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葬儀

2024.04.30

卒塔婆・卒塔婆供養とは?書かれている文字や数え方、処分方法も

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卒塔婆(そとば)をご存知でしょうか?
卒塔婆は、お墓の後ろにある梵字などが書かれた1m~2mほどの長さの木を指します。

親族の風習でお互いに建てあう家や全く建てない家も存在します。
今回の記事ではそんな卒塔婆の処分方法や内容についてお話させていただきます。

卒塔婆とは?卒塔婆供養とは?

塔婆(とうば)や板塔婆(いたとうば)と卒塔婆(そとば)は、 同じもの で、故人の供養に用いる お墓に立っている細長い板 のことを指します。

卒塔婆供養は、 卒塔婆をお墓に立てる ことを指します。

卒塔婆には、南無阿弥陀仏などの供養の言葉や故人の名前が書かれることが多いです。

仏教においては、建立は故人の冥福につながると考えています。

卒塔婆の由来は古代のインドにあります。
古代インドでは 『Stupa(ストゥーパ)』 と呼ばれている仏塔を示す言葉を漢訳したものが卒塔婆です。
これははお釈迦様の遺骨を納めた塔のことで、それが五輪塔の由来だと考えられています。

一般的な長さは 1m~2m ほどのものです。
用意するタイミングは、納骨時やお盆、お彼岸、などです。

宗派や宗旨により異なりますが基本的には、寺院にお願いして用意してもらい、『改名 没年月日、経文(きょうもん)梵字(ぼんじ)施主名(せしゅめい)供養年月日』が書かれます。

一故人に対して一基が多いですが、 いつ何本立てるかの決まりはありません。
立てる数は、一故人ずつでも『〇〇家一同』でも『兄妹一同』のようにまとめても問題ありません。

卒塔婆はいつまでお墓に立てられるのか?
立てておく期間に決まりはありません。

そのため、古くなったらお寺で焚き上げをしていただいたり、霊園の管理事務所に処分をお願いします。

しかし、古いものは木製のため時間の経過と一緒に腐敗します。
腐敗すると虫の巣になってしまうことやお墓が荒れるにも繋がります。

お墓参りの時など、 定期的に入れ替えたり処分 します。

卒塔婆の読み方・数え方
秋空
卒塔婆の読み方は そとば または そとうば です。
似た言葉で塔婆(とば・とうば)がありますが、省略したものなので、卒塔婆と塔婆の違いはありません。

基本的な数え方は、『 ~基 』と数えます。
またサイズの小さいものを「~本」、大きいものを「~基」と数えることもあります。

卒塔婆の由来
卒塔婆墓
卒塔婆は、古代インドの 「Stupa:ストゥーパ」 という言葉に漢字をあて漢訳したものを指します。
訳すと仏塔という意味でお釈迦様の遺骨を埋葬された塔のことを指します。

お釈迦様が亡くなると、遺骨は8つに分けられて、8つの国に遺骨を安置するための塔が立てられます。
そしてお釈迦様にのみ立てられていたものが徳の高い僧にも立てられるようになりました。

このストゥーパは中国で 卒塔婆という漢字が訳され 、そのまま現在日本で使用しています。

日本での卒塔婆
元来、卒塔婆は死者を供養するものとしての役割がありました。
しかし、時代の経過と一緒にその役割も変わり、 追善供養(ついぜんくよう:本来の供養ではなく補完的な役割)の意味を持つようになります。

平安時代の終わりには、後一条天皇の遺体が眠るお墓の近くに石で作られた卒塔婆が立てられました。

時代と一緒に役割は変化し時代と一緒に縮小されていきます。

元来、有力者を弔うためのお墓として普及しましたが、お墓が必要なのは有力者だけではなく庶民もお墓は必要になります。

しかし、庶民は豪華なお墓は経済的な観点から立てることができません。
そのため、人体を埋葬できるほどの石墓が普及しました。

卒塔婆は、時代と一緒に簡素化していき、現在では 木製の板塔婆 になっています。

現在、日本の卒塔婆は長さが 1m~2m ほどの板塔婆を指します。
仏教の世界観がその形を、表現しています。

上から、宝珠型の空、その下の半円形は風、その下の三角形は火、その下の円形は水、一番下の四角形は地を示しています。

仏教では、この地水火風空の要素がこの世界を構成していると考えています。

施餓鬼会と卒塔婆供養
お盆の時期にお寺では施餓鬼会が行われます。

施餓鬼会(せがきえ)は施餓鬼(せがき)施餓鬼供養(せがきくよう)ともいいます。
施餓鬼会は、餓鬼(餓鬼:無縁仏など死後の世界で飢えに苦しむ者)に食料や飲料などの供物や卒塔婆を施すことにより供養を行う行事です。

