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葬儀

2024.05.31

お供え団子の作り方とは?お供えの意味や作り方のコツも紹介

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人生経験が豊かになるシニア世代にとって、家族や親しい友人を想う時間もますます増えることと思います。そして、ご先祖様に対する供養の行いも、より一層、気持ちの深みが増しているのではないでしょうか。

仏壇・お墓へのお供えは、そうした想いを形にする大切な行動の1つです。特に団子は、故人とのつながりや思い出を象徴する供養物として、古くから親しまれています。

とはいえ、「団子を供える具体的な数や方法」や「お供えの意味」について、詳しく知らないこともあるかもしれません。

この記事では、お供え団子に込められた意味や、正しい作り方について説明していきます。

お供え団子の作り方と準備方法

お供え団子は、市販のものもたくさん販売されていますが、ここでは手作り団子についてお伝えします。

まずは、お供え団子を作る前に知っておきたいことから説明します。

お供え団子を作る前に

団子をお供えする場面は、地域や宗派によって異なる場合もありますが、一般的には
お葬式(命日から火葬前まで)、初盆、・お盆、お彼岸、四十九日、一周忌 などの仏事で団子をお供えすることが多いです。

中でも故人の供養のためにお供えされる団子「枕団子」は、通夜から火葬の当日まで毎日作り、新しいものに取り替えます。火葬の日「当日」の団子は、半紙に包み、棺桶に入れて故人と一緒に火葬します。
ただし、地域によっては川に流す場合やお下がりでいただく場合もあるため、事前にマナーについて確認しておくとよいでしょう。

そして、この枕団子をお供えする際は、故人が生前に使用していた皿、もしくは新しく用意した皿に盛り付けます。
お供えした皿はすべて割って処分するため、残しておきたいお気に入りの皿は使わないほうが良いでしょう。

ここでは「枕団子」について説明しましたが、仏事によって団子の呼び方が異なります。
お盆ではお迎え団子・お供え団子・送り団子、お彼岸ではお彼岸団子・積み団子など
それぞれ込められた意味合いがあります。

お供えした団子は、一般的にお下がりとして家族の皆で頂くことが良いと言われています。

それでは次に、具体的な団子のレシピとその準備方法について詳しくみていきましょう。

お供え団子の材料とレシピ

お供え団子を作る際、まず準備する材料は「上新粉」です。
上新粉は、白くて粒子の細かい粉であり、理想的な粘りと柔らかさをもつ団子を作ることができます。

お供え用の団子を作るためには、正しい比率で水またはぬるま湯を上新粉と混ぜ合わせることが大切です。
具体的には、上新粉約80gに対して水は約80ccが推奨されます。この1:1の比率で混ぜることが、適度な硬さの団子を作るポイントです。

まず、上新粉に少しずつ水を加えながらだまにならないよう均等に混ぜていきます。この時、冷水でなくぬるま湯を使うことも良いとされています。

次に、粉っぽさがなくなり、耳たぶのような柔らかさになるまでしっかりと手でこねていきます。

団子の生地が均一にこねられ、適当な硬さになったら、手のひらで丸める作業に移ります。一つずつ丁寧に、丸くなめらかな球体になるように成形していきます。

お供え団子は見た目も重要です。
一般的には、きれいな球形に仕上げることが多く、これには故人の霊が平穏無事にあの世を旅することを願う意味が込められています。

お供え団子は茹でる?蒸す?

団子の作り方には、大きく分けて「茹でる」と「蒸す」の2つ方法があります。
どちらの方法も、上新粉を使い、少しずつぬるま湯を加えながら耳たぶくらいの硬さに練り上げた生地を丸めるところから始めます。

どちらの方法で作るのかは、宗派や地域の慣習によって異なりますので、事前に確認しておくようにしましょう。
茹で団子の場合
茹で団子を作る際は、準備した団子の生地を沸騰したお湯の中に静かに入れ、表面に浮かんでくるまで待ちます。
浮き上がってきたら、ザルなどにすくい取りそのまま乾燥させれば完成です。

茹で団子は表面がつるんとして、よりやわらかい食感に仕上がるのが特徴です。白玉団子とも呼ばれます。
もちもちの食感が人気ですが、冷めると溶けたように垂れてきてしまうため、長時間綺麗な形のままお供えしておくことは難しいかもしれません。

蒸し団子の場合
一方、蒸し団子は蒸し器を使用して作ります。成形した団子の生地を並べた後、5〜10分間蒸し上げます。
蒸し終えた団子は、そのまま冷まし乾燥させます。蒸し終えた後は熱いですが、水につけることなく乾燥させることで、完成後に積み上げやすくなります。

