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葬儀

2025.03.28

お墓はローンで購入できる! ローンの種類や金利、審査についても解説

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この記事では、お墓の購入に使えるローンの種類と特徴、墓石の代金以外にかかる諸費用、ローンの審査に通らなかった場合の代案、墓石にかかわるお金や保険の詳細などについて解説いたします。

お墓を購入するときには、墓石の購入費用以外に墓石の加工代、設置代、維持費など、さまざまな諸費用がかかります。

さらに高級な石材を使った場合は数百万円を超えることも。でも、今すぐお墓が欲しい、貯金ができるまで待てない……。

そんなときのお墓の購入には、家や車を買うときと同じようにローンを使うことができます。

お墓の購入時に使えるローンの種類と特徴

お墓の購入に使えるローンは、金融機関や信販会社、石材店などで取り扱っています。

それぞれのローンは取り扱い窓口が変わるだけではなく、資金使途の制限、金利、審査など、さまざまな条件に違いがあります。

フリーローン(金融機関・信販会社など)

フリーローンは、金融機関や信販会社が提供する個人向けのローン商品です。

資金使途の制限がない(事業性資金を除く)ため、使い道は自由で幅は広く、カードローンよりも金利は低い傾向です。利用の際には収入が確認できる書類(源泉徴収票や確定申告書など)や墓石購入の見積書が必要になるケースがあります。

フリーローンは金融機関や信販会社によっても種類や条件はさまざまなので、利用する前にはあらかじめ詳細を電話で確認したり、フリーローンを取り扱う店舗の窓口で相談してみたりするとよいでしょう。

メモリアルローン(石材店・信販会社)

メモリアルローンは、一般的に信販会社などが提供するメモリアルローン商品を、信販会社などと提携し、石材店などが窓口となり提供する形になります。

個々の返済能力にもよりますが、金融機関や信販会社のローンと比べると金利は低めで、審査も通りやすい傾向にあります。

石材店が信販会社と提携し、メモリアルローンとして提供している場合もあります。

目的別ローン(金融機関)

目的別ローンは使途があらかじめ限定されている金融機関が取り扱う商品です。その使途として「墓石の購入」などがあります。

石材店と同じメモリアルローンという名前で取り扱っている金融機関も多い傾向です。石材店が提供しているメモリアルローンよりも金利はやや高めになっています。

変動金利の場合は定期的に借入利率が変更されることもあるでしょう。

お墓のローンに使える費用の内訳

お札と電卓
石材店のメモリアルローンは、墓石購入に関わる費用のみなど、使途が絞られた商品です。一方で、利用するローンによっては墓石購入以外にも使途が広がる商品もあります。

利用するローンがどこまでカバーできるのか、あらかじめ調べてから手続きを進めるようにしましょう。

以下では、メモリアルローンがカバーする一般的な範囲について解説します。

ローンの対象費用に含まれるもの

・ 墓石の購入費用……墓石代金のほか、墓石の彫刻や設置工事にかかる費用も含まれます。石材の種類や加工方法、彫刻の内容によっても金額は異なります。

・ 永代使用料……家を買うときは土地も一緒に購入することがありますが、お墓の場合は寺院や霊園の所有者からお墓を置くための土地を使用する権利(永代使用権)を取得することになります。永代使用料はこの契約時に支払うものです。

場合によってはローンの対象費用に含まれるもの

・ 葬儀代や法要の費用……ローンの種類によっては葬儀代や法要の費用も対象に含まれる場合があります。

・ 仏壇 ・ 仏具……金融機関のフリーローンなどでは、お墓と一緒に仏壇・仏具の購入もローンの対象費用に含む場合があります。

ローンの対象費用に含まれないことが多いもの

・ 墓地の管理費……水道代や清掃代、電気代など霊園や寺院が墓地を維持・管理するための費用です。1年分を毎年支払うケースが一般的ですが、まれに数年分をまとめて支払うケースも見られます。

メモリアルローンのメリットとデメリット

メモリアルローンには、メリットとデメリットが存在します。それぞれを比べてみて、自分に合った使い方ができるかどうかを確認してみましょう。

メモリアルローンのメリット

メモリアルローンは他のローンに比べ、借り手側に寄り添ったいくつかの親切な利点があります。ローンの種類を決めるうえでの検討材料にしましょう。
審査結果が早くわかる
メモリアルローンの審査にかかる時間は比較的早く、場合によっては申し込んだその日に審査結果が通知されることもあります。

