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葬儀

2024.04.30

福祉葬とは?対象者・流れ・服装を解説!香典は受け取れる?

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近年、よく耳にするようになった福祉葬。
経済的に困窮し、生活が困難な人を対象にした葬儀です。

生活保護を受ける方は年々増加傾向にあります。
その半数が高齢者とのデータがあり、福祉葬の利用を考える方が多くいます。

しかしその手続きの方法や内容など、不安に思う方もいるでしょう。
今回は福祉葬についてご説明します。

ぜひ参考にしてください。

この記事で解決される疑問

福祉葬とはどんなもの?

福祉葬に適した服装は?

福祉葬の申請方法は?
福祉葬とは
線香
福祉葬 とは、生活保護法・第18条「葬祭扶助」に基づき、 生活に困窮し、葬儀費が支払えない人に対し、自治体からの葬祭扶助(補助金)で行う葬儀 の事です。
別名「民生葬」「生活保護葬」とも言われます。

福祉葬を希望する場合、火葬の前に自治体へ申請をします。
審査の上受理されると、葬祭扶助により福祉葬を行えます。

福祉葬の場合、自己負担金はありません 。
福祉葬の費用は対象者を通さず、自治体から葬儀社へ直接支払われます。

葬祭扶助の金額は地域差がありますが、平均値は大人が20万円前後、子供が15万円前後の傾向です。
福祉葬は、葬儀の内容に制限があり 、以下のように定められています。


生活保護法・第18条
葬祭扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできないものに対して、
左に掲げる事項の範囲内において行われる。
一 検案
二 死体の運搬
三 火葬又は埋葬
四 納骨その他葬祭のために必要なもの

つまり 火葬のみで、通夜や告別式、僧侶によるお経はありません 。
一般的な葬儀の費用は最低でも100万円前後かかり、補助金ではカバーできない事が理由です。

また、政教分離の観点から、宗教色が強い通夜や告別式などの費用は公費での負担が不可である事も挙げられます。

生活保護葬に関しては、こちらの記事を参考にしてください。

生活保護者の葬儀の流れ・費用を解説!申請方法や注意点も
第三人生編集部

福祉葬の対象者
はてな
福祉葬の対象 は、

生活困窮者が死亡し、身寄りがなく葬儀を行えない
生活困窮者が死亡し、残された金品を使っても葬儀費用が支払えない
葬儀を執り行う扶養義務者も生活困窮者
などです。

死亡した人かつ、その家族や親族も生活困窮者の場合に、福祉葬の対象となる といえます。
死亡した人が生活保護受給者だからといって、遺族が葬儀費を支払える場合は、福祉葬の対象にはなりません。

また、生活保護法・第18条において、福祉葬の対象者は生活保護受給資格がある者には限りません。
あくまで生活に困窮している人が対象です。

しかし、生活困窮者である証明は短期間の審査では難しく、現在、生活保護受給者が福祉葬の対象となる事が大半です。
また、 福祉葬に、葬儀を執り行う人が費用をプラスして、告別式等は行えません 。

この方法を取った場合「経済力がある」とみなされ、葬祭扶養を受ける資格は取り消されます。
「告別式が無いと寂しい」という思いや、信仰していた宗教など事情はあるでしょうが、注意しましょう。

福祉葬の内容・流れ
火葬場 遺骨処分
葬祭扶助を受け、福祉葬を行うにはまず、自治体への申請が必要です。
申請の手順や方法については、のちにご紹介します。

この項では、福祉葬の内容と流れをご説明します。

遺体搬送
安置
出棺
火葬
福祉葬は火葬のみの葬儀形式 のため1日で終わります。

①遺体搬送
福祉葬を担当する葬儀社が、遺体がある場所(病院や警察など)まで霊柩車などで来ます。
遺体は家もしくは安置所に移されます。

②安置
火葬を行うまで、遺体を棺に入れて、家もしくは安置所で保管します。
遺体に仏衣などを着させる事もあります。

安置が数日にわたる場合や夏場などは、ドライアイスにて遺体が傷まないように保護します。

③出棺
葬儀社により、 家や安置所から火葬場へ霊柩車などで遺体が運ばれます。

④火葬
火葬され、骨壺に収骨されます。

この際にかかる

搬送費 -死亡診断書などの自治体への書類費
安置所利用費
火葬費
霊柩車使用費
棺や仏衣、布団、ドライアイスなどの道具代
骨壺代
などの 福祉葬におけるコスト全てが葬祭扶養により支払われます 。
注意する事は、生活保護法・第18条における「納骨」は「収骨」の事だとされている点です。

