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葬儀

2024.04.30

開眼供養とは?

身内が亡くなり、仏壇を設ける方もいらっしゃるでしょう。
仏壇は仏様の部屋とする考えがあります。

肝心なのは、そこに位牌を設けることです。
この位牌に、故人の魂を注入することを開眼供養と呼びます。

この供養を無しにしては、故人の魂は宿らないという考えです。
開眼供養は、別名「開眼法要」や「入魂式」、「魂入れ」とも呼ばれます。

字の通り、位牌に魂を吹き込む為の供養です。
また、「開眼」とは、仏像を作成した際の最後の仕上げに、職人が手で眼を書き入れる工程のことを指します。

よって、開眼供養は仏壇や墓石を用意し、最後に故人の魂を入れて供養の対象とするための儀式となります。

浄土真宗では開眼供養を行わない

開眼供養の目的は、仏壇や墓石に故人の魂を吹き込み、供養の対象とする為ですが、仏式であっても浄土真宗では開眼供養は概念の違いから実施されません。
そもそも、浄土真宗では仏壇の位牌やお墓に「故人の魂が宿っている」という概念がありません。

例えば、お墓の存在も、故人が眠っているわけではなく、墓参りをしたら会えるという考えではありません。
お墓は現世に残された人が墓参りをすることで、故人を想い偲ぶためや、阿弥陀如来に感謝の気持ちを持つ場所という見解です。

浄土真宗での開眼供養の呼び方
前項で解説した通り、浄土真宗では死後の魂が位牌や墓石に宿るとは考えていません。
開眼供養とは呼びませんが、仏壇を設けたり墓石を建立したりした際には儀式は行います。

浄土真宗において、新規で仏壇を開く際の法要の呼び方は次の通りです。
「入仏慶讃法要」や「入仏式」等があります。

新しく墓石を建立した際には「建碑法要」や「墓所建立法要」などの法要を執り行います。
仏壇とお墓ともに開眼供養にあたる法要のことを「御移徙(おわたまし)」と言います。

故人の魂を入れ込むという趣旨ではないにしても、仏壇を開いてご本尊をお迎えする為の法要は行われているのです。

開眼供養のお布施を渡すタイミング

開眼供養が必要となる状況としては、亡くなったことによりお墓を建立した場合が考えられます。
その他にも、家族が亡くなったため仏壇を初めて購入することになった場合もあるでしょう。

一方で、生前に墓石を購入して建てる方もいらっしゃいます。
いずれの場合も開眼供養を行ないますが、その際のお布施の渡し方はどのようになるのでしょうか。

四十九日・納骨式代と一緒に渡すこともある

開眼供養は四十九日法要や納骨式と合わせて行う場合もあります。
例えば、お墓では開眼供養をした後に続けて納骨を行うことがあるのです。

もちろん、それぞれ別の供養になるため、お布施も四十九日法要や納骨式を行ってもらった部分も必要となります。
お布施を入れる袋や表書きの書き方などの渡し方については、後ほど解説していきます。

49日法要に関しては以下もご覧ください。

御車代・御膳料と一緒にお渡しする

法要、供養のお布施の他にも用意しておく包みがあります。
御車代と御膳料と呼ばれる現金の包みを用意しておくのです。

聞いたことはあるが、内容はあまり知らないという方もしらっしゃるのではないでしょうか。
詳しく解説していきます。

御車代とは
御車代とは、簡単に言えば僧侶への交通費です。
渡す状況としては、自宅に僧侶を迎えて供養をしていただいた場合や、墓地へ出向いていただいて供養をしていただいた場合です。

お寺からの距離や交通手段によりますが、御車代の相場は5000円〜10000円程です。
白い無地の封筒を用意すると良いでしょう。

但し、特別な事情で他県などのかなりの遠距離から来ていただく場合は、この相場以上になるでしょう。
御車代は自身がお寺に出向いて法要を行う場合には、差し上げなくても構いません。

御車代に関しては以下もご覧ください。
御膳料とは
法要後は、故人を偲びながら、僧侶やお呼びした方々への御礼の気持ちも込めて会食の席を設けるものです。
この会食のことを「お斎(おとき)」とも呼びます。