審査に通りやすい
金融機関や信販会社のフリーローンに比べ、審査に比較的通りやすいのが特徴です。また、石材店独自のメモリアルローンでは、審査がない商品もあります。

収入証明書が不要
多目的ローンやフリーローンなどは審査のときに収入証明書(源泉徴収票や確定申告書など)を求められることがありますが、メモリアルローンはほとんどの場合、収入証明書は必要ありません。

返済期間を長くできる
メモリアルローンは返済期間を長めにすることが可能な商品です。10年あるいはそれ以上に返済期間を設定できる商品もあるので、無理のない返済プランが設定できます。

申し込みが手軽にできる
メモリアルローンを申し込む場合には特別な書類が必要ないので、多くは業者が代わりに手続きを進めてくれます。なかには来店不要で、書類に捺印後、店舗に送付するだけで申し込みが完了する商品もあります。

金利が低い
金融機関が提供するカードローンの金利は年間で約2%~14.0%程度、信販会社の場合は4.5%~18%程度に対し、メモリアルローンの場合は約3%~5%とほかに比べて低く設定されています。なかには金利ゼロで対応している石材店もあります。

メモリアルローンのデメリット

メモリアルローンにはいくつかのメリットがある一方で、デメリットも存在します。こちらも念のため押さえておきましょう。
お墓を買った石材店でしかローンが組めない
メモリアルローンは、石材店がお墓を販売するためのサービスの一環として金利を低く抑えて提供している商品です。そのため石材店が扱うメモリアルローンは、自分のお店でお墓を買ってくれる顧客しか利用できません。

すべての石材店で扱っているわけではない
石材店によってはメモリアルローンを扱っていない場合もあります。気に入った石材店をみつけてからローンで墓石を買おうと思ったときに、もしその石材店でメモリアルローンの取り扱いがなければ、金融機関もしくは信販会社で別にローンを申し込む必要があります。

お墓をローンで購入するときの注意点

石材店にある墓
金融機関、信販会社、石材店など、さまざまな種類があるお墓のローンですが、どのローンに申し込むかを決める前に、ローン商品に共通したいくつかの押さえておくべきポイントがあります。

後悔しないためにも、申し込む前にしっかりチェックしておきましょう。

資金用途を確認する

お墓のローンは種類によって決められている使い道の幅がさまざまです。自分の買いたいものをすべてローンでカバーしてくれるとは限りません。

まずは買いたいものを整理し、ローンが使えるものと使えないものに分けてみましょう。

次に毎月のローンで支払う金額とローンが使えなくて一括で支払うものの金額を足してみて、資金に余裕ができるかどうかをシミュレーションするとよいでしょう。

金利を確認する

ローンの種類によって金利もさまざまです。短期間で完済すると支払う利息の合計は少なくなりますが、毎月の返済額は上がります。

逆に長期間での完済だと毎月の返済額は減るため楽にはなりますが、支払う利息の合計は増えてしまいます。

無理のない支払いプランは大切ですが、完済期限までに支払う利息を計算し、元金と合わせて総額でどれだけ支払うことになるのかも確認しておきましょう。

返済計画に無理はないか確認する

日常生活のなかでの突発的な出費は、誰にでも起こりうるものです。

無理のないローンが組めたと思っていても、急な出費に備え念のために支払い余力は残しておいたほうがよいでしょう。

また、自分にもしものことがあった場合に多額のローンが残っていると、家族をはじめとした身内に負担をかけることにもなるので注意が必要です。

借入上限額を確認する

お墓の購入にかかる費用は決して安くありません。またお墓の購入には永代使用料だけではなく、さまざまな諸経費がかかります。

建墓の話を進めていくうちに当初予定していた予算をオーバーし、借入上限額では足りなくなることがあるかもしれません。

そんな場合に備えて、あらかじめ決められたローンの借入上限額は事前に確認しておきましょう。

ローンの審査が通らない場合はどうする?

