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2024.04.30

地方創生の成功事例を日本と海外に分けて解説!成功事例の共通点も!

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近年、地方創生という言葉をよく聞きます。
ゆるキャラやB級グルメなど、地方が注目されることも増えました。

しかし、地方創生がどんな取り組みを指すのか、また内容など知らない方も多いのが現状です。
今回は地方創生の成功事例をご紹介します。

自分たちの地域で何が出来るのか、参考にしてください。

地方創生とは?
地方創生 田舎
地方創生とは、人口や経済が集中する東京周辺だけでなく、地方も活性化する為の政策 です。
現在、日本では少子高齢化に伴い、全体人口の急激な減少が問題になっています。
生産年齢人口(15~65歳の労働力中核の人口)が減少 し、日本の経済や社会保障の破綻が懸念されているのです。
改善方法の一つとして、東京周辺の人口密集に対し、 地方の人口減少 が顕著なことに着目しました。
人口や経済の 東京一極集中を是正する事で、日本社会全体の活力を上げる ことを目的としています。
平成26年12月に「まち・ひと・しごと長期ビジョン」が閣議決定された事が始まりです。

地方の「まち・ひと・しごと」 の3つを柱にし、以下の目標を掲げています。

安心して働け、稼ぐ地域を作る
地域と繋がり、地方への人の流れを作る
結婚・出産・子育ての希望を叶える
安心して生活出来る魅力的な地域を作る
地方創生の成功事例【日本】
地方創生
地方創生では、 地域の活性化により人口が増える ことが期待されます。
その為には、経済が潤い、暮らしやすい地域の実現が必要です。

以下に日本での成功事例を4例ご紹介します。

岡山県西粟倉村
香川県高松市丸亀町
大阪府豊中市×高知県土佐町
奈良県明日香村
出典:内閣府 地方創生 事例集
事例①岡山県西粟倉村
岡山県西粟倉村では、 地域の豊富な木材資源を基に、ローカルベンチャー企業を育成 しています。
村役場や地域の森林組合、森林の所有者、また企業がタッグを組み、 共有の森ファンド を創設しました。

連携して、放置されている森林を委託管理しながら、 木材の生産や販売 をし利益を得ています。
木材販売に関連して、木材加工や住宅販売などの ローカルベンチャー企業が誕生 しています。

その数は地域で 12社 にも上り、2014年時点で 合計7億円 の売り上げがありました。
新たな企業が出来たことで雇用も促進され、数年のうちに 90名ほどの移住者 がありました。

地域にもともとあった資源を活用し、経済の成長を図る事が出来た成功例です。

事例②香川県高松市丸亀町
香川県高松市丸亀町では、 商店街の再構築 を行いました。
現在日本では、大型スーパーなどの増加により、地域の商店街が縮小され、空き店舗が増えています。

昔からある商店街を発展させることで、地域全体を繁栄したいとの思いから、 商店街振興組合が発起 しました。
地元の商業者をはじめ、 学識者や地方自治体や省庁と共に計画書を作成 し、商店街全体をエリア分け、順に開発を進めています。

商店だけでなく、 医療施設や住宅(マンション)も誘致 しました。
なお、マンションは完売し、結果住民が増え人通りが多くなりました。

資金面では、開発初期は 商店街振興組合が各商業者へ資金を負担 するなどの工夫をしています。
経済の活性化だけを目的にするのではなく、地域住民の生活の充実を追求することで定住者が増加しました。

事例③大阪府豊中市×高知県土佐町
大阪府豊中市と高知県土佐町、 2つの自治体が連携 した例です。
都市での生活困窮者が、就労者不足の地方において就労先を見つける ことを支援しています。

豊中市での生活困窮者から希望者を募り、高知県土佐町にて 就労体験(インターシップ) を実施します。
3週間の就労体験の後、参加者と受け入れ企業の希望が合えば、研修者又は社員として受け入れられます。

