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葬儀

2024.04.23

神道のお墓の特徴とは?金額相場やお墓参りのやり方を解説!

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「神道」は日本古来の宗教でありながら、それ自体はどんなものか想像しづらいですよね。
「お墓」となると、ますます縁遠く感じます。この記事では、「神道の墓」を検討されている方に向けて、墓を立てる場所・祭儀・墓の特徴・祀り方・金額相場・お供え物・設置場所・実際のお墓参りのやり方などをご紹介します。

神道とは

神道の歴史は、日本人の 暮らしとともに発展した といっても過言ではありません。
もともと私たちは農耕民族でしたが、先祖は自然と共生を図りながら生活していました。

自然の恩恵や試練をもたらす力に、人々はいつしか「神」を見出すようになります。
神は、 生きとし生けるもの全般、山や川などの自然物に宿る と考えたのです。

また、歴史上で偉業を成し遂げ社会に貢献した人や、家の先祖の霊も神とみなしました。自然を神とみなすようになってから、 尊敬の気持ちをもって神様をまつるよう になるのです。

神様をまつった場所に、のちに 「神社」 が建てられます。国としての体制が整うにつれ、この自然信仰は 神道 と名付けられました。

神道の墓の特徴①形・デザイン
お墓

デザイン
形 
そもそもお墓には、 「デザイン型」「和型」「洋型」 の3種類があります。
これらの「和型」を細分化すると、仏教式と神道式のタイプに分かれるんです。

神道の墓は、 仏教式の墓とよく似ています 。家名が刻まれている先端部分(さお石)がやや細く、三角形に見えるんですよ。

このさお石は 兜巾型(ときんがた) といって、縦に細長い形をしています。これは神話上の伝説の剣がモデルなんです。

伝説の剣は、三種の神器のうちの 草薙の剣 (くさなぎのつるぎ)です。
草薙の剣は、古事記でスサノオノミコトがヤマタノオロチを倒したとき、その化け物のしっぽから出てきました。

また、神道の墓には線香をたかないので、香炉がないのです。
お供え物は、 八足台 (はっそくだい)という八足の置台に置きましょう。

デザイン
神道の墓のデザインは、草薙の剣型に限りません。
墓前に社の鳥居をつけたり、山にある野生の岩や石に家名を記したり、 墳丘(ふんきゅう)型 という土まんじゅうのような形があります。

神道の墓の特徴②文字
お墓
霊号
享年
命日
霊標
神道の墓には、 「××家奥津城」 あるいは 「××家奥都城」 と刻みます。読み方は「おくつきじょう」。「棺がある神聖な領域」を意味します。

霊号
神道の墓の戒名にあたるのが、霊号です。 おくり名/諡 といいます。
霊号は、故人が生きていた頃の氏名にあわせてつけた、 守護神としての名前 です。

神道では、亡くなった人は その家の人々を守る神様になる といわれているのです。
おくり名は、その人が息を引き取ったときに男性か女性か、何歳かで異なります。

男性    女性
高齢    翁(おきな)    媼(おうな)
成人    大人(うし)    刀自(とじ)
若者    彦    姫
思春期    朗子(いらつこ)    朗女(いらつめ)
幼齢    稚朗子(わかいらつこ)    稚朗女(わかいらつめ)
乳児    嬰児(みどりこ)    嬰児(みどりこ)
享年
神道における享年(きょうねん)は、亡くなった人が 息を引き取った時点で何歳だったか を表します。

命日
神道では 帰幽日 (きゆうび)といいます。
人は人生を終えると あの世に「帰る」 と考えられているんです。

だから、他界することを「帰幽する」といいます。

霊標
神道の 霊標 (れいひょう)は、仏教式の墓誌にあたるものです。
墓脇に建てて、霊号や命日、帰幽日を記します。

神道のお墓を建てる場所
お墓
神社の敷地はNG
神社のお墓に適した場所
寺院墓地
霊園
神道専用墓地
神社の敷地はNG
神道の本家神社では、なんと 墓禁止 なんですね。
これは神道で 「死=穢れたもの」 という考え方があるためです。

