【アンケート】香典の渡し方に自信がない人は9割!タイミングやかける言葉を解説
香典の渡し方は、誰かに教わることではありませんので、いざとなるとどういったマナーがあるのかわからないという方もいるかもしれません。
また、香典を渡す際に、受付に挨拶をし、記名し、お供え物を渡したりと厳かな雰囲気の中でやるべきことが多い状況です。
実際に葬式や告別式などの法要に参加するにあたって失礼のないように準備しておくようにしましょう。
この記事では、香典の渡し方に関する100人以上を対象にアンケートを踏まえ、香典の渡し方について説明していきます。
香典とは
そもそも香典とは、葬式や告別式などの法要の際に 故人の霊前に供えるための現金 のことです。
日本における葬式や法要はかなり費用がかかってしまいます。
もともとは遺族は喪に服し、近隣住民などが遺族に変わって、弔問客や僧侶の方に食事を提供するなどの 相互扶助を行っていたことが由来 となっています。
現金を渡すようになったのは、 戦後に浸透した習慣である と言われています。
香典に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。
【100名アンケート】香典の渡し方に自信はある?
葬式や告別式など法要の時に遺族に渡すのが香典です。
みなさん、香典の渡し方のマナーをご存知でしょうか?
第三人生編集部では、 香典の渡し方のマナーについてどれほどの人が自信があるのか、118人にアンケートをとりました。
「香典を渡す時のマナーに自信はありますか?」というアンケートにて
香典の渡し方に自信があると答えた人は約10%でした。
香典を渡すという機会は少ないですが、渡し方をしっかり理解していないと恥をかいてしまうこともあるでしょう。
以下では、香典の渡し方を説明していきます。
【図解】香典の渡し方
香典の金額の相場
施主との関係 |
金額 |
祖父・祖母 |
3千円〜3万円 |
親 (父・母・義父・義母) |
1万円〜5万円 |
兄弟・姉妹 |
1万円〜3万円 |
おじ・おば |
5千円〜2万円 |
その他の親戚・親類 |
5千円〜1万円 |
友人・知人 |
5千円〜1万円 |
勤務先 |
5千円〜1万円 |
ご近所 |
3千円〜5千円 |
以上のようになりますので、ぜひ参考してください。
ここで注意しなければいけないのが、具体的な数字についてです。
忌数(いみかず)と呼ばれる、法要の時などは避けるべき数字や偶数は避けるのがが普通です。
忌数とは、 4や9などの「死」や「苦」を連想させる数字 のことを指します。
また、 偶数は死者との縁を割り切れてしまう という観点から避けます。
香典の金額相場はこちらの記事も参考にしてみてください。
香典の包み方
香典を包む際は不祝儀袋を使います。
また、できれば 現金を直接外袋に入れずに、中袋に入れてから包むようにしましょう。
香典の水引の選び方
水引は、関東においては、双銀(そうぎん)や白黒のもの、 関西では黄色と白のもの を使用するようにしましょう。
ですが、場合によっては、水引が失礼に当たってしまう場合がありますので、事前に確認しておくようにしましょう。
香典の中のお札
香典として包むお札に、 新札を使ってはいけない と言われています。
これは、故人の訃報に対して準備していたとされてしまうためです。
そのため、新札を包むことは控えるのが無難と言えます。
しかし、普段からあまり現金を持たず、ATMで下ろしたら新札ばかりだったということも珍しくはありません。
香典のお札が全て新札なのは、よくありませんが、 1〜2枚が混じってしまうのはしょうがないと言えます。
お札を包む際の向きは、取り出す時に、 肖像画が上かつ裏面を向くようにして入れてください。
香典のお札のマナーに関しては、こちらも参考にしてみてください。
香典の表書き
香典の表書きには、「御霊前」がもっとも一般的と言われています。
さらに、他の宗派にも影響がないと言われています 。
しかし、相手方の宗派を考えるのは難しいですし、最近では、そこまで厳密ではありません。
ですが、基本的に 49日法要までは、「御霊前」と記し、49日法要後が「御仏前」または「御沸前」 と記すようにしましょう。
宗派ごとの表書きについては、以下にまとめました。
実際には、さらに細かく分ける場合もありますので、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
宗教・宗派 |
表書き |
仏教(49日忌前) |
御霊前・御香料 |
仏教(49日忌後) |
御仏前 |
浄土真宗など一部仏教宗派 |
御仏前 |
神道 |
御霊前・御玉串料 |
キリスト教 |
お花料・御霊前 |
香典の書き方に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。
薄墨を使う
表書きは、正式には、 薄墨を使います。
これは、 「悲しみの涙で墨が薄まってしまった」という意味や「突然の訃報によって墨を研げなかった」ということを表す ためです。
そのため外袋にすでに薄く印刷されている市販のものを選んでもいいかもしれません。
手書きで書く方は、 薄墨の筆ペン なども販売されていますので、そちらを利用してみても良いかもしれません。
