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葬儀

2024.04.30

浄土宗と浄土真宗の違いとは?お経・仏壇まで!葬儀や戒律も解説

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浄土宗と浄土真宗は、よく聞く宗派である一方で、明確な違いを知らない方も多いのではないでしょうか?

浄土宗を柔らかく解釈し、民衆に普及させていったのが浄土真宗であるという特徴があります。

この記事を参考に2つの宗派による葬儀や家での仏壇での飾り方など参考にしてくださいね。

浄土宗と浄土真宗とは
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浄土宗と浄土真宗は、仏教の中でとても有名な宗派で、 浄土真宗は、日本でも一番信仰者が多い のも特徴です。

この2つの宗派について比較しながら解説していきます。

浄土宗    浄土真宗
開祖    法然    親鸞
時代    平安時代末期    鎌倉時代
本山    知恩院    西本願寺
本尊    阿弥陀如来    阿弥陀如来
さらに、浄土宗は 七大本山 が全国に存在し、知恩院以外にも

増上寺
清浄華院
光明寺 
などが存在します。

ここからは、浄土宗と浄土真宗それぞれについて詳しく説明していきます。

浄土宗
お墓
浄土宗は、開祖が 法然上人 であり、1175年に開かれました。
本尊は「阿弥陀如来」で、「南無阿弥陀仏」と称えるなか、 安らかに日常生活過ごし、極楽浄土への往生を祈る宗派です。

浄土宗が開かれたのは、1175年と歴史上でいえば、平安時代の末期ですが、鎌倉仏教として後世に継承されています。

浄土宗のもっとも特筆すべき点は、鎌倉新仏教と呼ばれる民衆向けの宗派の礎となった点です。

それまでの旧仏教は、高い教養を持つ高貴なもののために存在しており、一般庶民が触れる機会はほとんどありませんでした。

しかし、浄土宗が提唱したのは、念仏を唱えるだけでいいというものでした。
この教えは瞬く間に庶民に浸透していきました。

浄土真宗
浄土真宗仏殿
浄土真宗の開祖は、 親鸞聖人 であり、鎌倉時代の初期に開かれました。
本尊は、「阿弥陀如来」であり、総本山は分裂してしまっているために一概にはいえませんが、 「西本願寺」 とされています。

浄土真宗と浄土宗の大きな違いはあまりありません。
その理由は、法然上人の弟子であった親鸞が分裂してしまった浄土宗の法然上人の教えを再び継承しようと開いたためです。

法然上人の「日々の生活を安らかに生活する」という教えと通ずる部分がありますが、親鸞聖人は、「平生業成(へいぜいごうじょう)」を解き、死後の世界にばかり注目するのではなく、なんのために生きているのかの目的を達成した時私たちは幸福になれると主張したのです。

浄土宗と浄土真宗の違い【お経】
写経
浄土宗と浄土真宗におけるお経は、浄土宗のお経を浄土真宗が引き継いでいるので、違いはほとんどありません。

浄土三部経
正信念仏偈
讃仏偈
重誓偈
これらについて解説していきます。

浄土三部経
お寺
浄土三部経とは、 「無量寿経」「観無量寿経」「阿弥陀経」 のことを言います。

無量寿経は、浄土三部経のほとんどを占めているため、「大経」とも呼ばれています。
この世の生きるもの全ての救済に対する阿弥陀仏の願いと、願いが成就してから訪れるご利益 について記されています。

観無量寿経は、釈迦の時代の「王舎城の悲劇」という物語が記されています。
この物語は、この時代の王妃である韋提希(いだいけ)夫人が後継者をめぐる波乱万丈の人生を歩み、釈迦の力によって、極楽浄土に往生するという内容となっています。

阿弥陀経は、 極楽浄土がいかに苦労なく楽な場所であるかについてと、阿弥陀仏の説法によって人々が守られるということ が書かれています。

浄土真宗の3つのお経
お経
「正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)」「讃仏偈(さんぶつげ)」「重誓偈(じゅうせいげ)」の3つが存在します。

正信念仏偈は、親鸞の書いた 「教行信証」 の中に書いてあります。
残りの 「讃仏偈」「重誓偈」 の2つは無量寿経の中に記載があります。

正信念仏偈は、親鸞聖人の代表的な作品である「教行信証」の中の記述である「総讃(そうさん)」「結誡(けっかい)」「依釈段(えしゃくだん)」の3つの段落構成からなるお経のことです。

