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葬儀

2024.04.30

仏壇の引っ越し時の移動の方法を解説!マナーや手配の仕方も

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引っ越す時に仏壇がある場合はどうすれば良いのでしょうか。
頻繁にあるわけでは無い引っ越しの機会に、仏壇はどう扱えば良いのか、そして供養はどうすれば良いのかなどの疑問を解決していきます。

また、仏壇の引っ越しには普通の引っ越しとは異なる独特の注意点も存在します。
引っ越しの方法や、引っ越しの準備も含めて順を追って確認していきましょう。

仏壇の引っ越しはしても良いの?
家の引っ越しや建て替え、リフォームや大掃除などに伴って、仏壇を動かす機会があるかもしれません。
その時、仏壇の引っ越しはして良いのか気になることかと思います。

結論から言えば、仏壇の引っ越しはしても構いません。

しかし、本来はご先祖様や仏様の魂が宿った仏壇を勝手に動かすことはいけないことです。
それには然るべき法要が不可欠であったり、仏壇の引っ越しならではの作法があったりするので良く注意しましょう。

仏壇の引っ越しで供養が必要な場合
仏壇
仏壇を購入するとまず、「魂入れ(開眼法要)」を行います。
魂を仏壇に入れることで、仏壇がただの無機物から手を合わせ拝むための神聖なものとなります。

逆に 家の外に出す時は仏壇をただの無機物に戻すために一度魂を抜きます。
これを「魂抜き(閉眼法要)」と言います。

すなわち以下の2パターンの際は供養を行います。

家の引っ越し場合
同じ敷地内にある別の家屋へ移す場合
家の引っ越し場合
家の引っ越しの場合は僧侶を呼んで魂抜き(閉眼法要)をして貰い、転居先に置いたあとに魂入れをします。

同じ敷地内にある別の家屋へ移す場合
同じ敷地内の移動であっても、仏壇を一度家の外に出して離れなどの別家屋へ移す時は供養をします。
同じマンションの階や号室の移動も同様です。

同敷地内ということで、魂抜きと魂入れの供養をどちらも1日で終わらせることが可能ですが、来て頂く僧侶には前もって同じ敷地内であることを伝えておくと良いです。

魂抜きをしないという選択肢
魂抜きは手間がかかる上に費用も安く無いです。
故に躊躇してしまうご家庭もあるかと思います。

実は、魂抜きはどうしても行わなければいけないものではありません。
現代では魂抜きをしなくても祟りに遭ったりバチが当たったりすることはないとの意見も見受けられます。

魂抜きの目的は「ご先祖様への感謝を伝える」ことです。
ですから感謝を伝えたいのであればするべきですし、そういったことは気にしないのであればしなくても構わないのです。

仏壇の引っ越しで供養しなくても良い場合
判断
一方で、閉眼法要が要らないケースもあります。

家の外に仏壇を持ち出すわけではない場合
信仰する宗教が浄土真宗の場合
家の外に仏壇を持ち出すわけではない場合
部屋の中で配置だけ変える場合や、同じ家の中で部屋を別にするだけの場合には要らないと言われています。
それでも何か不安だという方は、お寺に相談して魂抜きを行っても良いでしょう。

信仰する宗派が浄土真宗の場合
浄土真宗には、仏壇に魂入れをするという考え方がありません。
よって、引っ越しの際や処分する際も魂抜きはしません。

仏壇の引っ越しの方法
ハスの花
引っ越しの方法は何通りかあります。

引っ越し業者に頼む
仏具店に頼む
自力で運ぶ
引っ越し業者に頼む
一番一般的なやり方です。
引っ越し業者に頼むときは業者選びが大事になってきます。

業者によっては受け付けていないところや、慣れていないところもあります。
出来るだけ信頼できる業者に頼めるよう、見積もりを出す際に事前に確認をしましょう。

また、仏壇の運搬を専門にする業者もあります。

仏具店に頼む
仏具店には専門のスタッフがいるため、安心してお任せできます。
また、転居先で仏具を取り付ける際にスムーズです。

自力で運ぶ
自分の手で運ぶ時は、梱包や運搬のやり方などを事前にしっかり確認し、大切な仏壇を粗末に扱わないよう慎重に行いましょう。

仏壇の大きさを測っておくなどの事前準備が大切になってきます。

仏壇の引っ越しの準備
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どんな方法であれ、仏壇の引っ越しは下記の手順に則ります。

仏壇の寸法を測る
魂抜きをする
梱包する
引っ越し
荷解き・飾り付け
魂入れをする
ここでは、その事前準備段階で何をすれば良いかを説明します。

業者を手配する
業者に頼む場合、まずその手配から始めます。
仏壇の引っ越しは単なる荷物の運搬ではありません。

ですから、仏壇の運搬を受け付けてくれて、かつそれに慣れた業者を選ぶのが肝心です。
引っ越し業者に問い合わせる際は、このような質問をしてみましょう。

仏壇の引っ越しには慣れているか
どのように仏壇・仏具の梱包を行うか
転居先に置いたのち、仏具を元どおりにしてくれるか
灯りがつく仏具(灯篭など)は転居先で再び灯して貰うことができるか
この質問に即答できるかどうかは、慣れたところかを見極める指針になります。

