香典とは
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香典とは、線香や抹香、お花の代わりに故人の霊前・仏前に供えるものです。
また、葬儀に伴う費用は莫大であり、突然の死である際には遺族の家庭にとってはかなりの金銭的打撃となります。
そのため、香典を持参する事で、急なご不幸の出費を助け合う意味合いもあります。
不祝儀袋の中に現金を包み、葬儀に持参します。
不祝儀袋に関してはコンビニやスーパーでも販売されてる事が多く、仕事帰り等で忙しい際でも手軽に手に入れることが可能です。
キリスト教式の場合は「お花料」、神式の場合は「玉串料」と名前は違いますが、双方同じ物であり、故人に対する金品の備えが香典です。
香典の郵送は失礼?
はてな
香典は故人のためだけでなく、ご遺族への気遣いや援助の意味も含むため郵送でも 失礼にはあたりません。
なお、参列できる際にはなるべく手助けで渡すようにして下さい。
釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)
釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)
香典は故人やご遺族への援助や気遣いの意味があります。
そのため、気持ちを伝えるという点では、何ら差し支えありません。
郵送すべき時期
では、送るべき事例は以下の通りです。
葬儀を不参する
訃報を後で聞いた
以降で詳しく説明を行ってきます。
葬儀に不参する
葬儀が遠方で行われる場合やどうしても外せない用がある場合などの理由があり、 葬儀に参列することができないとき には、香典を郵送で送ります。
訃報を後で聞いた
意外と多いのが 訃報を後で聞いた というケースです。
その場合には、故人との関係性の深さによって、お香典や弔電などのお悔やみの気持ちを伝えられるものをおくります。
香典を郵送するタイミング
カレンダー
香典を贈る時期はとても重要であり、悩ましい事項でもあります。
早いほうがよいのではないか?
葬儀後は忙しいから少し時間を置いたほうがよいのではないか?
無論、香典の郵送に関して適切な時期というのも存在します。
以下の2つのケースに分けて説明していきます。
通夜や葬儀まで余裕がある場合
通夜や葬儀がすぐに行われる場合
時間的に余裕がある時
訃報から通夜や葬儀が執り行われるまでの日数に余裕があるときには、
できるだけ早く 金額を包み、香典を贈ります。
お線香や抹香と同様に故人の御霊前に供える物なので、葬儀に間に合うのであれば、早く送るほうが良いです。
しかし葬儀直前は遺族の方は準備に追われ、多忙です。
以降で香典返しを行う必要がある事も踏まえ、直前になる事例は避けましょう。
時間的に通夜との日程が近い時
通夜や葬儀がすぐに執り行われる場合は、 葬儀後から1週間から遅くても1ヶ月以内に香典を郵送しましょう。
葬儀の直前直後は非常に忙しいため、避けましょう。
しかし、喪主は香典返しの作業などがあるため、1ヶ月を過ぎると二度手間になってしまうこともあります。
そのため、1ヶ月以内には送りましょう。
香典を郵送する時の宛名・住所
49日持ち物香典
誰に送るのか、どこに送るのか間違いがないか必ず確認をした後に送ってください。
香典の郵送時の宛名
郵送する際の宛名は喪主の名前とします。
直接の関わりがなかったとしても、葬儀を取り仕切っているのは喪主であるため、喪主の方の名前を書きます。
しかし、喪主の方の名前が把握できない際には「○○(故人の名前)様ご遺族様」と書いて下さい。
香典の郵送時の住所
喪主の方の住所を書くのが一般的です。
なお、葬儀の当日までに届く際には、宛先を斎場宛として送ります。
しかし、金銭が絡む香典は現金書留の扱いであり、受け取り主への直接の手渡しが必須です。
喪主の方は葬儀の準備や参列者の対応などで忙しいため、実際に受け取りが可能だとは言いにくいのが実状です。
香典を郵送する時の封筒
現金を郵送する場合には、専用の封筒で送らなければなりません。
法律で定められているため、宅急便ではなく郵便局を介して送る必要があります。
封筒に入れるモノ①不祝儀袋
不祝儀袋
相手に郵送を行う際には、現金書留専用の封筒で送ると説明しました。
現金をそのまま現金書留専用の封筒に入れるのではなく、不祝儀袋に現金を包んでから入れます。
現金書留用の封筒には、サイズが通常の他とそれより一回り大きい物の2種類があります。
不祝儀袋に現金を包み封筒に入れるため、 通常よりも大きい封筒 を使用して下さい
封筒に入れるモノ②手紙
手紙
基本は手紙を添えましょう。
手紙は不祝儀袋ではなく、封筒に入れます。
手紙には、お悔やみの気持ちを言葉にして記します。
その上で必ず、参列できない事へのお詫びも含めて下さい。
手紙を添えると丁寧な印象を相手に与えます。
香典を手渡しする際には、「このたびは、ご愁傷様でございます。」などのお悔やみの気持ちを込めた言葉をかけるようにして下さい。
手紙はどう書くの?