外袋の裏側の左端には、 名前をフルネームで書くようにしましょう。
また、中袋にも裏面の左側に住所や氏名を書き、右側(または表面の中心)には、金額を記入します。
ですが、ここで注意しなければいけないのが、金額の書き方です。
次の章で詳しく解説します。
香典の金額の書き方
金額を漢数字で書くことは、なんとなくわかるはずです。
しかし、 旧字体の漢数字 であることに注意してください。
そして「円」ではなく、「圓」を使う点などにも注意しましょう。
数字 |
旧字体の漢数字 |
1 |
弌・壱 |
2 |
弐 |
3 |
参 |
5 |
五・伍 |
7 |
七 |
10 |
拾 |
万 |
萬 |
円 |
圓 |
香典を渡す際の流れ
袱紗に包んでいた香典を取り出す。
一言挨拶をしながら香典を渡す。
芳名帳に記名する。
お供え物があればそれも渡す
以上が一般的な渡す際の順番となります。
芳名帳への記入
芳名帳には、 名前はしっかりとフルネームで記し、住所などの必要な事項は、香典返しなどで喪主に必要となりますので、省略せずに書く ようにしてください。
最近では、個別カード型といって、昔からの香典の渡し方とは異なり、配られたカードに名前と住所を書き、香典などと一緒に渡す方式の葬儀もありますので、臨機応変に対応してください。
お供え物
お供え物は必ずではありませんが、気持ちとして持っていってもいいかと思います。
具体的には、
線香や蝋燭
お花
日持ちするお菓子 など
殺生に関するものや、日持ちしないものは避けるようにしてください。
また、お供え物をもっていった際のマナーとして、 直接祭壇にお供えしようとする方がいますが、これはマナー違反となります。
どうしても祭壇に直接もっていきたい方は、遺族の方に許可をもらってお供えするようにしてくださいね。
お供えに関しては、こちらの記事を参考にして下さい。
香典を渡すタイミング
では、香典はいつ渡せばいいのでしょうか?
香典を渡すとき、お通夜に渡すのか、告別式で渡すのか迷う方も多くいるはずです。
結論から述べるならば、 地域や風習に合わせる ということです。
これは、昔の日本では、お通夜は親族のみで行なっていたため告別式で渡すしか選択肢がなかったためです。
明確な決まりがある訳ではないため、参列した時に渡せば問題ありません。
二回に分けて渡そうとする方がごく稀にいらっしゃいますが、これはやめてください。
法要の場では、こういった場合に限りませんが、「繰り返す」ということが「不幸が重なってしまう」という意味から避けなければいけません。
必ず参列した際にまとめて渡すようにしてください。
香典を渡すときにかける言葉
香典を渡す際に黙って渡すのは、もし受付の方が葬儀屋の方であっても失礼に当たります。
葬儀などの規模にもよりますが、受付は、 近親者ではなく、喪主や遺族から比較的遠い親戚が行うのが一般的です。
遠い親戚などが行う理由は、受付を喪主や直系の遺族が行なってしまうと挨拶に時間を取られてしまい、法要を円滑に執り行えないためです。
そのため挨拶の場では、受付側の時間を取らないようにしましょう。
渡す際にかける言葉は、「御愁傷様でした。」「お悔やみ申し上げます。」という言葉をかけるようにしましょう。
注意すべき言葉
簡潔に上記の言葉だけでも問題ありません。
「ご冥福をお祈りいたします。」という言葉をかける方もいますが、この「ご冥福」という言葉は、できれば避けてください。
理由は、宗派ごとの考え方も関わっています。
浄土真宗では、 故人は亡くなるとすぐに成仏すると言われているためです。
そのため、ご冥福をお祈りするという考え方がないのです。
このように言葉を選ばなければいけない場合も多いですので、挨拶は簡単なもののみにしましょう。
重ね言葉・忌み言葉
重ね言葉とは、
返す返すも
度々
重ね重ね
などの言葉が並んだり繰り返しを連想させる言葉のことをいいます。
先ほども述べましたが、 「不幸が重なる」という意味を持ってしまうため、法要に限らず、冠婚葬祭の場では避けなければいけません。
普段から敬語に気を遣っている方だからこそ使ってしまうことがありますので気をつけてください。
忌み言葉とは、
死去した
死ぬ
苦しんで
などの死や苦しみに直接的に関連する言葉のことを言います。
「死去した」は、「ご逝去された」などのようにうまく言い換えられるようにしましょう。
お悔やみの言葉に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。
香典の渡し方のマナー
香典の渡し方の注意点は以下の通りです。
そのまま持っていかない
身内の訃報でも香典は持参する
友人などには渡さない
そのまま持っていかない
先述したように、 香典を鞄から封筒のまま取り出してそのまま渡すのは、好ましくない渡し方です。
袱紗を用いるのが正式な渡し方ですが、ちょうど買おうと思っていた時の訃報であったりと、用意できていないこともあるかもしれません。
そうした方は、 ハンカチでもいいので包むようにしましょう。
身内でも香典は必要
身内とは具体的に親や親族です。
これほどの近親者であれば、家族内でお金が回るだけだし、必要ないと思う方もいらっしゃるかもしれません。
身内ですと、 必然と香典の額も高くなってしまうかもしれませんが、故人を偲ぶという意味は変わりませんので、用意するようにしてください。