お盆には先祖様の供養を行うのと同時に、餓鬼の法要も行い徳を積むことにより自分やご先祖様にも救いがあるという考え方があります。
そのため、施しだけでなく追善供養になると考えられています。

この法要は、行う時期が決まっていませんでしたが、現在の日本ではお盆の時期によく行われます。

その理由はお盆の先祖のみならず様々な霊が訪れると考えられているためです。
その供養をすることが施餓鬼会の意味につながります。

施餓鬼会の時は施餓鬼檀に位牌を置き、持ち寄った食べ物をお供えし卒塔婆を立てて法要します。

施餓鬼会の際にもお布施は必須になります。
相場は 3,000円~10,000円 です。

施餓鬼会についての案内に料金の指定がある場合はそれに従いましょう。

また、施餓鬼会では喪服や黒いスーツなどを着なくても大丈夫です。
黒やグレーなど落ち着いた服を選びましょう。

【図解】卒塔婆に書かれた文字と内容
卒塔婆
卒塔婆は、細長い形をしていますが、その面には様々な文字が書かれています。
宗派や寺院により一部異なりますが一般的には以下の内容です。

書かれた文字    読み方    内容
梵字    ぼんじ    仏教の宇宙観を示す空・風・火・水・地が書かれます。
種子    しゅじ    仏様の種という意味。通常は十三仏のどれかが当てられます
戒名    かいみょう    仏門に入ることで名付けられる名前です。
年忌    ねんき    何回忌目かを書きます。
建立年月日    こんりゅうねんがっぴ    立てた日付です
施主名    せしゅめい    卒塔婆供養を依頼した人です。
宗派の違い
卒塔婆は宗教に関係なく立てられますが、宗派により書く内容などが異なります。

浄土真宗
法華宗
の場合に分けて紹介します。

浄土真宗
下のコラムで詳しく紹介しますが、一般的には浄土真宗では追善供養の概念が成立しないため、 卒塔婆を立てません 。

法華宗
法華宗では、卒塔婆を立てますが書く内容が異なります。
他の宗派で梵字が書かれた場所に 南無妙法蓮華経 と書かれます。

卒塔婆供養の方法
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卒塔婆供養の方法について

卒塔婆の用意
法要の後
処分
の3段階に分けて書きます。

1. 卒塔婆の用意
卒塔婆は法要やお盆、お彼岸の時などに立てます。
卒塔婆供養は、霊園や菩提寺に申し出て 用意してもらいます。

その時に法要の日にちや時間も決めましょう。

法要の施主や親族以外でも立てることができます。

法要の施主以外がを立てるときは、前もって施主にお墓を立てたいことを伝えます。

また、数に決まりはなく、故人につきひとりでも、親族一同や兄妹一同のように 共同で建立できます。

2. 法要の後
法要が終了すると卒塔婆はお墓に置きます。
置く場所は、 墓石の後ろの卒塔婆を立てる専用の場所に立てます。

お墓がない時やお墓に置けない時は、家の仏壇の横に白い布を敷いてから上に置きましょう。

3. 処分
古くなってしまった卒塔婆は木製のため、劣化し虫が湧いたり風にあおられて倒れる可能性もあるため処分しなければなりません。

処分するには、基本的には事前に霊園や菩提寺に連絡してお焚き上げをしてもらいます。
処分するときに費用はかかりません 。

自分で処分することもできます。
お寺や霊園により、自分で処分すると決まっている場合があります。

処分の方法は、家の近くのゴミ捨て場で問題ありません。供養することが大切なので捨ててしまっても問題ありません。

立てる方法
一故人に1つの卒塔婆一つが原則ですが、立てる基数に決まりはありません。
数が少なければは地面に直接さし、数が多けれは卒塔婆立てを用います。

卒塔婆立ての主な材質は、鉄とステンレスがあげられます。

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鉄製は新しく作った時でも元々あるお墓と馴染みやすい、壊れにくいというメリットがありますが錆びてしまう可能性があります。