単に汚いわけではなく、人が亡くなったときの落ちたエネルギーを意味しています。

神道のお墓に適した場所
神道の墓は上記の理由から、神社内に建てることはできません。
なので、 宗教宗派を問わない霊園 が一般的で適しています。

寺院墓地
お寺はもとの宗教が仏教なので、 完全に可能とは言い難い です。
けれど、亡くなった人の生家に菩提寺がある場合は異なります。

霊園
霊園は、神道の墓を建てられる場所の中で 一番可能性が高い です。
運営形態は 公営霊園と民間霊園 の2つになります。

公営霊園は地方自治体が管理し、宗教不問かつ低価格です。
民間霊園は法人から委託された民間企業が運営しています。

高価格ですが申込期間が長いです。
委託元が宗教法人だったら、受入OKな宗派を確認しましょう。

神道専用墓地
神道専用の墓地は、 神社が運営母体 となっています。
場所は神社に隣接したところではなく、ほかの場所に墓地をつくって管理運営しているのです。

神道のお墓の金額相場
金額
神道の墓の平均相場
神道のお墓の値段要素
石の種類
お墓の広さ
神道の墓の平均相場
神道の墓の平均相場は、全国値で見ると 約200万円 です。

神道のお墓の値段要素
神道の墓の値段要素は、 石碑 がその中核をなします。
この石碑に使われる石の種類や量で、価格が決まるのです。

石の種類
神道の墓に使われる石は、ふつう白い石を使います。 白御影石 (しろみかげいし)という種類を使うことが一般的です。
この種類は価格が安く、そして値段に反比例して良質なんですね。

吸水性が高いんですよ。
石の種類は値段が高ければ質がいいとは限りません。専門家に相談して決めましょう。

お墓の広さ
墓地が広いつくりだと、お参りしやすいだけでなく、見栄えもとてもいいんです。
けれどデメリットなのが、 墓地が広くなると墓地を囲む石を多用することになり、金額が上がり ます。

また、工事費も増えることになり、ただ見た目をよくしたいという理由だけで墓地を広くするのはリスキーでしょう。

神道の墓参りの方法
お墓参り
持ち物
服装
作法
持ち物
神道の墓参りで必要な持ち物は、以下です。

榊(さかき)
ロウソク
神饌(しんせん)と神具
掃除道具
さかき は、神様の力が宿った木とされています。

神饌 は、神様にお供えする食べ物のことです。
家の守護神となる故人にも、この神饌を墓に供えるのです。

神饌は基本 水・塩・洗われた米・お神酒 (みき)を献上します。

服装
神道では、墓参りの服装について、 特段規定されたことはない です。
一般的な参拝マナーを適用して、清潔で控えめな装いをするようにしましょう。

作法
神道の墓参りでは、以下5ステップを踏みます。

墓を掃除してきれいにする
さかきを供える
ロウソクに火をつける
神饌を供える
みたまに向かって拝む
お墓の掃除は仏教式のやり方で差異ありません。
さかきはお花の代わりですが、特別な時は「 玉串 (たまくし)」を供えます。

玉串はさかきの枝に白い和紙をくくりつけた、お供え物です。
神饌は先述したものを供えましょう。置き方にコツがあります。

お米を中央に置いて、右手に塩、左手には水 を供えます。
配置具合によりますが、酒は米の両脇に置いてください。

最後に故人に向かって手を合わせます。
拝み方は、神社を参拝した時に行う 「二礼二拍手一礼」 です。

基本は拍手で大きな音を立てますが、五十日祭になるまでは 「しのび手」 で音を立てずに拍手しましょう。

神道の墓参りのお供え物
お供え物
果物
菓子
海産物

五穀
故人の好きだったもの
果物
神道の墓参りのお供え物に果物を選ぶなら、以下のポイントをおさえましょう。

長時間外に置いても傷まないもの
その季節に旬のもの
菓子
神道の墓参りにお菓子を持参する場合も、 長持ちするもの にしましょう。クッキーやビスケット、和菓子がいいですね。

海産物
神道の墓参りに海の幸を持っていく場合、供えてからの取り扱いに注意が必要です。
生ものは、なるべく 間をおかないよう にしましょう。

また、魚以外の海藻などもお供えできますよ。



基本の神饌の一つですが、特に種類は定められていません。
しかし、その中でも特筆するなら 日本酒 が適しているでしょう。

日本酒の原料は米で、神様との関係が深いからです。

五穀
五穀は、基本の神饌のうち米を原料とする、 お餅・酒・ごはん を含みます。
けれど実際のところは、厳密にどんなものがマストか決まっていません。

故人の好きだったもの
上記のポイントをおさえれば、基本的に厳密な決まりはありません。
亡くなった本人が好きだったもの をお供えしましょう。

神道の祭儀
儀式
法要ではなく祭儀
霊祭
翌日祭
十日祭など
法要ではなく祭儀
仏教の法要では、「亡くなった人を無事に仏の安全で平和な世界に導く」ことを願います。