身内との関係性による香典の額の相場については、上記の表を参考にしてみてください。
他の方には渡さない
葬儀にどうしても参列することができずに、友人や知り合いに香典を代理で提出することをお願いする方がいます。
関係性によるところが大きいですが、 故人が身内であるにも関わらず、香典を代理で渡してもらうのは基本的にマナー違反です。
身内である方は、 必ず、弔電もしくは、葬儀にいけない旨を伝えるようにしてください。
もしくは、香典は郵送で送るようにし、弔電のみにしても構いません。
友人や会社関係の方ならば、香典を代理で渡してもらうことは、マナー違反ではありません ので、弔電なども必要ありません。
香典のマナーに関しては、こちらの記事を参考にして下さい。
香典の送り方
葬式に出席できない方は、香典をお通夜もしくは、告別式に間に合うように送る場合があります。
香典を送る際には、 現金書留にて送るようにします。
この時、外の宛名に自分の名前や住所が書いてあるからと、中の不祝儀袋の名前などを省略する方がいます。
ですが、これはマナー違反ですので、 実際に葬儀に持っていくように整えた香典を送る ということを忘れないでください。
郵送のタイミング
郵送のタイミングは、 お通夜や葬式の開催日と故人の死の日から考えます。
もし、故人の亡くなったその日にお通夜が行われる場合は、現金書留の日付指定でも間に合わない場合があります。
そうした場合は、 告別式が終わってから2、3日以内に喪主の自宅に届くようしましょう。
郵送の時のマナー
郵送する際のマナーは先ほど述べた、香典の表書きなどを省略しないことと、手紙を添えて送るようにすることです。
この手紙は、気遣いという意味が大きいですが、やはり、お通夜や葬式に参列できないことへのお詫びの気持ちは示すのがマナーだと言えます。
便箋一枚にお悔やみの言葉を添え、一重の封筒に入れて香典と一緒に送るようにします。
香典の郵送に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。
香典を渡す時の注意点
香典はまとめて渡す
お通夜と告別式が二日以上に渡って行われる場合、参列するのが2回だから香典を2つに分けて渡した方が良いのかと迷われる方もいますが、まとめるようにしてください。
基本的に香典を持っていくのは、葬式もしくは告別式の場です。
お通夜では、持っていくことがマナー違反になる地域もあります。
また、 お通夜見舞いと言って、1000円〜3000円ほどを持っていく 場合もありますが、古くからの慣習として持っていくことが多いですので、事前に確認しておきましょう。
袱紗を用いる
渡し方としては、袱紗(ふくさ)と呼ばれる絹や縮緬(ちりめん)でできた布に包んで持っていきます。
袱紗ごと渡すわけではありませんが、袱紗を使わずに渡すのはマナー違反ですので、気をつけましょう。
袱紗から香典を取り出したら、表書きが受付の方に向くように90度ずつ回転させながら渡します。
袱紗は、比較的安価でも販売されていますので、購入しておくと良いでしょう。
【コラム】香典を辞退されたら
香典をもらうことを辞退する遺族も存在します。
これは、葬式や告別式でさえ、親族のみで行う場合などもあります。
これは、遺族側が参列者に負担をかけたくないことや、遺族側の負担も大きくなってしまうことを避けるためです。
施主の方は、 案内状で香典の辞退を伝えるようにしましょう。
こういった場合、親族でない方は、香典を無理して持っていく必要はありません。
ですが、施主の方は、どうしても香典を受け取ってほしいと言われれば、その厚意には応えて受け取るようにしましょう。
また、 親族からの香典は基本的に受け取るようにしましょう。
この場合は、参列者の前ではなく見えないところでこっそり受け取るようにしましょう。
香典の辞退に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。
マナーをしっかり守って香典を渡しましょう
そもそも香典とはどういったもので金額や渡し方について詳しく解説してきました。
おそらく訃報を聞くと、知識がある程度あっても慌ててしまうはずですし、何をすれば良いか不安に思うことも多々あると思います。
特に香典と言われると、渡し方などほとんど知る機会がなかったはずです。
最近では、そこまで厳密に礼儀やマナーが指摘されることは少なくなってきたと言えます。
そのため、準備もおろそかにしてしまう方もいます。
ですが、そういった時代だからこそしっかりと前もって準備をしておき、円滑に葬式や告別式にのぞめるようにしてくださいね。
渡す香典のマナーは?
新札は折り目を付けてから中袋に包む必要があります。
また、表書きは御霊前と書きますが、キリスト教ではお花料・神道では御神前などと記載します。
香典の渡し方の流れは?
袱紗から香典を取り出し、挨拶をしながら受付に渡します。
芳名帳に記帳し、お供え物がある場合は渡します。
香典の渡し方の挨拶のマナーは?
お悔やみ申し上げます、と簡潔に述べます。重ね重ねなどの忌み言葉は避けます。
香典の郵送での渡し方は?
現金書留の封筒に不祝儀袋を入れて郵送します。また、お悔やみの言葉を手紙に書いて同封します。