総讃では、親鸞自身が阿弥陀如来に救済されたことが記述され、結誡には、念仏を確実に理解し、信じて受け入れることの難しさや困難さについて述べています。

最後の依釈段には、 インドや中国、日本における七高僧と呼ばれる格の高い叢書の達の賞賛すべきことや本願念仏への解釈 などが記されています。

この3つに共通して、阿弥陀如来への畏敬と感謝と賞賛が記載されているのが特徴です。

浄土真宗の法要に関しては、こちらを見て下さい。

浄土真宗の法要とは?種類や準備の仕方、流れ、服装を解説
第三人生編集部

浄土宗と浄土真宗の違い【仏壇】
仏壇
浄土宗の仏壇の飾り付けは一般的なものなので、浄土真宗の特徴について解説していきます。

浄土宗の仏壇の飾り方については、こちらを見て下さい。

浄土宗の仏壇の飾り方を解説!置き場所や本尊、仏具の飾り方も
第三人生編集部

これから、浄土真宗の仏壇について、

浄土真宗の位牌
浄土真宗の仏壇の飾り方
これらについて解説します。

浄土真宗の位牌
位牌
浄土真宗では、 臨終即成仏という考え方 であるため、故人の魂を宿した位牌を飾ることがありません。

位牌は、葬儀〜49日法要までは仮位牌という白木でできた木の札を用い、49日法要以降は、本位牌という表面を漆などで加工した位牌を用います。

浄土真宗本願寺派では、位牌ではなく、法名軸(ほうみょうじく)や過去帳(かこちょう)に法名を記した供養が行われます。

法名軸は、位牌の代わりに法名をが記された掛け軸のことで、過去帳は、位牌に故人の法名・俗名・享年・命日を記録しておく代わりに記載する帳簿のことをいいます。

浄土真宗の位牌に関しては、こちらを見て下さい。

浄土真宗で位牌は必要か?位牌に代わる法名軸や過去帳も解説
第三人生編集部

法名軸に関しては、こちらを見て下さい。

法名軸とは?種類・費用相場・置き場所!書き方やおすすめ商品も
第三人生編集部

浄土真宗の仏壇の飾り方
浄土真宗 線香
浄土真宗では、故人の死後は故人を思って仏壇に手を合わせるのに加えて、阿弥陀仏に対しての感謝の気持ちを大事にする宗派です。

さらに開祖である親鸞聖人を非常に大切に考えています。
親鸞の命日である11月28日の前後一週間は、報恩講といって仏壇を豪華に飾るなど、浄土真宗を信仰している方に特徴的な点 であると言えます。

また、仏壇の前で線香を焚く時、浄土真宗では、線香を折って寝かせます。
これは、涅槃(ねはん)という悟りの境地に達した阿弥陀仏の姿を表しているとも言われています。

浄土真宗の仏壇の飾り方については、こちらの記事を見て下さい。

浄土真宗の仏壇の飾り方を解説!仏壇の選び方や、東西の違いも
第三人生編集部

浄土宗と浄土真宗の違い【葬儀】
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浄土真宗の葬儀についての特徴は、

冥福は祈らない
焼香は一回で、押しいただかない
御霊前は使わない
などが挙げられます。

冥福は祈らない
合掌 女性
先述しているように浄土真宗には、亡くなるとすぐに極楽浄土に行くとされているため、冥福を祈るという考え方がありません。

受付での挨拶や、遺族との会話でうっかり言わないように注意してください。

「この度はお悔やみ申し上げます」のみで問題ありません。

冥福を祈ることの意味については、こちらを見てください。

「ご冥福をお祈りします」の意味・例文!避けるべき宗教・宗派も解説
第三人生編集部

焼香
焼香
お焼香は、

手順    内容
①    焼香台の前まで移動する
②    遺族と僧侶の方に一礼する
③    遺影に一礼する
④    抹香をつまみ、香炉にくべる
⑤    遺影に合掌し、一礼する
⑥    祭壇から一歩下がり、遺族に一礼する
⑦    席に戻る
以上のような流れで行われるのが一般的です。
抹香を三本の指でつまんだら、押しいただきは行わず、一回香炉に抹香をくべたら終わりです。

この 押しいただくとは、三本で抹香をもち、額に持っていく過程のことをいいます。

また、焼香の回数にも意味があります。

焼香1回
焼香2回
焼香3回
これらの回数の意味について説明します。

焼香1回
焼香の回数が一回の場合、 「一に帰る」という仏教上の意味や、一心不乱と意味 を持っています。

焼香2回
焼香2回は、 主香と従香 という考え方があり、主香では、故人の成仏を願い、従香では、1回目のお香を絶やさないためという意味があります。

焼香3回
仏教では、数字の 「3」を重視している ことから、焼香を3回行うこともあります。

この3という数字が重視されているのは、浄土三部経や浄土真宗の3つのお経を想像するとわかりやすいはずです。
宗派に関わらず共通して焼香の回数には以上のような意味があります。

焼香の回数に関してはこちらの記事でも取り上げています。

焼香の回数で正しいのは?抹香の回数の意味や本数、NG例も紹介【宗教別】
第三人生編集部

御霊前は使わない
仏前
先ほどから述べているように、浄土真宗において、故人は亡くなると霊にはならず即成仏するため、表書きには、 「御霊前」と書くのではなく、「御仏前」を使うようにします。

浄土宗では、49日法要後の忌明けをきっかけとして、それ以降の表書きではご仏前を使うため、浄土真宗の特徴的な点だと言えます。

御霊前と御仏前に関してはこちらも参考にしてください。

ご霊前とご仏前の違い!御霊前の相場や封筒の書き方、渡し方も解説
第三人生編集部

浄土宗と浄土真宗の違い【戒律】
数珠
浄土宗には、戒律がありますが、 浄土真宗にはありません。

戒律とは、その宗派に出家するにあたって守らなければいけない決まりのことをいいます。

生物を殺さない
盗みをはたらかない
虚言をしない
女性と性行為を行わない
飲酒はしない
浄土宗に限らず、仏教徒の 基本的な五戒が以上のように存在しています。

一方で、浄土真宗は、 開祖である親鸞聖人が肉食で妻帯であったため、私たちが一般的に仏教僧にイメージする厳しさがない点は珍しいと言えます。

浄土宗と浄土真宗の明確な違いを知っておく
以上で解説してきたように、浄土宗は比較的決まりが多く、成仏するためにはそれなりの努力が必要であると主張しています。

一方で、浄土真宗は、より多くの民衆に布教していく中で、高尚な人や高貴な人でなくても解釈し、成仏できるとといたように、ほとんど決まりはなく、自由な風潮があります。

もし、自分の宗派がこのどちらかである方や、法要で決まりがないか不安な方はこれを参考にしてくださいね。

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