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健康

2024.08.29

高齢者の低栄養対策 原因についても解説

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「高齢の両親が最近、食事が細くなって心配」「元気に過ごしてほしいけど、どうすればいいの?」と感じている方は必見です。本記事では、高齢者の低栄養対策について、原因から改善策まで詳しく解説します。
低栄養とは何か、その症状や原因、そして高齢者が食べているのに低栄養になる理由まで掘り下げ、具体的な対策方法を分かりやすく紹介します。
食事のポイントやレシピ例も掲載しているので、ぜひ参考にして、ご家族の健康をサポートしてください。高齢者の低栄養を防ぎ、いつまでも元気に過ごせるように、一緒に学びましょう。

低栄養とは?症状と原因

高齢者の栄養状態は、健康な生活を送る上で非常に重要です。
しかし、加齢に伴い口腔機能が低下したり、病気や薬の影響で食欲が落ちたりすることが多く、十分な栄養を摂取することが難しい場合があります。その結果、必要なエネルギーやタンパク質が不足し、低栄養状態に陥る可能性があります。
食事を摂取しているからといって、必ずしも低栄養にならないとは限りません。食事の内容や量が適切でなければ、低栄養のリスクは高まります。
そのため、食事がとれている高齢者であっても、低栄養に注意が必要です。
厚生労働省の報告によると、65歳以上の高齢者のうち、BMIが20kg/m2以下の低栄養傾向にある人の割合は年々増加しており、年齢を重ねるにつれてその割合が高くなる傾向が見られます。

低栄養の症状

低栄養の状態になると、以下のような健康上の問題を引き起こします。
1. 免疫力低下:風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。
2. 筋力低下:転倒や骨折のリスクが高まります。
3. 認知機能の低下:認知症のリスクが高まる可能性があります。
4. 傷の治りが遅くなる:床ずれなどの治癒が遅れる可能性があります。

高齢者は、加齢に伴い体力や筋力が低下し、基礎代謝が落ちやすくなります。そのため、エネルギー消費量が減少し、以前と同じ量の食事でも太りやすくなってしまいます。さらに、加齢に伴い味覚や嗅覚が衰えたり、消化機能が低下したりすることもあり、食欲不振に陥りやすいです。また、病気や服用している薬の影響で、食事が摂りにくくなるケースも少なくありません。
これらの要因が重なり、高齢者は低栄養になりやすいと言えます。

低栄養を予防するためには、食事内容を見直すことが重要です。
特に、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよく摂取することが大切です。食事量が減っている場合は、栄養価の高い食品を選び、少量でも栄養を効率的に摂取できるよう工夫することが重要です。また、食事の際に水分を十分に摂ることも、栄養素の吸収を助けるため大切です。さらに、生活習慣の改善も、低栄養予防に役立ちます。十分な睡眠をとったり、適度な運動をしたりすることで、体の代謝を活発にし、栄養素の吸収を促進することができます。

高齢者の低栄養は、本人だけでなく、家族や社会全体にとっても大きな問題です。
高齢者が健康で自立した生活を送れるよう、適切な栄養管理と生活習慣の改善を心がけることが重要です。

低栄養の症状は、体重減少だけでなく、疲れやすさ、だるさ、食欲不振、便秘、肌の乾燥、爪の変色、むくみなど、様々な症状が現れます。これらの症状は、一見、他の病気と間違えやすいですが、早期に発見し適切な対策を講じることで、健康状態の悪化を防ぐことができます。
早期発見には以下の兆候に注意を払いましょう。
  • 急激な体重減少
  • 疲れやすさ、だるさの増加
  • 食欲不振
  • 皮膚の乾燥、むくみ
  • 風邪などの感染症にかかりやすくなった
  • 傷の治りが遅くなった
これらの症状が見られたら、低栄養の可能性を考え、対策を講じる必要があります。

高齢者の健康状態を維持するためには、日頃から栄養バランスの取れた食事を心がけ、十分な水分を摂取することが重要です。
また、定期的に健康チェックを受け、必要があれば専門医に相談することが大切です。

