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葬儀

2024.04.30

常花とは?材質や販売場所・費用相場!お手入れ方法やおすすめも紹介

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仏壇に供える花には「生花」と「常花」の2種類があります。

生花は文字通り生ける花です。
では、常花とはいったい何なのでしょうか。

今回の記事では材質から処分の方法まで常花について紹介します。
生花と常花の違いを知って、お供えする際の参考にしてください。

常花とは
常花(じょうか) とは、仏壇の本尊と位牌に供える花供養具のひとつです。

常花には 「永遠に咲き続ける花」 という意味が込められています。
そのため、仏教の「諸行無常」を表す生花と異なり、常花は 造花 です。

常花を使用するかどうかは宗派によって異なり、天台宗、真言宗、浄土宗、臨済宗、禅宗、日蓮宗などでは使用し、浄土真宗や真宗では使用しません。
また、生花と常花のどちらを用いるかは地域の慣習によっても違うため、供える前に地域のお寺や仏壇店などに確認することをお勧めします。

生花だけでなく常花も飾ることで仏壇の品格を上げることができるので、両方飾る場合も少なくありません。

常花のモチーフは 蓮の花 で、茎の本数はほかの仏花同様3本、5本、7本など必ず 奇数 になっています。
茎の本数が3本の場合「1本立て」、5本の場合「5本立て」、7本の場合「7本立て」のように分類され呼ばれます。

金属製や木製、プラスチック製など、様々な材質の常花があります。

大きさも様々で、仏壇の中に置供える用の小常花や、法要や寺院の本堂などに飾る中型、大型の常花があります。
飾る場所に適した大きさの常花を選ぶことが大事です。

常花の飾り方
葬儀 仏花
常花は 花立 と呼ばれる花瓶に入れて飾ります。

花立は常花と同じでアルミや真鍮などの金属製であることがほとんどです。
仏壇店によっては常花と花立をセットで購入できる場合もあります。

花立の大きさやデザインの種類はたいへん豊富ですので、仏壇の大きさや雰囲気に合ったものを選ぶと良いでしょう。

花立を選ぶ際の大きさの目安としては、常花が10~15㎝ほどの場合の花立は8㎝ほど、20㎝弱の場合は10㎝前後、20㎝強の場合は12㎝ほどとなります。

基本的には蓮の花またはつぼみが向かい合うように仏壇の左右に一つずつ飾ります。
礼拝する人の心を楽しませることが仏様の喜びでもあるので、常花の表面は仏壇側ではなく礼拝する人側に向けましょう。

具足について
三具足(みつぐそく・さんぐそく)、四具足(しぐそく)、五具足(ごぐそく)とは、仏具の呼称の一種で、花立はそのうちのひとつに数えられます。

上記のほかにも六具足や十一具足などもありますが、特によく販売されている三具足と五具足について紹介します。

それぞれ配置が異なるので参考にしてください。

三具足
最も基本的な三つの仏具で、花立、香炉、燭台の三つを指します。
本尊とともに宗派に関係なく最低限必要な仏具です。

本尊に向かって左から花立て、香炉、燭台を置きます。

五具足
仏壇の中央に香炉を置き、その左右に燭台を一対、さらにその外側に花立を一対置きます。

仏壇に飾る仏具の種類や位置は地域の伝統や宗派の決まりに従いましょう。
仏壇の大きさによって決めるのも良いでしょう。

常花の材質
仏壇
常花は造花ですがその材質は様々です。

最も一般的な材質は金属で、アルミや真鍮がほとんどです。
お手入れが簡単で変色しにくいため広く使われています。

金属製の常花でも、金色できらびやかなものだけではありません。
光沢が少なく上品で落ち着いた印象の消メッキの常花もあります。

また、ピンク色などに淡く着色された柔らかな印象の常花や、色鮮やかに着色されたはっきりとした印象の常花もあります。

金属製のほかには紙製、布製、木製、プラスチック製の常花には金メッキが施されている常花や、ブリザードフラワーの常花があります。

布製の常花のなかにはできるだけ生花の質感に近づけるようにシルクで作られたものもあります。

蓮の花が常花のモチーフである理由

常花は 蓮の花 がモチーフになっていますが、常花のほかにも仏具には蓮の花がモチーフになっているものは多いです。

蓮の花が多く用いられるのには宗教的な理由があります。

仏教において蓮の花は最上位に位置付けられています。
理由は、は蓮の花が極楽浄土へ生まれ変わることができる正しい信心の在り様を表すものとされているためです。

蓮華の五徳
蓮の花が表す五つの特徴は「蓮華の五徳(れんげのごとく)」と言われます。

汚泥不染の徳(おでいふぜんのとく)
蓮は泥の中で育つにもかかわらず、きれいな花を咲かせます。

泥は私たちが生きるこの世を表しているとされていて、泥の中のようにどんなに苦しい状況にあっても清らかな精神を保ち続けることを意味します。

一茎一花の徳(いっけいいっかのとく)
蓮は一つの茎に一つの花しか咲かせません。

私たちは唯一無二存在であり、代わりはいないことを意味します。

花果同時の徳(かかどうじのとく)
多くの花が開花後に実を付けるのに対して、蓮は花が咲くのとほぼ同時に実がなります。

私たちには生まれてくるのと同時に仏の心が備わっていることを意味します。

一花多果の徳(いっかたかのとく)
蓮は一つの花に多くの実を付けます。

私たちが悟りを開くことで多くの人を幸せにできることを意味します。

中虚外直の徳(ちゅうこげちょくのとく)
蓮の茎は外側が硬いのに対して中は空洞です。
茎は日光を得ようと太陽に向かって真っすぐに伸びます。

私たちは我を捨てきちんと悟りを開くことを目指すべきであることを意味します。

常花の販売場所
常花は仏壇店やインターネットの通販サイトで販売されています。

常花を入れる花立とセットで販売されていることもあり、その種類も豊富ですのでたくさん見比べて購入されるのが良いでしょう。

常花の費用相場
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生花の費用相場が一対5千円から1万円ほどと高額であるのに対し、常花の費用相場は比較的低いです。

