生涯学習って何?
高齢者 学習
生涯学習という言葉を聞いたことがありますか?
パンフレットや冊子などで見たり聞いたりした方もいると思います。
生涯学習とは、簡単に説明すると 生涯に行う学習のこと 。
学校で習った物事だけでなく、 誰にでも行えるあらゆる学習のことを 指します。
生涯学習の分類 内容
学校教育 大学が行う通信教育
公開講座など
家庭教育 小学校区での家庭教育に関する学習教育の確保
教育支援
社会教育 人権や環境教育の推進
男女共同参画社会を推進する学習機会の提供
その他の活動 文化
スポーツ
レクリエーション
ボランティア
企業内教育
趣味
一生涯の中で、生涯学習に意欲的なのは誰かと言うと、定年退職し自由な時間を確保できるようになった高齢者の方達です。
今まで、仕事をしていた時間を弄ぶようになった高齢者が多く、 意欲的に学習しています 。
高齢者の生涯学習の意欲
「平成25年度(2013年)高齢者の地域社会への参加に関する意識査結果」では、 一番多いカルチャーセンターなどの民間団体が行う学習活動で、17.2%です 。
カルチャーセンターは社会人のための教養の民間講座で、カルチャースクールや文化教室とも呼ばれます。
ポスターや冊子などで知る機会があるので、興味がある人には一番目につきやすいのではないでしょうか。
次に、 12.7%のテレビやラジオ、ネットなどの通信手段を使った、自宅でもできる生涯学習です 。
外出せずとも学習活動ができるので、足が不自由な方や病気がちな方など、外に出ることが不安な方も無理なく学ぶことができます。
地方公共団体などが設けている高齢者学級や老人大学は11.5%、同じく地方公共団体などが開催する公開講座や学習活動が11.1%。
大学・大学院への通学は2.6%、専門学校の通学は1.2%、その他が1.3%という結果になっています。
このことから、高齢者が身近に感じ興味が持てる生涯学習とは、 比較的身近な位置にあり、無理なく学べる場所ということが 考えられます。
高齢者の生涯学習の参加障壁
高齢者
高齢者が生涯学習に意欲的なことがわかりました。
ですが、実際に学ぶとなると躊躇してしまう方もいるのではないでしょうか。
では、どんな場合に躊躇するのか、 高齢者の生涯学習の参加障壁を4点 ご紹介します。
健康に自信がない
家庭の事情
友人がいない
気軽に始められるものがない
参加障壁➀健康に自信がない
高齢になると人それぞれ事情が異なります。
その中でも、 行動に関して差が出てくるのが健康状態です 。
持病持ちの方や、怪我や大病を患い手足が不自由な方、そして視力の低下だったり。
人それぞれ様々な理由があります。
そんな健康に自信のない方が、生涯学習を学ぶ場所まで、無事に辿り着けるのかと不安に感じてしまい、参加することに躊躇してしまいます。
参加障壁➁家庭の事情
家庭の事情も各ご家庭それぞれ異なります。
生涯学習は有料なため、月謝を払い続ける自信がないという方も 。
他には、病気がちな配偶者を一人にできず通えないという場合もあります。
参加障壁➂友人がいない
友人と一緒に生涯学習へ通うのは楽しいでしょう。
ですが、一人で行動できるタイプではない場合、せっかくの生涯学習の場でも 寂しく感じてしまい、通うことが億劫になってしまうという方も います。
一人で参加して学習するまでの気力がわきません。
参加障壁➃気軽に始められるものがない
生涯学習と聞くと、「勉強しなければ!」という意気込みを感じてしまいます。
ハードルが高く感じてしまい、はじめの一歩を踏み出すのに躊躇してしまうことも 。
そう感じてしまうと、どんな生涯学習も難しいものに見えてしまい、気軽に始められる生涯学習も難しく感じられ、自分にあったものが見つけづらくなってしまいます。
高齢者が学習社会をするべき理由
理由
文部省では 「自己向上の努力を正当に評価し生かす社会」を、生涯学習社会と しています。
のんびりと毎日を過ごすこともできる高齢者の方が、生涯学習社会をするべき理由とはいったい何でしょうか?
その理由を紹介していきます。
生きがいを感じる
地域活性化
人生100年時代と生涯現役思考
生きがいを感じる
年齢を重ね、いろんな経験を積み上げてくると、新しいことへの関心が徐々になくなり、生きがいを見つけにくくなります。
そんな中、生涯学習で好きな分野を学び新しい発見をしたり、同じ趣味の友達ができたり、人に必要とされたりと ハリのある毎日がおくれ、前向きな気持ちになります 。
年々出生率が低くなる一方で、寿命が伸びている現代では、高齢者の人口がどんどん増えて行くと予想されるため、 生きがいを見つけ健康でいることが大事に なってきます。
地域活性化
地域に密着したボランティア活動や趣味の団体・サークル活動なども生涯学習です。
たくさんの高齢者がお祭りや催し物など、地域に貢献することにより、老若男女関係なく、地域に住む人々との交流も増え、 活気ある地域へと変わっていきます 。
人生100年時代と生涯現役思考
現在の高齢者は、定年を迎えた第一次ベビーブームに生まれた団塊世代を中心に、同級生も多くいるため、常に競争にさらされていました。
そんな背景により、退職後も働きたいと考える生涯現役思考の高齢者が多く、のんびりと余生を過ごすより、何か 精力的に活動をしている方が心身ともに健康だと 考える方が多いです。
実際、人生100年時代という単語もあるように、60歳で定年を迎えた以降は働かないという考え方は昔の物と見なされ始めています。
人生100年時代に関しては以下の記事もご覧ください。
人生100年時代をどう生きる?政府の取り組みや老後に与える影響は?