低栄養の原因

低栄養は、身体的、社会的、精神・心理的な様々な要因が複雑に絡み合い、食事の偏りや食事量の低下を引き起こすことで発生します。

身体的な要因

加齢に伴い体力は低下し、長時間の歩行や重い物の運搬が困難になります。
その結果、食料品の買い出しや長時間キッチンに立つことが負担に感じられるようになり、加工食品の利用や献立の簡素化といった食生活の変化が生じます。
このような変化は、食事の偏りや栄養不足につながるケースが多く見受けられます。さらに、加齢に伴う味覚や嗅覚の衰え、口腔機能の低下(歯や噛む力の問題)も、低栄養のリスクを高める要因と言えます。

社会的な要因

高齢化社会の進展に伴い、一人暮らしの高齢者は増加傾向にあります。
しかし、年金収入の減少や物価高騰などの影響で、経済的な困窮に陥る高齢者も少なくありません。生活費の圧迫により、食費を削らざるを得ない状況に置かれる高齢者が増えているのです。その結果、十分な栄養を摂取することが難しくなり、低栄養状態に陥るリスクが高まっていると言えるでしょう。
さらに、高齢者は加齢に伴い、味覚や嗅覚が衰え、食欲が減退することもあります。そのため、食事が単調になり、栄養バランスが崩れやすくなります。
特に、一人暮らしの高齢者は、家族の助けがなく、食事の準備や買い出しが負担になることから、外食やコンビニ食に頼りがちな傾向が見られます。これらの食生活は、栄養価が低く、塩分や脂肪分の過剰摂取につながる可能性があり、健康を損なう要因となります。
また、高齢者は、病気や介護など、様々な事情を抱えている場合も多く、食事の時間が取れないことも少なくありません。さらに、高齢者の多くは、健康への意識が低く、自分の食生活について深く考えていないという現状があります。このように、様々な要因が複雑に絡み合い、高齢者の低栄養問題が深刻化しているのです。

精神・心理的な要因

配偶者の死別や加齢に伴う体の変化は、精神的なストレスを引き起こし、それが食欲不振につながるケースは少なくありません。 配偶者との死別や病気などで気分が落ち込み、食欲が減退することもあります。
そして健康のために肉や脂っこいものを控えすぎてしまうこともあります。このような状況は、栄養不足に陥りやすい状態であることを示しています。

これらの要因が複合的に作用することで、低栄養のリスクが高まると考えられています。

高齢者が食べているのに低栄養になる原因

原因
加齢に伴い、消化吸収機能は低下するため、食事から十分な栄養素を摂取できなくなってしまうケースがあります。若い頃と比べて食欲が減退したり、コレステロールや脂肪の過剰摂取を懸念して、肉や魚などのタンパク質摂取を控える傾向が見られます。しかし、タンパク質不足は低栄養状態につながる可能性があり、注意が必要です。
高齢期には、若い頃と比べて活動量が減少するため、食事量そのものが減ってしまうことも少なくありません。食事量の    減少は栄養不足を招き、疲労感や体力低下を招く可能性があります。さらに、栄養不足は活動量の低下を促進し、悪循環に陥ってしまうケースも考えられます。

高齢者の低栄養が招く影響

栄養状態が悪化すると、様々な健康上の問題を引き起こす可能性があります。
免疫力の低下は、感染症にかかりやすくなるだけでなく、病気からの回復を遅らせる可能性もあります。また、皮膚のバリア機能が低下すると、外部からの刺激に弱くなり、肌荒れやアレルギーなどのトラブルが起こりやすくなります。
さらに、筋肉の衰えも低栄養が原因となる可能性があります。筋力低下は、転倒や骨折のリスクを高めます。高齢者は、若い世代に比べて、感染症や傷の治癒に時間がかかるため、栄養不足が長引くと、これらの問題が深刻化し、活動量の減少やサルコペニア状態につながる可能性があります。
低栄養は、血液中のタンパク質量が減る低タンパク血症を引き起こすこともあります。低タンパク血症は、肝臓や腎臓の機能低下、むくみなどの症状を引き起こし、放置すると健康状態の悪化につながる可能性があります。これらの問題を防ぐためには、適切な栄養摂取を心がけ、健康的な食生活を送ることが重要です。

