仏壇の掃除の頻度
仏壇
まずは仏壇の掃除を行う頻度についてです。
仏壇に限らず、掃除は一定のタイミングで行うものです。
しかし、仏壇や仕方等が分からないと、その頻度も判断しにくくなってしまいます。
目安となる時期を解説しますので、参考にして下さい。
以下の2つの場合に分けて説明します。
簡易的な仏壇の掃除
本格的な仏壇の掃除
簡易的な仏壇の掃除
普段から簡単な掃除を続けていれば、本格的に掃除をする時でも手間が少なく済みます。
簡易的な掃除は、仏壇に手を合わせた後、こまめに行って下さい。
具体的な頻度としては、週に1度、お花やお供えを変える時等に、ついでに行うようなイメージです。
毛はたきでほこりを払う
お花やお供えを変える時に、大きなゴミを取り除く
この様に、仏具を動かさず、サッと出来るような掃除は定期的に行って下さい。
ついでに線香やろうそく等の消耗品の確認と補充も行っておきましょう。
本格的な仏壇の掃除
以下の時期で行って下さい。
法事やお盆、お彼岸等の仏教行事を行う時期、又はその前
年末年始等の親戚が集まる時期、又はその前
基本的に、人が集まる時期までに掃除を済ませておく形になります。
仏壇は掃除の道具ややり方が少し特殊です。
その為、本格的にやろうとするとかなりの時間を取られます。
本格的な掃除をする際は、前もって時間を確保しておきましょう。
仏壇の掃除におすすめな時期
時期
仏壇は漆や金箔等、扱いが難しい装飾がされている場合があります。
また、作りの関係から掃除の時期を間違えてしまうと、かえって傷めてしまう可能性があるのです。
時期として適切な例としては以下の三つです。
晴れていて湿度の少ない日
親戚が集まる儀式の前
命日や誕生日
晴れていて湿度の少ない日
仏壇は木製な上、漆や金箔等水分や油分に弱い装飾がされています。
その為、湿度が高い時期に掃除をしてしまうと、湿気で傷めてしまう可能性が高くなるのです。
仏壇の掃除は、晴れていて湿度の少ない日を選びましょう。
親戚が集まる儀式の前
法事や年末年始等、家族や親せきが集まるタイミングがあります。
集まってくれた家族や親せきが気持ちよく仏壇に向かえるよう、集まりがある場合はその前までに掃除を行っておきましょう。
仏壇のホコリや汚れは意外と目立ちます。
仏壇に向き合った時にそういった物が目に入ると、どうしてもそちらに意識を取られてしまうものです。
集まってくれた人達が気持ちよく仏壇に向き合えるよう、集まりの前には仏壇の掃除を行いましょう。
命日や誕生日
決まった集まりの日でなくても、故人の命日や誕生日に行う場合もあります。
故人が死後の世界でも気持ちよく過ごしてもらえるように、仏壇を掃除するという訳です。
また、故人と向き合う為、気持ちに整理を付けていく為に行うという人もいます。
ただ、故人の命日や誕生日によっては、湿度の高い日が続く中で行う事もあります。
そんな時は、以下の方法で仏壇を置いた部屋の湿度を下げてあげて下さい。
エアコンや除湿器で部屋の湿度を下げる
サーキュレーターや扇風機で風通しを良くする
掃除をしてしばらくは上記の二点の対策をしましょう。
仏壇のある部屋は定期的に湿気対策をしてあげて下さい。
命日における仏壇の掃除については、こちらを見てください。
命日にすることは?お墓参り・法要・卒塔婆供養・仏壇の掃除を解説
第三人生編集部
仏具の掃除の手順
仏具4
では実際に、仏壇を本格的に掃除していく時の手順を以下の順に解説していくので、掃除の際は参考にして下さい。
掃除の準備
掃除の前に断りのお祈りをする
中身を出す前に写真を取っておくと便利
仏壇の中にある物を全て出す
中にあるホコリを掃き出す
細かい所のホコリを落とす
上段と中断、前段をきれいにする
扉をきれいにする
膳引きと下台の掃除
仏具のメンテナンスをする
最後に仏壇の中を元通りにする
1.掃除の準備
仏壇を掃除する前に、気を付けて欲しい点があります。
仏壇によっては、仏具を置く場所が高い所にあるタイプがあり、掃除の際には足場が必要になります。
この場合、足場や足元の安全をしっかり確保した上で掃除に取り掛かって下さい。
