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お金のこと

2024.04.30

少子高齢化とは?原因や影響、対策などグラフを用いてわかりやすく解説

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先進国では全体的に少子高齢化が進んでいます。
しかしその中でも日本は急激に進んでおり、深刻度は高いです。

今回は少子高齢化の原因と問題点、また社会への影響を解説いたします。
少子高齢化の影響を受け、老後の生き方や終活においても変化があります。

参考にしてください。

少子高齢化とは?
高齢者
少子高齢化とは、少子化と高齢化が同時に起こる事象 を指します。
現在日本では、全体人口の中で子供の占める割合が低下し、同時に高齢者の割合が増加しています。

2019年時点で、総務省による 日本の人口全体の子供(14歳以下)の割合は14.1% です。
38年もの間子供の割合は減り続け、少子化に歯止めが掛かっていません。

一方、 高齢者(65歳以上)の割合は28.4%で日本で過去最高 であると共に、世界的にも最高値でした。
高齢化の定義は、国連により3段階に分けられています。

高齢化社会…高齢化率が7%~14%
高齢社会…高齢化率が14%~21%未満
超高齢社会…高齢化率が21%以上
現在の日本は 超高齢社会 に該当しています。
また、 全体的な人口も10年連続で減少 しており、社会経済の今後において不安視されています。

これらを踏まえ、少子高齢化の背景や影響、対策などを以後の項で解説します。

少子高齢化の原因
地方創生 田舎
少子高齢化の原因 には以下の2つが挙げられます。

平均寿命の延び
出生率の低下
以下にご説明します。

平均寿命の延び
人生時計「平均寿命の年次推移」
高齢者の平均寿命は延びています 。

内閣府調査による1965年の平均寿命は、 男性67.74歳、女性が72.92歳 でした。

しかし2018年においては 男性が81.25歳で、女性は87.32歳 となっています。
平均寿命が延びた背景には、 医療面の発達 があります。

医療面の発達
まず日本では、 国民皆保険制度 により誰もが気軽に安心して受診が出来ます。
また医療の発達に伴い、 早期発見や高度な治療が出来る 事で長寿に繋がっています。

ただし、 平均寿命と健康寿命の隔たりが課題 と言われています。
健康寿命 とは、自立して生活できる年齢を指しています。

2016年の調査では、健康寿命は 男性は72.14歳、女性は74.79歳 となっています。
男女共に平均寿命と大きく差があり、 要介護状態の方が増加している 事が分かります。

少子化が進む中、若い世代への経済的負担が心配されています。

出生率の低下
高齢者の平均寿命が延びる一方で、 子供の出生率は低下し少子化が進んでいます 。

日本の 合計特殊出生率 (女性が15歳~49歳の間に産む子供の平均人数)は、1940年代後半では 4.3人 でした。

しかし、1970年代の第二次べビーブームを境に 2.0人 を割り、2019年では 1.42人 にまで減少しています。
国連による 人口置換水準 (人口が安定して維持できる合計特殊出生率)は 2.1人 とされています。

しかし現在の日本では大きく下回っており、実際 日本の人口は減少し続けています 。

進む未婚化・晩婚化
出生率の低下による少子化の背景には 未婚化・晩婚化が進んでいる 事が挙げられます。

国勢調査によると、20~34歳の未婚率は1980年代後半から上昇しました。
2000年には男性の約7割、女性の約半数が未婚 という結果になりました。

それに伴い、 初婚の年齢も男女共に上がっています 。
未婚・晩婚の理由として若者の結婚に対する価値観の変化があります。

「結婚が必須だとは思わない」「結婚にメリットを感じない」などです。
その価値観の中には、 結婚し子供を持つ事で経済状況に支障が出る不安 が関係しています。

子育てをしづらい環境
正規雇用の減少など、若者の生活不安は増加する一方で、子育てに掛かる費用などは年々高騰します。
また、 子育てと仕事を両立する為の環境整備が追い付いていません 。