メモリアルローンの審査はほかのローンに比べて比較的通りやすい傾向ですが、無担保・無保証人での貸付のため、審査に落ちる可能性がゼロとはいえません。

そうなった場合、ほかのローンに切り替えて再度審査を申し込むことになるでしょう。しかしそれでも審査に通らなかった場合は分割での支払いをあきらめ、一括で支払う方法に切り替えることになります。

予算の範囲内で一括支払いできるよう全体の金額を下げるためには、墓石の購入そのものや墓地の選定基準など、最初の段階から見直す必要があります。

ローンが利用できない場合の代案としては、以下のような方法があります。

公営霊園を利用する

霊園とは、面積が広くて公園のように開放的なスペースを持つ墓地のことです。

なかでも公営霊園は都道府県や自治体が管理をしているため、霊園のなかでは価格が安く設定されています。

ただし申し込みをする場合は、一定の条件や期限付きになることもあります。また、申し込み者が多いと抽選になるケースもあるので注意しましょう。

樹木葬にする

樹木葬とは、墓石を買って墓地に建てる代わりに霊園や墓所などの許可を得た土地に遺骨を埋葬し、その周辺にシンボルとして木や花を植える埋葬方法です。

また、もともと植えてある木(シンボルツリー)を墓石に見立て、その根元に遺骨を埋葬する方法もあります。

環境に優しい自然葬であることがメリットとしてあげられる反面、後述する合祀での樹木層にするとあとから遺骨を別の場所へ移すことが困難なケースもあります。

合祀の永代供養墓にする

合祀とは、ほかの方の遺骨と一緒に埋葬する方法です。埋葬後、寺院や霊園に依頼し、永代にわたって供養と管理をお願いするのが永代供養です。

個別に墓を建てないため、通常の墓地を利用するよりも費用は抑えられます。またお掃除や草刈りなどのお世話をする必要がありません。

また、身内がいなくても無縁になることもありません。ただし樹木葬と同じくほかの方と合祀する場合、あとで遺骨を取り出すことができなくなります。

散骨する

散骨は、山間部や海・空などにパウダー状にした遺骨を撒いて供養する方法です。遺骨を粉骨にすると「死体損壊等(刑法第190条)」に問われる恐れもあります。

しかし、散骨や供養のために粉骨することについての規定は明言されておらず、ガイドラインに沿った方法で粉骨し散骨すれば法的に問題になることはないとされています。

また、許可されていない場所に散骨した場合は条例違反に該当することがあるので注意しましょう。

そのほかにも散骨には法律や条令に触れるようなことがあり、マナーの範疇にはおさまらないような厳しいルールもあります。

個人で行なうことが難しいと判断した場合は、散骨をしても良い場所や法令に触れない散骨方法について詳しい散骨専門業者に相談するのがよいでしょう。

出典:刑法「第2編 第24章 礼拝所及び墳墓に関する罪 第190条(死体損壊等)」

納骨堂を利用する

納骨堂は、厚生労働省が「墓地、埋葬等に関する法律」で定義づけている施設です。
建物のなかに遺骨を納める納骨スペースがあり、そのなかに骨壺を収蔵します。

墓石を購入と比べると安価で、利用期間が満了したあとは永代供養墓に合祀してもらえるタイプもあるのが特徴です。

出典:厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律」

知っておくと得する お墓のローンにかかわるお金の話

お墓と桜
お墓のローンに含まれない経費や先述のお墓を購入しない供養の方法など、それぞれの細かい諸経費を基準にすることで、パッケージ商品にとらわれないさまざまな選択肢が広がることもあります。

またもしものときのために、お墓のリフォームについての経費も知っておくと安心ですね。

お墓を建てるときにかかる費用の内訳は?

墓石代
墓石代は花立、石塔、墓石の加工料まで含み、おおむね50万~180万円程度となっています。全国平均では100万円程度です。

永代使用料
永代使用料の相場は20万~100万円程度で、平均では約47.9万円となっています。立地条件のいい都心や地価が高い土地ほど永代使用料も高くなる傾向にあります。

管理料
マンションやアパートの管理費と同じく、お墓には管理料が発生します。寺院や霊園の清掃や水道代など墓地の維持に必要な費用で、金額は寺院や霊園によってさまざまです。永代使用料は一括で支払うものですが、管理料は毎年支払うのが通例です。

寺院か霊園か、また民営か公営かによって金額はさまざまですが、年間5千~2万5千円程度です。

その他
お墓の購入時、場合によっては別途料金がかかるケースがあります。

例えば納骨作業料は5万円程度、新しくお寺の檀家になるときには入檀料として10万~30万円程度、購入したお墓に魂を宿す開眼法要という儀式のため、僧侶に支払うお布施として3万~5万円程度(相場)の料金が発生する場合があります。

お墓を購入しない供養の方法でかかる費用は?