2013~2014年の間に 51人の参加 があり、 移住者は15人 にも上りました。
また、就労だけでなく、地域住民との交流により、社会的参加の目的や、社会の中での自信回復の目的もあります。

新たな制度を作るのではなく、 自治体ごとに取り組んでいた就労支援を活用し連携 することで成功した事例です。

事例④奈良県明日香村
奈良県明日香村では、 クラウドファンディング を利用して地方創生事業に着手しました。
クラウドファンディングとは、 インターネット上にて希望する活動を発信し、出資者を募る 手法です。

明日香村は、歴史的建造物が多く、観光客見込める割に、宿泊施設が少ない事が課題として挙げられました。
しかし歴史的文化財の保存地区でもあり、新たな建物が立てにくい状況にありました。

そこで、 古民家再生 を発案、商工会議所や村の関係機関で 株式会社 を立ち上げます。
その後 クラウドファンディング を利用して、古民家の改装費や運営資金を募り 1500万円 を調達しました。

またクラウドファンディングを利用することで、 村の魅力のPR にもなりました。
その後の企画説明会などもスムーズに集客が出来、一石二鳥の効果がありました。

新しい資金の調達方法を活用し、成功した事例といえます。

地方創生の成功事例【海外】
地方創生
実は 海外でも、大きな国ほど地方創生が課題 となっています。
海外の地方創生の成功事例を3例ご紹介します。

フランス・ナント
イタリアの地方都市
ドイツ・レーゲンスブルク
事例①フランス・ナント
フランスのナントは、現在ヨーロッパの中で 最も住みたい街 と言われるほど魅力的な街です。
この街は、 アート を街中に取り入れる事で、地方創生が成功しました。

以前は、昔栄えた港町という印象で、特徴がありませんでした。
そこでアートに注目し、 市として文化に予算を重点的に組み込み 計画されました。

現在では、街全体が美術間さながらにオブジェなどが見られます。
また、観光客にも分かりやすいように 緑の線が歩道に引いてあり 、辿る事で芸術作品を見られるようになっています。

2007年には 芸術家集団とコラボした遊園地 を作り、雄大な動物たちを形どった乗り物などが人気を博しています。
結果、数年で 観光客が5割近く増加 し、ヨーロッパの人々の憧れの街ともなりました。

事例②イタリア地方都市
イタリアの地方都市では、 街や村それぞれに得意な資源を生かし、利益を上げ安定した暮らし をしています。
イタリアの国は困窮傾向にあるというイメージですが、 地方都市それぞれが独自に収益を上げています 。

ヨーロッパ高級ブランドと提携 し、街や村ごとに部品や布などの作成を請け負っています。
また、イタリアの 技術をブランド化 することで、自分たちの作る商品の価値を上げ、ブランド各社とも渡り合っています。
その為、 村全体が1つの会社 のような機能をしている場所がたくさんあります。
また村ごとに得意分野がある為、争うことなども少ないようです。

国だけに任せるのではなく、それぞれの自治体が独立して利益を上げるで成功した事例です。

事例③ドイツ・レーゲンスブルク
ドイツのレーゲンスブルクでは、 中小企業を育て、また地域の優秀な人材を確保する 事で地方創生に成功しました。
もともとドイツでは、工業製品に関する産業が盛んです。

その強みを生かし、 地元の工業大学と協力して他国と差別化する価値の高い製品を作る研究 をしました。
また細やかなニーズの掘り起こしやリサーチ、宣伝などにより製品や開発の技術も上昇していきました。

その為、利益を上げ隠れたブランド力を持つ中小企業も多くなり、 若者の地元での就職が増加 しました。
若者の都市への流出が減少したことで、 人口も増加 し、街全体が活気づいています。

