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終活

2024.04.30

生前契約とは?契約内容や金額、メリット・デメリットを解説!

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自分が適切な判断ができなくなった場合や死後の事務委任を行える制度があることをご存知でしょうか?
これは、生前契約と言われる制度です。

生前契約は葬儀の内容を事前に決め契約することも指しますが、今回の記事では主に死後事務委任や生前事務委任、任意後見契約などについて見ていきます。

生前契約とは
契約
生前契約とは、自分の死後や適切な判断能力が無くなった場合などにし依頼できる人に対して、 財産の管理や身元引受人になってもらう制度 のことを指します。
具体的には、死後事務委任や生前事務委任、任意後見契約などによって行います。

生前契約をする理由
生前契約の需要の高まりの背景には、 高齢化や核家族化により人との繋がりが薄れていることなどが挙げられます。
具体的には以下の理由で生前予約を行う方がいます。

身寄りがなく葬儀や供養が心配
家族に生前の考えを伝えたい
葬儀を自分の希望を反映したもので行いたい
葬儀関連で子供に頼りたくない
配偶者を亡くした、熟年離婚をしたなど
この他にも、子どもはいるが関係が良くない、世話になりたくないなどの理由により選ばれています。
以前の家族の代表的な三世代での同居であれば、子供や孫とのコミュニケーションをとるタイミングは多く、自分の死後について深く考える必要はありませんでした。

しかし、時代の変化に伴い価値観や考え方の多様化、核家族化などにより生前予約をする方は増加しています。

生前契約の内容【死後事務】
手続き
人が亡くなると、役所への手続きや病院代の清算、葬儀の準備など様々な手続きが必須になります。
多くの場合は、これらの事務手続きは遺族が行いますが、身寄りのない方や家族に迷惑をかけたくないなどの理由により死後事務委任契約を結ぶ方が増加しています。

死後事務委任契約の内容
具体的に死後事務委任契約で行える事務は以下のものが挙げられます。
また、人や事務所により以下の内容が行えない、もしくはこれ以外のことを行っていただくよう依頼することもできます。

死亡届など役所への手続き
火葬や納骨に関する手続き
永代供養に関する手続き
遺品整理
医療費の清算
老人ホームなどの清算や入居一時金の受け取り
親族や知人への連絡
公共サービスの清算や解約手続き
SNS等での死亡の告知、退会処理
パソコンや携帯の内部情報の消去
死後事務委任契約は、 委任者の死後の事務を委任する契約であるため、死後に委任の内容を変更できません。
そのため、作成する段階においてはなるべく広範囲の委任事項を記載し、不都合の内容にします。

死後事務委任契約の方法
死後事務委任契約の方法は、委任する相手を自由に選べます。
司法書士や弁護士はもちろんのこと、 信頼のおける知人や友人にも依頼できます。

しかし、トラブルが起きないか不安などの理由により多くの方は 司法書士に依頼します。
また、死後事務委任契約を結ぶ際は、公正証書にすることを推奨します。

公正証書は、証明力があり執行力があります。
具体的には、死後事務委任契約の内容が執行されない場合は、本来であれば裁判で決めなければならない内容を強制執行の申し立てを行える制度のことです。

そのため、安心して死後事務委任を結べます。

生前契約の内容【生前事務】
高齢者
高齢になると判断能力があっても体が衰え、 日常の中で行っていた財産管理などが負担になってくることがあります。
具体的には、様々な郵便物が郵送されるが何が大切なのかわからない、銀行が遠くからだが不自由になってきてお金を引き出せないなど、が挙げられます。

そのような事案に対して、その部分を代行していただき解消するための制度です。

また、任意後見契約は公正証書にて契約を結びますが、 生前事務委任は行う必要がありません。
しかし、任意後見契約は委任を委託する人に判断能力が備わっている間に結ばなければなりません。

生前事務委任の内容
具体的な生前事務委任の内容は以下のものが挙げられます。

入院や老人ホームなどの身元引受保証
財産の管理
医療上の判断に関する意思表示
医療受診に関する意思表示
日常生活の支援
公共サービスや税金などの支払い
生前事務委任は、死後事務委任の時と同様に知人に頼んだり公正証書で保証する場合もあります。
また、この生前事務委任は死後事務委任とセットで使われることが多く、互いに補完しあう関係になっています。

生前契約の任意後見契約
任意後見契約は、 認知症などにより判断能力が低下しし適切な判断が行えなくなった場合に、自分の後見人になってもらうことを委任することを指します。
人間は、高齢になるほど認知症の発症リスクは高まります。

