会葬礼状とは
会葬礼状
そもそも「 会葬 」とは、 葬儀への参列 のことをさします。
会葬礼状 とは、葬儀での会葬や香典・供花・供物・弔電・お悔やみ状などのご厚志を頂いた方への御礼の品である 会葬返礼品 に添える御礼状のことをさします。
参列者の方々が忙しい時間を割いて葬儀に参列してくださったことに対する御礼のため、香典を下さったかどうかや、その金額には関係なく、一律で会葬礼状を添えた会葬返礼品をお贈りするのが一般的となっています。
会葬礼状の見本は、以下の通りです。
会葬礼状
会葬礼状の文例
手紙
ここでは、実際の会葬礼状の文例いくつか紹介します。
何を書いたら良いか頭を悩ませている方はぜひ参考にしてみてください。
会葬礼状の文例①
亡◯(故人の続柄) ◯◯◯◯(故人の氏名)儀 葬儀の際はご多用にも関わらず遠路ご会葬賜り かつご丁重なご厚志を賜りまして衷心より厚く御礼申し上げます
本来であれば拝眉の上御礼申し上げるのが本意ではございますが 略儀ながら書中にて御礼を申し上げご挨拶に代えさせていただきます
◯◯年◯◯月◯◯日喪主 ◯◯◯◯(喪主の氏名) 外 親戚一同
会葬礼状の文例②
本日はご多忙中のところ 亡◯(故人の続柄)◯◯◯◯(故人の氏名)の葬儀においでくださいまして心から感謝いたします
大勢の方々にお別れをしていただき 故人もさぞ喜んでいることかと存じます
不行き届きのことも多々ありましたこととは存じますがお許しください
略儀ながら御礼のご挨拶を申し上げます
◯◯年◯◯月◯◯日
喪主 ◯◯◯◯(喪主の氏名) 外 親戚一同
会葬礼状の文例③
亡◯(故人の続柄) ◯◯◯◯(故人の氏名)の葬儀にあたりましては ご多忙中にもかかわらず ご会葬賜りました上 心のこもったご供物を賜りまして厚く御礼申し上げます
混雑にとりまぎれ 行き届かぬこと多々ありましたことをお詫び申し上げます
略儀ではありますが 取り急ぎ書中をもちまして御礼のご挨拶申し上げます
◯◯年◯◯月◯◯日
喪主 ◯◯◯◯(喪主の氏名) 外 親戚一同
会葬礼状の文例④
拝啓
亡◯(故人の続柄) ◯◯◯◯(故人の名前)儀 葬儀にあたりましてはご多用中にもかかわらずご会葬を賜り ご厚情のほど誠に有難く厚く御礼申し上げます
取り急ぎ拝眉の上御礼申し上げるべきところ略儀ではありますが書中をもちまして御礼申し上げます
敬具
◯◯年◯◯月◯◯日
◯◯◯◯(住所)
喪主 ◯◯◯◯(喪主の氏名)親族一同
会葬礼状の文例【家族葬の場合】
葬式
参列者が完全に遺族のみである場合、香典も全てお断りするというケースもあるでしょう。
そのような場合には、会葬礼状を作らないということもあるようです。
しかし、家族葬であっても遺族以外の親戚や生前故人と親しくしていた友人などが葬儀へ参列される場合には、会葬返礼品や香典返しと併せて会葬礼状の準備をするのが一般的となっています。
さらに、葬儀へは参列されなかったものの、後日自宅へ弔問に訪れる友人や知人の分まで見込み、実際に葬儀へ参列することが決まっている人数以上に用意しておくと尚良いでしょう。
以下、家族葬で用いられる会葬礼状の文例です。
参考にしてみてください。
拝啓
亡◯◯(故人の続柄) ◯◯◯◯(故人の氏名)儀 通夜葬儀にあたりましてはご多用中にもかかわらず弔問ご会葬賜り 誠に有難うございました
本来であれば拝眉の上御礼申し上げるべきところではございますが 略儀ではございますが書中をもって御礼申しあげます
敬具
◯◯年◯◯月◯◯日(通夜)
◯◯月◯◯日(葬儀・告別式)
◯◯(住所)
喪主 ◯◯◯◯(喪主の氏名) 外 親族一同
家族葬に関しては、こちらもご覧ください。
【終活カウンセラー監修】家族葬とは?参列者・費用・流れを解説!体験談も
第三人生編集部
会葬礼状の書き方の注意点
ポイント
会葬礼状を書く上で抑えておきたいポイントとしては、以下の2点が挙げられます。
句読点を使わない
薄墨を用いる
ここでは、これら会葬礼状の書き方の注意点について順に説明していきます。
句読点を使わない
会葬礼状には、 句読点を用いない というルールが存在します。
なぜそのような習わしがあるのかについては、大きく分けて3つの説に基づいています。
1つめは、本来会葬礼状は毛筆で書くものであったことに由来するという説です。
近世まで毛筆で書かれる書状には「 、 」や「 。 」が用いられていませんでした。
それゆえに会葬礼状にも、句読点を用いるべきでないというものです。
2つめは、 葬儀や法事が滞りなく終えられるように という意味合いを持たせるという説です。
葬儀や法事がつつがなく終わったことを伝えるべく、文章を途切らせるような「 、 」「 。 」を用いないと考えたものです。
3つめは、 読み手への敬意を払って という説です。
そもそも句読点とは、文章を読む際に読みやすくするための補助のようなものです。
