【図解】卒塔婆料とは?相場や封筒の書き方、お金の入れ方のマナーも解説
みなさんは卒塔婆を知っていますか?
卒塔婆とはお墓の後ろに立てられている板のことです。卒塔婆には戒名や梵字が書いてあり、お寺に依頼して書いてもらうことが多くその際に卒塔婆料を支払わなければなりません。
ここでは卒塔婆料のマナーについて詳しく説明していきます。
この記事で解決される疑問
卒塔婆料の相場は?
卒塔婆料を入れる袋の選び方や書き方は?
卒塔婆料を渡すタイミングは?
卒塔婆料とは
追善供養のために建立する卒塔婆。
一般的には卒塔婆は節目の法要毎に新しくします。
卒塔婆供養とはこの卒塔婆を建立する供養です。
卒塔婆には戒名や梵字など特殊かつ専門的な情報が書かれているので、卒塔婆供養の文字は僧侶に依頼します。
この際に支払う料金が卒塔婆料です。
塔婆料、御塔婆料も卒塔婆料と同義です。
卒塔婆料の封筒の選び方
卒塔婆料の封筒を選ぶのに迷ったことはありませんか?
卒塔婆を建立する卒塔婆供養も大事な法事です。
封筒を選ぶ際も失礼にならないようにしましょう。
ここでは卒塔婆料の封筒の選び方について説明しています。
正式には卒塔婆料は半紙と奉書紙で包みますが、のしや水引なしの白無地の不祝儀袋や奉書白封筒に入れて渡しても構いません。
奉書紙
奉書紙は白い厚めの和紙で、香典や御布施を包んだり、弔辞を書くのに使われます。
一般の文具店やネット通販でも購入可能です。
大きさは様々ですが、現金を包むのでA4やB5サイズの小さい奉書紙を選びましょう。
値段はA4サイズ100枚で1,000円~3,000円程です。
奉書白封筒
郵便番号が印字されてない白封筒が奉書白封筒です。
また「塔婆料」、「御塔婆料」と印字された不祝儀袋も販売されてます。
卒塔婆料の封筒の書き方
香典や御布施の包みと同じく卒塔婆料の包みの記入にもルールがあります。
ここでは封筒に中袋がない場合の表裏の記載、そして中袋がある場合についての記載方法を書いていきます。
書く際には原則、濃墨の毛筆か筆ペンを使用しましょう。
実際の書き方【中袋がない場合】
奉書白封筒等、中袋がない封筒の記載方法を表面、裏面の順で説明します。
まず、寺院の方にわかりやすいよう、封筒の表面の中央部分に 御塔婆料 と縦書きで書きましょう。
御塔婆料の代わりに御塔婆代、塔婆料でも構いません。
御塔婆料を書いた下にはそれよりも小さめに卒塔婆料を支払う人の氏名を記入します。
人数の変化は以下の通りです。
- 支払う人間が一人の場合は施主名を書く。
- 複数人の場合は「○○家」もしくは「○○家卒塔婆建立者」と書く。
次に封筒の裏面の記載方法について書いていきます。
裏面には金額、卒塔婆料を建立する人の氏名と住所を記入します。
初めに中袋の中央部分に「金」と書き、次に「○○圓」と金額を記入します。
金額を書く際は原則漢数字で、普段使う小字でなく大字を用いましょう。
小字と大字の対応は以下の通りです。
小字 |
大字 |
一 |
壱 |
二 |
弐 |
三 |
参 |
五 |
伍 |
六 |
陸 |
七 |
漆 |
八 |
捌 |
十 |
拾 |
千 |
阡・仟 |
百 |
陌・佰 |
万 |
萬 |
円 |
圓 |
実際に卒塔婆料が一万円の場合は「金壱萬圓」と書きます。
封をした後は〆を書いて閉じます。
実際の書き方【中袋がある場合】
外袋の表には中袋が無しの場合と同様、卒塔婆料と分かるよう「御塔婆料」、その下に卒塔婆建立者の氏名を記載します。
卒塔婆料の封筒の記載方法における中袋が有無の主な違いは「金額の記入方法」、「〆の有無」です。
中袋がある場合は中袋に卒塔婆料の金額を記入します。
金額は大字ですが、中袋の文字のみ薄墨で記入しましょう。
外袋の裏には封筒の左半分に右から順に卒塔婆建立者の住所、氏名を記載します。
〆はなくても問題ありません。
複数人の場合の注意事項
卒塔婆料を払うのが複数人の場合、寺院側が把握しやすいように縦書きで右から、
○○家卒塔婆建立者
故人との間柄と氏名
卒塔婆料金
卒塔婆料の封筒の入れ方
封筒には卒塔婆の本数分の金額を入れます。
初めに卒塔婆を建立するのは納骨法要の時なので、卒塔婆料の入れ方は「慶事」の入れ方と同じです。
卒塔婆料には新札を使おう
法事法要の際に渡すお金は新札を使うのがマナーです。
新札が無い時は、きれいなお札でも構いませんが、日頃から準備しておきましょう。
お札の向き
お札には表と裏があります。
肖像画がある方が「表」、無い方が「裏」です。
卒塔婆料の封筒に奉書白封筒や不祝儀袋を使う際は、中袋がある場合は中袋の表面から見てお札が表となるようにいれましょう。
中袋の金額が書いてある方を表にし、お札を出した時、初めの方でお札の肖像画が見れれば問題ありません。
中袋が無い時も同じく、封筒の表面から見てお札が表となるようにいれます。
封筒の「御布施」等の文字ある方を表面にしてお札を出した際、お札の肖像画がすぐ見れれば大丈夫です。
奉書紙と半紙を用いた包み方