樹木葬……平均67.8万円程度
永代供養墓……5万~150万円程度
合祀墓……3万~30万円程度
納骨堂……平均79.3万円程度

お墓のメンテナンスやリフォーム(修理)にかかる費用はいくらぐらい?

お墓は屋外にあるのがほとんどです。そのため長年の風雨の影響で浸食されることもあり、経年劣化で修理が必要になる場合があります。

お墓で特に修理が必要となるところは、墓石と目地、土台の3ヵ所です。

目地とは石と石のすきま部分のことで、コーキング剤(合成樹脂などを使った薬剤)で埋められるのが一般的です。

目地は経年劣化でひび割れたり欠けたりするため、すきまから雨水が入り込んだりすると墓石にまでひびが入る可能性があります。
・墓石の目地のひび割れ修理……約3万~5万円

また、経年劣化などによって墓石がひび割れたり、土台からずれたりすることがあります。
・墓石のひび割れ修理……約3万~20万円
・墓石のずれ修理……約3万~30万円

ひどい地震が起きたり土台のずれを放置しておくと、墓石が傾いたりする場合もあります。
・墓石の傾き修理……約10万~30万円

墓石の倒壊までにいたると、一気に費用がかさむ可能性があります。
・墓石の倒壊修理……約30万~100万円

修理が遅れると被害が広がる恐れもあるので、気づいたら早めに処置を進めましょう。

大きめの修理になると金額も膨らむことが予想されるので、先に修理費の見積もりを依頼されることをおすすめします。

お墓をローンで買う前に検討しておきたい「お墓の保険」の話

家や車などの高価なものを購入するときには、もしものときに備え任意で申し込める保険がありますが、お墓も同じく天災時に備えた保険があります。

予算に余裕があれば検討しておきたいところです。

高価なお墓。もし地震がきて倒壊したらどうする?

日本はとても地震の多い国です。日本とその周辺を合わせるとM5.0以上の地震が1年間で平均150回以上も発生しています。

もし墓地のある場所に大規模の地震が起こったら、かなりの打撃を受けることが予想されます。墓石の倒壊、墓地の立地場所によっては土砂崩れで流されるようなことがあるかもしれません。

そんな被害に遭ったときに困らないよう、お墓を購入するときにあらかじめ保険も一緒に手続きしておく、という方法があります。

参考:国土交通省/気象庁「地震について 表2 日本及びその周辺の地震回数(1年間の平均)」

お墓の保険は購入時に石材店へ相談を

お墓の保険は損害保険会社の商品です。

石材店が損害保険会社と提携し購入者にお墓の保険を紹介したり、石材店が保険代理店を兼ねていたりする場合もあるので、もし興味があれば墓石の購入時に石材店へ相談してみましょう。

月々の保険料の相場は約1,500円程度です。また墓石を購入したときだけではなく、建ててから10年以内なら途中からでも申し込める保険もあります。

「保証」と「保険」の違いに注意を

お墓の保険を考えるうえで気を付けておきたいのは「保証」と「保険」の違いです。

ほとんどの場合「保証」は、経年劣化や工事中の破損を補償するもので、いわゆるアフターケアを指します。対して「保険」は天災などで倒壊した墓石を補償するものです。

それぞれの違いには十分注意しましょう。

まとめ

お墓の購入にはローンが利用できます。
使えるローンにはいくつかの種類があるので、自分に合った条件のローンを選ぶことが大切です。

毎月の返済額に無理があれば、突然の出費などで返済が厳しくなることもあるので注意しましょう。またローンの返済が厳しいようなら、無理せずほかの供養の方法を検討しましょう。

ローンを申し込む前には必ず金利、返済期限、返済額などを確認し、無理のない返済計画になるようシミュレーションしてみましょう。

そのうえで、まだ資金に余裕があれば保険も一緒に備えられるとより安心ですね。

■監修者
齋藤 彩(さいとう あや)

独立系FPとして資産運用や保険提案、ローン、住宅購入などの個人向け相談業務を中心に、中小企業への企業型確定拠出年金制度(企業型DC)の導入支援も行なう。また、お金の知識をわかりやすく伝えるため、金融メディアへの執筆・監修活動もしている。
<保有資格>CFP、1級FP技能士

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