お墓などに遺骨を納める「納骨」の費用は葬祭扶助の対象外 のため、福祉葬後の納骨場所や負担金については周囲の人と相談しましょう。

福祉葬での服装
49日の男性服装
福祉葬においても、 参列する場合は礼服(喪服)が相応しいとされ、ブラックスーツが基本 です。

しかし、福祉葬には告別式がなく、家族など少人数で行う事が多いため、 紺やグレーなどの服でもマナー違反ではない とされています。

なるべく地味な服を着用しましょう。
以下に福祉葬での服装例をご紹介します。

男性
男性 喪服
男性 はブラックスーツ、もしくは紺やグレーのダークスーツにします。
シャツは白、ネクタイは黒の無地で、光沢無しのものが良いでしょう。

アクセサリーは、結婚指輪以外は一切身に着けないのがベターです。
靴は黒で、合成皮革か本革の素材にし、なるべくシンプルなデザインを心掛けます。

靴下も黒が望ましいです。

女性
女性 喪服 洋式
女性 は黒のスーツ、もしくはワンピースにジャケットにします。
色は紺やグレーなどダークな色でも構いません。

アクセサリーはつけないか、真珠素材のシンプルなものにします。
靴は黒の飾りのないパンプスで、合成皮革か本革の素材にします。

ストッキングは肌色が望ましいです。

子供
子供 の場合、学校などの制服が礼服となるため、制服の着用が望ましいです。
制服がない場合は、黒や紺、グレーなどのダークな色のズボンやスカートに、白のシャツなど地味な服装を心掛けます。

靴下などもシンプルなものを選びましょう。
靴も黒などが望ましいですが、小さな子供であるほど、履きなれない靴は転倒などの恐れがあります。

靴は履きなれたもので対応しましょう。

服装に関しては、こちらの記事を参考にしてください。

会葬者とは?服装や挨拶、持ち物!振る舞いとマナーも解説
第三人生編集部

福祉葬の申請手続き
書類
福祉葬を希望する場合の

申請方法と流れ
申請の注意点
をご説明します。

申請方法と流れ
自治体へ連絡
福祉葬を希望する場合は、まず 自治体への連絡 をし、福祉葬を希望する事を伝えます。
市役所の福祉課や福祉事務所のケースワーカー、もしくは地域の民生委員などに連絡しましょう。

申請者は、故人の親族や同居人、身寄りがない場合は後見人などです。
この際、 申請者(福祉葬を執り行う人)が在住している自治体での申請 となります。

死亡した人が在住している自治体ではありません。
この際に必要な書類は、死亡が証明できるもの (死亡診断書など)です。

加えて、自治体規定の申請書類に、死亡した人や申請者の個人情報、経済状況などを記入し提出します。

審査
自治体での審査が行われます。
審査の結果、葬祭扶養が受理されない事もあります 。

例えば、申請者以外の親族に経済力があると判明した場合や、故人に貯金が見つかった場合などです。
また、「生活保護受給者であった故人が葬式費用を貯めていたが、一般葬を行う金額には足らず、葬祭扶助の金額を加えたい」という希望が稀にあります。

この場合は、「火葬の支払いができる経済力はある」とみなされ、葬祭扶助の申請は受理されません。

申請の注意点
福祉葬の申請は、必ず火葬の前に申請する事が決まりです 。
火葬を行ってから福祉葬の申請をしても、書類は受付さえ不可となります。

まれに葬儀代を自分で立て替えて火葬を行い、終了後に福祉葬の申請をする方がいますが、「葬儀代を支払えた」とみなされます。

また 葬儀社は自治体による指定はなく、自分で探します 。
葬儀社によっては、自治体への福祉葬の申請サポートを行ってくれる所もあります。

申請に不安がある方はサービスを利用するのもよいでしょう。

福祉葬で香典は受け取れる?
香典と数珠
福祉葬でも参列者からの香典は受け取れます 。
また、生活保護受給者は収入があった場合、自治体への告知が必要ですが、 香典は自治体への告知は必要はありません 。

香典は「 収入認定外 」という項目に分類され、収入とみなされない為です。
生活保護手帳には、「 収入認定外 」の項目として以下のように記述があります。


①冠婚葬祭の祝儀香典、慈善的金銭等
②弔慰金等
③特定のものに対しその障害等に着目し、精神的な慰謝激励等の目的で支給されるもの
④自立更生のために使われるもの

福祉葬で香典を参列者からいただいた場合、お悔みとしてありがたく受け取るとよいでしょう。
ただし、「 香典返し 」という日本の風習があります。

いただいた香典の金額の1/3~半分の金額の品物などを相手へ贈る事です。
香典返しの代金は葬祭扶助の対象ではありません。

金銭的に香典返しが難しいと思われる人は、香典を事前に辞退するのも1つの方法です。

福祉葬は正しく申請し、安心して故人を供養しよう
この記事の結論は以下の通りです。    

福祉葬とは葬儀の費用が払えない生活困窮者に対して行われる葬儀を指します。自治体からの扶助で行われます。
福祉葬の服装はブラックのスーツ・ワンピースを着用します。子供は制服や紺・グレーのズボンやスカートに白シャツを合わせます。
福祉葬の申請方法は自治体に連絡し、審査をしてもらいます。火葬前に申請し、葬儀社は自身で決めます。
今回は福祉葬についてご説明しました。
福祉葬の対象者は、死亡した人かつその家族共に生活困窮者である事です。

必ず、火葬の前に自治体への申請を行いましょう。
福祉葬の内容は、火葬のみの葬儀です。

正しく福祉葬の申請をし、金銭の心配をする事なく、故人を供養しましょう。

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