一方の神道は、 「人は亡くなるとその家の守護神」となる ので、その儀式を、段階を踏んで行うのです。
通常、祭儀は神社の「穢れ」概念から自宅やセレモニーホールなどで行います。

霊祭
神道における「法要」にあたるものは、 「霊祭」 といいます。
霊祭には、十日祭・五十日祭・百年祭などがあります。

故人が 息を引き取った日から十日間隔 で行っていくのです。

翌日祭
翌日祭 は、故人が息を引き取った次の日に行います。
また、神道の霊祭の一つです。この霊祭から、十日祭に続いていきます。

十日祭、二十日祭など
故人が息を引き取った日から十数えて、五つの霊祭を行います。

(亡くなった日から十日数えて)十日祭
二十日祭
三十日祭
四十日祭
五十日祭
十日祭では宮司に依頼して儀式を行います。
この霊祭に親族や友人など、身近な人がお別れに訪れるのです。

神道の先祖の祀り方
お墓
先祖はご霊舎に祀る
ご霊舎は五十日までに準備
以上2つの観点から、神道における先祖の祀り方を解説します。

先祖はご霊舎に祀る
神道では 亡くなった人はその家を守る神様 になります。
「神」と同等の存在になったので、祖霊舎(ご霊舎)に祀りましょう。

ご霊舎は、洗練され清潔なイメージのあるヒノキが原材料であることが多いです。

お供え物するものは、以下です。

基本の神饌(米・酒・塩・水)
お皿
さかき立て

水玉
ロウソク立て
とっくり
また、祖霊舎には仏教の位牌にあたる霊璽(れいじ)があります。
しかし、神道の考え方的に 「人目にふれてはいけない」 のでふた(さや)がされてあります。

基本開けることはないです。

ご霊舎は五十日までに準備
故人は、亡くなった直後の霊祭では仮霊舎に祀られています。
そこから、合祀祭(ごうしさい)で祖霊舎に移動するのです。

五十日祭の前に行う のが慣例になっています。

五十日祭は 「忌明け」 になるので、それまでに祖霊舎をはじめとしたご霊舎などを祀る必要があります。
特に霊璽には亡くなった人の魂が宿っているので、五十日までに準備しましょう。

神道のお墓と他のお墓の比較
違い
神道のお墓と以下の墓を比較してみます。

仏式
キリスト教
仏式
仏教式のお墓は神道の墓とよく似ているので間違えやすいです。
一般的な形は、 縦に細長いタイプ です。

これが神道の墓になると、さお石の先がとがるんですね。

キリスト教
キリスト教のお墓は、宗派すべてで特に決まった形はありません。
共通しているのはどの形でも 十字架が添えられること です。

石は横に平べったく、低身長なのが特徴です。
お墓には家族ではなく 個人が入り、さお石部分にも個人名が刻まれる のがふつうです。

そもそも、キリスト教には仏教や神道にある死への捉え方が異なります。
故人は聖書に基づき復活すると考えられ、歴史的には 土葬 で焼かずに埋葬されてきたのです。

こうした観点から、キリスト教のお墓は 故人が眠る場所でもなく、神となって住まうところ でもありません。
メモリアル的な意味合いが強く、「お墓を参る」という行為とは変わってくるんですね。

神道の墓は刻むもの・建てる場所・参拝の作法をよく確認
神道の墓は、仏教式と似た形状をしながらその実はけっこう違っています。
ときん型といわれる形は 神話上の剣 をかたどっているんです。

線香もたきません。
亡くなった人はあの世に行きっぱなしになるのではなく、 実家の守り神として家にとどまり ます。

ですから墓石には、生前の人名に、神様としての名前( 霊号 )をつけて表します。
神道の墓を建てる場所は、総本山の 神社では許可されていません 。

お寺や霊園、神道専用の墓地を探す必要があるんです。
お墓を参拝するときは、 さかき・ロウソク・神饌 などを持参します。

神饌は天の神に捧げる供え物のことです。
故人も神になるので、天神と同様のもの(水・塩・洗米・酒)をお供えします。

神道の墓はなじみがないので、最初はわからないことだらけですよね。
以上のポイントが基本となるので、お墓選びにぜひ参考にしてください。

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