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お金のこと

2024.04.30

老後資金は2000万円で足りる?人生100年時代に備える老後資金の貯め方

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近日、「老後資金」といった言葉とセットで「2000万」といった金額をよく耳にすると思います。
一度は聞いたことがある人がほとんどなのではないでしょうか。

しかし、実際にその2000万円について、どう貯めるかと考えてみるとあまりピンと来ないかもしれません。

ここでは、今話題となっている老後資金2000万円について説明していきます。

老後資金は2000万円で足りる?
多くの人が気になっているであろう、老後資金の目安。

2019年6月に、金融庁の報告書から 老後資金が2,000万円不足する という報告がなされましたが、経済産業省の試算からは 2,895万円の貯蓄 が必要であるとされている。

では、実際に老後の資金はいくらあれば足りると考えてよいのでしょうか。

金融庁から公表された 2000万円 という金額は、様々な統計による国民の平均の値を用いて機械的に計算されたものです。

ここで鍵となるのが以下のポイントです。

国民年金の所得代替率の低下傾向
介護費用や子供への援助
現役世代での手取り収入に対する、年金の金額の水準を示した所得代替率は、2014年時点の62.7%から低下していき、2043年時点では約50%ほどになると推計されています。

加えて、老後に必要なのは生活費のみではなく、介護費用・家のリフォーム・子どもへの援助などといった備えも必要となってきます。

長生きすればするほど、多くの資金が必要になることもあるでしょうし、老後資金は一概にいくらといった目安を算出することは難しいのが事実です。

老後資金2000万円問題とは?
老後資金は公的年金のみでは約2000万円不足する
といった内容の指摘をした金融庁の報告書が世間で物議を醸し、のちに事実上の撤回へと追い込まれることとなった 老後資金2000万円問題 。

そもそも、その2000万円とは一体どのようにして計算されたものなのでしょうか。

金融庁の報告書で記されている2000万円は、以下の条件を前提として算出されています。

夫が65歳、妻が60歳の時点にて、夫婦とも無職
30年後(夫が95歳、妻が90歳)時点まで夫婦とも健在
その間、家計収支が毎月5.5万円の赤字
※「毎月5.5万円の赤字」というのは、総務省による『家計調査(2017年)』に基づいた、高齢夫婦無職世帯の平均

この統計を元に計算していくと、以下の通り老後30年間で約2000万円不足してしまうということになります。

5.5(万円/月) × 12(ヶ月) × 30(年) = 1980(万円)
計画的に老後資金を貯めることが大事
老後に必要となる明確な金額もわからない、このような状態で重要となってくるのが、 早いうちから計画的に老後資金を貯めていく ということでしょう。

老後に備えて、現役時代からなんらか手段で資産形成へ取り組むための方法としては、以下のような例が挙げられます。

定期預金など預貯金
財形貯蓄
DC(確定拠出年金)制度
NISA(少額投資非課税制度)
お金に関わることなので、いずれの方法にしてもきちんとした知識を持って取り組むことが欠かせません。

老後資金に不安を感じたその時から、行動に移していくことが必要です。

40代からできる老後資金の貯め方
では、40代からできる老後資金の貯め方には一体何があるのでしょうか。

40代では、30代までとは異なってくることも様々あるはずです。

お金の面であれば、生活費だけでなく、住宅ローンの返済や子どもへの教育費に各種保険料など、多くの出費に頭を悩ませている人も少なくないはずです。

日々の生活に忙しい40代ではありますが、一度改めて老後の生活設計を立ててみることをオススメします。

以下のような手順で考えてみましょう。

退職後の生活費の見積もり
年金の見込み額や退職金の把握
60歳時点での目標額設定
退職後の生活費の見積もり
40代で、老後の生活を具体的に想像してみるのは困難ではありますが、将来を一定程度明確にしてみることで具体的なプランニングが可能となります。

まずはじめに、現在の生活費をベースとして、子どもの成長などを考慮しながら、退職後に生活を送っていくために必要となる1ヶ月の金額を概算してみます。

加えて、趣味など楽しみたいことを1年に必要な金額として見積もり、月あたりに置き換えて、先ほど概算した生活費へとプラスしたものが、退職後の生活費の見積もりとなります。

年金の見込み額や退職金の把握
次に、退職した後に入ってくる金額、すなわち公的年金や退職金について把握します。

公的年金について、40代から送られてくる「ねんきん定期便」に記載されているものは、 支給開始年齢 と これまでの加入歴による支給見込み額 です。

これは、60歳まで保険料を納めた場合に支給される金額よりも少なくなっており、あまり参考になりません。

そこで、「ねんきんネット」などを利用することで、自分の支給見込み額をきちんと試算し、把握することができます。

加えて、勤務先で退職一時金・企業年金制度などがある場合には、制度内容や大体の支給額についても把握しておきましょう。

60歳時点での目標額設定
前の工程により、公的年金や勤務先の退職一時金・企業年金の金額を把握したら、はじめにプランニングした老後の生活資金へと当てはめてみます。

計算してみることで、60歳時点までに自力で準備する必要のある目標額がわかります。

この金額を40代から把握しておくことで、前項であげた資産形成などを有効的に行うことができるはずです。

50代からできる老後資金の貯め方
50代の家計の特徴
50代の家計の特徴としてあげられるのが、 教育費のピーク と 収入の頭打ち です。

結婚や出産年齢によって差は出てくるものの、子どものいる世帯では、教育費がピークに達することでしょう。

一方で、収入の面では、会社員の場合には役職定年などで頭打ちになってしまったり減少してしまったりするケースも少なくないでしょう。

しかし一般的に、50代は踏ん張りどころだと言われています。
その理由には以下のことがあげられます。

今後は支出が大きく減少する
夫婦世帯になると生活費が減少
住宅ローンの返済終了
子供が社会人になると、高校や大学の学費に払っていた金額が不要となり、支出は大きく減少します。

