御仏前のお金の入れ方は?書き方や渡し方のマナーも解説
社会人の最低限のマナーとして知っておくべき事、御仏前の入れ方を今更聞くのもと言う方も多いです。
御仏前のお金の入れ方から封筒選び、宛名の書き方までわからない事を詳しく紹介していきます。
疑問をそのままにせずに、この記事で解決できるようにして下さい。
この記事で解消される疑問
御仏前のお金の入れ方は?
御仏前の書き方は?
御仏前を渡す時のマナーは?
御仏前とは何か
御霊前と御仏前が混同してしまう事が多いですが、これは大きな違いがあります。
その方が亡くなってからの日数が関係してきます。
御霊前は通夜、告別式に使われるものであり、亡くなってから四十九日経っていない場合に使われます。
御仏前は仏式ですが、亡くなって四十九日を過ぎた法要の際に使用される言葉です。
四十九日前が御霊前、経過後が御仏前だと覚えてください。
ただし宗教によっては御仏前の呼び方も変わるので詳しく見て覚えて下さい。
そのお金を入れる物を不祝儀袋と呼びますが、宗教によって使用する袋、表書きが変わってきます。
中袋があるタイプとないタイプもあります。
お金の入れ方についてわかりやすく説明していくので参考にしてください。
御仏前のお金の正しい入れ方
御仏前にはお金の正しい入れ方というものが存在します。
お金の入れ方以外のマナーにも触れていきます。
お札の向きに注意する
不祝儀袋にお金を入れる際、正しい向きで入れる事が出来ないと恥ずかしい。
お札の表裏さえ覚えておけば安心です。
人物の顔が描かれている方が表であり、表が封筒に入れた時見えるようにそして顔が出した際上になるように向きに気を付けて下さい。
このお金の入れ方は慶弔共通なので覚えておいて下さい。
新札は避ける
弔辞の際には新札を使うのは絶対に禁止です。
新札を使うのは最初から相手の不幸を予想していて準備したという意味合いを持っています。
新札もダメですが、シワシワ過ぎるお札もマナー違反です。
ある程度使用感のあるお札を選んで封筒の中に入れて下さい。
中に入れるお金では4000円や9000円と言った死や苦を連想させる金額は避けましょう。
偶数も出来れば避けた方が無難です。
御仏前のお金の入れ方|中袋あり
不祝儀袋に外包みがあり中袋がある場合は、その中袋裏面に金額と住所そして氏名を書きます。
大抵の場合記入欄があるのでその通りに書けば問題ありません。
中袋を開いた際に顔が見えるようにお金の向きに注意して入れて下さい。
記入欄がない場合は裏面の左側に住所氏名、右下に金額を記入しましょう。
中袋の書き方に関しては、こちらも参考にしてください。
御仏前のお金の入れ方|中袋なし
中袋がない一枚の封筒タイプの場合は袋の裏にやはり記載する欄があります。
そこに金額等を記入すれば問題ありません。
お金の表裏に気を付けて入れ方を間違えないで下さい。
一枚の封筒だけなのでその封筒がシワシワにならないように必ず袱紗に包んで下さい。
中袋がない場合の入れ方に関しては、こちらも参考にしてください。
御仏前のお金の相場
御仏前のお金の相場は立場によって大きく変わります。
法要だけの場合とその後に会食がある場合も金額が変わります。
大体の相場を見ていきます。
故人との関係性が近しい程に金額は上昇します。
またこれだけではなく、年齢や立場も関連してくるのでそこは相談して周囲と合わせるようにして下さい。
| 関係性 |
法要のみ相場 |
会食あり |
| 故人と血縁関係あり |
1万円から3万円 |
2万円から5万円 |
| 血縁者で夫婦揃って参加 |
2万円から5万円 |
3万円以上 |
| 知人 |
5千円から1万円 |
1万円から3万円 |
