孤独死とは
高齢者
孤独死と言う言葉を、最近ではよく耳にするようになりました。
孤独死とは、その字のごとく孤独に一人で亡くなることです。
誰にも看取られることなく、寂しく一人で亡くなる原因は、 一人で暮らしていることが原因です。
完全に独り身と言うだけではなく、遠方に親族がいたとしても、一人で暮らしておりそのまま亡くなれば孤独死と言うことになります。
今、この孤独死がとても増えています。
家族は一線を置いて、一人で暮らしている高齢者が多いことが一番の原因でしょう。
孤独死が起こってしまうことは大変大きな問題ですが、 さらに問題になっているのは、その後の葬儀です。
孤独死の葬儀は誰が行うの?
疑問
気になるのは、孤独死を迎えた人の葬儀は、誰が手配をして行うのかと言うことではないでしょうか。
孤独死と聞けば、勝手に葬儀の手配などは行えないように感じますが、実際はどうでしょうか。
親族・遺族
孤独死と言っても、完全に身寄りがない場合とは限りません。
遠方に親族や遺族がいる場合もありますので、そうした場合は、 親族や遺族が葬儀を行なう流れになります。
一人暮らしをしていたから何もしないと言うわけにはいきません。
完全に身寄りがない場合を除き、親族や遺族で葬儀を行なうことになりますので注意しましょう。
自治体
ただ、孤独死の中には完全に身寄りがない場合もあります。
身寄りがないまま一人暮らしをしている場合は、葬儀をどのように進めるのかは疑問に感じるはずです。
身寄りがない孤独死の場合は、 法律で自治体が行なうことになっています。
ただし、一般的な葬儀の流れにはなりません。
祭壇を準備して、お教を唱えてと言う流れではなく、火葬のみが行われるのが一般的です。
また、こうした手配については、死亡した地の自治体が手配することになっています。
孤独死の葬儀【親族がいない場合】
葬儀
孤独死の葬儀で、親族がいない場合、どのようにして行われるのでしょうか。
親族がいない、完全に独り身の人も増えていますので、こうしたことは知っておく必要があります。
また、親族がいる場合とは葬儀の流れは大きく変わりますので、もしものときに備えてぜひ確認してください。
行旅病人及行旅死亡人取扱法に基づいて行われる
孤独死の場合で、 親族が全くいない場合は自治体によって取り扱われます。
行旅病人及行旅死亡人取扱法に従って行われますが、その簡単な流れをご説明します。
身元の確認
まず、孤独死により亡くなられた人の身元を確認します。
亡くなられた人がいた自治体によって対応することになります。
自治体であれば、 こうした身元の確認は比較的簡単に行うことができます。
住民票などをしっかりと整えておけば、身元の確認にはそれほど時間はかからないことが多いです。
火葬
もし、身寄りがないことが判明した場合は、遺体の腐敗も考慮して、 速やかに火葬されることがほとんどです。
火葬場所は、その自治体が管轄している斎場です。
斎条は基本的には、その場所の自治体が管理しています。
民間で管理をしているわけではありませんので、こうした場合の手続きはスムーズに行えます。
遺骨の保管
自治体によって異なりますが、 火葬した遺骨については概ね5年間、保管されます。
その後、遺骨の引き取りがなければ、無縁仏として、無縁墓に埋葬されることとなります。
葬祭扶助により葬儀が行われる
こうした一連の流れできになるのは、仮想などにかかる費用はどのように捻出されているかでしょう。
孤独死により遺体の引き取りがない場合は、 葬祭扶助により扱われることが一般的です。
葬祭扶助は、生活保護費と同じであり、国と自治体とで負担する形式になります。
自治体によっては、葬祭扶助を利用して葬儀が行われる場合もありますが、 基本的には火葬から遺骨の保管までが一般的です。
孤独死の葬儀【親族がいる場合】
葬儀
では、孤独死で親族がいる場合には、どういった流れになるのでしょうか。
警察署でご遺体を引き取る
まず、孤独死に至った場合は、遺体は通常は警察署で保管されることになります。
自治体が身元の確認を行い、親族がいると分かれば、 一旦は警察に遺体が運ばれるのです。
そのため、親族は警察署で遺体を引き取ると言う流れになります。
遺体を引き取るときには、身分を証明できるものがなどが必要になりますので、事前に必要となるものの確認を行うようにしましょう。
葬儀方法の相談
そして、遺体を引き取ってからは葬儀の方法の検討になります。
遺体の状態にもよりますので、 通常の葬儀の流れになるのか、そのまま火葬になるのかを検討する必要があります。
葬儀方法などの段取りは、自分では判断できない場合もあります。
早めの決断を行うことにもなりますので、葬儀場や自治体などに相談をするのも良いでしょう。
孤独死の葬儀費用
お金 相場
孤独死が起こった場合、葬儀にかかる費用はどのくらいでしようか。
親族がいない場合
孤独死を迎えた場合、その葬儀等にかかる費用は親族がいない場合は、国や自治体が支払うことになります。
もちろん、このお金は税金が利用されていることになりますが、 国や自治体は事前にこうしたことにかかる費用を準備しています。
火葬など、最低限かかる費用が当てられることになりますが、その額はおおよそ20万円ほどです。
ケースによっても大きく異なってきますが、死亡診断書など細かい書類や手続きにかかる費用を合わせてもおおよそ 20万円ほどかかっていると思っておきましょう。
実はこうしたケースにかかる葬儀の費用は、年々増加傾向にあります。
身寄りのない孤独死が、年々増えていると言うことになります。
親族がいる場合
孤独死を迎えたのち、親族がいることが分かった場合は、かかる費用は異なります。
まずは、自治体や警察から遺体が引き渡され、 その時点でどういった葬儀方法を行なうかの検討をすることになります。
一般的な葬儀であれば、100万円から150万円の通常の費用が必要になりますが、家族葬などに留めておけば、50万円ほどで葬儀を行うことができます。
また、状況によっては火葬のみにする場合もあるでしょう。
火葬のみにかかる費用は、30万円ほどになります。
ただし、こうしたケースはあくまでも一般的な孤独死のケースです。
もし、亡くなった人が生前に生活保護費を受け取っていた場合には、葬祭扶助が適用される場合もありますので、それぞれの自治体に事前に確認を行っておくことをおすすめします。
後でトラブルにならないためにも、事前の確認は怠らないようにしましょう。
孤独死の葬儀後遺骨はどうなるの?