子供が自立し、夫婦のみの生活となれば、食費や光熱費などの生活費も減少します。

そして、住宅ローンが繰り上げ返済などで予定より早く返し終えると、しばらくは固定資産税などといった維持費で済むこととなります。

このようなことから、50代では夫婦共働きなどで、もう一踏ん張りし老後資金の貯金をしていきたいところです。

50代の家計の貯金額
【図2】

『家計の金融行動に関する世論調査2018年(2人以上世帯調査)』によると、50代の家計の貯蓄額の平均は 1,481万円 、中央値が 900万円 となっています。

しかし上記の中には、貯蓄ゼロ世帯も含まれているため、改めて貯蓄ゼロ世帯を外した貯蓄保有世帯のみの貯蓄額の平均は 1,828万円 、中央値は 1,186万円 まで上がります。

上記のグラフを見ると、貯蓄額の分布の山は両側へと別れており、1,000万円以上の貯金がある世帯も4割強いる一方、貯蓄ゼロもしくは100万円未満の世帯も2割ほどいます。

60代からできる老後資金の貯め方
では60代での老後資金の貯め方はどうでしょうか。

60代の家計の貯金額
『家計の金融行動に関する世論調査2018年(2人以上世帯調査)』によると、貯蓄ゼロ世帯を含んだ50代の家計の貯蓄額の平均は 1,849万円 、中央値は 1,000万円 、貯蓄ゼロ世帯を外した貯蓄保有世帯のみの貯蓄額の平均は 2,415万円 、中央値は 1,500万円 となっています。

定年退職のタイミングと公的年金支給のタイミングとのギャップが懸念される中、60代でも資金を貯めていきたいところです。

60代の老後資金の貯め方
1つめは、 定年退職後も働く ということです。

定年退職後も働き続けるということは、老後資金が減少していくスピードを抑えることへとつながります。

ひと昔前までであれば、60歳で定年退職とするのが一般的となっていたものの、近年では定年退職の年齢が65歳に設定されている企業も増えてきています。

いずれにせよ、定年退職した後の企業の再雇用制度の利用や、パートなどで働くなどによって、取り崩す分が減り、老後資金にも余裕を生むことができるでしょう。

2つ目は 余裕資金で投資を行う ことです。

60代の人の投資で気をつけるべき点は、知識や経験がないまま退職金を全て投資に費やし、失敗してしまうことです。

老後資金を増やす手段として、投資を行うことは選択肢の一つではあるものの、60代で投資を行うのであれば 守りの姿勢 が重要となってきます。

リスクの少ない投資を中心に、余裕資金で投資を行っていくことは60代でできる老後資金の貯め方と言えるでしょう。

人生100年時代だからこそ重要な老後資金
人生時計「平均寿命の年次推移」
昨今話題となっている 人生100年時代 ですが、上のグラフからも分かるように、2010年では 女性86.3歳・男性79.6歳 だった日本人の平均寿命が、2015年には 女性87.0歳・男性80.8歳 へと延びました。

この背景には、生活環境の改善や医療の進化がありますが、このペースで進んでいくと、今から43年後、2060年の日本人の平均寿命は 女性90.9歳・男性84.2歳 になると言われています。

2000年における100歳以上の人口は 1万3036人 だったのに対し、2010年には 4万4449人 へとおよそ4倍近くにも増加しています。

そう考えれば、2060年には100歳超えというのは珍しくなくなっているかもしれません。

平均寿命というのは、その時点で0歳である人が何歳まで生きられるかの指標ではありますが、リタイア後の人生は、今後どんどん長くなっていくことでしょう。

時代が進めば、生活環境やライフスタイルなどにも変化が訪れていくことも考えられますが、安心して老後を迎えるには少なくとも90歳、多く見積もって100歳まで生きる人生を前提とした老後資金の検討を行う必要がありそうです。

人生100年時代に関しては以下の記事もご覧ください。

人生100年時代をどう生きる?政府の取り組みや老後に与える影響は?
第三人生編集部

老後資金を気にかけること
いつの時代も、今を生きていくことに精一杯の人も多いことでしょう。

ですが、 人生100年時代 という声が多く上がる今、一度落ち着いて自身の老後と見つめあってみるのも悪くないのではないでしょうか。

早いうちから老後資金を気にかけることで、無理のない老後資金調達が可能となります。

豊かで安心に長く暮らしていくために、ぜひ自身の老後資金について気にかけてみてください。

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