蒸し団子の場合、茹で団子よりも表面がしっかりとした硬さになります。そのため、お供え団子が長い時間綺麗な段状に盛り付けやすく、好まれる傾向にあります。

いずれの方法も、団子が完全に冷めた後にお供え皿に丁寧に盛り付けます。

さて、ここまでは、お供え団子の概要とその作り方について紹介しました。
お供え団子は、故人への敬意と供養の気持ちを表現するものであり、作り方も一通りではないことがお分かりいただけたかと思います。

では、お供え団子の具体的な意味はどういったものがあるのでしょうか。
次から詳しくみていきます。

作り方につながる!お供え団子の数と意味

お供え団子は、地域や仏教の宗派によって細かな違いがあるため、故人の宗派や地域の文化をあらかじめ調べておく必要があります。宗派ごとのお供え団子の扱いについて知っておくことが、故人を供養する際のマナーにつながるからです。

ここからは、お供え団子の数やその意味付け、さらには宗派による違いを説明していきます。

お供え団子の数

お供え団子にはその数に特別な意味が込められていることが多いです。特に、仏教の教えに関係のある数の場合には、故人の霊に対しての願いや祈りがあらわされています。

先にお伝えした通り、一般的には6個の団子をお供えすることが多く、これは仏教の教えである「六道輪廻(ろくどうりんね)」を象徴しています。

仏教では、故人の魂が成仏するまでの四十九日の間に、地獄、餓鬼(がき)、畜生(ちくしょう)、修羅(しゅら)、人間、天井、という6つの異なる世界を行き来することで悟りを開くとされています。

6個の団子には、故人がこの6つのすべての世界で生まれ変わりを経て、死後の悟りを開くことを願う意味が込められています。

また、7個をお供えする場合もあり、これは故人の死後四十九日の間に行われる7回の重要な法要を象徴していると伝えられています。

さらに、13個の団子をお供えする地域もあります。これは仏教における「十三仏」を連想させる数であり、故人の霊が死後の障害を乗り越え、無事に極楽浄土へと導かれることを祈るための数とされています。

その他にも「10個」「49個」「故人の年齢」などの数でお供えする場合もあります。

このように、お供え団子の数にはそれぞれに宗教的または地域的な背景があり、それぞれに特定の祈りや願いが込められているのです。

宗派による違い

団子を仏前にお供えする際には、宗派によってその様式やマナーが異なることを理解しておくことが必要です。

浄土真宗では、お供え団子や供物を仏壇などにお供えする習慣はありません。
信者である故人は亡くなった後すぐに成仏できるとされているため、極楽浄土へ行く間に、悟りを開くための食べ物である団子は必要ないと考えられているからです。

一方で、曹洞宗や天台宗のような宗派では、お供え物を御本尊や位牌の前に供することで、故人の冥福を祈ります。

また、真言宗においては、仏事のみに限らず特定の儀式で使用される団子にさらに多くの象徴的意味が込められていることがあります。そのため真言宗では、団子をお供えする位置や数に特に注意が必要です。

さらに真言宗では、仏壇の配置やお供え物の種類にも独自の規則があり、団子は通常、位牌の近くに控えめに置かれることが多いです。これは、位牌と強く関連する故人への供養として、直接的な関係をあらわすためだと意味付けられています。

浄土宗では、団子のお供えは供養の一環として行われています。団子をお供えすることで、故人が次の世界へ安心して旅立てるよう願いを込めているとされています。

こうした宗派ごとの違いは、故人への敬意をあらわす上で大切なポイントであり、各宗派の教えに基づいて適切に行うことが必要となります。

宗派ごとの教えを尊重しつつ、適切な方法で団子をお供えすることは、故人への最大の敬意につながります。

お供え団子の配置は?作り方に影響する意味とは

団子をお供えする際の形や配置、さらにはそのタイミングも、各地域や宗派によって異なる伝統があります。また団子をお供えする行為には、ただ単に食べ物を供えるという以上の、深い宗教的、文化的意味が込められています。

以下、順に説明します。

お供え団子の形と配置

通常、仏教において円形や球形は完全性や永遠、繁栄を意味するとされます。そのため、団子をお供えする際には、これらの意味を考慮して丸く形成し、整然と配置するのが一般的です。

