さい。

ご遺体のお顔には白い布をかけます。手には数珠をもたせて胸の位置で合掌をさせます。

遺体安置の方法【神道】
葬儀
神道の方法は仏教の場合とほぼ同様です。
ただし、ご遺体の向きは西枕又は東枕です。

また、お顔に白い布をかけ胸の位置で合掌をさせるのは同じですが、手に数珠は持たせません。
枕飾りは、白木の小台を用意して榊、灯明2本、お水、お神酒、洗米、お塩をお供えします。

遺体安置の方法【キリスト教】
ご遺体を寝かせる向きに関して決まりは存在しませんが、北枕が一般的です。
神父または牧師による祈りを終えた後に安置をします。

キリスト教では白い布をテーブルにかけ、その上に燭台、十字架、生花、聖書などを置きます。
お花は造花ではなく生花を選んで下さい。


遺体安置における注意点
! 注意
一番の注意点は 遺体の腐敗防止 です。
ご遺体へのダメージを最小限に抑える方法として主に使われている手段はドライアイスで冷やす事です。

室温の管理も腐敗を防ぐための重要なポイントです。
部屋の窓とカーテンをすべて閉め、冷房の効く場所に安置することで却効果を高めます。


ご遺体と面会するときのマナー
マナー
主に気を付ける事項としては以下の事です。

面会・訪問の連絡
お悔やみの言葉
香典は持参しない
ご焼香
発言に気をつける
服装など
通夜前の面会・訪問の連絡
訃報の知らせを受けた場合、原則としては通夜や葬儀に参列する流れです。
しかし都合により参列ができない場合は、通夜前に焼香を行います。

必ず前もって遺族の方に訪問する旨の連絡をして下さい。
なお自宅以外は面会時間に制約があるので考慮して下さい。

お悔やみの言葉
まず遺族の方にお悔やみの言葉を述べます。
「この度は誠にご愁傷さまでございます。心からお悔やみを申し上げます。」といった短めの挨拶に留めるのが良いでしょう。

この時、ご遺族の方と長々と話すことなく端的にお悔やみの意を伝えましょう。

香典は持参しない
面会時には持参しません。
代わりに故人が生前に好んだ物を供えて下さい。

焼香
焼香
挨拶が済んだらあまり長居せずそのまま失礼するのが基本ですが、 ご遺族から勧められた場合のみ、故人と対面しご焼香を行います。

焼香に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。

焼香の作法・やり方!意味は?回数、順番、宗教ごとのマナーも解説
第三人生編集部

発言に気をつける
故人の死因を尋ねるなど、 ご遺族の悲しい感情を刺激する発言は控えましょう。
また、縁起の悪い「忌み言葉」や不幸が続くことを思わせる「繰り返し言葉」も避けます。

忌み言葉としては以下の物があります。

「悔しい」
「離れる」
「苦しい」
繰り返し言葉は以下が一例です。

「続いて」
「再び」
「重ね重ね」
「追って」
「ますます」
服装など
喪服ではなくダークトーンの色の普段着が適切です。
訃報の知らせを聞いて取り急いで駆けつけるものなので、喪服を着て行くと死に対して準備があったと解釈され不適当です。

ビジネススーツはOKです。

平服に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。

【図解】平服とは?女性・男性の葬儀での平服を解説!バッグや化粧も
第三人生編集部

アクセサリー・メイク
アクセサリー
アクセサリー類は原則身に付けません。
例外として結婚指輪と、悲しみの象徴とされているパールは身につけても良いとされています。

メイクは薄めを心がけましょう。

ネイル
ネイルは基本的にベージュか淡いピンクのみ可能です。
基本的にグリッターやストーン等の光沢があるものは外します。
可能ならば黒の手袋をし、ジェルネイルのため落とせない際は絆創膏などで隠しましょう。


遺体安置は慎重に
今回の記事では主な軸を遺体安置として実際の方法の他、利点欠点に関しても説明を述べてきました。
また、実際の面会の際の注意点に関しても触れました。

長い人の人生の中、葬儀に触れる機会は数多くなりますが、当事者となる事は数えられる程です。

当事者となった際にはまず故人と自身の生活を第一に、弔問客として遺族と会話をする側になった際はまず悲しみに寄り添った形になるよう、配慮をして行動しましょう。

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