立ち上がり補助のおすすめ!転倒防止に重要な選び方・種類を解説
ベッドやトイレ、床から立ち上がるときに、ふらついたという経験はないでしょうか?
とくに高齢になると筋力が低下し転倒しやすくなりますし、1度の転倒で思わぬ怪我に繋がる可能性もあります。
今回は、立ち上がりを補助してくれる道具のメリットやおすすめの商品などをご紹介していきます。
高齢者の立ち上がりが危険な理由
高齢者における立ち上がりが危険な理由として、以下のようなデータが出ています。
平成28年度に高齢者が救急搬送された原因として、最も多い割合を占めているのが、 転倒・転落 で全体の約7割にものぼるのです。
大きな要因の1つとして、加齢などからくる筋力低下が上げられます。
もちろん筋力を鍛えることも予防策のひとつになりますが、 立ち上がり補助を使用すれば、現在の筋力でも転倒のリスクを減らせる のでおすすめです。
事故の例
実際にはどのような状況で、転倒事故が起きているのでしょう。
ここでは、 過去に起きた転倒事故 を2つご紹介していきます。
ベッドから立ち上がり転倒した事例
1つ目は 施設入所中の方が夜間トイレに行こうとして、ベッドから立ち上がり転倒した事例 です。
立ち上がったときにベッド横の台につかまりましたが、支えにしたのが可動式の台だったため台が動いてしまい、転倒し頭部に傷を負ってしまいました。
便座に座る際に転倒してしまった事例
2つ目は 歩行器を使用してトイレまで行き、便座に座る際に転倒してしまった事例 です。
歩行器から便座に移る際、一時的に手を離して転倒し足を骨折してしまいました。
他にも車いすからベッドに移るときなど、 方向転換するときに転倒する事例は多く、注意が必要 になります。
このような事故が骨折など大きなケガの元となっており、逆に 立ち上がり、方向転換を安定させることは、ケガの予防にもつながるのです。
立ち上がり補助を使うメリット
メリット
立ち上がり補助を使用することで、どのようなメリットがあるのか、ご紹介していきます。
立ち上がりをサポート
方向転換・姿勢安定が容易に
歩行時の転倒防止
立ち上がりをサポート
立ち上がり補助という名前の通り、 不安定になりがちな立ち上がりをサポートしてくれるのが大きなメリットです。
補助を使用することで、スムーズに立ち上がることができ、転倒のリスクを軽減することができます。
介助者がいる場合でも介助の量が減るので、家族や周りの人にとってもメリットは大きいと言えるでしょう。
とくに老々介護のご家庭では、介助者の負担軽減も考えていかなければいけません。
また、介助する側もされる側も 「こけるかもしれない」という精神的な不安が減ることになり 、毎日のストレス軽減にも役立ちます。
方向転換・姿勢安定が容易に
立ち上がり補助を使用することで、 立ち上がった後の姿勢を安定させることや方向転換も楽に行うことができます。
なかには、手すりの形が方向転換しやすいようL字になっているものもあり、その場での動作がよりスムーズに行える作りになっています。
とくにトイレなど、狭い場所で方向転換しなければいけないときは転倒事故も起きやすいので、 少しでも不安のある方は設置を検討してみましょう。
歩行時の転倒防止
立ち上がり補助のなかには、いろいろなパーツを組み合わせることで、 室内を歩くときの補助をすることもできます。
杖などの補助具もありますが、安定性に欠けるので自宅などの限られた場所であれば、補助を設置した方が転倒予防にはよいでしょう。
立ち上がり補助の種類
高齢者 夫婦
どのような立ち上がり補助があるのか、タイプ別にご紹介していきます。
特徴などを合わせてご紹介するので、 自宅にはどのタイプが合っているのか、検討しながら見ていきましょう。
据え置き型
据え置き組み合わせ型
突っ張り型
マット
①据え置き型
据置型は布団の横やトイレなど、 自分の好きなところに置くだけで使用できます 。
どこかに固定しているわけではないので、突っ張り型よりは安定性には欠けますが、その分好きなときに移動して使うことができるというメリットがあります。