仏壇のサイズを測る
サイズを測るのは地味ですが大切な作業です。
運び出す時や転居先へ運び入れる時に、エレベーターや階段や玄関、ドアの幅などの運ぶルート上にある全てで、問題無く通れるかを確認します。

また、転居先の何処へ配置するかもこの時に考えておきます。

移動する前に仏壇の写真を撮る
仏壇を移動する頻度は高いものではありません。
そのため仏具を一度外してしまうと、正しい位置がわからずどこに取り付け直せば良いのかわからなくなってしまう可能性もあります。

移動先で仏具を取り付ける時に困らないよう、元の状態の写真を撮っておくのは大事です。

仏壇の引っ越しをする時の注意点
紙とペン
ここでは仏壇の引っ越しの注意点を確認・おさらいします。

梱包の際の注意
運搬の際の注意
引っ越しの日取り
仏壇を置く方角
梱包の際の注意
仏壇は高価な素材で作られ、また繊細な細工が施されているため、傷つかないようしっかりと丁寧な梱包が不可欠です
基本的には慣れた業者に任せてしまうのが一番良いです。

自分で梱包する場合は無理に細かく解体しすぎず、できる範囲に留めます。
解体した仏具は1つ1つ、それらの形状に適した梱包をします。

線香を立てる香炉は、火元が残っていないかきちんと安全を確認してから梱包します。
花立ては水分をよく拭き取って乾燥させ、割れやすい照明類などは十分に緩衝材を使用して包みます。

また、 解体と梱包をする前に仏壇の状態の写真を撮っておきます。
これは組み立てる際にどこに何があったかわかるようにするためです。

運搬の注意
運搬に関しては以下の3つの注意点があります。

横にせずたてたまま運ぶ
ご本尊と位牌は自らの手で運ぶ
出し入れの順番
横にせずたてたまま運ぶ
仏壇は立てて運ぶものです。
横に倒してはいけません。

トラックに積む際も立てて積み、倒れないようにしっかりと固定します。
仏壇専門の引っ越し業者なら大丈夫ですが、普通の業者に頼む場合は事前に運び方を確認しておきます。

どうしても横にしないと運び出せない場合は、必ず扉側を上、背を下に向けて持って、慎重に運びます。

ご本尊と位牌は自らの手で運ぶ
長距離の引っ越しになると、多くの荷物はダンボールに詰め込みます。
その際、仏具一式も全てダンボールに詰め込もうとする方もいらっしゃいますが、 ご本尊と位牌は別にして自らの手で運ぶのが理想です。

ご本尊と位牌は替えが効きません。
万が一の破損を防ぐため、自らの手で大切に運ぶようにして下さい。

出し入れの順番
引っ越しの荷物を運び出す際、仏壇は他の荷物よりもあとに家から運び出します。
そして引っ越し先に最初に運び入れるのが正しい順序です。

これは仏壇を長時間トラックの中に放置するのを避けるためです。

日取りを考える
仏壇
魂抜きは弔辞でもなく、かといって祝い事でも無いため、六曜との関係を考えるといつ行えば良いのかわからないといった方も多いかと思われます。

そもそも六曜とは?
日本人が慣習として、様々な行事の日を決める際の参考としているものが、「六曜(ろくよう)」と呼ばれています。

名称    込められた意味
先勝    「先んずれば打ち勝つ」と言い「なるべく先まわりして行動する」と良い日とのこと
友引    「友人を引き込む」とされている日のこと
先負    「平常を装って吉」と言い、何事も起こらないように無難に過ごすと良い日のこと
仏滅    「あらゆる物が滅する日」と言い、悪縁を切って物事を1からスタートするのに良い日のこと
大安    「大いに安し」と言い「何事にも良いとされ、やってはいけないことが特に何もない日」のこと
赤口    「全てが消滅する」とされる不吉な日
では、仏壇の引っ越しはどの日取りで行えば良いのでしょうか?

最も適当なのは「仏滅」
一般的には葬儀と同じく、法事は仏滅に行うのが良いという考え方もあります。
ですから魂抜きや魂入れ、仏壇の引っ越しなどで最も適当な日取りは 「仏滅」 だと言われています。

しかし最近では六曜を気にして縁起をかつぐ人も少なくなってきました。
自身が気にしなければ最終的にいつでも良いです。

しかし親族や親戚の中に六曜を気にする人がいる可能性もありますので、事前に周囲の人と相談しておきましょう。

仏壇を置く方角は?
仏壇を置く方角については昔から諸説ありますが、基本的に 北向きは避けて置きます。
置き方には以下の3つの説があります。

南面北座説
本山中心説
西方浄土説
南面北座説
仏壇を北を背にして、南に向けて置く置き方です。
この置き方だと仏壇に直射日光が当たらず風通しが良くなるため、最も良い設置の仕方だと考えられています。

