60代に必要な1日の摂取カロリーは?食事内容やおすすめレシピなどもご紹介
「最近、食事量が減ってきたけど大丈夫かな?」「ちょっと食べすぎてるかもしれないな…」
1日の摂取カロリーが適切なのか、気になることはありませんか?
歳を重ねると気になってくるのが健康面。生涯健康でいるために、日々の食事は大切にしたいですよね。
今回は、60代の運動量に合わせた適切なカロリー数、食事内容のポイント、それに合わせたおすすめレシピなどをご紹介していきます!
60代が1日に必要な摂取カロリーは、1650 kcal~2750kcal
60代の方が1日に必要な摂取カロリー数は、性別や活動レベルによって異なります。
ここで、男女別・活動レベルごとに必要な摂取カロリーをまとめたので、自分に当てはまる適切なカロリー数を確認してみてください。
「活動レベル 低い」:生活の大部分が座位で、静的な活動が中心。
・男性:2,050kcal
・女性:1,650kcal
「活動レベル ふつう」:座位中心の仕事だが、職場内での立ったままの作業・接客などがある、または運動・買物・家事・軽いスポーツなどの動作がある。
・男性:2,400kcal
・女性:1,950kcal
「活動レベル 高い」:移動や立位の多い仕事への従事者、またはスポーツなど余興における活発な運動習慣を持っている。
・男性:2,750kcal
・女性:2,200kcal
1日に必要なカロリーをお伝えしましたが、このカロリーを摂取できるのであれば「何を食べてもいい!」というわけではありません。
実際には3大栄養素の摂取量を考えながら、バランスのとれた食事を行う必要があります。
3大栄養素の摂取量
3大栄養素というのは、私たち人間のエネルギー源となる、たんぱく質・炭水化物・脂質の3つの栄養素のことです。
この3大栄養素について、それぞれ解説します。
・たんぱく質
内臓や血液、筋肉など主に身体をつくる大切な栄養素で、エネルギーの源です。肉類、魚類、卵類、大豆製品、乳製品などに多く含まれています。
摂取量の目安は1日60~65g程と言われており、鶏ささみ100gで23g、卵黄100gで16g、納豆100gで16g程度摂取できます。
・脂質
脂質は1gあたり約9kcalと、エネルギー効率の良い栄養源です。
細胞膜を構成する成分としても働く体に欠かせない栄養素のひとつですが、摂りすぎると肥満の原因となるため注意しましょう。
1日の摂取量の目安は、総エネルギーの20~30%と言われています。たとえば、1日の摂取エネルギーが2,000kcalの場合は、44~67gが適量となります。
全脂無糖ヨーグルトで100gで3g、糸引き納豆100gで10g、鶏卵100gで10.2g程度摂取できます。
・炭水化物
炭水化物は、脳や体を動かす主なエネルギー源として利用される大切な栄養素です。
不足すると注意力の低下や疲労感につながりますが、摂りすぎると肥満や生活習慣病のリスクが高まるため、適切な量の摂取を心がけましょう。
1日の摂取量の目安は、総エネルギーの50~65%と言われています。たとえば、1日の摂取エネルギーが2,000kcalの場合は、250~325gが適量となります。
おにぎり100gで39.4g、そば100gで26g、角形食パン100gで46.4g程度摂取できます。
そのほか、ビタミンや亜鉛などのミネラルの摂取も、皮膚の健康や免疫機能、体の調子を整えるうえで欠かせない栄養素です。
1日に必要なエネルギーだけではなく、たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルを摂取できる、バランスの取れた食事メニューを心がけましょう。
たんぱく質不足に注意
シニアの方が特に不足しやすいと言われているのがたんぱく質です。これは年齢を重ねることにより、消化能力や食欲の低下によるものと言われています。
では、たんぱく質が不足するとどうなるのでしょうか?
