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葬儀

2024.04.24

そもそもお布施とは?

お布施とは読経をあげてもらったり、戒名をいただくときに謝礼としてお寺や僧侶に渡すものです。
読経や戒名をいただくときには、対価としてお金を払うということはありません。

つまり、お布施は僧侶が行う事に対する代金を支払うというものではないのです。
あくまで 謝礼として渡す金品のこと をお布施といいます。

また、お礼の気持ちであれば、品物でもお布施となります。
まずはお布施の概要についてご説明します。

お布施の目的

お布施の目的は亡くなった方や祖先を供養してくれたり、お墓を守ってくれたりしているお寺や僧侶に対して感謝の気持ちを表すためのものになります。
そのため、 基本的にはお布施の内容や具体的な金額が決まっていない事が多い のです。

お布施は本来、修行の一環といわれています。
布施・持戒・精進・忍辱・禅定・智慧という6つの得目により煩悩を消して悟りを開く 「六波羅密」 という修行の一部です。

六波羅蜜」では布施は3つの意味があります。
  • 金銭、食料、衣服などの財を施す財施
  • 法話などで釈迦の教えなどを説いたり、読経をしたりする法施
  • 相手に危害を与えず、怖がらせないようにする無畏施
六波羅蜜の布施がお布施の根底にありますので、あくまでお金を支払うという事ではなく、 感謝の気持ちをお金や品物で表す(施しをする)という考え方 です。
ですので、お布施の目的を理解しておくと、お布施を渡す際に気持ちよく渡すことができます。

お布施の金額相場

お布施の目的は対価を払うことではないので、金額はその方の気持ちでいい。
とはいうものの、感謝の気持ちを表すにしても、金額相場が気になりますね。

葬儀の場合、お通夜から告別式、戒名代を含めて20~50万円の場合が多いようです。
以下おもな ケース別お布施の相場をまとめました。
内容 金額
お通夜・葬儀の戒名料と読経 20万~50万円
四十九日法要 3万~5万円
初盆の読経 3万~5万円
お盆の読経(初盆以外 5千円~2万円
一周忌法要 3万~5万円
三回忌以降の法要 1万円~5万円
しかしながら、地域や宗派によって金額に大きな差がありますので、すぐにお布施が必要な葬儀の場合、葬儀屋に聞いてみるのがいいでしょう。

それ以外のお布施については、僧侶に直接聞いてみるといいでしょう。
上記の通り、そもそものお布施の考え方がありますので、多くの僧侶が「お気持ちで大丈夫です」という回答が多いそうですが、一番聞きやすい方法としては、「他の檀家の方はいくらぐらい包んでいるのでしょうか。」と聞いてみると、お答えいただけるようです。

家族の形態も大家族から核家族が主流になったり、ご近所付き合いも以前より希薄になりがちな現代では、お寺や法事について詳しい人に聞くことが難しくなっています。
そのため、お寺でお布施の金額相場の目安の一覧を作成し、檀家に配布をしているところもあるようです。

お布施袋の書き方①表書き

お布施袋は不祝儀袋ではなく、 「お布施袋」 を用意しましょう。
文房具店やコンビニなどで販売しており、袋に御布施と印刷されているものもあります。

お布施の袋は不祝儀袋ではない ので、水引がない袋も多いです。
また、御布施の金額が少額の場合の書き方は、白い封筒に手書きで御布施と書き、下段に名前等を書けばいいでしょう。

それではお布施用の袋を用意した後、袋にどのように書けばいいのか、その書き方をご案内していきます。
  • 仏教のお布施の表書きの書き方
  • 神道のお布施の表書きの書き方
  • キリスト教のお布施の表書きの書き方
  • お布施袋に中袋がない場合の書き方