アルブミン値を上げる食事のポイント

ポイント
アルブミンは、血液中に豊富に存在するタンパク質であり、肝臓で生成されます。
血液中のアルブミン濃度は、健康状態を示す重要な指標の一つであり、通常、4.0g/dlを基準値とされています。この値が3.5g/dlを下回ると、低栄養状態である可能性が高く、適切な栄養管理や医療介入が必要となる場合もあります。
アルブミンは、血液の循環を維持し、体内の栄養素を各組織に運搬する重要な役割を担っています。そのため、低栄養によりアルブミン濃度が低下すると、必要な栄養素が体内に十分に行き渡らなくなり、免疫力や認知機能の低下につながる可能性があります。
高齢者の健康維持において、アルブミンは特に重要な役割を果たします。
高齢者は、加齢に伴い、筋肉量や消化機能が低下し、栄養不足に陥りやすいためです。そのため、高齢者は、十分なタンパク質を摂取し、アルブミン濃度を維持することが重要です。

良質なタンパク質を摂取する

健康を維持するためには、質の高いタンパク質を十分に摂取することが不可欠です。
タンパク質は筋肉や臓器の重要な構成要素であり、その不足は血中のアルブミン値の低下につながる可能性があります。
食事は、1日に3回、しっかりと摂るように心がけましょう。食事を抜くと、必要な栄養素が不足し、アルブミン値が低下するリスクを高める可能性があります。
健康的な食事を心がけ、必要な栄養素をバランスよく摂取することが大切です。適切な食事によって、アルブミン値の安定に貢献することができます。

3食バランスよく食べる

タンパク質を含む食品を、毎食少なくとも1品は食事に取り入れるように心がけましょう。様々な食材を組み合わせ、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。
食事の準備が大変な場合は、宅配食サービスの利用も検討しましょう。
食べる量が減っている場合は、魚の煮付け、卵焼き、納豆など、栄養価の高い食品を選びましょう。
牛乳や乳製品も良いタンパク質源なので、朝食にヨーグルトを加えるのもおすすめです。

適切な食事量を意識する

高齢者は、一度に食べられる量が減るため、高齢者は一度に食べられる量が減るため、少量多品目の食事を心がけましょう。
朝食を2回に分けて摂る、 間食を上手に活用するなど工夫するとよいでしょう。栄養補助食品やプロテインゼリーなども有効です。

プロテインの活用法についてはこちらの記事で紹介しています。
3食きちんと食事をすることで、生活リズムを整え、活動量を増やし、食欲を増進させる効果も期待できます。これにより、高齢者が陥りやすい低栄養状態を予防することができます。
咀嚼や嚥下に問題がある場合は、食べやすい形態に調理することも大切です。
肉や野菜を細かく刻む、やわらかく煮る、とろみをつけたり、ゼリー状にするなど、飲み込みやすくする工夫がおすすめです。

低栄養を防ぐ食事法

高齢者の低栄養は、健康面だけでなく、生活の質にも悪影響を及ぼします。低栄養を防ぐには、良質なタンパク質を摂取し、3食バランスよく食べることが重要です。特に、高齢者は食欲不振や咀嚼能力の低下などにより、十分な栄養を摂取できない場合があります。
しかし、日々の食事に気を配ることで、健康的な生活を送ることができます。無理なく続けられる範囲で、今日からでも食生活を見直してみませんか?

ご自身の健康のため、そして大切な人のためにも、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
分からないことがあれば、かかりつけの医師や栄養士に相談するのも良いでしょう。いつまでも元気で、充実した毎日を過ごせますように!

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