保育所や学童保育の待機児童の問題、男性の産休・育休の取りにくさなどです。
男女雇用機会均等法以降、男女の仕事や家庭における役割の差の価値観が変化してきました。

とはいえ「男性は仕事、女性は子育て」という根強い価値観が環境整備の遅れに大きく影響しています。
学校による教育格差 も広がっており、少子化の要因になっています。

親は自分の子供にはしっかりした教育を受けさせたい希望を持ちます。
子育てに掛けられる経済状況や人的資源を踏まえ、子供の出産を控える 事が少子化の進行の原因です。

少子高齢化の原因に関しては以下の記事でも解説しています。

少子高齢化の原因8選!影響・対策をわかりやすく解説!
第三人生編集部

少子高齢化の影響~社会・経済

少子高齢化が、 社会・経済 に与える影響は以下の点が挙げられます。

多種分野での人手不足
経済の縮小
孤独死の増加
多種分野での人手不足
少子高齢化は、 多種分野で人手不足をもたらします 。
少子化に伴い、 生産年齢人口 も減少の一途を辿っています。

生産年齢人口 とは、労働力となる年齢層の人口を指す経済用語です。
15歳~65歳 に設定されています。

少子高齢化 社会問題
参考:高齢社会白書
1995年に8726万人とピークを迎えてから減少しており、2015年には7728万人となりました。
今後も減少し続ける予測がされており、2065年には4000万人代になるといわれています。

現在も、 あらゆる業種で人手不足が問題 となっています。
大卒の就職活動においては就職氷河期を経て、2013~2014年代より売り手市場に転じました。

また中小企業やアルバイト雇用などにおいては、求人への応募がない事例が多発しています。
従業員不足により廃業を余儀なくされる会社もあり、事態は深刻化 しています。

経済の縮小
少子高齢化が進む事で、 経済の縮小 も懸念されます。
少子化による総人口減少は、 国内総生産(GDP)の減少 を意味します。

その影響による個々の給与所得の減少などが影響し、 消費市場も縮小 すると考えられます。
家庭の 可処分所得 (必要経費を引いて、自由に使える所得)の使用を控えるからです。

その為、外食産業やレジャー業界、アパレル産業などが衰退する可能性があります。
また、高齢者においても、年金などの不安から貯蓄などに回す為に物を買い控える事が増えます。

物が売れなくなり、さらに 経済市場が縮小、従業員などの給与が減少 します。
故に家庭において更に可処分所得が減り、出費を抑える…と悪循環に経済が縮小していきます。

孤独死の増加
少子高齢化の影響により、 高齢者の一人暮らしが増加 しています。
近年の核家族化の影響に加え、 子供がいない等、家族に頼れない環境 にある方も少なくありません。

平成23年度の内閣府の調査によると、単身高齢者の12%が「困った時に頼れる人はいない」回答しています。
加えて近年の近所付き合いの希薄化などの影響もあり、 単身高齢者が孤立する傾向 にあります。

そこで問題になるのが 孤独死の増加 です。

孤独死単体での統計事項はありませんが、代わりに用いられるデータとして東京都監察医務院が示したものがあります。
以下は65歳以上の自宅住居で亡くなった単身世帯の者に関して示したものです。

都内の孤独死の数は2003年には2672人でした。

孤独死件数(2017) 社会問題
参考:東京都監察医務院
しかし以後 右肩上がりで増え続け 、2018年には5953人と15年間で倍以上の増加が判明しました。
今後、未婚率の増加などから、単身高齢者が増えると予測されます。

それに伴い 孤独死も増加する と考えられています。

孤独死については以下の記事もご覧ください。

孤独死の原因・死因と社会背景とは?対策と特殊清掃も解説!
第三人生編集部

少子高齢化の影響~年金・医療
年金
少子高齢化による、 年金・医療 における影響を解説いたします。
問題点として以下の点が挙げられます。

年金制度維持の困難
医療・介護施設の不足
年金制度の維持の困難
少子高齢化により、 年金制度の維持が困難 になる事が懸念されます。
日本の年金制度は、 若い世代が支払った年金料を高齢者に年金として支払う仕組み です。