正式な場合、卒塔婆料は奉書紙と半紙を用いて包みます。
基本的には慶事の際と同じように折ってください。
次に慶事の際の包み方を説明します。
中包みの仕方
まず、お札を半紙で包んで中包みを作ります。
半紙には表・裏があり、 つるつるした方が表、ざらざらした方が裏 です。
文字の記入時に支障がでるので、つるつるした方が外側になるようにしましょう。
手順を以下に示します。
順 |
内容 |
① |
初めに半紙の裏面を上にしておきましょう。 |
② |
半紙の上にお札を裏面が上を向くよう重ねます。 |
③ |
お札下側部分の半紙を折り上げます。 |
④ |
左側部分、その次に右側部分の半紙を折り、お札を包むようにします. |
⑤ |
お札を包んだ部分の半紙を折り上げます。 |
⑥ |
三角形の部分を下に折ったら完成です。 |
糊付は不要ですが、お札の枚数が多い際は〆を書き、軽く留めておきましょう。
文字を書くためにも中包みの外側に半紙の表面が来るようにしましょう。
完成した中包みを触ったとき、つるつるしていれば問題ありません。
また、中包みの文字が書いている側にお札の表がくるようにします。
中包みを開いてお札全体が見えた時に肖像画が見えなければ大丈夫です。
上包みの仕方
中包みが完成したら、奉書紙で上包みをします。
奉書紙も半紙の時と同じように、 つるつるした方が表、ざらざらした方が裏 です。
上包みの作り方を以下に書いてきます。
順 |
内容 |
① |
奉書紙を裏を上にして置きます。 |
② |
中包みの文字無い方を上にして奉書紙に重ねます。 |
③ |
中包みに合わせ、右側の奉書紙を折ります。 |
④ |
左側の奉書紙も折り、中包みを包むようにします。 |
⑤ |
奉書紙の上下の部分を中包みに合わせて、後ろに折りこめば完成です。 |
卒塔婆料の相場
卒塔婆料は御布施とは違い、一本あたりの金額が明確に定められています。
相場は1本当たり2,000円~10,000円程です。
事前に菩提寺などに確認をとり、 1本当たりの卒塔婆料×建立する卒塔婆の数 の代金を用意しておきましょう。
卒塔婆料を支払うのは誰?
卒塔婆料は施主が払うのが一般的です。
しかし卒塔婆の枚数の制限に関する決まりはありません。
そのため卒塔婆を法要に招かれた人が立てたり、卒塔婆料を複数人で分担して支払うことも可能です。
なお、卒塔婆料を複数人で支払ったり、複数人が卒塔婆を立てる際は 予め名簿を作成し、早めに寺院に渡しておきましょう。
卒塔婆料以外にかかる費用
卒塔婆の建立時期に決まりはありません。
主に節目となる法要、お彼岸(春・秋)、施餓鬼絵(せがきえ)などの際です。
各行事にかかる費用と合わせ卒塔婆料を払います。
卒塔婆料を渡すタイミング
御布施と卒塔婆料は別の封筒に入れますが、御布施と一緒に卒塔婆料は渡します。
なので卒塔婆料を渡すのは僧侶の方が一番時間的に余裕のある際です。
事前に持参するのが最も丁寧なやり方ですが、法要の当日渡す場合は法要の形態、僧侶の方がいつ帰宅されるのか、で渡すタイミングは異なります。
受付がある場合は法要前に受付で渡します。
合同法要だと受付があることが多いです。
法要前に余裕がある際は僧侶の方の挨拶の段階で渡しましょう。
法要後ならば、僧侶の方が会食に出席なさる時は会食の後に、そうでない時は読経後、僧侶の方が帰宅なさる時に渡します。
渡す上での注意
御布施等も一緒に卒塔婆料は渡しますが、 御布施が一番上になるように重ね、相手が文字を読める向きにして渡してください。
また渡す際は、法要前は「本日はお勤めよろしくお願いします」など一言、法要後はまず僧侶の方への感謝の言葉を添え、最後に御布施を渡しましょう。
僧侶の方は私たちよりも上の立場です。
手渡しは失礼になるので、 切手盆、袱紗の上に塔婆料は載せます。
冠婚葬祭で使用される縦長の黒塗りのお盆を切手盆といいます。
このような切手盆がなければ小さめのお盆でも大丈夫です。
御布施と同じく卒塔婆も袱紗に包んで持ち歩きます。
弔辞なので、袱紗は落ち着いた寒色系の色味にします。
包み方は弔辞用の左包みにしてください。
紫で無地のものを購入しておくと、慶事・弔辞双方に使えるので便利です。
卒塔婆料も感謝の気持ちから
卒塔婆料の費用は2千円から1万円が相場です。本数によって増加します。
水引やのしのない奉書紙・不祝儀袋を選びます。表には御塔婆料と書き名前を記入し、中袋には金額を旧字体で書きます。
法要前に僧侶に挨拶する時・法要後の僧侶の帰宅時に渡します。受付で渡すこともできます。
卒塔婆は故人の善行のために建立します。
法要に比べ、あまり配慮することがないように思われがちな卒塔婆ですが、卒塔婆の建立も僧侶の方の協力なしにはできません。
粗相などして善行の意味が失われては元も子もありません。
特にお世話になる僧侶の方の失礼にならないよう、卒塔婆料もきちんとマナーを知ることが大事です。
菩提寺に問い合わせたりして情報を集め、事前にできる限りのことを把握し、相手に失礼のないよう行いましょう。