本山中心説
仏壇に向かって拝むとき、拝む延長線上に信仰する宗派の総本山があるように仏壇を置く考え方です。
ですから、住む場所や本山のある方向によって方角は変わります。

西方浄土説(東面西座説)
拝むたびに西方極楽浄土があるとされる西の方角に向かって礼拝できるよう、東に向けて仏壇を置く考え方です。

宗派によって勧められる置き方が違います
宗派によって勧められる置き方は違います。
以下の表を参考にしてください。

置き方    宗派
南面北座説    曹洞宗・臨済宗
本山中心説    真言宗
西方浄土説    浄土真宗・浄土宗・天台宗
仏壇の引っ越しでかかる費用相場
お金
かかる費用は大まかに2種類に分けられます。
それが「供養の費用」「仏壇の引っ越しの費用」の2つです。

「供養の費用」は宗派によって異なりますし、「仏壇の引っ越しの費用」は時期や距離、サイズに応じて変動します。

大まかな目安相場は以下の通りです。

供養の費用    仏壇の引っ越しの費用
1万円〜3万円    1万円〜2万円
業者に頼む場合
大手の運送会社なら問題ありませんが、規模が小さなところでは引き受けていないところもあります。
ですから引っ越し家財に仏壇が含まれる場合は、見積もりを出す際に必ず確認します。

自力で行う場合
自力で行うのであれば、引っ越し自体の費用は特にはかかりません。
供養の際のお布施が数万円程度と、引っ越しに不可欠な軍手や梱包材などの雑費、その他ガソリン代 などを計算しておくと良いでしょう。

引っ越しの際に仏壇を処分する時の費用
何かしらの理由で仏壇を処分する場合は、仏具専門店や仏壇引っ越しの専門業者に回収を頼みましょう。
または、お墓のある菩薩寺に引き取ってもらったり、魂抜きを行なった後に粗大ゴミとして出すやり方もあります。

それぞれのやり方でかかる費用の相場は以下の通りです。
しかし、仏壇のサイズや種類によっても費用は変動するので、あくまで目安にしてください。

菩薩寺で処分    仏具店で処分    粗大ゴミとして処分
基本的に有料だが、檀家・宗派によって値段が異なるため、確認必須    2万円〜7万円(距離や仏壇の大きさによって変動)    無料〜3000円程度(収集不可の自治体もあるため、事前に確認を取る)
仏壇を引っ越しする時に処分する場合
お墓掃除代行業者
どうしても置く場所がなかったり、買い替えたりといった事情があって、仏壇を処分しなければいけない場合の仕方を紹介します。

仏壇を処分する方法は大きく分けて4つあります。

菩薩寺に頼む方法
仏具店に頼む方法
専門の廃棄業者に頼む方法
自治体の粗大ゴミに出す方法
遺品整理業者に頼む方法
菩薩寺に頼む方法
菩提寺とは、先祖代々のお墓があるお寺のことです。
そちらに回収を頼むのであれば、仏壇の魂抜きと一緒に処分して貰うことが可能か聞いてみると良いです。

お布施の費用は菩薩寺によって異なりますので、事前に確認しておきます。

仏具店に頼む方法
仏具店に頼む方法は、間違いがなく安心です。
自分が購入した仏壇・仏具店に問い合わせるとスムーズに手続きを行なって貰えます。

また、処分の日程調整もしやすいです。

専門の廃棄業者に頼む方法
専門の廃棄業者には専門のスタッフがいるので、こちらも安心して任せることができます。
また、魂抜きから全てを行なってもらうことも可能なところもあるので、一度相談してみましょう。

自治体の粗大ゴミに出す方法
粗大ゴミに出す方法は、他の処分の仕方に比べて最も安く済みます。
しかし、自治体によっては処分を引き受けないところもあるので気をつけます。

自治体の環境課や生活環境窓口へ連絡してみましょう。

遺品整理業者に頼む方法
人が亡くなった時に遺品の中に仏壇があり、遺族や親族がそれらを継承できない場合は遺品整理業者に相談してみましょう。
遺品整理業者は相続や処分に困るものについても相談を受け付けています。

仏壇の引っ越しは普通の引っ越しとは異なります
この記事では仏壇の引っ越しの仕方や日程の決め方、置く方角などの様々な注意、そして処分する時どうするかなどを見てきました。

引っ越しの機会は少ないと思います。
特に仏壇の引っ越しとなると戸惑うでしょう。

しかし、先祖の魂の宿る大切な仏壇を粗末な扱いをしないよう、正しい知識を身につけておくことは大事です。

業者に頼むにしても仏壇に関しては梱包や運搬に関する事前の打ち合わせが重要になります。
自力で運ぶにしても仏壇の引っ越しに関する正確な知識と作法を身につけ、準備も怠らないようにしましょう。

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