御仏前の金額相場に関しては、こちらも参考にしてください。
御仏前の封筒の選び方
御仏前にお金をいくら入れるのか、入れ方はわかりました。
封筒は何を使えば良いのか選び方を見ていきます。
香典袋を使用する
不祝儀袋の中で、香典袋を選べばどの宗教でも使えるので安心です。
最近ではコンビニや100円均一でも簡単に手に入れる事が出来るので、突然の際でも対応出来るようにして下さい。
包装されている袋の裏側にどの場面で使うのかが記載されています。
詳しく見て下さい。
入れる金額が少ないのに不祝儀袋だけ立派なのもマナー違反になってしまいます。
金額に見合った不祝儀袋を選ぶ事も大切です。
黒白の双銀の水引
弔辞の際は双銀の水引きを選びます。
黒白の水引きの不祝儀袋を選ぶのですが、宗教によって選ぶ袋が変わります。
表書きも変わるので、相手の宗教が何なのかを確認して下さい。
不祝儀袋は相手の宗教が一番関係がある物なのでキチンと調べて準備します。
水引に関しては、こちらも参考にしてください。
御仏前の書き方
お金を入れる際御佛前以外にも書き方があります。
宗教によって変わります。
それぞれの表書きの書き方を見ていきます。
御仏前以外の表書き
宗教によってお金を入れる封筒は変わります。
表書きの書き方を見てそれぞれ見ていきます。
仏教の場合は御佛前というのしが付いた物を選びましょう。
最近ではのしが何枚か入った物も販売されています。
御佛前、御供物料と記載されたのしを使用して下さい。
黒白か双銀の水引き、関西では黄白の物を選ぶ事を忘れないで下さい。
デザインは蓮の花が入ったものが仏式で使用できます。
神道では御佛前ではなく御玉串料または御神前と書かれている不祝儀袋を選びましょう。
水切りは基本白色一色の結びきりの物を選んで下さい。
ただし、黒白と双銀もありなので気にしすぎなくても大丈夫です。
法要は霊祭と呼ばれる物です。
水引きがない物で十字架等がデザインされた物やユリの花または無地の白い封筒を選んで下さい。
表書きは封筒にお花料と記入しましょう。
キリスト教では追悼ミサを行います。
その際に生花をお供えするのでその生花のお金の意味合いを持ちます。
名前の書き方
3名までの連名
不祝儀袋の上中央は御佛前等を記入されたものですが、渡すのが自分一人だとその真下に自分の名前をフルネームで書けば良いけれど、複数人となるとどうすれば良いのかわからない方が多くいます。
3名までの連名でお金を出し合う際には、表書きの下に氏名をフルネームで書きます。
表書きの下部分に目上の方を一番右にした順番で名前を書いて下さい。
上下関係がない際は、右から五十音順で名前を書きます。
4名以上の連名
4名以上になると表書きには書ききれません。
表書きには下部分に代表者の名前をフルネームで書き、その横に外一同と記入します。
中に半紙を入れて、その半紙にやはり目上の方が右に来るように名前を記入していきます。
その際も上下関係がないならば、五十音順で書いて下さい。
裏面
弔辞には中袋がない場合はそのまま住所氏名と金額を記入します。
中袋がある場合には上包みと呼ばれる紙には表書きしか記入しません。
上包みの包み方も慶事と弔辞では逆になります。
弔辞では中袋を包む際、左右を中袋に合わせて折り上下が下側が中に入るように折って下さい。
中袋
中袋がある際はその表には何も書かずに、裏面に氏名住所金額を記入して下さい。
そして表面が上包みの表とは逆になるように置いて包んで下さい。
中袋に記入欄がない際には袋の裏面の左下に控えめに氏名住所金額を記入します。
たまに紙で包む物もあるので、注意が必要です。
紙で包む場合も慶弔では逆の包み方になります。
葬儀や法要ではたくさんの方が同じような袋でお金を包みます。