たんぱく質不足は低栄養を招きやすいと言われており、低栄養状態が続くと筋肉量が減ってしまいます。
それに伴い、転倒しやすくなったりなど、日常生活の基本的な動作に影響が生じる可能性があるため、注意が必要です。
1日3回の食事の中に肉や魚、大豆製品などを取り入れ、たんぱく質をしっかりと取ることを心がけましょう。
また、日本人は慢性的にカルシウムが不足しがちと言われていますが、間食には牛乳・乳製品などを取り入れ、カルシウムの摂取を心がけるのもポイントです。
カルシウムの摂取は、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)予防にもなります。
菓子パンや、カップラーメンなどの加工食品ではなく、「一汁三菜」に代表されるバランスの良い食事を摂るようにしましょう。
1日に必要なカロリーを摂取するための食事
では、実際にどのような食事をとれば1日の目安カロリーを摂取できるのでしょうか。
ここでは先ほど冒頭で紹介した「活動レベル ふつう」の方の、食事例をご紹介します。
朝食
・食パン1枚(6枚切り)
・目玉焼き
・野菜サラダ
・ヨーグルト
・牛乳コップ半分
・リンゴ半分
昼食
・ご飯200g
・味噌汁
・焼き魚
・野菜の煮物
夕食
・ご飯200g
・冷ややっこ
・ほうれん草のおひたし
・きのこのバター炒め
・みかん1個
いかがでしょうか?意外に多いと思われた方もいるのではないでしょうか。
自分の日々の食事メニューと比較して、参考にしてみてくださいね。
1日の活動量が少ない方は
もし、ほとんど外出しないという方の場合、主食と主菜をそれぞれ1つ分少ない程度に調整しましょう。
自分の活動量に合わせて食事を見直し、健康的な生活を心がけることが大切です。
1日の摂取カロリーが目安カロリーを下回ると
ここまで1日に摂取するべき目安のカロリーについてご紹介してきましたが、摂取カロリーが目安カロリーを下回ると、どうなってしまうのでしょうか。
食事量が減ることで、1日の摂取するカロリーが低下すると、問題になるのが栄養不足(低栄養)です。
「たんぱく質不足に注意」の項目でもお伝えしまいしたが、低栄養状態が続くと筋肉量が減ってしまい、日常生活の基本的な動作にも影響が出てきます。
また、食事量の減少に伴う水分不足にも注意です。年齢があがるにつれ身体の中の水分量は少なくなるため、脱水症になりやすくなると言われています。
しっかりと食事や飲み物を摂り、水分不足を補うようにしましょう。
食事量が少なくなってきたと感じたら、どこに原因があるのかを考え、必要な栄養を摂れるような工夫を心がけることが大切です。
1日の摂取カロリーが目安カロリーを上回ると
摂取カロリーが目安カロリーを下回ってはいけませんが、反対に上回っていればよいという訳でもありません。
食べ過ぎによるカロリー過多・運動不足は、内臓脂肪型肥満につながる原因になります。
それにより、心臓病・高血圧・糖尿病・動脈硬化・痛風など、成人病になるリスクを高めてしまいます。生涯健康で過ごすためにも、カロリーの取りすぎには十分注意しましょう。
参照:厚生労働省
1日に必要な摂取カロリーを摂取するための5ポイント
では、1日に必要な摂取カロリーをきちんと摂取するためには、どのようなことを実践するべきなのでしょうか。
ここからは、今日からで実践できるポイントを5つ紹介します。
ポイント1:食材を変える
噛む力が弱くなっても、食材を工夫することで、いつものメニューが食べやすくなります。
例えば、豚肉のしょうが焼きは、しゃぶしゃぶ用の薄切りバラ肉にしたり、しょうが汁に漬け込んで柔らかくしたりするとよいでしょう。
さらに、片栗粉をまぶして炒めると、飲み込みやすいなめらかな食感になります。
