坐骨神経痛改善!原因とストレッチ3選
「最近、お尻や太ももが痛くて困っている」、「足がしびれて、日常生活に支障をきたしている」という方はいませんか?もしかしたら、それは坐骨神経痛かもしれません。
本記事では、坐骨神経痛の原因となる病気や症状について解説し、自宅でできる効果的なストレッチを3つ紹介します。 さらに、坐骨神経痛を悪化させるNG行動についても詳しく説明しますので、予防対策もしっかりと学びましょう。
坐骨神経痛とは?症状や原因を解説
坐骨神経という、腰部から臀部、足にかけて走行する重要な神経があります。この神経が何らかの原因で圧迫されると、臀部や太もも、ふくらはぎなど、広範囲にわたって痛みやしびれが発生することがあります。この症状を「坐骨神経痛」と呼びます。
通常は片足に症状が現れますが、稀に両足に症状が出る場合もあります。痛み方は個人によって異なり、「ジリジリとした焼けるような痛み」「チクチクと刺されるような痛み」など、さまざまな表現があります。
症状は人によって異なりますが、多くの方が以下のような症状が出るとされています。
- お尻から足先にかけての痛みやしびれ
- ジリジリとした焼けるような痛み
- チクチクと刺されるような痛み
- 足の筋力低下
坐骨神経痛は単なる症状であり、様々な病気が原因となっています。そのため、根本的な治療のためには、まず原因となっている病気を特定することが重要です。
坐骨神経痛の主な原因
50~60代の方々に多い坐骨神経痛の原因として、以下の3つが挙げられます。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎の間にある「椎間板」と呼ばれるクッションが損傷し、飛び出すことで神経を圧迫する病気です。腰椎椎間板ヘルニアは、20代から30代の若い世代に多く見られ、特に男性の発症率が高いことが知られています。発症者の約65%が、この年齢層に集中しているというデータもあります。しかし、50~60代でも発症することがありますので注意が必要です。
特徴的な症状の一つとして、前屈みの姿勢をとった際に痛みが強くなることが挙げられます。
腰部脊柱管狭窄症
加齢や重労働などにより、腰椎の脊柱管(背骨の中の神経が通る管)が狭くなることで、坐骨神経が圧迫される病気です。この状態は、加齢による椎間板の変性や骨の増殖などによって発生することがあります。50歳以上の方に多く見られます。
腰椎椎間板ヘルニアとは異なり、腰を反らす姿勢をとると痛みが強くなる特徴があり、痛みによって長距離歩行が困難になるケースも少なくありません。
梨状筋症候群
お尻の筋肉である梨状筋の緊張や硬化により、その下を通る坐骨神経が圧迫される病気です。この状態は、長時間の中腰作業や長時間の運転など、梨状筋に負担をかけるような動作によって引き起こされることが多く、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症に比べると比較的まれな疾患です。多くの場合、ストレッチやマッサージなどの適切な治療によって症状が改善されます。
坐骨神経痛の原因となる病気には、様々な要因が関係しています。
加齢による影響
加齢に伴い、椎間板は水分を失い、硬くなっていきます。これにより、クッションとしての機能が低下し、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症のリスクが高まります。
姿勢の悪化
長年の悪い姿勢や長時間のデスクワークにより、腰椎への負担が増加します。これが椎間板への圧力を強め、様々な病気のリスクを高めます。
筋力低下
加齢とともに筋力が低下すると、腰を支える力が弱くなり、腰椎への負担が増加します。特に、腹筋や背筋の筋力低下は要注意です。
運動不足
運動不足は筋力低下を招くだけでなく、筋肉の柔軟性も失われます。これにより、腰への負担が増加し、様々な病気のリスクが高まります。
過度の運動や重労働
反対に、急な激しい運動や長年の重労働は、腰への負担を増大させ、坐骨神経痛の原因となる病気のリスクを高めます。
坐骨神経痛の症状は人によって異なりますが、以下のような症状がある場合は、常生活に大きな影響を与える可能性があります。
- 足の動きが悪くなったり、痛みが急に強くなる
- 発熱や体重が著しく減る
- 排尿や排便に異常が見られる
- 坐骨神経の症状が3か月以上続く
これらの症状がみられた場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
坐骨神経痛を改善するためのストレッチ・マッサージ
坐骨神経痛の症状を和らげるためには、ストレッチやマッサージが効果的です。以下に、自宅で簡単にできるものをいくつか紹介します。
痛みを感じながら無理にストレッチやマッサージを行うことは避け、自身の体の状態に合わせて慎重に行うようにしましょう。
ボールマッサージ(殿部)
テニスボールを臀部に当て、体重をかけて筋肉を圧迫します。反対側の足を動かし、身体を左右に揺らすことで、臀部の筋肉を効果的にストレッチできます。
梨状筋ストレッチ
椅子に座り、右足を左太ももに載せます。
背筋を伸ばしたまま、腰を支点にして上半身を前傾させます。
この姿勢を15~30秒キープし、呼吸は止めないように注意します。
左右交互に3回ずつ行います。
坐骨神経の可動域を広げる運動(スライダー)
1. 両手を後ろに回し、肩甲骨を寄せるようにします。
2. 上体を起こし、膝を伸ばして足首を反らします。
3. ゆっくりと上体を倒し、下を向きます。
4. 再び上体を起こし、膝を伸ばして足首を反らします。
5. 痛みが出ない範囲で、この動きを5~10回繰り返します。
膝を伸ばす動きと足首を反らす動きを意識しながら、無理のない範囲で行いましょう。
坐骨神経痛が悪化するNG行動とは?