しかし、僧侶は次の法要へ出向く必要がある場合も多く、共に食事の席を囲むことが難しい場合もあります。
また、近頃ではごく内輪だけで食事をする家庭も増えています。

遠方から来ている親族が多い場合などは、折詰の弁当をお持たせしてお開きにするという方もいらっしゃいます。
以上のような理由で、僧侶に食事を振る舞わない場合に、代わりに御膳料としてお包みした現金を渡すのです。

御膳料の相場は5000円~10000円程度となっていますので、参考にされてみてください。
尚、御膳料も白無地の封筒に入れてお渡しすると良いでしょう。

御膳料に関しては以下もご覧ください。

開眼供養のお布施の相場

前項までに解説したように、開眼供養は四十九日等と同日に一度に行なう場合もあります。
再々、予定を立てて法要の日を設けることも大変だという方は、同日に済ませておいた方が安心だという考えにもなるでしょう。

もちろん、開眼供養を単体で行ない、別日に四十九日や納骨式を執り行う場合もあります。
注意点としては、開眼供養を四十九日や納骨式と合同でするか、単体で行なうかによってお包みするお布施の金額は異なってくるということです。

以下では、これらの場合ごとのお布施の金額の相場を表にしています。
ご参考ください。
詳細 金額の相場
開眼供養のみ 30000~50000円
四十九日・納骨式と合同 開眼供養のお布施の1.5倍~2倍
(例)
開眼供養を30000円とするならば45000円~60000円

開眼供養のお布施の袋の選び方

各、冠婚葬祭に於いては、それぞれに応じた金封を使い祝儀や香典等を差し出します。
開眼供養は、弔事をイメージする方が多いと思いますが、お布施用の袋としてはどの形式を使用するのでしょうか。

以下に解説していきます。

①のしのない金封を選ぶ

基本的な注意点となりますが、開眼供養のお布施を包む際はのしの付いていない金封を選びましょう。
そもそも、のしとは鮑を干して長く伸ばしたもので、昔はお祝い事や贈答品に添えて渡す縁起の良いものとしていました。

現在も、慶事や一般的な贈り物の金封やのし紙に付いている飾りです。

②開眼供養のお布施の水引

開眼供養のお布施用の袋には熨斗のない金封を選ぶと説明してきました。
開眼供養の迷いやすい点は、「お祝い事とも捉える」という点です。

特に、生前にお墓を建立した際は「寿陵」と呼ばれ、慶事として捉えます。
開眼供養のみを単体で行なう場合は、のしは付いていないが水引は紅白のものを選ぶのです。

結び方に関しては、結び切りまたはあわじ結びの形式を選びましょう。

③四十九日と合同の場合の封筒デザイン

先に解説した通り、開眼供養のみを単独で行なう場合は、慶事と捉えます。
亡くなったことにより新仏を供養する場合は、四十九日や納骨式と併せて開眼供養も執り行う方が多い印象です。

四十九日や納骨式と合同で開眼供養を行なう場合は、慶事としてではなく、弔事である四十九日や納骨式が優先されます。
つまり、弔事として供養を行なうことになり、お布施の準備方法にも関係してきます。

四十九日などと合同で開眼供養を行なう場合のお布施は、白無地の封筒に入れると良いでしょう。
包み方については、お札を半紙で包み、加えて奉書紙を折り包むのが正式です

自分で奉書紙を折るのは難しいという方は、奉書紙が折られていて、中封筒もセットされているタイプを購入することもできます。

④四十九日と合同の場合の水引

開眼供養が、四十九日等と併せて実施の場合のお布施は、白無地の封筒に入れてお渡しすると説明いたしました。
水引に関しても、四十九日等と合同で行なう場合は弔事となり、黒白や双銀の水引を用います。

一方で、お布施を渡す先の僧侶に悔やみがあったわけではないので、お布施を入れる封筒には黒白や双銀の水引は付けず、白無地の封筒に入れるか白い奉書紙で包むのみとする方が良いという考えもあります。

また、地域によっては黄白の水引がかかった封筒でお布施を包む場合もあります。
一概に誤りとは言えないので、地域の慣習に従い、親族などに確認してみるなどをしても良いでしょう。

開眼供養のお布施の表書き

あまり聞きなれない開眼供養ですが、お布施用の包みの表書きはどのように書けば良いのでしょうか。
開眼供養を単体で行なう場合、四十九日等と合同の場合に於いて、各自見ていきましょう。