認知症は特別な病気ではなく、 厚生労働省の発表によると65歳以上の高齢者の7人に1人いるとされています。
自分は大丈夫と考えがちですが、油断することはできません。

認知症になると、自分の財産管理が行えなくなり、お金を持っていたとしても自分ではお金を使えなくなります。
そのため、病院などで医師の診察を受けようとしても入院契約を行えず治療を受けられない可能性も生まれます。

そのようなことがないよう、財産管理や契約の締結などを委任することで、万が一の時の保険に繋がります。

任意後見契約の内容
任意後見契約は大きく分けて、財産管理と介護や生活面の手配に分けられます。

財産管理は自宅などの不動産や銀行口座の管理、年金の管理、税金や公共サービスの支払いなど、介護や生活面の管理は老人ホームや病院との契約や生活費の送金など様々なことを管理します。

任意後見契約を締結する相手は、家族であっても友人でも弁護士や司法書士など、法律で相応しくないと決めている方以外ならだれでも行えます。
この法律で相応しくないと決めている方は、破産者や不正な行為、本人と裁判を行った方などです。

生前契約の費用
費用
生前契約において、公証役場で公正証書を作成する場合には、いかなる場合でも作成手数料として 約11,000円 、正本謄本代 約3,000円 が必要になります。

それ以外の費用について、以下で生前契約の種類ごとに見ていきます。

死後事務委任
死後事務委任を行政書士に依頼する場合のおよその目安は以下の通りになります。
これは、あくまでも行政書士への 報酬であるためこのほかに葬儀関連なら斎場や祭壇、火葬にかかる費用がかかります。

また、書類作成費がかかることがあります。

内容    金額相場
死亡日の対応    約15万円
葬儀関連(葬式や火葬などの主宰)    約10万円
埋葬や散骨の代行    約10万円
身分証明書の返還    約1万円/件
退職手続き    約5万円
入院費などの清算    約2万円/件
遺品整理    約5万円
公共サービスや税金の解約・清算    約2万円/件
SNSの削除    約1万円/件
SNSの死亡通知    約3千円/件
知人への死亡通知    約千円/件
生前事務委任
生前事務委任は、家族や信頼のおける知人と結ぶ場合は 約15,000円 を公証役場にて払います。
この他に、行政書士などに書類の作成を手助けしてもらったり依頼する場合は 約40,000円 ほど必要になります。

また、司法書士と結ぶ場合は 月額約100,000円 、行政書士と結ぶ場合は 約50,000円 を報酬として渡します。

任意後見契約
任意後見契約も同様に、身内に無報酬で依頼する場合は公証役場への手数料 約15,000円 のみ支払います。
行政書士などの専門家に依頼する場合は、委任する内容により異なりますが、 月額50,000円 からになっています。

生前契約に必要な書類
また、公正証書の作成には以下の書類が必要です。

発行日から3か月以内の印鑑証明書
住民基本台帳カード
本人確認書類
実印
生前契約の契約書
生前契約のメリット
メリット
生前契約のメリットとして以下のものが挙げられます。

元気なうちに身の回りの整理を行える
家族の負担軽減
葬儀や供養を思い通りに行える
遺産相続でのトラブル回避
以下で詳しく見ていきます。

元気なうちに身の回りの整理を行える
これは生前整理とも言われているもので、 自分で元気なうちに身の回りの物を整理することです。
昨今、注目を集めている終活の一つになります。

生前整理は単純に身の回りの整理だけでなく、今後の人生を明るく過ごすための前向きなものです。

また、自分の遺品を誰に譲るのかなど様々なものが挙げられます。

生前整理に関しては、こちらの記事を参考にしてください。

50代の終活を解説!断捨離や生前整理のやり方・エンディングノートの書き方も
第三人生編集部

家族の負担軽減
司法書士などに依頼することで生前契約を行うことで 家族の負担軽減に繋がります。
死後の事務では死亡届や火葬許可証の届出、生前事務では生活の補助から資産の管理など、本来であれば家族が行うことを代行していただけるため、永眠してから起きる様々なことに対して、諸手続きを行わずに済みます。

葬儀や供養を思い通りに行える
身寄りのない人でも、 葬儀や供養を思い通りに行えます。
具体的には、葬儀に関してはひっそりと行ってほしい、音楽葬で華やかに送り出して欲しい、祭壇は豪華なものにしてほしいなどが挙げられます。