疑問
孤独死の葬儀が無事に終わっても、気になるのはその後の遺骨の行き場所のはずです。
身寄りがある場合は、当然、親族などが適切に遺骨を埋葬する流れになりますが、 身寄りがない場合には、自治体が遺骨の整理を行うことになります。
完全に身寄りがない場合には、無縁仏に預けられ、最終的には無縁墓に埋葬されることになります。
しかし、無縁墓は管理期間が自治体によって決まっています。
お教を唱えてもらえる期間も決まっています。
最終的には、誰も手を加え合わせてくれなくなるのが無縁墓なので、 できる限り自治体はこうした身寄りのない状態を回避させようとしています。
しかし、現状は完全に身寄りが分からない孤独死の人が増えています。
孤独死と葬儀以外に重要なこと
お金
孤独死の場合、身寄りの確認や葬儀の段取りなど、やらなければならないことはたくさんあります。
しかし、さらに大変なことは、葬儀意外の手続き関係です。
保険や年金、公共料金などの手続き
孤独死の場合に限らず、保険や年金、公共料金の手続き関係は必ずや行わなければなりません。
親族がいる場合には、親族がそれぞれの手続きを行えば問題は解決しますが、 親族がいない場合、つまりは身寄りがない場合は各自治体が行うことになります。
書類関係などが整理されていれば、手続きを行うことはそれほど難しくありませんが、整理されていない場合は、手続きにかなりの時間が必要になります。
遺品整理を自分たちだけでできるか
また、孤独死の場合には遺品整理も問題になります。
親族がいる場合には、親族が遺品整理を行うことになりますが、遺族がいない場合には遺品整理は専門の業者が行うことになります。
もちろん、 勝手にこうした業者が立ち入り遺品整理を行うことはできません。
自治体から委託を受けた業者が、孤独死を迎えた人の遺品整理が行えるようになっています。
孤独死を避けるには?
高齢者2
孤独死を避けるには、どういったことに注意するべきでしょうか。
孤独死を迎えてしまう人は、年々増加しています。
おそらく、これからも増えるであろうと言われていますが、一人ひとりが気をつけるべきことはあるでしょうか。
訪問系のサービス利用
生前整理
死後事務委任契約
訪問系のサービス利用
まず、もし今一人で暮らしている場合は、 できるだけ多くの人と関わることを意識しましょう。
可能であれば、訪問系のサービスを利用するのが一番です。
訪問系のサービスの多くは、定期的に自宅を訪れてくれますので、間違いなく孤独死を迎えてしまう可能性が低くなります。
訪問系のサービスの利用には費用がかかることが多いですが、 保険だと思い加入することをおすすめします。
生前整理
また、もし孤独死を迎えた場合のことについても考えておきましょう。
孤独死を迎えて、 一番困るのはその孤独死を迎えた人の整理です。
人によってはお金の借り入れがあるかもしれません。
また、人にお金を貸しているかもしれません。
そうした問題を残された人にお願いするのではなく、自分が元気なときに整理をしておくことをおすすめします。
生前整理と言う言葉は、最近ではよく耳にする言葉です。
インターネットなどで調べれば、生前整理の正しい方法なども探すことができますので、 健康なうちに真剣に考えてみてください。
死後事務委任契約
それでも不安な場合には、死後事務委任契約を行う方法もあります。
死後事務委任契約とは、自分が亡くなったときに、 事務関係に関する手続きや整理などについては、他の人に委任を行う契約です。
一般的には親族とこうした契約を交わすことが多いですが、実は死後事務委任契約はできるだけ広く、多くの人と契約を交わしておく方が安心です。
必要であれば司法書士などの、専門的な知識がある人とも契約を交わしておきましょう。
ここまで行っておけば、 もし自分が孤独死になったときでも、他の人に迷惑をかけないで済みます。
孤独死の人の葬儀は簡単ではない
孤独死を迎えた人の葬儀は、決して簡単なことではありません。
ここまでご説明をした内容を確認をすれば、孤独死を迎えた人の葬儀にはさまざまな手続きが必要になることが分かったでしょう。
また、孤独死の場合の葬儀は、親族がいる場合と、完全に身寄りがない場合とでも大きく異なります。
いずれにしても、葬儀や葬儀後の書類の整理などに対して迷惑をかけないようにするためには、 今、健康なうちに綺麗に整えておくことが大切です。
いつでもできると考えるのではなく、健康な今だからこそ、生前整理を考える必要があります。