また、シチューなどは、水の代わりに牛乳やスキムミルク、豆乳などを加えると、簡単にたんぱく質の摂取量を増やすことができます。
ポイント2:食材を増やす
炭水化物に偏りがちな朝食や昼食には、少しでもたんぱく質を加えてみましょう。
朝食には、パンのみでなく、チーズ、ヨーグルト、卵、牛乳などを加え、昼食には肉や卵を加えれば不足しがちなたんぱく質を補うことができます。
また、魚の缶詰や練り物製品などは手軽にたんぱく質を摂取できるのでおすすめです。
ポイント3:メニューを簡単にする
たくさんの品数を用意するのが大変なときは、具だくさんの汁物や丼物などがおすすめです。
エネルギー、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維が一度に取れるメニューにすると、時間も手間も省くことができます。
ポイント4:味付けを変えてみる
おいしいと感じないと、食は進まないですよね。年齢が上がるとともに味覚は低下してくるため、味を感じにくくなります。
おいしく感じられないのは、塩分控えめの薄味だからかもしれません。
もしかかりつけの医師から塩分摂取を控えるように指示されていない場合は、好みの味付けでおいしく食べることを優先するのもおすすめです。
バターやマヨネーズなど、脂質の多い食品を料理に少量加えると、不足しがちなエネルギーが摂りやすくなります。
ポイント5:運動習慣を見直す
食欲がないときは1日の活動量を見直してみるのもポイントです。
体調や身体に問題がなければ、食前に散歩などの軽い運動をするのもいいでしょう。65歳以上の方の場合は、毎日合計40分以上は体を動かすとよいと言われています。
運動すると気分転換やストレス解消にもつながるので、日々の生活に取り入れるようにしましょう。
60代にお勧めの食事レシピ
最後に、さくっと作れるおすすめのレシピを3品ご紹介します。ぜひ今日の食事のメニューに加えてみてくださいね。
1.<やわらかえのきバーグ>
まずはベターホームさんの「やわらかえのきバーグ」です。
年齢を重ねると、かたいお肉や脂はさけがちになりますよね。そんなときにおすすめのメニューが「やわらかえのきバーグ」。
お肉にえのきを混ぜることで、しっとりやわらかく、食べやすくなります。さっぱりとしたい場合は、消化を助ける大根おろしを添えてみるのもよいでしょう。
詳しい作り方は、下記URLをご確認ください。
参照:Betterhome Jounal Plus やわらかえのきバーグ
2.<さば缶の具だくさん汁>
次にご紹介するレシピは、ベターホームさんの「さば缶の具だくさん汁」。
買いものに行くのが大変な時も、缶詰のストックがあれば作れる時短レシピです。
さば缶は、汁にもうまみがたっぷりあるので、缶汁と少量のみそを溶くだけで作ることができます。野菜を加えると、より栄養素を摂取することもできます。
詳しい作り方は、下記URLをご確認ください。
参照:Betterhome Jounal Plus さば缶の具だくさん汁
3.< 長いものとろとろ中華がゆ>
最後にご紹介するのは、おいしい健康さんの「長いものとろとろ中華がゆ」。
長いもの自然なとろみと、ほのかな甘みが口当たりを柔らかくし、体にスッと馴染むメニューです。胃腸にも優しく、体を労わりたい時におすすめの一品です。
詳しい作り方は、下記URLをご確認ください。
参照:おいしい健康 長いものとろとろ中華がゆ
まとめ
60代に必要なカロリー数、食事内容、おすすめレシピなどを紹介してきました。
ポイントは、
・1日の目安カロリーは1650 kcal~2750kcal。
・3大栄養素の中でもたんぱく質不足に気をつけ、3回の食事の中に取り入れる。
・カロリーだけでなく栄養素を考え、メニューや食材を工夫してみる。
の3つです。
生涯楽しく食事を楽しむために、ぜひ今後の食生活の参考にしてみてくださいね!