初盆・新盆の準備を解説!僧侶・会食の手配から飾り付けまで
皆さんは、初盆・新盆の準備についてご存知ですか?
故人が亡くなってから四十九日が開け、初めて迎えるお盆の時期。
きっと遺族の方々にとっては特別な心情かと思います。
ここでは、そんな初盆・新盆を迎えるための準備について、詳しく説明しています。
初盆・新盆の準備①日程調整
お盆と呼ばれる期間は、 7月13日から7月16日まで の4日間と 8月13日から8月16日まで の4日間、合わせて8日間があります。
その期間のうち、いつに初盆の法要を行うかを決定する必要があります。
日程を決める際には、親族はもちろん、故人との関係性が密にあった親しい方などが集まりやすい日に設定するのが良いでしょう。
初盆・新盆の準備②僧侶手配
初盆・新盆では、菩提寺の僧侶に 棚経 をあげてもらうのが一般的です。
お寺の僧侶は、お盆の時期を迎えると檀家の家を回り、盆棚・精霊棚の前で読経を行います。
しかし、檀家の数によっては、お盆の時期には回りきれないと判断し、前倒しでお経をあげることも珍しくはありません。
さらに、お寺によっては盂蘭盆会の法要を行うこともあります。
以上の理由から、お寺や僧侶にとって、お盆の時期は繁盛期となります。
そのため、 できる限り早い時期 から先方の都合を伺い、予約をとっておくようにしましょう。
初盆・新盆の準備③弔問客への通知
通知の方法
初盆・新盆の法事について、日程などが決まり次第、親族や親しい方などへ早めに連絡しておくようにしましょう。
身内の方への通知を済ませたら、弔問客への通知として案内状の手配を行います。
初盆・新盆の法事や、会社関係で行われる大規模なお盆の法要の場合には、 往復はがき もしくは 返信用のはがきを封筒に入れて 案内状を作成し、出欠を伺います。
親族だけで実施する場合に限っては、電話での確認のみでも構いません。
しかし、初盆・新盆の場合には親族だけでなく、知人や友人にも参列して頂くのが一般的です。
案内状の送付は、葬儀の際に参列者の方に記帳していただいた 会葬者名簿 を元にして行います。
案内状の書き方
案内状を送付するにあたっては、その 書き方 や マナー が存在します。
ここでは、以下の3点を追って案内状の書き方について紹介していきます。
句読点を使わない
初盆・新盆の案内状をはじめとした会葬礼状においては、「 、 」や「 。 」などの 句読点は使わない という決まりがあります。
その由来としては、法要が滞りなく行えることを意味して、文章を途中で区切ってしまう「 、 」や「 。 」を用いないという説、会葬礼状を送る相手は文章を読む能力を十分に備えているにも関わらず、文章が読みやすいように「 、 」「 。 」をつけた書面を送るのは相手に対して失礼であるという説が存在します。
どの説が正しい、といったことはありませんが、一般的なマナーとして句読点は使わないようにするのが良いでしょう。
案内状の内容
初盆・新盆の案内状を用意する際に最低限、記載しておくべき内容は以下の3点です。誰の初盆・新盆なのか
故人の氏名や施主の氏名をはっきりと明記し、誰の初盆・新盆であるか分かるようにします。
初盆が行う日程
初盆をいつ、どこで行うのか、加えて会食を行う場合にはその会場の情報も記載します。
出席・欠席について
会食会場の予約や、引き出物の準備のために、参列される人数を把握しなければいけません。
そのために、返信用のはがきを同封したり、往復はがきを用いたりします。
案内状の文例
ここでは、案内状の実際の文例を紹介します。
謹啓 ◯◯の候 皆様方には益々ご健勝のこととお喜び申し上げます
このたび 亡◯◯ の初盆供養をいたしたく存じます
つきましては左記のとおり和営みたく存じますのでご多忙中誠に恐縮ではございますがご参列賜りますようお願い申し上げます
敬具
記
日時◯◯
場所◯◯
