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葬儀

2024.04.24

【ご住職監修】納骨の時期はいつまで?四十九日、百か日、一周忌?宗派ごとにも解説

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「納骨」は、亡くなった方への気持ちを整理する一つの区切りとなる大切な機会です。
そんなこともあり、納骨時期に関してたくさんの想いを抱える方は多いと思います。

今回の記事で、納骨の時期に関する正しい知識を身につけた上でご家族と相談しながら納骨の流れを決めていただければと思います。

納骨とは?

納骨とは、 故人を火葬した際に残った遺骨をお墓や納骨堂に納めること をさします。
故人と向き合う機会は他にもいろいろありますが、納骨は 故人への気持ちを整理する、一つの区切りとなる重要な機会 です。

故人を心置きなく供養するため、しっかり納骨についての理解を深めましょう。

【ご住職監修】納骨の時期に決まりはある?

実は、 納骨の時期は定められておりません 。
火葬後の遺骨は骨壷の中に保管され、ご家族の方に受け渡されます。

お墓がすでに建立されている場合や、納骨堂に納骨する場合は火葬後すぐに納骨することもあります。
時期が定められていないとはいえ、一般的な納骨時期やそれぞれの時期に納骨する意味がそれぞれあります。

次のセクションからは納骨の一般的とされている時期の解説をしていきます。しっかりと理解した上で納骨時期を決める判断基準にしましょう。

釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)
釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)
浄土真宗においては決まりはありません。

むしろ、〇〇までに納めないとダメなどといった迷信に惑わされることで、
お骨を避けたり、故人の尊厳を汚すことは慎まなければなりません。

納骨の時期①四十九日

四十九日の時点ですでにお墓がある場合には、 四十九日に納骨するのが一般的 です。

四十九日とは
四十九日はその名の通り、 故人が亡くなってから、四十九日が経過した日 を指します。
仏教では、人が亡くなってから49日間は、7日ごとに7回の審判があります。

この審判は、閻魔様によって生前の行いなどを鑑みられるものです。
7回目の審判が行われるのが四十九日であり、そこで故人が成仏出来るかどうかが決まります。

四十九日に納骨する意味
四十九日は個人が亡くなってからの節目であり、これを過ぎると 忌明け となります。
一般的には、ここで法要が開かれ親戚が多く集まるため、 親戚が集まる機会と合わせて納骨をすることが多い のです。

しかし、一般的に墓石を新たに注文した場合、完成には 2〜3ヶ月 かかります。
よって、 亡くなってからお墓を立てる場合には四十九日に間に合わないケースがほとんど です。

釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)
釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)
大勢が集まる機会でもあり、自宅に置かれる仮の安置檀も耐用が限界になる時期もであります。

納骨の機会に改めて仏前に一緒にお参りする意味から、四十九日に納骨を行う意義は見いだせるでしょう。
ただし、浄土真宗では時期を定めません。

四十九日の納骨に関してはこちらもご覧ください。

納骨の時期②百ヵ日

お墓の建立などの関係で、 納骨が四十九日に間に合わない場合は百ヵ日に納骨する ことがあります。

百ヵ日とは
百ヵ日もその名の通り、 故人が亡くなってから100日が経過した日 を指します。
百ヵ日は別名で 「卒哭忌」 とも呼ばれています。

「卒哭忌」という名称からもわかるように、百ヵ日はそろそろ故人のことを考えて哭く(泣く)ことから卒業しようという意味が込められています。

百ヵ日に納骨する意味合い
上記のように、「卒哭忌」には重い意味合いがあります。
そこで納骨するということは、 遺族にとって故人と向き合う良い機会になりうる でしょう。

百ヵ日の法要は、 四十九日の法要に比べると規模は小さくなり、身内で簡素に行うことが一般的 です。
しかし、四十九日にはお墓の建立が間に合わなかったり、気持ちの整理がつかなかった場合などにより、 百ヵ日に納骨する方も多い です。

百ヵ日に関しては、こちらもご覧ください。

納骨の時期③一周忌

四十九日に納骨が出来なかった場合、 たくさんの親戚が集まる一周忌に納骨をする方は多い です。

一周忌とは
一周忌は、 故人が亡くなってからちょうど一年が経過した日 を指します。
一周忌までが喪に服す期間とされており、この一周忌を境に喪が明けるとされています。