坐骨神経痛に悩んでいる方は、日常生活の中に悪化させてしまう要因が潜んでいる可能性があります。自身の生活習慣を見直し、改善することで、坐骨神経痛の症状緩和に繋がるかもしれません。ここからは、日常生活で気をつけるべきポイントをいくつか紹介します。
長時間の同じ姿勢を避ける
長時間同じ体勢での作業は、筋肉の緊張や血行不良を引き起こし、坐骨神経痛の悪化に繋がることがあります。デスクワークや運転など、長時間座り続ける際は、1時間に1回程度は立ち上がって体を動かしましょう。また、座っているときも姿勢を意識し、背筋を伸ばすよう心がけてください。
重い物を持ち上げる際の注意
重い物の持ち上げは、腰への負担が大きくなり、坐骨神経痛の悪化に繋がることがあります。重い物を持ち上げる際は、正しい姿勢を意識し、無理のない範囲で行うようにしましょう。腰を曲げずに膝を曲げて持ち上げ、腰への負担を軽減することが大切です。また、重い物の持ち上げを複数人で協力して行うなど、工夫することも有効です。
適度な運動を心がける
激しい運動は、腰や脚への負担が大きくなり、坐骨神経痛の悪化に繋がることがあります。運動をする際は、無理のない範囲で行い、痛みが出た場合はすぐに中止しましょう。
ウォーキングやストレッチなど、体への負担が少ない運動から始めることをおすすめします。また、運動前にしっかりと準備運動を行い、筋肉を温めてから運動を始めると、怪我のリスクを軽減できます。
寝具の見直し
寝具との相性が悪いと、睡眠中に腰や脚に負担がかかり、坐骨神経痛の悪化に繋がることがあります。自分に合った寝具を選び、快適な睡眠を心がけましょう。特に、腰痛持ちの人は、腰を支えることができる硬めのマットレスを選ぶことが推奨されています。また、枕も首への負担を軽減できる高さのものを選ぶことが重要です。
体を冷やさない
冷え性は血行不良を引き起こし、坐骨神経痛の悪化に繋がることがあります。冷えやすい方は、温かい服装をしたり、湯船に浸かったりして、身体を温めるようにしましょう。特に、足先や腰回りなど、冷えやすい部分はしっかりと温めることが大切です。また、冷えやすい体質の人は、食事で身体を温める食材を積極的に摂取することも有効です。
ストレス解消
ストレスは、筋肉の緊張や血行不良を引き起こし、坐骨神経痛の悪化に繋がることがあります。ストレスをためないように、気分転換をしたり、リラックスできる時間を作ったりしましょう。散歩やヨガ、音楽鑑賞など、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。
坐骨神経痛は、日常生活のちょっとした習慣を見直すことで改善できる可能性がありますので、ぜひ生活習慣を見直してみて下さい。
症状が改善しない場合は、医療機関を受診し、専門医に相談することをおすすめします。
まとめ
坐骨神経痛は、腰から足にかけての痛みやしびれを引き起こす、非常に厄介な症状です。しかし、原因となる病気を特定し、適切な対策を取ることで、症状の改善が期待できます。
日頃から姿勢や生活習慣に気を付け、定期的なストレッチや適度な運動を心がけることで、坐骨神経痛の予防や症状の緩和につながります。また、症状が気になる場合は、早めに医療機関を受診し、専門医に相談することをお勧めします。
年を重ねても活動的で快適な生活を送るためには、自身の体調に注意を払い、必要に応じて生活習慣の見直しや専門家のアドバイスを受けることが大切です。
この記事を参考に、皆さまが坐骨神経痛に悩まされることなく、健康で充実した日々を過ごせることを願っています。