足場にぐらつきが無いか
足場に載って立った時、手がちゃんと仏壇の奥まで届くか
足場や足場を置く場所は平らか、不安定な感じはしないか
足場に立つ時はもちろん、仏具を移動する時等に問題なく動けるかどうかを確かめておきましょう。
足場が不安定だったり、高さが足りないと、掃除中の事故を引き起こす原因になります。
仏具を置く場所が高い所にある場合は、安全確認をしっかり行いましょう。
2.掃除の前に断りのお祈りをする
掃除の前に、故人やご本尊に掃除をする旨をお祈りで伝えましょう。
前に座って、掃除をする旨をお祈りして下さい。
この後仏具を動かしたり掃除をしたりするので、ろうそくや線香は使いません。
火が付いている物等、掃除をする時に危険な物はこの時点で消したり片づけて置きましょう。
また、仏壇や仏具には金箔加工がされています。
金箔は水分や油分で簡単にはがれてしまいます。
触ったり、息を噴きかけたりしただけで、その中に含まれている水分や油分で仏壇が傷んでしまうのです。
人の体から出た油分や水分は、仏具の目立つ汚れの原因でもあります。
掃除の際はマスクと手袋を身に付けた状態で行いましょう。
3.中身を出す前に写真を取っておくと便利
お祈りを済ませたら掃除に移るのですが、その前に仏壇内の写真を撮っておきましょう。
仏壇は仏具やご本尊を置く配置が宗派によって決められています。
この配置は複雑で、何もない状態で戻すのはちょっと大変です。
掃除の前に仏壇の物の配置が分かるよう、掃除前の状態を保存しておきましょう。
撮影する道具はスマホ等で十分です。
掃除前のお祈りはこの事の断りも入れておくようにして下さい。
4.仏壇の中にある物を全て出す
仏壇
お祈りと撮影を終えたら、まずは仏壇の中にある物を全て出します。
この時、取り出した仏具等は新聞紙やいらない紙、布を仏壇から少し離れた所に敷き、その上に置いて下さい。
この時、綺麗な毛はたきや筆で簡単に仏具等の汚れを落としておくと、後の掃除が楽になります。
全て仏具を下ろしたら、仏具が汚れないようその上にも新聞紙等をかぶせてあげて下さい。
5.中にあるホコリを掃き出す
仏具を全て出したら、仏壇の上から埃を落とします。
仏壇の屋根から始め、綺麗になったらその下部分のホコリを落とす、という形で掃除を行います。
毛はたきで仏壇の屋根部分や中部分をはたきます。
この時、毛はたきは上下では無く左右に、優しく動かすのがポイントです。
仏壇の装飾はデリケートな物が多いですから、優しく取り扱って下さい。
6.細かい所のホコリを落とす
大まかな部分のホコリを落としたら、装飾の間等の細かい部分のホコリを筆で落とします。
この時の動きも、上から下に、優しく丁寧に行って下さい。
毛はたきでは取りにくい、装飾のくぼみや仏壇の隅等も埃を落として下さい。
7.上段と中段、前段をきれいにする
上段はご本尊等を置く一番上の段の事です。
次に仏具や位牌を置く中段、その下の段が前段です。
ホコリを払い終えたら、この部分もきれいにしてきます。
ホコリを落としきったら、柔らかい布で乾拭きしましょう。
この時、仏壇クリーム等があれば、少量取って磨いていきます。
8.扉をきれいにする
仏壇
仏壇の上部分と中をキレイにしたら、次は仏壇の扉に取り掛かります。
ホコリが溜まっていたら筆でほこりを優しく落とし、仏壇クリーム等で磨いていきます。
この時、ただ掃除をするだけでなく、メンテナンスのチェックも行って下さい。
扉がちゃんと開閉するか
扉の金具やそれを止めるネジ等が緩んでいないか
これらのチェックを行って、異常があれば取り扱うお店等に相談して下さい。
仏壇の扉は意外とメンテナンスされない事が多い部分です。
定期的にメンテナンスを行っていれば、ある日いきなり扉が壊れてしまった、というトラブルを防止できます。
掃除は定期的に行う為、メンテナンスの必要性をチェックするのによい機会です。
ただ掃除をするのではなく、異常がないかのチェックも行いながら掃除する習慣を身に付けて下さい。
9.膳引きと下台の掃除
次に、膳引きと下台の掃除です。