表書きの文字
開眼供養での御布施の表書きは、いくつか書き方があります。
まずは単体で行なう場合について以下にご紹介します。
  • 開眼供養御礼
  • 開眼御礼
  • 御入魂御礼
  • 石塔建立御礼 など
以上をご覧いただくとお分かりの通り、開眼供養を単体で行なう場合の封筒の表書きは「御礼」とする特徴があります。
また、浄土真宗の場合は表書きも異なります。
  • 入佛慶讃御礼
  • 入仏法要御布施
  • 御移徙御礼(大谷派)など
浄土真宗では、位牌やお墓に「魂を注ぐ」という概念がないので、注意しましょう。

四十九日と合同の場合の文字

四十九日と合同で開眼供養をする場合のお布施の表書きは如何でしょうか。
四十九日や納骨式と合わせて行なう際には弔事とし、これらの法要を主として考えます。

よって、お布施の表書きも開眼供養のみの場合とは異なり、単純に「御布施」として構いません。

49日のお布施に関しては以下もご覧ください。

開眼供養のお布施のマナー・注意点

ここまでに解説したように、開眼供養単体で行うときは慶事として捉えたり、四十九日や納骨式と合同で行うときは弔事になったりと、迷いやすい点もあると思います。
開眼供養の際に僧侶に渡すお布施に関しても、マナーや注意点があります。

ここでは、皆さんが迷いやすい点について解説していきます。

①弔事と一緒に行う場合不祝儀袋に包む

先にも説明した通り、開眼供養は四十九日や納骨式と合同で行う場合は弔事として捉えます。
この場合、お布施の包みも紅白の水引がかかった慶事用ではなく、不祝儀袋に包むのです。

黒白、または双銀の水引がかかった袋に入れるか、白無地の封筒でも構いません。
お布施は渡す相手(僧侶)に悔やみがあったわけではないので、黒白の水引は用いないという意見もあります。

また、地域によっては黄白の水引を用いた袋に入れる場合もあります。
お住まいの地域の慣習に従うと良いでしょう。

②中のお金は新札を用いる

香典などの弔事の際に包むお金は、新札はタブーだということは皆さんもよくご存知だと思います。
前もって不幸の為に準備をしていた印象があり、相応しくないからです。

開眼供養の際は単体で行う場合はもちろん、四十九日や納骨式と合同で行う場合も、お布施のお金は新札を用います。
お布施を渡す先である僧侶に悔やみがあったわけではなく、また開眼供養は前もって予定も決まっている法要なので、新札を準備している方が良いのです。

③中袋には旧字体で金額を書く

お布施の中袋には、入れた金額を書きます。
この場合の金額は旧字体で書くのがマナーです。

例えば、1万円であれば「金 壱萬圓」、3万円であれば「金 参萬圓」となります。
圓のあとに「也」を付ける方もいらっしゃいますが、どちらでも構いません。

高額の場合に也を付けるという説もあります。

④菩提寺によってルールが違うこともある

四十九日や納骨式と合同で開眼供養行う場合のお布施のお金は、地域によっては新札を用いない所もあります。
その場合は、お札を半分に折って入れると良いでしょう。

その他にも、お布施を入れる袋の水引など、地域や菩提寺によって、袋のタイプや渡し方も異なる場合があります。
よく確認してみましょう。

⑤切手盆や袱紗を使って渡す

お布施は手で直に持って出すのではなく、必ず切手盆や小さめのお盆に乗せて渡しましょう。
その際には、僧侶の方に字が読める向きにして差し出します。

盆は床を滑らせて出すのではなく、やや持ち上げて差し出しましょう。
自宅の外で切手盆がない際には、袱紗に包んで持参します。

袱紗から出した後、袱紗をお布施の包みの下に敷いて盆代わりにして渡します。

お布施の渡し方に関しては以下もご覧ください。

マナーを意識して開眼供養のお布施を渡しましょう

今回は、開眼供養についてその内容や、お布施の用意の仕方、渡し方について解説してきました。
開眼供養をする際には、単体で行なう場合は慶事となり、四十九日や納骨式と合同で行なう場合は弔事として捉えます。

それに伴い、お渡しするお布施の袋の種類や水引、表書きの書き方なども変わってきます。
また、宗派や地域でもお布施の表書きの書き方などに違いがあるのです。

菩提寺に確認をしたり、地域の慣習を知ったりするなどをして、マナーを意識して開眼供養のお布施を渡しましょう。

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