一周忌に納骨する意味合い
一周忌は故人が亡くなってからの大きな節目とされており、たくさんの親戚を含めた法要がとり行われるケースが多いです。
よって、 四十九日ではお墓の建立が間に合わず納骨できなかった場合、百ヵ日ではなく一周忌で納骨する方が多い です。

以上のように、遺族の方々に置かれた状況、想いによって納骨時期は大きく変わると言えます。
さらに、これらは あくまで一般的な慣習に過ぎないため、とらわれ過ぎないことも重要 です。

しかし、周りを安心させるためにも特別な事情・想いが無い場合にはこの一周忌までを目安に納骨時期を決めるのが良いでしょう。

釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)
釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)
一周忌も四十九日と同様で大勢が集まり、安置期間の限界が理由と考えられます。

浄土真宗では、決まりはありません。

一周忌法要については、詳しくはこちらを参照してみてください。

納骨時期は遅らせることが出来る?

以上、納骨の一般的とされている時期の解説をしてきましたが、これ以降の納骨は可能なのでしょうか?

結論から言えば、一周忌以降での納骨をする方々もいらっしゃいます。
また、 法律的にも全く問題はありません 。

墓地・埋葬に関する法律の中でも、納骨をする期限に関する記述はありません。
納骨にも必要最低限のお金はかかるため、経済的に厳しい方もいるでしょう。

遺骨の側にありたいなどの強い理由が特にない場合には、納骨を長引かせないように心掛けるようにしましょう。

納骨時期は宗派で違う?

納骨時期は、 宗派によって異なる場合があるので注意が必要 です。
ご家族の宗派を確認した上で納骨時期を決めることが重要になります。

浄土宗
浄土真宗本願寺派
浄土真宗大谷派
真言宗
浄土宗
浄土宗は、法然を祖とする仏教の宗派です。
歴史は古く厳密に言えばもともとの浄土宗から分かれた宗派の中に今の浄土宗や浄土真宗があります。

現在では、浄土真宗のほうが一番多くなっています。

さて、 浄土宗に関して納骨時期は決められておりません 。
四十九日に納骨する方が多いのですが、火葬当日に納骨する方もいらっしゃいます。

浄土真宗本願寺派
浄土真宗は鎌倉時代に親鸞によって開かれた宗派であり、全国へと広まっていきました。
浄土真宗の中でも西本願寺を総本山とする「本願寺派」と東本願寺を総本山とする」「大谷派」に分かれています。

浄土真宗でも納骨時期は決められておりません。
自宅に何年も安置して、自身やご家族の気持ちの整理がついた時に納骨すればよいのです。

お墓の準備が出来ていない場合はお寺で預かっていただける場合もあります。また、総本山への分骨も行われています。

浄土真宗大谷派
浄土真宗大谷派は、浄土真宗の中でも東本願寺を総本山としています。
浄土真宗大谷派も納骨時期に特に決まりはありませんが、四十九日に納骨する方がやはり多いそうです。

場合によっては三十五日の場合もあります。
またここでも分骨して総本山に納骨することが出来ます。

分骨の時期ですが、火葬直後でもお墓に納骨した後でも構いません。

真言宗
真言宗は、平安時代に弘法大師によって日本に伝えられた宗派となっており、大日如来が本尊としてまつられています。
納骨時期に関する慣習は無く、自身やご家族の気持ちに整理がついた時に納骨を行えばよいのです。

このように、 宗派によって多少の違いが発生する ため、注意が必要です。
もちろん実際の納骨の場面でも方法などは変わってくるのでしっかりと確認しましょう。

しかし、どの宗派においても納骨時期を制限することに関しては共通していると思います。
やはり納骨時期にかんしては自身や家族の気持ち、経済状況などに左右されるため、縛ることは許されません。

仏式以外の納骨時期

ここまでは仏式に関する納骨時期に関しての解説をして参りました。
ここでは仏式以外の納骨時期に関して解説したいと思います。

神式(神道)
神社
そもそも神式と仏式では亡くなった方に対する捉え方が違っています。

お寺では墓地を見たことはあれど、神社ではあまり見たことはありませんよね?
それは神式では.、 境内にお墓を建立することが無いから です。

さて、 神式では火葬当日に納骨することが一般的 とされています。
しかし、前述した通りお墓の建立には2〜3ヶ月程度かかるために火葬当日にお墓が無い場合も多いと思います。