団子の数に応じて、その配置方法も変わります。

6個の団子をお供えする場合、一般的に山状になるよう3段に重ねます。この配置は、徐々に高みを目指すことが表現されており、故人の霊が順調に極楽へと導かれるようにとの願いが込められています。

一方で、団子を「花形」に配置することで、故人が天に昇っていく様子を表現する地域もあるようです。

このように団子の配置の仕方一つにも、深い意味と敬意が表現されているのです。

団子の形状や配置は、故人への敬愛の念を表現する重要な手段であり、それを通じて家族や親族、知人友人一同が故人を偲ぶ時間を共有します。

そのため、団子をお供えするときには、宗派や地域における文化や伝統を尊重した上で、心を込めて丁寧に行うことが何よりも大切です。

団子をお供えするタイミング

団子をお供えする期間やタイミングは、その地域の習慣や宗教的な背景が大きく関係してきます。

一般的に、お葬式や法要などの際に団子をお供えすることが多いようです。
特に、「初七日」や「四十九日」の法要でお供えすることが多いです。これらの日は、故人の魂が次の世界へと旅立つ重要な日とされているため、団子を供えるとともに故人の旅立ちを祝福し、霊魂の安らぎを祈ります。

また、地域によっては特定の季節や祭りの際に団子を仏前などにお供えする風習があります。
たとえば、お盆には先祖の霊を迎えるために団子を作り、お供えする地域が多いと考えられます。これには、先祖との絆を確認し、家族の繁栄を祈る意味があるようです。

団子をお供えする正しいタイミングを知ることは、仏前において適切な敬意を表現し、故人及び先祖に対する感謝の気持ちをあらわす上でとても重要です。

こうした配慮により、生者と死者の間のつながりが強くなり、家族内の絆も深まるとされています。

実は奥深いお供え団子の意味とその背景

お供え団子には、故人が死後に新たな旅へ出る際、飢えることなく、安全に旅を続けられるようにとの願いがこめられています。

また、お供え団子は球形または円形をしており、これには終わりなき永遠の命、続く家系、閉じられた輪という意味を表現していると伝えられています。
お供え団子のこの形状は、家族の結束と絆を象徴し、故人だけではなく家族全体の幸福と繁栄を願うシンボルとしても扱われることがあります。

さらに、団子をお供えすることは、故人との別れを認め、故人の魂が新たな場所へ旅立つことを支える儀式です。
故人の魂がこの世とあの世の間を旅する際、団子を旅の共とすることで飢えることなく安全で安心な旅ができるれているのです。

このように、団子を仏前にお供えすることは多層的な意味を持ち、その文化的・精神的な背景は計り知れないものがあります。

お供え団子の作り方を総括

この記事では、団子を仏前にお供えする際の基本的な作り方から、数の意味、宗派や地域における違い、盛り付ける皿、さらには現代的な取り入れ方までを幅広くご紹介しました。

本記事のポイントをおさらいします。
  • お供え団子の意味とは故人への敬意と供養の気持ちを形にするもの
  • 団子をお供えは、故人が生前に愛用していた皿か、新しく用意した皿を使う
  • 使用した皿は供養が終わった後、割って処分する
  • 団子の材料としては上新粉が一般的
  • 団子の水加減は上新粉と水の1:1の比率が理想的
  • 団子の作り方には茹でる方法と蒸す方法があり、宗派や地域によって異なる
  • 団子の作り方には茹でる方法と蒸す方法があり、宗派や地域によって異なる
  • 茹で団子は表面がつるんとしてやわらかく、白玉団子とも呼ばれる
  • 蒸し団子は表面が硬く、お供えした後の見た目が保ちやすい
  • お供え団子の数にも、特別な意味が込められている
  • 団子の円形や球形は、完全性や永遠を意味する
  • お供え団子を供えるタイミングは地域の習慣や宗教的背景に基づいている
  • お団子のお供えは、法要や特定の季節に行われることが多い
  • 団子を仏前にお供えする行為には深い宗教的、文化的意味が込められている
団子はただのお供え物ではなく、故人への敬意と愛情が込められたものだということがお分かりいただけたかと思います。
自分で作るのは少々骨が折れるように思うかもしれませんが、団子は材料や作り方がシンプルです。
料理が苦手な方や、日々忙しい方でもぜひお団子づくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。

故人やご先祖様のために手を掛けて準備をすると、いつもとは違った気持ちで、故人を偲び敬意をあらわすだけではなく、家族の絆を深める機会としても、いつもとは違った気持ちで過ごせるかもしれません。

本記事が、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

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