膳引きはお供えやそれを入れる仏具を置く所、下台は仏壇の下にある引き出しの事を指しています。
まずは全体的にホコリを払います。
下台等、引き出しや扉のある所は中も出してしっかりホコリを落としておきましょう。
ホコリを落とした後、クリームがある場合はそれを使います。
引き出しの金具が金属製の場合は、金属用クリームを使用して下さい。
金箔がある部分は金箔が剥がれないよう、特に優しく扱います。
最後に全体的に乾拭きをして、膳引きと下台の掃除は終了です。
仏壇本体の掃除はここまでとなります。
10.仏具のメンテナンスをする
仏具5
次は仏具のメンテナンスを行っていきます。
仏具は様々な材質で作られている上に、汚れも使う仏具によって違います。
仏具に合わせた掃除方法を取ります。
それぞれの掃除方法についてまとめると、以下の様になります。
位牌の文字等の細かい部分に溜まったホコリは筆で優しく取り除く
燭台等、ろうそくを立てる仏具は、ロウが付いていたらロウはがしでロウを剥がし、その後柔らかい布で拭く
おりん等真鍮製の仏具は金属磨きで磨く
茶湯器等、陶器で出来ている仏具は食器と同じ様に中性洗剤で洗う
香炉や花立は、金属製でもメッキ加工等がされている場合は、柔らかい布で拭く程度にする
仏具の種類や手入れに関しては、こちらを見てください。
仏具の種類や名前を解説!仏壇への置き方や手入れの方法も!
第三人生編集部
全ての仏具から汚れを取り除いたら、最後の工程に移ります。
11.最後に仏壇の中を元通りにする
最後は、仏壇の中に仏具をしまっていきます。
最初に撮影した写真の通りに仏具を置いていきます。
仏具を置くついでに、お供え物や花が古くなっているようならそれも変えてしまいます。
全てが終わったら、掃除が終わった事を故人やご本尊に報告のお祈りをささげて終了です。
仏壇の掃除に必要な道具
仏壇
仏具の掃除には、必要な道具があります。
掃除に必要な道具と、使うのが禁止な道具を以下の様にまとめました。
手袋やマスク
毛はたき、又は科学雑巾
掃除用の筆
メガネ拭き等の柔らかい布
仏具用クリーナー
新聞紙
使ってはいけない道具
掃除に取り掛かる前に、道具がちゃんとあるかその道具が適切かどうかをしっかりチェックして下さい。
手袋やマスク
仏壇や仏具に使われている金箔等の加工は、人の油分や水分に弱いです。
手で少し触れたり、息がかかったりしただけでも、仏壇や仏具にダメージを与えてしまう可能性があるのです。
おりんの様に、一見ダメージを受けないように見える物でも、指の後や息がかかった後が残ります。
人の手の油分や水分は、汚れに繋がります。
仏壇や仏具の掃除、メンテナンスの時は必ず手袋とマスクを着用しましょう。
毛はたき、又は科学雑巾
仏壇の汚れに多いのが、ホコリです。
仏壇や仏具のホコリを落とす時は、毛はたきや科学雑巾を使いましょう。
これらの道具は優しく使えば仏壇や仏具を傷付けることなくホコリを払えます。
これが無いと掃除も大変になりますので、忘れずに用意しておきましょう。
掃除用の筆
仏壇や仏具の装飾は、細かい凹凸がたくさんあります。
この細かい部分をきれいにするのが、掃除用の筆です。
細かい部分に使えればどの筆を使ってもいいのですが、仏壇の掃除用筆も存在しています。
この筆は仏壇や仏具を取り扱うお店においてあります。
筆が手元にない場合は、こうした専用の筆を購入してしまうといいでしょう。
メガネ拭き等の柔らかい布
仏壇や仏具はデリケートな装飾が多いです。
その為、乾拭き用の布は柔らかく、傷がつきにくい物を使います。
メガネ拭き等の柔らかい、目の細かい布を使うようにして下さい。
これは仏壇用のクリームやクリーナーを使用する時にも使えます。
仏具用クリーナー
仏壇は専用のクリーナーやメンテナンス用のクリームがあります。
汚れがひどい時や、汚れの防止、つや出しに使われる物です。
こうした物があると、効率的に仏壇をキレイにする事ができます。
余裕があれば、用意して下さい。
新聞紙
新聞紙は仏具を仏壇の外に置く時に使います。
仏壇をそのまま床に置くと、傷や汚れの原因になりますから、それを避けるために床に敷いておくのです。