その場合は、 五十日祭、一年祭と呼ばれる霊祭に納骨することが一般的 です。
神式では五十日祭を境に忌明けとされているため、それを故人が旅立つための儀式と考えて納骨日としているようです。

納骨の方法なども仏式と異なる場合がありますので注意が必要です。

キリスト式
キリスト教
そもそもキリスト教においては.、 火葬が一般的ではないために、仏式ほど明確に納骨時期の慣習はありません 。
ですが、近年では火葬も増えており、決まりが出来つつあります。

カトリックは 1ヶ月目の追悼ミサの日 に、プロテスタントは 1ヶ月目の昇天記念日に納骨することが多い とされています。
カトリックもプロテスタントも時期による違いは無い と考えて大丈夫です。

火葬当日に納骨をすることは少なく、一旦自宅に遺骨を持ち帰り、祭壇などのふさわしい場所に安置します。
遺影などを飾り、朝夕に祈りを捧げますが、まつり方に関する詳しい決まりなどは特にないとされています。

納骨の方法なども仏式と異なる場合がありますので注意が必要です。
このように、神道、キリスト教においても一般的な納骨時期が定められていると言えど、 納骨の厳密な時期は決められておりません 。

ということで、どのような場合でも納骨時期は各家庭の考え方を尊重するという意思が読み取れると思います。

納骨をしないことも可能?

経済的な理由でお墓が立てられなかったり、遺骨を自身のもとにずっと置いておきたいと考える方もいらっしゃると思います。
結論から言えば、 納骨時期をしないことは可能です 。

先ほども申し上げた通り、 「墓地埋葬等に関する法律」 にも納骨時期に関しての記載はありません。
しかし、注意すべき点もあるのでしっかり確認していきましょう。

注意すべき点
まずは納骨しない場合の注意点を解説していきましょう。

納骨をしない場合、遺骨は自宅管理という形になるでしょう。
しかし 、管理者が自分だけではもしもの時に遺骨の管理が出来なくなってしまう恐れ があります。

急病で倒れた場合、事故にあった場合には長い時間自身の家を空けることがあるでしょう。
ふとした瞬間に大切な遺骨の入った骨壷を割ってしまうこともあるでしょう。

さらには、天災などで自宅ごと崩壊した場合は遺骨自体が無くなってしまう場合もあります。
そういうケースもあると考慮した上で納骨の時期を考えるのも良い と思います。

また、お金が無い、側に確実に置いておきたいなどの理由で 自宅の庭などに遺骨を埋めるのも厳禁 です。
これに関しては埋葬法において 「墓地以外に遺骨を埋めたら法律違反である」 と記載されています。

上記の注意点を踏まえた上で、自宅安置を考えましょう。

慣習にとらわれず最適な納骨時期を

この記事を読んで、納骨時期に決まりがないことがおわかりいただけたと思います。
一般的な納骨時期などをお伝えしましたが、それにとらわれる必要は全くありません。

ご家族、関係者の予定が合うタイミング
ご家族、関係者の気持ちが整理されたタイミング
お墓が建立されたタイミング(お墓に納骨したい場合)
以上3点のタイミングに加えて、該当する宗派のしきたりと合わせて決めるのが良いでしょう。

納骨について考えることは、亡くなった方と向き合うという意味でも非常に大事なことだと思います。
故人本人の意向があるならばそれを尊重するのも大事です。

また、納骨の方法は年々変わっていっています。
納骨先としてはこれまでお墓がメジャーだったのが、いつしか納骨堂がメジャーになっていたり、樹木葬などの供養方法もメジャーになってきました。

あなたやご家族が悔いのない納骨時期を決められることを願っております。

※ご住職様には数あるお寺のご住職の一人としてコメントをいただいております。
同一の宗教・宗派でもご住職によって多少の相違があることがあります。
この記事の監修者
釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)
釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)
1977年、北海道生まれ。浄土真宗本願寺派一乗寺所属 寺院活動のかたわら認定こども園、学童クラブを運営。 東日本大震災では民間のボランティアセンターを開設、 現在も原発事故被害者支援などを続ける。

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