ステンレス製は金属の特性として錆びにくい雨風に強い、小型であるため小さいお墓でも使えるというメリットがあります。

卒塔婆立ての相場の目安は、 10,000円~50000円 と簡単には難しい価格帯になりますが保管するにはお勧めです。

霊園により 卒塔婆立てが禁止されていること や、制限があったり卒塔婆を立てることが禁止されていることもあるため、前もって霊園の管理者に相談すると良いでしょう。

【図解】卒塔婆料を入れる封筒・書き方
卒塔婆料はお布施とは全く別のものになります。
お寺にお願いする際は卒塔婆料とお布施は分けて包んでから渡します。

卒塔婆料を入れる封筒
卒塔婆料を包むための封筒は、のし、水引がない不祝儀袋か白無地の封筒を用意します。
白い無地の封筒の表面に「 卒塔婆料 」か「 卒塔婆供養料 」と書きましょう。

下に施主の名前を、黒の毛筆か筆ペンで書きます。
また、以下のように「塔婆料」と書かれた封筒もあります。

卒塔婆料
複数人で卒塔婆を作る際は、前もって名簿を作りお寺へ連絡します。
この点は、一人だけで施主になる時と変わりません。

お渡しする封筒の表面のスペースに、支払う人の名前が書ききれない時があります。
その時は「〇〇〇家」や「〇〇〇家卒塔婆建立者」など書きましょう。

そして、卒塔婆料を支払う封筒の中に紙を入れましょう。
書く内容は縦書きで右から

施主
卒塔婆料を払う人の氏名
卒塔婆料金
と書きましょう。

卒塔婆料の相場
お金 節約
卒塔婆は、一基当たり 1000円~10000円 が相場です。 10,000円 のものは高級品で、 3000円 のものが一般的です。

寺院ごとに一枚あたりの値段が決まっているため、寺院や霊園に確認しましょう。

また、卒塔婆料以外にも寺院によりはお布施が必要になることもあります。

卒塔婆料については以下の記事をご覧ください。

【図解】卒塔婆料とは?相場や封筒の書き方、お金の入れ方のマナーも解説
第三人生編集部

古い卒塔婆の処分方法
お墓 業者
処分の時期は人により異なります。

ダメになるまで立てておく人、お盆や命日などの年に一回交換する人や一日ですぐに処分する人もいます。

この期間立てたら処分するという決まりはないため、家族での相談やお寺への相談で決めるとよいでしょう。

処分する際は、基本的にはお寺で焚き上げをしていただきます。

【コラム】浄土真宗では卒塔婆を使用しない?
浄土真宗墓
浄土真宗では、 基本的に卒塔婆は使用しません。
浄土真宗以外の宗派では、お墓を造り供養することが死者への追善となり、立てた本人の善根功徳としてよいと考えられています。
墓地に立てる卒塔婆もこの考え方から良いとされています。

しかし、浄土真宗では年間の法要であっても追善法要という考え方はありません。
亡くなられたご先祖様も故人も、そして現在生きている人も阿弥陀様の功徳(くどく)の中にあり、阿弥陀様を信じて、感謝をするのが浄土真宗の法事の在り方になっています。

もし仮に、生きている人が阿弥陀様より優れた善根(ぜんこん:よいものを生み出す原因)を積むことができるならば追善を考えることができますが、浄土真宗の考え方に沿うのならば無理です。

むしろ、追善を行うことはおこがましく、阿弥陀様を疑うことにも繋がります。

そのため、浄土真宗では追善という考え方がないため卒塔婆を立てません。

卒塔婆は追善供養のためにする
卒塔婆は、浄土真宗と法華宗を除き、仏教の宗派では立てることができます。

寺院によりは当日依頼してすぐに立てることができない場合もあります。
立てて供養したいと考えたときは、霊園に事前に連絡するとトラブルを回避できるでしょう。

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