第三人生編集部
健康な高齢者が多いということは、増え続ける高齢者の医療費が抑えらるということ。
若者の保険料の負担軽減にも 繋がってきます。
生涯学習の具体的活動
高齢者 夫婦
生涯学習には、高齢者だけでなく様々な年齢の方を対象にした学習があります。
では、どんな学習をしているのでしょうか?
生涯学習の具体的な活動を4点ご紹介します。
家庭教育
学校教育
社会教育
企業内教育
具体的活動➀家庭教育
家庭教育はすべての教育の出発点 。
赤ちゃんの頃より、親とのスキンシップから始まっています。
食育や遊び、読書や会話、地域との関わりなどいろんな体験を通して、 子供の心や体の成長を養います 。
子供を健やかに育てることがとても大事ですが、一番身近の肉親である母親を応援する取組もあり、公的機関や企業が開催している教室は数多くあります。
最近では、父親に対しての学びの場も増えてきています。
具体的活動➁学校教育
学校教育では、 人間形成の基礎として必要な教育を学校で 行い、家庭教育や社会教育と連携して学びます。
日本の学校教育の代表は、幼稚園・小学校・中学校・高校・大学です。
他に、保育園が教育に力を入れたり、専修学校なども大学と名がつく場合もあり、現在の学校教育は多様化しています。
具体的活動➂社会教育
社会教育は、社会で行われる広い学びを指し、自治体や公的機関などが公的に行います。
誰でも参加でき、いくつになっても学べる場所として提供されています 。
生涯学習と呼ばれる取組は、この社会教育を指していることが多いです。
具体的活動➃企業内教育
企業内教育では企業で雇った従業員に対して行うための教育です。
研修で、企業の仕事内容を把握させる教育から始まり、スキルを向上させるために行う教育が あります。
企業によっては講習会の参加や、通信教育、本などで学ぶ場合もあります。
生涯学習を学べる場所
高齢者 趣味
どんな生涯学習があるのかがわかったと思います。
では、次に高齢者が生涯学習として学べる場所を8点ご紹介します。
大学
生涯学習センター
公民館、コミュニティーセンター
図書館
博物館
美術館
文化センター
スポーツ施設
学べる場所➀大学
一般公開されているので、高齢者でも受講出来る大学や、VOD講座(動画)の提供をしてくれる大学があり、大学生同様に学ぶことができます。
他に、老人大学・長寿大学・シルバー大学などの 高齢者のための大学も設立されて 、注目を集めています。
学べる場所➁生涯学習センター
生涯学習センターとは、その名の通り、子供から高齢者まで 地域で行っている学習活動を、総合的に支援しているセンターです 。
地域の住民が行う自主的な学習を団体で行います。
学べる場所➂公民館、コミュニティーセンター
公民館やコミュニティーセンターは、仲間同士が気軽に集まれる場所、興味のある物事を学ぶ場所、そして 生涯学習の団体を地域の機関と結びつける場所です 。
住民同士の人づくり、地域づくりに貢献している場所です。
学べる場所➃図書館
子供の頃から慣れ親しんでいる方が多い図書館。
カードを作ると無料で好きな本を貸し出してくれ、 知識をつけたい方や好きな本を読みたい方に最適です 。
展示物やイベントを随時開催しています。
学べる場所➄博物館
特定の分野で価値のあるものを展示している博物館 。
鉄道博物館や恐竜博物館、科学博物館や歴史的な資料がある博物館など様々な種類があります。
ラーメン博物館など食べ物に関しての博物館も人気があります。
学べる場所➅美術館
高齢者の方にも人気な美術館。
近代美術や西洋美術、彫刻の森美術館や写真美術館、陶器美術館など 芸術が好きな方に打ってつけです 。
漫画が好きな方も興味が湧く、藤子・F・不二雄ミュージアムもあります。
学べる場所➆文化センター
文化センターは、マスメディアやデパートなどが提供しており、大規模な講座が多いです。
そして、 有名な大学教授や人気講師を招く教室が多いのも特徴的 。
主婦層に人気の茶道に華道、料理などから、語学など教養のある文化講演的なものもあります。
カルチャーセンターや文化教室、大学が主催だとオープンカレッジとも呼ばれます。
学べる場所➇スポーツ施設
スポーツ施設には、テニス場や野球場、ゲートボール施設などのほか、体操やリハビリ的な運動設備が揃えられた施設もあります。
仲間内でスポーツをするものから、インストラクターに教わるものまであるので、 高齢者になってからでも新しいスポーツが始められます 。
生涯学習の情報獲得
自宅に送られてくる地域の冊子や、市役者や生涯学習センターなどに置いてあるパンフレットを見る。
もしくは、インターネットで検索してみるとたくさんの生涯学習の情報を獲得することができます。
生涯学習をしようと思い立ったら、まず 窓口に相談しにいきましょう !
窓口に相談
市役所では、高齢者の高齢者のボランティアを受け付けていたり、生涯学習を行っている施設の情報に詳しいです。
高齢者のための窓口で、どんな施設があるのかを相談して みましょう。
直接、地域の生涯学習センターなどの施設へ行き、 どんなことに興味があって、どんな教室が自分に合うのか相談して みるのもいいですね。
生涯学習で高齢者だって生き生きと活躍する時代
年々高齢者が増え、健康な高齢者が多い今の世の中、高齢者が学ぶ環境が充実しています。
定年を迎えた方、子供も巣立ち自由な時間が増えた方は、 今こそ自分の興味のあることを学ぶチャンスです 。
共通の趣味を持った仲間を持ち、年齢の違う人たちとの触れ合い、そして探究心や冒険心は心を若返らせてくれるもの。
セカンドライフを充実させるために、生涯学習は良い方法です 。
自分に無理のない教室を選び、活用してみましょう!