自由なスタイルが人気の、無宗教の葬儀。
特定の宗教を信仰していない
自分の葬式は宗教にとらわれない自由なものにしたい
このような方に選ばれている一方、無宗教葬に興味はあるものの、どのように執り行えばよいのか…と悩む方も多いでしょう。
この記事では、無宗教葬についての知識やメリット・デメリット、式の流れなどをわかりやすく解説します。
無宗教葬とは宗教色のない自由な葬儀
無宗教葬(自由葬)とは、宗教儀式を伴わず、故人や遺族の希望に沿って自由に進行できる葬儀のことです。
僧侶による読経や焼香の代わりに、音楽やスライドショー、手紙の朗読など、個性的な演出を取り入れることができます。近年では、形式にとらわれない「その人らしい」葬儀として注目されています。
無宗教葬が選ばれる理由
日本では、7〜8割の人が「無宗教・無信仰」とされており、宗教儀式にこだわらない価値観が浸透しつつあります。
また、少子化や核家族化により「親しい人だけで送りたい」「費用を抑えたい」と考える家庭が増えており、こうしたニーズに柔軟に対応できる無宗教葬が支持されています。
無宗教葬のメリット3つ
自由度が高く故人の意思を尊重できる
無宗教葬は自由度が高く、故人の意思を尊重しやすい葬儀です。
宗教的な決まりごとにとらわれず、好きだった音楽を流したり、趣味に関連する品を飾ったり、写真や映像で人生を振り返るスライドショーを上映したりと、故人らしさを存分に表現できます。
「自分らしい葬儀にしてほしい」と考える方にとって、無宗教葬はその思いを形にしやすい選択肢といえます。
費用を抑えやすい
僧侶を招かないため、お布施や戒名料(10〜50万円以上)が不要。結果として葬儀費用の負担を軽減できます。
宗教・宗派を問わず参列しやすい
参列者の宗教的背景を気にせず参加できるため、配慮の行き届いた葬儀が行えます。
無宗教葬のデメリット2つ
次に、無宗教葬を選ぶ際に知っておきたい2つのデメリットについて解説します。
準備に時間がかかる
無宗教葬は自由度が高い分、葬儀の内容を一から考える必要があるため準備に手間と時間がかかります。
葬儀社に任せきりにできない部分も多く、故人の希望を反映させるためには事前の打ち合わせや準備が欠かせません。
親族や参列者とのトラブルになる可能性がある
無宗教葬を選ぶことで、親族や参列者との間でトラブルが生じる可能性があります。
特に年配の親族には、新しいスタイルである無宗教葬は馴染みが薄く、反対されることもあるでしょう。
事前に家族や関係者としっかり話し合い、理解を得ておくことが大切です。
無宗教葬の流れと内容を紹介
無宗教葬は一般的な葬儀とは異なる流れで進行していきます。
ここでは、無宗教葬の流れと内容を紹介します。
開式~閉式までの一般的な流れ
参列者入場: 参列者が順次会場に入場し、席につく
↓
開式の言葉: 喪主または進行役の方が葬儀を始める言葉を述べる
↓
黙祷:参列者全員で故人を静かに偲ぶための黙祷が行われる
↓
献奏: 故人が生前好んだ音楽や思い出の曲を流し、故人を偲ぶ時間を作る
↓
お別れの言葉: 参列者が順番に故人にお別れの言葉を述べ、最後の挨拶をする
↓
閉会の言葉: 喪主の挨拶で葬儀を締めくくる
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出棺:参列者が見守る中で出棺
無宗教葬の内容
無宗教葬の内容は、故人や遺族の意向に応じてさまざまな形式が選べます。以下に代表的な無宗教葬のスタイルを紹介します。
音楽葬
・ 故人が好きだった音楽を流しながら進行
・ 生演奏が行われることもある
お別れ会
・ 「偲ぶ会」とも呼ばれる
・ 故人を偲び、弔辞や献花を行う
レストラン葬
レストランで食事をしながら故人を偲ぶ
カラオケ葬
・ 葬儀中にカラオケを行うユニークな葬儀
・ 好きな歌を歌って故人を送れる
無宗教葬後の納骨や供養方法
無宗教葬では、先祖代々から続くお墓への納骨を断られるケースもあるため、納骨や供養の方を事前に考えておく必要があります。
ここでは無宗教葬後の遺骨の扱いについて、4つの方法を紹介します。
永代供養
永代供養とは、遺族に代わって霊園や寺院が遺骨を管理し供養する方法です。
宗教や宗派を問わず利用可能です。
海洋散骨
海洋散骨とは、遺骨をパウダー状にして海に撒く供養方法です。
「自然に還りたい」と希望する方が増えており、近年人気を集めています。
手元供養
手元供養とは、遺骨を小さな骨壷に入れたり、ペンダントなどのアクセサリーに加工したりする供養方法です。いつでも故人を身近に感じられます。
宗教不問の墓地
「宗教不問」とされる公営墓地や民営墓地は、宗教的な制約が少ないです。
無宗教の方も含めて誰でも申し込めます。
無宗教葬にかかる費用
無宗教葬は、内容を自由に決めることができる分、演出やサービス内容によって費用が変動します。
以下は、無宗教葬にかかる費用の一部です。
祭壇費用
・ 収骨容器一式代
・ 遺影写真代
・ お棺代
・ 花束代
・ 遺体搬送費
・ ドライアイス代
・ 人件費 など
葬儀社によっては、無宗教葬プランが用意されています。費用と内容のバランスを見ながら選びましょう。
無宗教葬に関するよくある質問
ここでは無宗教葬に関するよくある3つの質問に回答します。
香典や焼香は必要?
無宗教葬では、香典や焼香を行うかどうかは自由です。
ただし、香典は必要とされる場合が多いため、「香典不要」の案内がない場合以外は用意しておくとよいでしょう。
一方、焼香は行わず、代わりに献花または黙祷を取り入れることが多いです。
葬儀社の選び方が知りたい
無宗教葬を希望する場合、複数の葬儀社に相談し、無宗教葬の実績が豊富かどうかを確認してからプラン内容を比較するのがおすすめです。
希望する演出に対応できるか、会場の雰囲気やスタッフの対応などもチェックします。
見積もりを取るときは、追加料金が発生する可能性についても必ず確認しましょう。
服装はどうすればいい?
無宗教葬の基本的な服装マナーは、一般葬と同じです。
喪服やダークスーツなど、落ち着いた色合いで礼節を重んじた装いがふさわしいとされています。
まとめ
無宗教葬は、宗教や形式に縛られず、故人や遺族の想いを大切にできる自由な葬儀スタイルです。
音楽や手紙でのお別れなど、個性的な演出が可能ですが、しっかりした準備が必要です。
満足度が高い葬儀を執り行うためには、早めに家族で話し合い、故人の意向を尊重しながら準備を進めることをおすすめします。