水子地蔵とは
水子とは、流産や死産などの理由で生まれてくることができなかった胎児や生まれてから一年以内に亡くなってしまった子のことを指します。
水子には一つの呼び方が決まっておらず、みずこ・すいし・すいじと呼ばれることが多いです。
水子の霊を祀るために水子供養が行われたり、水子地蔵が建立されたりします。
※水子供養の場合はみずこと呼ばれるのが一般的です。
水子は葬式を行いません。
葬式を行うことで水子の魂が極楽浄土に行ってしまい、生まれ変わることができないからだと言われています。
また、水子供養や水子地蔵は、必ずしなければいけないというものではありません。
行われる理由としては、遺族の心の整理や亡き子を想ってなどが挙げられます。
地蔵については以下の記事で詳しく取り上げています。
お地蔵様とは?赤い前掛けと地蔵信仰、お墓にいる意味を解説!
第三人生編集部
水子地蔵の種類
水子地蔵と言ってもいくつか種類が分かれています。
ここでは、水子地蔵の種類について紹介します。
錫杖を持った地蔵
合掌している地蔵
子どもを抱いている地蔵
錫杖を持った地蔵
錫杖(しゃくじょう)とは、僧侶が修行で各地を歩き回る際に持つ杖のことです。
よく皆さんが口にするお地蔵さんや地蔵とは、地蔵菩薩の呼び名です。
錫杖を持った地蔵は、賽の河原(さいのかわら)で石を積んでいる子どもを助けると言われています。
何の話か全く分からない方もいらっしゃることと思われますので、詳しく説明します。
賽の河原とは、水子といった親よりも先だった子どもが、親不孝者として鬼から罰を与えられる場所と言われています。
子どもは、河原にある石を積んで塔を作ります。
しかし、鬼が来てこの塔を壊してしまいます。
子どもは、再度石を積んで塔を作りますが、また鬼に壊されます。
何度も何度も塔を作っては壊され成仏できない子どもを、地蔵菩薩が救うと言われているのです。
合掌している地蔵
合掌している地蔵のことを、慈母地蔵尊(じぼじぞうそん)と言います。
慈母地蔵尊は、子どもを失った母親の代わりとなる存在です。
小さくて可愛らしいデザインのものが多い傾向です。
子どもを抱いている地蔵
子どもを抱いている地蔵を子安(こやす)地蔵と言います。
子安地蔵とは、妊婦の安産をかなえるための地蔵です。
また、子どもが健やかに育ってくれるのを守るための地蔵とも言われています。
水子地蔵の平均費用・相場
お金
水子地蔵を購入する方法としては、2種類あります。
石材店や通販から直接
お寺に任せる
石材店や通販から直接
自身が、水子地蔵という物を直接購入する方法です。
水子地蔵は、石材店などの販売店で購入することもできますし、アマゾンなどのインターネット通販で購入することができます。
水子地蔵にかかる費用は、ピンからキリまでです。
水子地蔵の相場としては 1万~30万円程度 と考えておくとよいでしょう。
高いものですと30万円以上のものまであります。
水子地蔵を購入し、自宅に置いて供養される方もいらっしゃいます。
お寺に任せる
水子地蔵を直接購入する場合もありますが、お寺にお任せする方法もあります。
お寺に水子地蔵を置いてもらう方法です。
石仏地蔵尊造仏などと呼ばれます。
石でできた地蔵を置かせてもらうので、高額になりやすいです。
一般的な相場としては 8万~30万円程度 と言われています。
あくまで、お寺によって異なりますので参考程度です。
また、大きさや種類によっても費用が変化します。
詳しくはお寺に問い合わせることをお勧めします。
実際は、お寺にて水子供養を行った際に購入するものですので、水子地蔵の費用とは別に、僧侶へのお布施や供養料などが別途かかります。
お寺によっては水子のための墓地もあります。
心の整理のために水子地蔵
生まれてくるはずだった子や生まれてすぐに亡くなった子を持つ親の悲しさというものは、計り知れません。
心にぽっかりと開いた穴を埋めるのはそう簡単なものではありません。
しかし、いつまでも落ち込んでいるわけにもいきません。
少しでも遺族の心が前に向けるように、家やお墓などに水子地蔵を置いておくことで一つの心のよりどころになるかもしれません。
心を整理するうえで、水子供養を行うといいかもしれません。
水子地蔵に関して、購入を考えていらっしゃる方はぜひ参考にしてください。
なお、水子供養については以下の記事で詳しく取り上げています。
水子供養とは?法要の流れ・服装・持ち物は?しなくてもいい?