手紙は、 白い縦書きの便箋 を使用します。
手紙は、不祝儀袋と一緒に現金書留専用の封筒に入れます。
手紙を封筒に入れて、不祝儀袋の中に入れても良いですが、その場合は注意が必要です。
「二重は不幸が重なる」を意味するため、封筒には二重封筒は使いません。
手紙を書くのに使う筆記用具は、ボールペン、万年筆で問題ありません。
墨で書く場合には、「涙が落ち墨が滲んでいる」という意味から薄墨を使用します。
香典の郵送で発生する料金
料金
かかる料金は、 現金書留専用の封筒と現金書留の郵送の料金 です。
現金書留専用の封筒は、21円で販売されています。
現金書留を送る際に必要な料金は、封筒の中に入れる金額によって異なります。
郵送する現金が10,000円までの場合は、430円です。
10,000円より多くなる場合には、5,000円ごとに10円の料金が加算されます。
上に郵便の基本料金が加算されます。
通常より大きい封筒を使用する場合には、定形外郵便になるため、120円(50g以内)がかかります。
具体例
例えば、香典に入れる金額が30,000円となる際、 通常よりも大きい封筒 で郵送する際の料金は以下の通りです。
合計 590円
基本料金 120円
現金書留料金 470円
香典のお金の入れ方や香典金額の相場など、香典の基本事項についてはこちらをご覧ください。
香典のお金の相場は?お札の入れ方や選び方、渡し方も解説
香典のお金の相場は?お札の入れ方や選び方、渡し方も解説
お墓・霊園比較ナビ編集部
香典を郵送する時に添える手紙の例文
文字を書く
香典を郵送する場合には、お悔やみの手紙を添えるのが、一般的です。
ここでは郵送の際に同封する手紙に関して例文と共に紹介を行います。
まず、以下の内容が例文に含める事項です。
お悔やみの意
生前の故人の方の様子
参列できない事へのお詫び
香典を贈る旨
例文を紹介します。
以下三つの事例に合わせ、三つずつ用意したので、実際に手紙を書く際には参考にして下さい。
葬儀に対し不参な場合
訃報を後で知った場合
簡略的にすませる場合
葬儀に対し不参な場合
葬儀に参列する事が不可能な際に場合添える手紙の例文は以下の通りです。
○○(故人の名前)様がお亡くなりになられたという報に接し、驚いております。
御尊父様のご逝去に、心よりお悔やみ申し上げます。
とても明るいお人柄であっただけに、ご遺族の皆様の悲しみはいかばかりかと存じます。
お力落としの事と存じますが、くれぐれもご自愛くださいますようにお祈り申し上げます。
本来であれば、ご葬儀に参列すべきところではございますが、やむを得ない事情がありかないませんこと、誠に申し訳ございません。
心ばかりですが、御香典を同封いたします。
御霊前にお供え頂ければ幸いです。
訃報を後で知った場合
訃報を後で知った場合の例文は以下の通りです。
○○(故人の名前)様の突然の訃報を受けて、悲しみと驚きを深くしております。
秋にお会いした際にはお元気で、私どもの結婚式の際には仲人を務めて頂きました。
まだ、お元気でいらっしゃると思っておりました。
お礼もままならずお別れとなってしまったことが悔やまれてなりません。