これを 賦課方式 (ふかほうしき)と呼び、国民全体で高齢者の暮らしを支える意図があります。
賦課方式は、負担者と受給者のバランスが重要ですが、少子高齢化がこのバランスを崩し始めています。

高齢者を支える働き世代の減少
高齢化により受給者が増加する一方で、少子化により負担者は減り、財源の確保が難しくなっています 。
その為、政府として保険料の引き上げや、経済状況に応じた負担額の調整などの対策が取られています。

しかしただでさえ少子化による経済の縮小も影響し、若い世代の所得が減少する環境があります。
加えて年金の負担が増大する事で、若い世代の安定した生活を懸念する声もあります。

また 以後も更に、年金の負担者と受給者のバランスが崩れる予測 です。

 高齢者 生産年齢人口
参考:内閣府
内閣府の調査では、高齢者1人において若い世代(生産年齢人口)が支える人数は、1960年では11.2人でした。

しかし、2014年には2.4人となり急速に負担者が減っている事が分かります。
2060年には高齢者1人を1人の若者が支える予測 となり、早急な対策が望まれています。

年金問題に関しては以下の記事でも解説しています。

年金問題とは?老後2000万円問題や国の対策に関して解説
第三人生編集部

医療・介護施設の不足
少子高齢化で、医療介護施設が不足する恐れがあります。
2025年には、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者 となります。

団塊の世代とは戦後の第一次ベビーブームに産まれた人々の事で、800万人超に上ります。
要介護状態の方も急激に増加すると予測される反面、医療や介護の現場の労働力は不足しています 。

少子化による生産年齢人口の減少が影響しています。
加えて医師が看護師、介護職の過酷な現場も労働力不足に拍車をかけています。

スタッフが不足すると病院や介護施設の運営が出来ません 。
その為、病床数を減らしたり、施設を閉めたりする場合もあります。

医療介護の必要な方が莫大に増えているのに、受けられる場所が無いという状態 が懸念されます。

少子高齢化、今後直面する問題
高齢者 手押し車 シルバーカー
少子高齢化が今後直面する問題は、おおよそ以下の年代に分けられています。

2020年問題
2030年問題
2040年問題
2020年問題
2020年は、団塊の世代が後期高齢者になり始める時期 です。
要介護状態の方が増加するのに対し、 医療介護の労働力が足りない 事が懸念されます。

加えて、 団塊ジュニアと呼ばれる人たちが管理職に就く年齢に達します 。
団塊ジュニアとは第二次ベビーブームに産まれた方達を指します。

少子化による経済縮小の中で、団塊ジュニアの方達に高額な賃金が支払えるかという問題も出てきます。

2030年問題
2030年には、日本の総人口の3分の1が75歳以上の高齢者となる予測 がされます。
その上、日本の総人口は減少の一途を辿り、ますます現役世代への負担が増える事が懸念されます。

また、少子化による労働力不足から、 各業界での人材不足が加速 します。
団塊ジュニアが退職する時期にも重なり、早急な 世代間の技術の継承 が望まれます。

加えて、地方だけでなく 都市部でも人口が減少し始め 、経済状況への影響が心配されています。

2030年問題に関しては以下の記事もご覧ください。

2030年問題を医療や年金面に分けて解説!AIとの関連も!
第三人生編集部

2040年問題
2040年は、高齢者1人を支える若者の数が1.5人を切ると予測される時期 です。
年金制度や健康保険制度の維持が困難になる懸念 がされています。

また、ゆえに 高齢者の貧困問題 も増加するのではないかと言われています。

2040年問題に関しては以下の記事もご覧ください。

2040年問題とは?焦点になる社会保障や医療体制についても解説!
第三人生編集部

少子高齢化への対策
高齢者 杖
少子高齢化への対策には以下の点が挙げられます。

育児をしやすい環境の整備
AI,IoTを活用した業務の効率化
生涯働く事も想定に入れた働き方に
順に解説いたします。

育児をしやすい環境の整備
まず、少子化対策として 育児をしやすい環境の整備 が早急に望まれます。
子供の教育に費用が掛かる一方で、子育て世代の就業は不利になる悪循環を断ち切る必要があります。