仏教のお布施の表書きの書き方

仏教のお布施の表書きの書き方は、 封筒の上半分に「お布施」または「御布施」と書きます。
地域によっては、「御礼」「御回向料」と書く場合もあります。


ただし、浄土真宗の書き方は少し注意が必要です。
「御礼」「御回向料」は使いません ので、注意しましょう。

その他、僧侶が会食などを辞退した場合には「御膳料」を別途渡す場合もあります。
交通費を渡す場合の書き方は「お車代」と書き、別の袋を用意します

神道のお布施の表書きの書き方

神道でも「霊祭」「祖霊祭」という仏教で言う法事にあたる儀式があります。
その際には神職に謝礼を渡します。

表書きの書き方は「御玉串料」「御祭祀料」「御祈祷料」と書きます。
くれぐれも「お布施」と書かないように注意をしましょう。

キリスト教のお布施の表書きの書き方

同じキリスト教でも カトリックとプロテスタントで違いがあります。
カトリックの場合、「ミサ」という亡くなった人を偲ぶ会を行います。

「ミサ」では教会に集まって、神父様に話をいただきます。
このときの 表書きの書き方は「お礼」 としてお金を包み、神父様に渡します。

一方、プロテスタントでは「記念式」や「記念会」が行われ、教会に集まり、神父様よりお話をいただきます。
このときの 書き方は、「記念献金」 として神父様にお金を渡します。

キリスト教も宗派により、書き方は違い、どちらも「お布施」とは書きませんので、注意をしましょう。

お布施袋に中袋がない場合の書き方

お布施袋に中袋がない場合の書き方は、 中袋のあるタイプと同じように表書きは上半分に「お布施」とかき、下半分に名前を書きます。
裏書きには金額と住所を記載すると受け取った側もわかりやすく親切です。

なお、御布施袋に中袋のないタイプの袋は、少額のお金を包む場合に使います。
中に包む金額の目安は10,000円以内です。

例外もあり、郵送でお布施を送る場合には、中袋がない方が軽く、薄い状態で郵送することができるため、10,000円以上の金額でも包む場合があります。
また、袋に中袋がない場合、半紙を使って中袋の代わりとなる中包みを作ることもできます。

半紙で中袋を作ることでより心遣いが伝わることでしょう。
方法は中包みでお金を包み、包みごと封筒に収めます。

お布施袋の書き方②名前

お布施袋の下から半分はお布施を渡す人の名前等を書きます。
書き方は「○○家(例:鈴木家)」「氏名(例:鈴木太郎)」と書きます。

地域によっては同じ名字の方が多い場合もありますので、その場合にはフルネームで書いた方がいいでしょう。

施主の名前を書く場合

故人と施主の名字が違う場合は、「○○家」と書いてもわかりにくいため、フルネームで書いた方がわかりやすいでしょう。
お布施を受け取るお寺や僧侶が、だれから受け取ったのかはっきりわかる表記で名前を書きましょう。

連名で書く場合

姉妹の両方が結婚をしており、名字が違うケースもよくあります。
こんな場合には姉妹で連名にしたいと考える方も多いでしょう。

そんなとき、 連名でお布施を包むのは全く問題ありません。
なお、連名で書く書き方は横に並べて書きます。

しかし、連名でも人数が多い場合には、最大でも3名までにしましょう。
それ以上の場合の書き方は、「代表者氏名他○名」と書きます。

お布施袋の書き方③中袋

封筒の表書きがされている場合には、中袋に記載をすることはありません。
その際の中袋の書き方は、 中袋の表に金額を書き、裏に住所氏名を書く場合が多いです。

市販の封筒で、あらかじめ書く場所が記載されている場合には印刷されているとおりに記入すればよいでしょう。
中袋に金額を書く場合
書き方は 「金参万円」 などと書きます。
この数字の書き方は、数字の改ざん(勝手に金額を書き換えること)を防ぐこともできます。

主な数字の書き方を以下にまとめました。
1 20 300 5,000 60,000 7 8
弐拾 参百 伍仟 六萬
なお、四、九は使用しないのがマナーです。
中袋に住所氏名を書く場合
中袋に住所氏名を書く場合には、袋の裏面の左下に記入します。
番地などは漢数字を使って書きましょう。

お布施袋の書き方④筆・ペン

御布施袋に記入する際にはペン、ボールペンは避け、なるべく筆、筆ペンで書くようにしましょう。
筆、筆ペンは 薄墨ではなく濃い墨 を使いましょう。

薄墨を使うのはお通夜、葬儀の御霊前までとし、49日以降は濃い墨で記入します。
お布施については、あくまでお寺や僧侶に渡す謝礼ですので、不祝儀ではありません。

そもそもの意義が違いますので、混同しないように気をつけましょう。
お布施袋に書く筆は濃墨?薄墨?

