一周忌案内状の例文・書き方を解説|そのまま使えるテンプレート付
一周忌の案内状は、故人を偲び、参列者への法要と出欠確認を行うための重要な文書です。
しかし、初めて案内状を送るとなれば「失礼のない案内状を作成したいけれど、マナーがよく分からない」「忙しい中で、案内状の作成に時間をかけられない」といった悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、一周忌の案内状のマナーから、そのまま使える例文や書き方を詳しく解説しています。
一周忌の案内状の書き方
初めて一周忌の案内状を書くとなると、何を書けばよいのか悩んでしまいますよね。
そこでここでは一周忌の案内状に記載する内容をまとめました。
・ 頭語
・ 法要のご案内
・ 結語
・ 時候の挨拶
・ 法事の日時、会場
・ お斎(法要後の会食)について
・ 差出人の住所、氏名
・ 宛名、宛先
・ 返信依頼
それでは、各項目のポイントについて詳しく解説していきます。
頭語、結語
一周忌の案内状を書く際は、文のはじめに「頭語」を、文の終わりに「結語」を用います。
頭語とは、手紙の冒頭に添える挨拶語の総称であり、結語はそれに対応する結びの言葉です。これらはセットで使うのが基本的なルールです。
例えば、頭語に「拝啓」を用いた場合は、結語に「敬具」を添えるのが一般的です。より格式を重んじる場合には、「謹啓」「謹白」の組み合わせを使用することもあります。
法要のご案内
故人の一周忌や三回忌など、何回忌の法要であるかを明記します。
また、遺族として法要を営む旨を伝え、参列をお願いする文章を添えます。
例:「この度、亡父◯◯の一周忌にあたり、法要を執り行いますので、ご案内申し上げます」
時候の挨拶
一周忌の案内状を書く際は、「頭語」の後に「時候の挨拶」を記載するのが一般的です。
時候の挨拶とは、季節を表す表現のことで、「◯◯の候」「◯◯の折」といった形で書かれます。
案内状を送る月によって適した表現が異なるため、以下の例を参考に選ぶとよいでしょう。
月(季節) 時候の挨拶
1月(冬) 厳寒の候
2月(冬) 余寒の候
3月(春) 早春の候
4月(春) 陽春の候
5月(春) 新緑の候
6月(夏) 梅雨の候
7月(夏) 盛夏の候
8月(夏) 残暑の候
9月(秋) 初秋の候
10月(秋) 秋冷の候
11月(秋) 晩秋の候
12月(冬) 初冬の候
例えば、10月に案内状を送る場合は、
「秋冷の候、皆様にはご健勝のこととお慶び申し上げます」
といった形で記載します。
法事の日時、会場
一周忌の案内状で、受け取る側が最も知りたいことは法事の日程と会場です。
そのため、一周忌の案内状には、法事の日時や場所は、はっきりと分かるよう記載しましょう。
受け取る側が迷わず会場へ向かえるよう、住所だけでなく電話番号も併記するとより親切です。
また、会場が初めての場所である場合は、最寄り駅からのアクセス情報や駐車場の有無を記載するのもよいでしょう。
さらに、地図を添付すると、より分かりやすくなります。
お斎(法要後の会食)について
法要後にお斎(会食)を行う場合は、その旨を案内状に記載します。
法要と異なる会場で行う場合は、会食場所の住所や電話番号を明記し、可能であれば簡単な道案内を添えると丁寧です。
また、食事の参加が自由である場合や、お弁当を持ち帰る形式にする場合は、その旨も記載するとよいでしょう。
差出人の住所、氏名
法要の日程や会場を記した後には、差出人の住所や氏名を記載します。
通常、一周忌の案内状における差出人は施主(喪主)となります。
また、日程変更などの際に施主と参列者が連絡を取ることがあるかもしれません。
念の為に備えて、電話番号も記載しておくとよいでしょう。
宛名、宛先
案内状の宛名には、参列をお願いする方の氏名を敬称付きで記載します。
・ 個人宛ての場合:「◯◯様」
・ ご夫婦宛ての場合:「◯◯様 ◯◯様」(連名)
・ 家族宛ての場合:「◯◯様 皆様」
このように、状況に応じた宛名の書き方を意識すると、より丁寧な印象になります。
返信依頼
出欠を確認するために、返信依頼の内容を記載します。
記載すべき内容は以下の通りです。
<返信依頼に記載する内容>
・ 返信先の住所・氏名
・ 電話番号
・ 返信期限
また、参列者の負担を軽減するため、返信用はがきを同封するのがマナーです。