地方創生の成功事例の共通点
地方創生
地方創生の成功例を見ていくと、以下の共通点がある事が分かります。

自治体と地元企業や大学の連携
地元住民を大切にする
既存の魅力を壊さない
ひとを育てる
自治体と地元企業や大学の連携
成功事例ではいずれも、 自治体だけでなく地元企業や大学との連携 があります。
地元に根差して活動してきた民営団体は、知識や人材などたくさんのスキルを持っています。

また、地元企業の利益が上がることで、 大学の学生が地元に残る などのメリットもあります。

地域住民を大切にする
地域住民を大切にする ことも成功の秘訣と言えます。
地域の利益や経済活性化となると、どうしても数字ばかりに目が行きがちです。
しかし、 地域住民の暮らしや安全をさらに発展 させることで、暮らしやすさが生まれ、街の魅力となります。

既存の魅力を壊さない
既存の魅力を壊さず生かす ことが、成功の共通点でもあります。
自然、歴史、産業など、地域ごとに特性があります。
全く違うことをするには人材やシステム構築が必要でコストも膨大 に掛かります。
また、一時は注目され活性化が図れても、知識不足で維持をする事が難しい場合もあります。
もともと持っている得意分野や資源を生かす ことが地方創生の鍵といえます。

ひとを育てる
地方創生に携わる 人を育てる ことも重要です。
また、地域の活性化が維持出来るよう、産業や文化の担い手も育てる必要があります。

地域経済の活性化は、 維持をする ことが大切です。
それに各事業を 継続する人が不可欠 です。

人の育成カリキュラムが工夫されることで、地域創生の取り組みが好循環します。

【コラム】地方創生の鍵はICT?
地方創生
地方創生においても、ICTの活用が鍵と言われています。
ICTとは、コンピューターにおける情報や通信の技術の総称です。

パソコンだけでなく、スマートフォンやスピーカー等も含みます。
近代発達したこれらを、地方創生に活用する事例も増加しています。

ICTの活用事例【長野県塩尻市】
長野県塩尻市では、農業における鳥獣被害対策に、ICTを活用 しました。
田畑の周りに害獣を検知すると、サイレンや光で追い払う以外に、近隣農家にメールで知らせが行きます。
加えて猟友会には捕獲情報が入るので、速やかに罠に害獣を回収に行けるシステムです。
2年で稲作収益が7倍近く 上がり、また被害を受ける土地はほぼなくなりました。

ICTの活用事例【群馬県前橋市】
群馬県前橋市では、母子健康手帳を電子化しました。
これまで子供の健康や成長について、家庭や学校、病院ごとに持っており、必要な情報を得にくい事が課題でした。
しかし ICカードシステムによる電子化で、検査画像や予防接種情報が医療機関に提示しやすくなりました。
スムーズに治療やサービスを受けられることで、実験段階でも8割の方が継続を希望しています。

このほかの地域でも、以下のようなICTを生かした地方創生があります。

独居高齢者の見守りや救急搬送での活用
地域全体の高速ブロードバンド環境を整備、ICT企業やサテライトオフィスを誘致
防災アプリの開発
ICTによる地方創生事業は多くの成功事例があります。
離れた人と物、人と人を繋げられる事で、多くの情報共有や新たな企画運営などが発生するからです。

今後の地方創生の鍵はICTといえるでしょう。

地方創生の事例を知り、地域で何が出来るか考えてみましょう
今回は 地方創生、またその成功事例 についてご紹介しました。
地方創生とは、 衰退傾向にある地方を発展させることで、日本全体を活性化 させようという取り組みです。

これまで全国の自治体が独自に行い、 経済発展や人口増加、安全の確保 など成功事例は多くあります。
地方創生の成功事例で共通するのは、 各機関や住民の連携、地域のもともとも資源の活用 などです。

加えて、それらを 継続的に発展させられる手法 を取ることが大切です。
また、近年目覚ましい広がりを見せる ICT を活用していくことがこれからの地方創生の鍵になります。

自らの地域の生かせる特性や課題を考え、地方創生として何が出来るか考えてみましょう。

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