置いた仏壇のホコリ除けにも使われます。
また、柔らかい布が用意できなくても、新聞紙があれば代用として飼う事ができます。
多めに準備をして下さい。
使ってはいけない道具
仏壇
最後に、使ってはいけない道具の解説です。
掃除用具の中には水分を含んでいる物がありますが、使用は厳禁です。
水分が含まれている布等で仏壇を拭いてしまうと、水分で仏壇や仏具が傷んでしまいます。
市販のクリーナーの中にはアルコールや洗浄成分を含んでいる物もありますが、傷みの要因となるので避けて下さい。
仏壇や仏具の掃除は、乾いた布や専用のクリーナーを使用して下さい。
種類が異なる仏壇の掃除の注意点
仏壇
仏壇はいくつか種類があります。
仏壇を掃除する時は、この種類の違いにも注目しなくてはなりません。
主な種類である唐木仏壇と金仏壇の特徴と注意点を解説します。
唐木仏壇
仏壇 種類
唐木仏壇は「木」とあるように、木目を活かした作りが特徴です。
紫檀等の高級な家具に使われる木材で作られています。
シンプルな作りですから、掃除の時の注意点も特にはありません。
しいて言うなら、仏壇用クリーナーやクリームを使う際は、木目調に使う為に作られたクリーナー等を選んで下さい。
後は仏壇掃除の際の注意点を守れば問題ありません。
金仏壇
金仏壇
全体に漆加工がされ、金箔による装飾がされた仏壇であれば、それは金仏壇です。
金仏壇は金箔を使用している為、他の仏壇よりも取り扱いに注意が必要です。
金箔は油分や水分で簡単に取れてしまいますから、掃除の際はこれらの成分が金箔につかないよう注意して下さい。
クリーナーやクリームも、専用の物を使用して下さい。
もし自分で掃除をするのが心配なら、専門業者に掃除を依頼するのも良い方法です。
仏壇の種類については、こちらを見てください。
仏壇の価格相場は?種類ごとに解説!金額を安く抑える方法も
第三人生編集部
仏壇の掃除を業者に依頼する時の費用
費用
実は、仏壇の掃除は専門の業者に依頼する事ができます。
費用は業者によって違いますが、大体10,000~200,000円前後の金額が多いです。
掃除する仏壇の種類や、掃除にかかる手間等によって金額も変わる可能性がありますから、余裕を持って費用を用意しておきましょう。
仏壇の掃除を請け負う業者の探し方
業者は、以下の方法で見つけることができます。
仏壇を取り扱うお店に相談する
葬儀会社や供養をお願いしているお寺に相談する
インターネットで検索する
仏壇や仏具を取りか使うお店の中には、お店で仏壇のメンテナンスを行っている所や、専門業者とつながりがある所が多いです。
仏壇の掃除について相談すれば、メンテナンスの一環として引き受けてくれたり、業者の紹介をしてくれたりする場合があります。
仏壇と繋がりの強い、葬儀会社やお寺も同様です。
また、仏壇の修理や処分を行っている業者は、インターネットでも依頼を受け付けています。
相談する相手や時間が無い場合は、インターネットで専門業者を検索して下さい。
仏壇の掃除を業者に依頼するメリット
メリット
仏壇の専門業者は、専門業者ならではのノウハウを持っています。
金箔等取り扱いが難しい物でも、専門業者なら知識や技術で仏壇を傷めずにきれいな状態を作り出す事ができます。
また、掃除に出す事でプロの目から仏壇の状態を判断してもらう事も可能です。
掃除中に故障や老朽化の兆しを発見してもらい、それを修理してもらうという事もできます。
自分達からそれに就いて相談し、アドバイスをもらう事も可能です。
専門業者に掃除をしてもらう事は、万が一のトラブルを予防する事にも役立つのです。
仏壇の掃除は普段からコツコツ行いましょう
仏壇の汚れは、掃除をしない時期が長ければ長い程、大変になっていきます。
普段から簡単な掃除を執り行い、綺麗な状態を維持可能にして下さい。
また、本腰を入れて掃除をする際は、準備が必要な上に、工程もたくさんあります。
計画的に準備をし、取り掛かって下さい。
仏壇の中には取り扱いの難しい物もありますから、大がかりな掃除事態が難しい場合もあります。
専門業者の手を借りる事も検討しましょう。