なかには重い商品もあるので、移動させるのが難しい方は、複数用意して設置するのがよいでしょう。
無理に移動させようとすると、それも転倒の原因になってしまうので、注意してください。
②据え置き組み合わせ型
組み合わせ型は、 据え置き型の立ち上がり補助をいくつか組み合わせることで、方向転換や歩行を補助できるものです。
立ち上がりだけでなく、自宅内の移動も補助が欲しいときに使用するとよいでしょう。
③突っ張り型
突っ張り型は、 天井と床に棒を突っ張る形で取り付ける立ち上がり補助です。
据え置き型よりも安定性が増すので、より安心して動作を行うことができます。
また、据え置き型よりも場所を取らないので、 限られたスペースでも補助を設置することができてとても便利 です。
ただし、一度固定すると動かすのには手間がかかるので、設置するときには普段の生活を考慮し、一番効率のよい場所に付けるようにしましょう。
④マット
マットタイプの立ち上がり補助は、 設置することで立ち上がるときに足元が滑らないようにしてくれます。
使用する場合はベッド下など、立ち上がるときに足を滑らせやすい場所に置きましょう。
足を固定できることで、 立ち上がるときに足に力を入れやすくなります。
介助する側も足が滑る心配をせずに済みます。
ベッド柵などがすでにあり、持ち手が必要ない場所に設置したい方はこちらがよいでしょう。
立ち上がり補助の選び方
選択
素材
高さ
立ち上がり方にあった物を
握りやすい物
両手で握れる物
素材
立ち上がり補助にも、いろいろな素材のものがあります。
木製や金属製、プラスチック製などあるので、 設置場所や用途、自分の手に馴染むかどうかなどを考慮して選びましょう。
高さ
立ち上がり補助の高さは、 スムーズに動作を行うために大切なポイント になります。
身長でも適切な高さは変わるので、誰が使うのか、共同で使用する場合は誰に合わせるのか、きちんと話し合ったうえで決めるようにしましょう。
立ち上がり方にあった物を
立ち上がり補助は、 立ち上がり方によっても最適な商品が変わってきます。
手や肘を付きながら立ち上がるのか、何かにつかまるようにして立ち上がるのか、設置を検討するときには、普段どのように動いているかを確認しておきましょう。
握りやすい物
商品によって、 握る部分の太さや形状、素材も変わってきます。
横に握れた方がよいのか、縦に握れた方がよいのか、太いのか細いのかなど、可能であれば実際に触れて確認しながら検討するのがよいでしょう。
両手で握れる物
商品によって大きさや使い方はさまざまですが、 両手で握って使用できるものであれば、より安定性が増すのでおすすめです。
とくに足の力に自信がない方や、足の麻痺などがある方は両手で握れるものが安心でしょう。
【コラム】介護用椅子
介護用椅子とは、 足の筋力が弱い方や高齢者の方などが、日常生活が送りやすいよう工夫されている椅子のことです。
リクライニング機能がついていたり、立ち上がりやすいようひじ掛けが付いています。
滑りにくくなっていたり、など用途に応じてさまざまな椅子があります。
日中過ごす時間の長いリビングだけでなく、靴の脱ぎ履ぎが大変な玄関や、床が滑りやすい浴室などでも活躍してくれます。
なかには見た目は普通の椅子と変わらないものも多く販売されているので、そのような商品を選べばリビングに置くことへの抵抗も少なくなるでしょう。
レンタルしている会社もあるので、迷ったときにはまずレンタルで試してみてください。
自宅や生活スタイルに合った立ち上がり補助を選びましょう
一言で立ち上がり補助といっても、さまざまな種類、素材の商品があります。
自分の動き方、自宅での動線など、ライフスタイルに合わせて最適な商品を選びましょう。
自分ではしっかり動けているつもりでも、周りから見ると不安定なこともあります。
ご家族も普段の動作がちょっと心配だな、と思ったら、早めに本人に声をかけて転倒予防に努めるようにしましょう。
高齢になると骨はもろくなり、ちょっとした転倒でも骨折などのケガにつながります。
一度ケガしてしまうと、その後の生活にも影響する可能性があるので、まずはしっかり転倒予防をして、安心できる毎日を過ごしましょう。