相手が誰からいくら貰ったのかがわからなくなってしまわないように、キチンと中袋にまで記入して下さい。
御仏前の書き方に関しては、こちらも参考にしてください。
御仏前の書き方の注意点
薄墨と普通墨の使い分け
本来は毛筆で表書き等を記入します。
その際の墨の色が慶事が普通墨、弔辞は薄墨とされています。
薄墨は悲しみの涙で墨の色も薄くなってしまった意味合いがあります。
最近では筆ペンが主流であり、コンビニや100円均一でも売っているので一本常備しておくと安心です。
また、自分の字に自信がない方は、記名スタンプ等も販売されているのでそれを利用するのも一つの手段です。
購入してから自分の名前を申し込む事が多く、慶弔セットの物もあるのでネット等で見てみて下さい。
数字は漢数字を使う
金額を記入する際は漢数字を使います。
最近では気にならない方も増加していますが、本来は旧字体で数字を記入します。
| 略式 |
正式 |
| 五千円 |
伍千円 |
| 一万円 |
壱萬円 |
| 三万円 |
参萬円 |
| 五万円 |
伍萬円 |
| 十万円 |
拾萬円 |
御仏前の渡し方
直接渡す場合
会場に到着したら受付でお悔やみの言葉を伝えて渡してください。
両手で自分の名前が相手方から読めるように渡します。
このたびはご愁傷さまでしたとひと言添えられるとより良くなります。
必ず袱紗から取り出して渡して下さい。
祭壇に置く場合や、遺族の方に直接渡す場合もありますが、最近はほとんどが受付で渡します。
大きな声ではなく控えめに小さな声が好ましいので気を付けて下さい。
袱紗に包んで持参する
袱紗は慶事と弔辞で色が分けられていますが、何個も用意するのも大変です。
慶事では赤系統の明るい色の袱紗、弔事は黒や紺、グレーの袱紗を使用します。
紫色の袱紗ですと慶事弔事両方で使う事が出来ます。
これもまた包み方が慶事と弔辞では逆になります。
袱紗に入れる事で不祝儀袋がしわしわにならないように配慮して下さい。
一つは持っていて欲しい袱紗ですが、これも100円均一で手に入れる事が出来ます。
鞄にそのまま入れていくのはマナー違反なので気を付けて下さい。
郵送で送る場合
郵送する際には普通郵便で送る事は出来ません。
必ず郵便局に行き、現金書留でのみ送る事が可能です。
ただ郵送するのではなく、お悔やみの手紙も添えるのがマナーです。
遠方で行く事が難しい場合は現金書留で手紙と一緒に送ってください。
本来であれば参上致しますところですが、書中にてお悔やみ申し上げます。
同封致しましたものは、心ばかりの御佛前(御玉串料等)でございます。
御手向け下さいますようお願い申し上げます。
○月○日氏名
この様な文面を添えることで心が相手により伝わります。
綺麗に丁寧に文字を書くよう心掛けて下さい。
送る宛名は喪主宛てにして下さい。
御仏前での最低限のマナーを覚えよう
- 御仏前のお金の入れ方は、お札の肖像画が下面にくるようにして入れます。新札は控え、新札しかない場合は一度折り目を付けてから入れるようにします。
- 御仏前は仏式の香典の際に使用する言葉です。49日法要以降から使用しますが、一部の宗派では初七日から使用します。
- 御仏前は法要会場に到着したら施主に手渡します。袱紗に包んで持参し、一言言葉を添えて渡すようにします。
冠婚葬祭のマナーを知らないままでいると恥ずかしい思いをしてしまいます。
最低限の事を覚えておく事で突然の出来事にも動じず、大人の対応が出来るようになります。
宗教によって変わる御佛前や御玉串料、御花料を覚える事はもちろん大切です。
そこにもう一つ上に行けるように袱紗やお悔やみの言葉まで配慮できるようにして下さい。