往復はがきを使用する場合は、別途返信用はがきを添える必要はありません。
一周忌案内状の例文テンプレート
一周忌案内状の例文を以下に記載します。
本記事では、一般的な例文と身内のみの場合、仏式以外の場合の3パターンを紹介します。
また、一周忌などの法事の案内状には、
・ 句読点を使わない(句読点をいれるべきところは空白にする)
・ 行頭を揃える(一字空けない)
【一般的な例文】
謹啓
◯◯の侯 皆様におかれましてはますますご健勝のこと お慶び申し上げます この度左記日程にて亡義父 ◯◯◯男の一周忌法要を営むことになりました
つきましてはお忙しいところ誠に恐縮ではございますが ご列席賜りますようお願い申し上げます
敬具
日時 平成◯◯年◯◯月◯◯日(◯曜日)午前◯時◯分より
場所 自宅にて
住所 ◯◯県◯◯市◯◯ ◯−◯−◯
電話 ◯◯◯−◯◯◯−◯◯◯◯
法要後 ささやかではございますが会食の席をご用意しています
返信用 平成◯◯年◯月
◯◯県◯◯市◯◯町 ◯−◯−◯
電話 ◯◯◯−◯◯◯−◯◯◯◯
差出人の名前
※お手数ではありますが◯月◯日までにご都合を返信にてお知らせ下さい。
【身内のみで執り行う場合の例文】
謹啓
◯◯の候 皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます
早いもので 亡父◯◯が他界してからまもなく一年を迎えます
本来であれば、ご縁のある皆様にお集まりいただきたく存じますが、誠に勝手ながら、一周忌の法要は家族のみで執り行うことといたしました
ご案内を差し上げるべきところではございますが 何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます
また この一年間に賜りました皆様の温かいお心遣いに深く感謝申し上げます
略儀ながら、書中をもちましてご挨拶とさせていただきます
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます
敬具
令和◯年◯月◯日
住所 ◯◯県◯◯市◯◯町◯◯
◯◯(差出人の氏名)
【キリスト式の例文】
故◯◯が神のもとに召されてから まもなく一年が経とうとしています
このたび 皆様とともに故人を偲び 感謝をお伝えするために 追悼ミサ(または記念集会)を執り行うこととなりました
ご多忙の折とは存じますが ご臨席賜りますようご案内申し上げます
日時 令和◯◯年◯月◯日(◯曜日)◯◯時◯◯分より
会場 ◯◯教会
住所 ◯◯県◯◯市◯◯町◯◯
電話番号 ◯◯◯-◯◯◯-◯◯◯◯
※追悼ミサ(記念集会)終了後、ささやかながらお茶会をご用意しております
令和◯◯年◯月◯日
住所 ◯◯県◯◯市◯◯町◯◯
電話番号 ◯◯◯-◯◯◯-◯◯◯◯
◯◯(差出人の氏名)
※お手数ですが ご出席の可否を◯月◯日までにご一報いただけますと幸いです
一周忌の案内状に関するよくある質問
ここでは、一周忌の案内状を送る時期やマナーなど、よくある疑問にお答えします。
適切な対応をするための参考にしてください。
一周忌の案内状はいつ出せばよいですか?
一周忌の案内状は、法要の1カ月前までに送るのが一般的です。
会場や会食の手配をスムーズに進めるためにも、参列者の人数を早めに把握しておかなければなりません。
1ヶ月を切ってしまうと、参列者が予定を大幅に変える可能性もでてきます。
後で焦ることのないよう、遅くとも1カ月半前には準備を始めておくと安心です。
一周忌の案内状のはがきは?
一周忌の案内状には、官製はがきや往復はがきを使用するのが一般的です。
封筒付きの挨拶状のほうが格式はありますが、はがきでもマナー違反にはあたりません。
【往復はがき】
一般的な法要の案内に適しており、参列者の出欠確認もできます。宛名の印刷も可能です。
【はがき】
ごく親しい身内のみで執り行い、出欠確認が不要な場合は、はがきで簡潔に日時を伝える方法もあります。
一周忌の案内状は、余裕をもって準備を始めましょう
一周忌の案内状は、余裕を持って準備を早めに始めることが大切です。
封筒付きの挨拶状や官製はがきなど、状況に応じた選択をし、参列者の出欠確認が必要な場合は往復はがきを活用すると親切です。
親しい身内のみで執り行う場合は、簡潔に日時を伝えるはがきも適しています。
もし一周忌の案内状の書き方に悩んだ際は、今回紹介した例文を参考にしてくださいね。