お通夜や葬儀の場で御霊前やお香典に薄墨の筆を使いますが、これは「突然の訃報に墨をする時間もありませんでした」や「あまりの悲しみに墨が涙で薄くなってしまいました」などという意味を表します。
そのため、 葬儀の法要を努めていただく僧侶に謝礼をするお布施の場合には薄墨を使う理由がないのです。

お布施袋へは濃い墨で書きましょう。

お布施の書き方のQ&A

お布施の書き方について よくある質問 をまとめてみました。
ご参考にしてください。

Q. 葬儀や一周忌、納骨式やお盆でお布施の書き方は変わる?

お布施についてはどのシーンにおいても 表書きはすべて「お布施」 になります。

Q. お布施の筆は薄墨ではなくても問題ない?

お通夜や葬儀などの御霊前などは「急なことに墨をする時間が無なかった」または、「悲しみの涙で墨が薄くなってしまった」ことを現しています。

お布施はあくまで遺族などが僧侶に対して謝礼をするものですので、薄墨にする意味がありません。
お布施の袋は濃い墨で書きましょう。

Q. お布施の金額は「気持ちでいい」と聞きました。金額はいくらでもいいの?

前述しましたとおり、お布施は僧侶やお寺に対する感謝の気持ちです。
建前としてはいくらでも金額はかまわないとされていますが、 宗派や地域性により、おおよその相場はあります。

できるだけわかる人に相場を聞いて、相場より大幅に金額が下回らないようにしましょう。
わかる人がいない、聞ける人がいない場合は、お寺、僧侶に事情を話して聞いても問題は無いはずです。

Q. お布施とお車代を一緒に包みたい

お布施とお車代は別々で包んだ方がいいでしょう。
なぜならお布施とお車代は違う意味合いを持つからです。

お布施はお寺や僧侶に対し、謝礼という意味で渡しますが、お車代は遠方まで出向いてくれたことに対する対価として渡すからです。

後にお車代はなかったなどと誤解が無いように、お布施とお車代は別の袋で渡しましょう。

お布施の封筒の選び方は?

お布施は僧侶に対する謝礼ですので、 不祝儀袋ではなく、お布施用の袋を用意しましょう。
文房具店や100円ショップ、インターネットでお布施用の封筒を販売しています。

市販されているお布施の袋は表書きに「御布施」と印刷されていますが、少額のお布施の場合、無地の袋に手書きで表書きを記入するケースも多いです。

お布施の封筒の渡し方

お布施の封筒は僧侶に渡すものですが、葬儀などの場合は、どのように渡したらいいのでしょうか。
葬儀の場合は、 葬儀の前に渡すのが一般的 のようです。

葬儀場で葬儀を行う場合には、葬儀前に僧侶に挨拶をするタイミングを葬儀屋の担当者が知らせてくれることもあります。
葬儀屋都の打ち合わせの際に、担当者に僧侶に挨拶するタイミングを作ってもらうように話をしておくと確実です。

自宅で葬儀を行う場合にも、僧侶が自宅の到着したタイミングで挨拶をし、お布施を渡すのがいいでしょう。
挨拶の際には一言「本日はよろしくお願いします」と挨拶をした後、お布施を切手盆といわれる小さい盆に載せて渡すか、お布施を袱紗に入れておき、袱紗から出して僧侶に渡す方法があります。

お布施はそのまま手渡しをしない というのは葬儀の際の最低限のマナーですので、切手盆または袱紗は必ず用意をしておきましょう。
葬儀の前後はしなくてはいけないことが多く、お布施を思ったタイミングで渡せないこともあります。

そんなときには焦らず、 葬儀が終わった後に僧侶に御礼のご挨拶をする際に渡しても問題はありません。

お布施は僧侶へ感謝の気持ちです

お布施は御霊前や御仏前などと違い、読経などを行ってくれた僧侶への感謝の気持ちです。
僧侶にお布施の相場などを伺うと、「お気持ちで」と言われる事が多いと言う話をよく聞きますが、そういった理由があるからです。

あなたの大切な家族や祖先を供養してくれる僧侶には、感謝の気持ちでお布施をお渡ししましょう。
常日頃から僧侶との良好な関係を築くことはあなたの先祖や亡くなったご家族にとっても供養となることでしょう。

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