政府は少子化を問題視し、 2015年より子育て支援における新制度 を始めています。
認定こども園の設立や、保育料軽減、預かり保育の充実、学童保育の年齢引き上げなどです。

保育園や預かり保育の場が増加することで、 待機児童も減少 していくことが見込まれています。
ただし、 保育士不足 など、まだまだ課題は山積しています。

AI,IoTを活用した業務の効率化
少子高齢化対策には、 働き方や現場の改革 も望まれます。
近年話題の AIやIoT を活用し、業務を効率化することもその1つです。

AIとは人工知能 と呼ばれ、人間の脳が行う思考と作業をコンピュータが行うシステムです。
IoTとは、モノのインターネット と呼ばれ、物に通信機能を付属し、人に状況を知らせるシステムです。

近年の労働力不足を踏まえ、各分野での活用が待たれています。

生涯働く事も想定に入れた働き方に
少子高齢化対策として、 生涯働くことも想定した働き方改革 も進んでいます。
日本では少し前まで、就業規則で定められた定年の年齢で退職をする慣習でした。

しかし、平均寿命の延びや、労働力不足の観点から定年後も働ける規則が出来ました。
それが 2013年の高齢者雇用安定法の改定 です。

定年後の再雇用や、定年年齢の引き上げもしくは定年制廃止 などが義務付けられています。
背景には、寿命の延びや少子化による労働力不足が挙げられます。

また、高齢者が働ける事で、 今後財政が厳しい年金だけではない生活資金の捻出 が出来ます。

少子高齢化の対策に関しては以下の記事もご覧ください。

少子高齢化の対策!海外の事例、日本政府・個人の取り組み別に解説!
第三人生編集部

少子高齢化と変わりゆく終活
少子高齢化とともに時代の風潮も変化し、終活についても影響が及んでいます 。
これまで日本では、定年退職後は年金が受給出来、老後の介護においては主に家族親族の役目でした。

また、亡くなった後は、葬儀告別式を経て、家族親族にて家の墓に納骨、永遠に供養されることが当たり前でした。
しかし 少子高齢化により、年金の縮小 がされ、年金だけでは生活が成り立たない事例が増えています。

しかし、家族親族内でも少子化において、 高齢者の生活補助や介護をする人が不足 しています。
お墓においても、 家の墓を継承する人がおらず 、永代供養墓や散骨など以前は見られなかった供養方法が出てきました。

今後の終活においては、自分の生き方をしっかり見据え、周囲に伝えておく必要があります 。
いつまで働くか、介護が必要になった際の希望施設、また看取られ方や供養方法などです。

少子高齢化の中で、 老後の過ごし方や供養方法など以前より選択肢が増えています 。
安心してより良い老後を送る為に、考えて周囲に伝えておきましょう。

終活に関しては以下の記事もご覧ください。

終活はいつから始めればいいの?終活のタイミングとメリットも解説!
第三人生編集部

少子高齢化の問題を踏まえ、老後についてしっかり考えましょう
今回は、 少子高齢化の原因や問題点、社会への影響 などについて解説いたしました。
少子高齢化は少子化と高齢化が同時に進む現象 です。

日本は他の先進国に比べても深刻化しており、対策が望まれています。
年金制度の破綻や医療介護施設の不足 など、老後においても多大な影響を与えます。

少子高齢化について良く知り、自らの老後について考えておきましょう。

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