供養方法は、樹木葬で行いたい、散骨してほしいなど自分の死後に行われるものに関して取り決めを行うことで思い通りの供養が行えます。

遺産相続でのトラブル回避
また、遺産相続での トラブルの回避が行えます。
不動産では完全に分割して分けられない、売ってお金に換えたい人と住み続けたい人、兄弟間での遺産の割合など様々なトラブルが起こりうる可能性があります。

しかし、遺産相続と聞いて遺産が高額であるから揉めるというイメージがあるため自分には関係のないことだと考える方もいると思います。

しかし、裁判になるケースの70%以上が遺産総額5,000万円以下の世帯で起きています。
そのため 他人事ではなく自分にも関係のあることと考え行動しましょう。

生前契約のデメリット
デメリット
内容が複雑で理解が困難
契約の履行を契約者自身が確認できない
生前契約の必要性が契約時には不明
内容が複雑で理解が困難
生前契約の範囲が、身元引受から日常支援、死後の事務処理など広範囲であるため、高齢者にとって内容の理解が困難になります。
そのため、事業者の言った通りの条件だと 損をしてしまったりトラブルになる恐れがあります。

契約の履行を契約者自身が確認できない
契約内容に死後事務委任が含まれている場合や契約者が認知症などの進行により判断力が衰えた場合は、 契約に沿ったサービスが行われているか契約者は確認できません。

そのため、契約者に親族や知人、後見人が不在の場合は行われたかどうか確認できません。
第三者のチェックする人がいない場合は、 履行の確認が行われないことになります。

生前契約の必要性が契約時には不明
生前契約のパッケージに含まれるサービスが 必要なのか契約時にわかりません。
具体的には、契約時には葬儀を行うと考え葬儀を含めた場合でも、契約から何年間も経過し、親しくしていた親族や知人が他界してしまい葬儀が不要になる場合があります。

必要性が分からないものに関しては、委任しないようにしましょう。

生前契約の注意点
注意点
生前契約の注意点は以下のものが挙げられます。

解約や契約内容の見直し
支払い能力を見誤る
前受金の保全義務がない
以下で詳しく見ていきます。

解約や契約内容の見直し
解約や契約内容の見直しが行えるか確認しましょう。
これは、時間が経過すると生前契約の必要がなくなった、内容を変更したいと考える可能性があります。

その際に、必要になるので確実に確認しましょう。

支払い能力を見誤る
生前契約のサービスは、 利用に対しての費用や月額での手数料などがあります。
そのため、想定以上のお金がかかってしまい自分の資産では厳しくなってしまったなどもあり得ます。

そのため、利用期間を想定して生前契約にかかる費用を計算し自分の資産状況と照らして支払えるか判断しましょう。

前受金の保全義務がない
ほとんどの事業主では生前契約では前受金としてお金を預けます。
このお金は、契約内容の履行のための実費ですが、こうした前受金の保全義務がなく、 投資に使われてしまう恐れがあります。

そのため、投資に失敗してしまいその事業主が倒産してしまい預けたお金が返金されないことも考えられます、

前受金をどのように管理しているのか確認しましょう。

【コラム】葬儀や供養の生前契約
葬儀や供養の生前予約とは、 葬儀の内容を確定させ契約することです。
日本においては1990年代より見られるようになりました。

日本での葬儀の生前予約は、葬儀社や互助会、宗教法人、NPO法人が独自に行っています。

葬儀を実際に行うのは、何年間も後の可能性があり事情が変わるかもしれません。
そのため、死後事務委任などの生前予約と同様に 解約や見直しのできることが望ましいでしょう。

また、葬儀の生前予約に関して家族に同意や認識をしてもらわないと、臨んだとおりの葬儀にならなかったり気づかないまま葬儀を終えてしまう可能性があります。

また、契約内容に関しては葬儀の内容だけでなく、会社によりその後の納骨や散骨などの供養方法に関しても依頼できます。

まとめ
今回の記事では、生前予約に関して以下の内容で見ていきました。

生前契約とは
生前契約をする理由
生前契約の内容【死後事務】
生前契約の内容【生前事務】
生前契約の任意後見契約
生前契約の費用
生前契約に必要な書類
生前契約のメリット
生前契約のデメリット
生前契約の注意点
【コラム】葬儀や供養の生前契約
生前契約は、自分の葬儀をどのように行いたいか、資産を誰に分配したいのかんど、自分のために行いたいという方もいらっしゃいますが、家族に迷惑をかけたくない、遺産トラブルになってほしくないなど自分以外の理由によっても選ばれます。

また、自分の最期をどのようにしたいかを考えるきっかけにもなります。

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