○○(故人の名前)様のご逝去を存じ上げず、ご弔問にお伺いせず、申し訳ありません。
遅ればせながら、○○様のご冥福をお祈りしたいと思います。
心ばかりですが、どうぞ○○(故人の名前)様の好んでいたものをお供え頂ければと存じます。
簡略的にすませる場合
短く済ませる際には以下の通りです。
この度は、○○(故人の名前)様の突然の訃報にお悔やみ申し上げます。
ご葬儀に参列できないこの無礼をお許し下さい。
同封の物は心ばかりですが、御霊前にお供えいただければと存じます。
以上が郵送する際の手紙の例文です。
お悔やみの手紙に関しては、こちらも参考にしてください。
【例文紹介】お悔やみの手紙の書き方と送り方!宛先別の文例、手紙の折り方も解説
【例文紹介】お悔やみの手紙の書き方と送り方!宛先別の文例、手紙の折り方も解説
お墓・霊園比較ナビ編集部
香典の郵送先の住所が不明な場合
疑問
お香典をお送りするときは、喪主の方の自宅の住所を書きお送りするのが普通です。
しかし、喪主との面識がなく、住所不明な状態でいる事もあります。
わからない場合は、斎場に郵送すればよいのでは?と思うかもしれません。
香典も中身が金銭なので現金書留に含まれ、現金書留は必ず受け取り主が受け取る必要があります。
香典が届く時期に喪主が斎場にいるかは怪しいので、宛先を斎場にする事は避けて下さい。
方法は以下の三つです。
斎場に問い合わせる
友人に聞く
喪主宛で友人の住所に送る
それぞれについて説明していきます。
斎場に問い合わせる
斎場
斎場の連絡先が分かる際には、電話で問い合わせを行います。
と、葬儀日時と故人名を出しつつ、また自身と故人の関係性も提示しながら聞いて下さい。
ただ、故人の住所等は個人情報のため会社の方から断りを入れられる可能性もあります。
友人に聞く
ご遺族に友人がいる際や故人と親しかった友人がいる時は、友人に香典を送りたい旨を伝えて、喪主の方の住所と名前を聞くのも一手です。
友人がご遺族である場合は、葬儀の準備で忙しい事もあるのでお相手の都合に合わせて聞いて下さい。
喪主宛で友人の住所に送る
どうしても、連絡を取ることができずに住所が不明な際には、友人の遺族の方の住所に喪主の方の宛名で香典を郵送します。
必ず、友人の方の了承を受けた上で送るようにして下さい。
香典を郵送は失礼ではない
この記事では郵送と香典に関して、失礼の有無から時期に関しても述べてきました。
実際、以下の通り場面は多くあります。
遠方のため 葬儀に参列不可能な時
多忙なため都合が合わせられず 参列不可能な時
意外と多い 訃報を後から知った時
郵送する場合には、郵送先や宛名に注意が必要でした。
郵送先や宛名は一般的には喪主の方を書きます。
なお、故人に関わる金額事項とはいえ、間違っても宛名に故人の名を書かないよう注意して下さい
なお、注意を払うべき事項は数多くあり、相手の気分を害さない為にも守る必要があります。
失礼に当たる事項を入れる事は避け、適宜必要事項に関しては複数人で確認を行って下さい。
※ご住職様には数あるお寺のご住職の一人としてコメントをいただいております。
同一の宗教・宗派でもご住職によって多少の相違があることがあります。