あらかじめ句読点を振ってある書状を送るというのは、すでに読む力を十分に具えた読み手に対して失礼にあたるだろう、といった考えに基づいています。
薄墨を用いる
会葬礼状は 弔事の手紙 にあたるため、薄墨を用いるのが基本的なマナーとなります。
薄墨を用いることには、 涙が硯へ落ち、墨が薄くなってしまった という意味合いが込められています。
一般には筆を用いますが、万が一筆書きに慣れていないなどの理由からペン書きを選択する場合には、インクには黒もしくはブルーブラックを用いるようにしましょう。
会葬礼状の渡し方
方法
本来、会葬礼状は葬儀を終えたのちに郵送するのが一般でした。
しかし、近年では 葬儀当日、葬儀会場にて会葬御礼の品に添えて手渡しする形 がほとんどとなってきています。
その際には、葬儀後に帰宅した参列者の方々が 自宅へ入る前にお清めをするための塩 を、小袋に入れてセットにしてお渡しすることもマナーとされていました。
「死」と「穢れ」を結びつける、日本古来の神道の考え方に基づいたものです。
葬儀会社などに依頼した場合には、そのようなプランが用意されているため、自身での準備に関しての心配は不要でしょう。
しかし、葬儀の主流となっている仏式では「死」と「穢れ」を結びつけるような考えはありません。
それゆえに、近年の仏式葬儀においては、会葬礼状へ塩をつけることも減少傾向にあるようです。
また、浄土真宗においては「死」と「穢れ」を結びつける考え方を明確に否定しているため、浄土真宗の際にはお清めの塩をつける必要はないので注意しましょう。
なお、葬儀当日に手渡しする会葬礼状には 宛名を書かない ということも覚えておきましょう。
会葬礼状を後日送る場合
お悔やみの手紙 送り方
基本的に会葬礼状は、会葬返礼品に添えた状態で、通夜や葬儀・告別式の当日に参列者へ手渡しするのが一般的です。
しかし、会葬はかなわなかったものの、弔電を下さった参列者の方や、供花や供物を贈って下さった方へも、御礼状を送るようにしましょう。
また、後日送る会葬礼状ならではのポイントが存在します。
1つは、 できる限り早急に送る ということです。
会葬礼状の意味は、あくまでも御礼の気持ちです。
そのため、先延ばしにせず可能な限りすぐに送るようにしましょう。
2つめは、 当日にお渡しした会葬礼状とは文面を変える ということです。
以下、後日送る場合の会葬礼状の文例を紹介するため、参考にしてみてください。
拝啓
この度は 亡◯(故人の続柄) ◯◯◯◯(故人の氏名) 葬儀に際しましてご多忙中にも関わらずご丁重なるご厚志/弔電を賜り心より厚く御礼申し上げます
おかげさまで葬儀告別式を滞りなく済ませることができました
生前のご厚情に感謝申し上げますとともに 今後も変わらぬご厚誼賜りますようお願い申し上げます
略儀ながら書中を持ちまして御礼申し上げます
敬具
◯◯年◯◯月◯◯日
◯◯(宛名)
◯◯◯◯(住所)
◯◯◯◯(喪主の氏名)親族一同
3つめは、 なるべく手書きにする ということです。
当日お渡しする会葬礼状は多くの場合、印刷されたものを用いるケースが多いでしょう。
しかし、後日送る会葬礼状は、当日のものに比べて枚数も少ないですし、気持ちの伝わりやすい 手書き にするべきといった考え方が一般的となっています。
お礼の気持ち伝わる会葬礼状を
冒頭でも述べた通り、会葬礼状とは葬儀に参列してくださったことや、供物や弔電をはじめとしたご厚志に対するお礼の気持ちを伝える手段です。
そのため、昔ながらの習わしは守りつつ、こちらの感謝の気持ちが最大限伝わる形にしたいものです。
会葬礼状は、葬儀当日に手渡しする場合と、後日郵送する場合では若干異なる点が出てきます。
この記事が、注意点を抑えた会葬礼状の作成に役立つことを祈っています。
会葬・会葬礼状に関しては、こちらも参考にしてください。
会葬とは?会葬者のマナーや、喪主が用意する会葬御礼や会葬礼状も解説
第三人生編集部
❓ 会葬礼状とはどんなもの?
会葬とは葬儀に参列することを指し、会葬礼状は葬儀でお世話になった方への返礼品に添付する礼状を指します。どんな参列者に対しても渡すのがマナーです。詳しくはこちらをご覧ください。
❓ 会葬礼状の文はどう書く?
喪主と故人の関係・故人の名前を述べ、多忙にもかかわらず参列いただいたことの感謝を述べます。略儀ながらご挨拶申し上げます、と締めるのもポイントです。詳しくはこちらをご覧ください。
❓ 会葬礼状を書く時の注意点は?
句読点を使わないことと、薄墨を使うことが重要です。基本毛筆で記しますが、ペン書きでも対応できます。詳しくはこちらをご覧ください。
❓ 会葬礼状を受け取る側のマナー・服装は?
黒無地のスーツ・ワンピースの服装で参列し、15分前には到着することが大切です。また、重ね重ねなどの忌み言葉を使わず喪主に挨拶します。詳しくはこちらをご覧ください。