電話◯◯◯-◯◯◯-◯◯◯◯
なお法要後◯◯にて粗餐を差し上げたく存じます
お手数ですがご都合のほど◯月◯日頃までにご一報下さい。
初盆・新盆の準備④会食手配
初盆・新盆の法要後の会食について、どのようにするか決める必要があります。
会食の形としては、 自宅に招いて食事をする ・ どこかお店で食事をとる など様々です。
自宅で食事をするという場合にも、 自分たちで食事を用意するのか ・ 仕出し弁当などを注文するのか などを決める必要があります。
しかし、最もスムーズなのは、法要を行う会場の近くや法要を行う会場にスペースを提供してもらい、そこを借りるといった形でしょう。
その際には、僧侶の会食への参加の可否まであらかじめ確認しておくようにしましょう。
また、会食を手配する際には、 人数変更やキャンセルの期日 についても前もって確認しておくことをおすすめします。
前もって確認しておくことで、急に来られなくなった人が出てしまった場合にも冷静に対応することが出来るでしょう。
初盆・新盆の準備⑤お返しの準備
参列者への返礼品の準備も行わなくてはいけません。
お供物や香典の返礼品としては、 1,500円〜3,000円程度 の予算で タオル や お茶菓子 、 お茶 などを用意しておくのが一般的です。
事前に参加することが決まっていた人数分に加えて、1,000円程度の返礼品を予備として用意しておくと良いでしょう。
参列いただいた方の香典が、想定していた以上に高額であった場合には、後日カタログギフトや高級ギフトなどを追加で郵送します。
香典返しは 頂いた香典の1/2程度 、という 半返し が一般的とされています。
しかし、返礼品および香典返しは、あくまでも気持ちを添えるという意味合いが主となります。
そのため、必ずしも半返しを満たさなくてはならないことはありません。
参列してくださった方への感謝の気持ちを込めた返礼品を用意するようにしましょう。
初盆のお返しについては、こちらも参考にしてください。
初盆・新盆の準備⑥飾り付け
初盆・新盆の法要と聞くと、お盆の時期に各地で見かける、飾り付けを思い浮かべる人も少なくないのではないでしょうか。
お盆の時期には多くの地域で、仏壇とはまた別に盆棚(精霊棚)を作ることが多くなっています。
盆棚(精霊棚)とは、 先祖の霊や魂を迎える ためのものでお盆の13日の朝までに作ります。
位牌を安置し、そうめんやお水、旬の果物、故人の好物などをお供えします。
以上のものを供え終わったら、お盆の風物詩とも言える 精霊馬 を用意します。
精霊馬には「 ご先祖の霊が牛に荷物を引かせて、馬に乗って行き来する 」という言い伝えがあり、ご先祖の乗り物として、これらを用意し飾るのです。
精霊馬には、 茄子で作った牛 や きゅうりで作った馬 が一般的となっていますが、地域によってはゴーヤなど茄子やきゅうり以外の野菜を用いる場合もあるようです。
その他にも、ほうずきや栗などを吊るしたり、笹竹や色紙、五如来像を飾ることもあります。
初盆・新盆のための準備を早くから
お盆というのは、先祖の霊や魂が戻ってくるとされる特別な時期です。
中でも、個人が亡くなってから初めて訪れるお盆である、初盆・新盆は、遺族にとっては更に特別なものでしょう。
今述べたような理由もあって、お盆の時期のお寺や僧侶は大忙しとなっています。
それゆえに、初盆・新盆の法要を行うといった際には、早め早めの準備が必要となります。
また、様々な手配はもちろんのこと、故人や先祖がこちらへ来るための精霊馬の用意も怠ってはいけません。
小さな子供などを含めて、親族仲良く作った精霊馬を用意しておけば、きっと故人も楽しみに戻ってきてくれるのではないでしょうか。
この記事では、初盆・新盆の準備について6つの工程に分けて説明しました。
初盆・新盆の法要を行うという際には、ぜひ参考にしてみてください。