常花の費用は材質や茎の本数、デザインなどによって異なります。
また販売場所によっても違うため一概に言うことはできません。

ある仏壇店の通販サイトで販売されているアルミ製3本立ての常花(金色)の費用相場は、花立とセットで一対4千円程、一本2千円程です。
5本立てだと一対6千円程、一本3千円程、7本立てだと一対7千円程、一本4千円程になります。

アルミ製の常花
3本立て    5本立て    7本立て
一対    4,000円ほど    6,000円ほど    7,000円ほど
一本    2,000円ほど    3,000円ほど    4,000円ほど
アルミよりも高級な真鍮製3本立ての常花(金色)の費用相場は、花立とセットで一対8千円程、一本4千円程、5本立てだと一対1万円程、一本6千円程、7本立てだと一対1万5千円程、一本7千円程です。

真鍮製の常花
3本立て    5本立て    7本立て
一対    8,000円ほど    10,000円ほど    15,000円ほど
一本    4,000円ほど    6,000円ほど    7,000円ほど
なかにはインターネットオークションで激安で販売されている常花もありますが、仏壇に供えることを考えて購入するか決めましょう。

常花のメリット
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仏壇に供える花には生花と常花の二種類があり、基本的には常花よりも生花を供える方が望ましいです。
しかし、実際には常花は広く販売されてあり、常花を用いることにも良い点はあります。

常花は生花と違い造花です。

造花であることのメリットは 枯れない ことです。

きれいな花を仏壇に供えるのは、その花のように清らかな心を保つのが大切であるという仏様の教えです。

そのため、生花を枯らしてしまうくらいならば造花を供えてきれいに咲かせ続けた方が良いとする考え方もあります。

また、造花は生花のように水を替えたり花粉や虫のケアをする必要がありません。
生花と違って手入れに手間がかからないことも常花を用いる利点なのです。

常花のデメリット
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常花のデメリットは、生花のように仏教の「諸行無常」や生けるものの美しさを表せないことです。

昔は仏壇を持っている家も常花ではなく生花を供えるのが基本でした。
そのため、年配の方や伝統を重んじる方の中には常花を供えることに抵抗を感じる人もいます。

たとえ一輪でもいいから常花ではなく生花を供えるべきだという考え方もあるのです。

常花のお手入れ方法
常花は生花と違って水を変えたり茎をっ切ったりする必要がなく、お手入れが簡単です。
よころが、ほかの仏具同様、長い間お供えしたままにしておくとほこりをかぶってしまいます。

仏壇に供えるものですので、こまめにお手入れして清潔な状態を保ちましょう。

お手入れの方法は材質によって異なります。

金属製の常花の場合
真鍮製の常花はまず金属磨きで磨きます。
その後乾いた布で乾拭きします。

真鍮仏具用の洗浄液を使えばより簡単に磨くことができます。

着色されている場合には、金属磨きは使わず乾拭きだけにします。

汚れがひどい場合には、少し温めた後に拭くか、お湯で洗ってから拭くことをお勧めします。

金メッキが施された常花の場合
柔らかい小筆や毛ばたきなどでほこりを払うだけにします。
金メッキがはがれないようにやさしく扱うのが大切です。

供養具のお手入れ専用の毛ばたきもあります。
羽毛のものが一般的です。
インターネットで気軽に購入できます。

常花の処分方法
方法
取り換えることのできない仏壇や仏像、位牌、遺影などを処分する場合には、「魂抜き(たましいぬき・たまぬき・こんぬき)」という儀式を行い、僧侶に読経を依頼するのがほとんどの宗派では一般的です。

「魂抜き」とは、供養された故人に感謝の気持ちを表すために仏壇などに宿っている魂を抜くことです。
「開眼供養」、「お精根抜き」、「抜魂」のような呼び方もします。

常花は供養具のひとつですが、「魂抜き」をする必要はありません。

ご自身で処分する場合には、ほかの供養具と同様に分別しなければなりません。

常花は金属製のものや木製のものなど材質の種類がとても多いです。
材質によって燃えたり燃えなかったり、資源として再利用が可能であったりするので、お住いの地域のごみの分別方法に従って分別しましょう。

ご自身で処分するのがはばかられる場合には供養具の処分を専門に行う業者に処分を委託しましょう。

なかには供養を行ってくれる業者もあります。
常花の「魂抜き」もしたい場合や、仏像など「魂抜き」が必要な供養具も一緒に処分したい場合には業者に依頼しましょう。

供養具は一度処分してしまったら二度と元通りに戻すことは不可能です。
常花も故人に手向ける大切な供養具のひとつですので、処分を決める前にご家族などと十分に話し合われることをお勧めします。

常花を供えるべきか
常花を供えるかどうかは地域の伝統や宗派によって異なります。
また、人によっても常花に対する考え方はさまざまで、常花を用いるべきかと用いるべきでないのかは断言できません。

仏壇に供養具を供える際、大切なのは故人を偲ぶ気持ちです。
常花を供えるにせよ供えないにせよ、仏様に向き合う心を忘れないようにしましょう。

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