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健康

2024.11.29

老後のリフォームを考えている全ての方へ

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老後の暮らしを考えたとき、今の自宅に不安を感じていらっしゃる方は多いでしょう。

年齢を重ねると、今まで何も感じなかった自宅を不便に感じることが増え、それがストレスやケガに繋がることもあります。

そうならないために、何が必要で何をすべきなのか、リフォームという観点から解説します。

そもそもリフォームは必要?

結論から言うとリフォームは必要です。

65歳以上の方が自宅で転倒したという事故は多発しています。住み慣れた安全な我が家と思っていても、思わぬ場所に危険が潜んでいます。

下記は消費者庁に寄せられた事故情報を元にしたデータです。
消費者庁には、65 歳以上の高齢者が自宅で転倒したという事故情報が5年間で275 件寄せられており、後期高齢者では前期高齢者の 2.2 倍にもなっています。

また、8割以上の方が通院や入院が必要なけがを負っていました。
転倒によるけがは「頭」「顔・首」の「擦過傷、挫傷、打撲傷」が多くなっていますが、次いで「脚・足」の「骨折」も多く、骨折をした場合は要入院となる高齢者が 76%に上るなど、転倒事故によって深刻な状況を引き起こすことが分かりました。

さらに、高齢者の自宅内での転倒事故には、下記のような特徴がありました。
転倒事故の発生場所
■浴室・脱衣所 ■庭・駐車場 ■ベッド・布団 ■玄関・勝手口 ■階段

転倒事故の状況
■滑る ■つまずく ■ぐらつく ■ベッド等から移動時に ■引っ掛かる

加齢に伴って、日常生活の中にも転倒事故のきっかけとなる危険性が高まってきます。
出典:消費者庁
いつまでも自宅を安全で快適な場所にするためにも、そこに住まう方の年齢に合わせたリフォームは必要です。

リフォームすべき理由:自宅での事故防止

先ほどもお伝えしましたが、安全だと思っていた我が家が危険な場所になっているのです。
実際、家が危険な場所に変わるわけではありません。

そこに住む方の運動機能や認知機能が加齢により衰えることで、なんでもなかった場所が危険な場所になるのです。

よくある自宅での事故としては
・階段の踏み外しによる転倒
・段差でのつまずきによる転倒
・浴室で滑って転倒
・起き上がる際にバランスを崩してベッドから転落
・椅子に上って電球を交換しようとした際に転落
・ガスコンロの火が衣服に燃え移る
・団子や餅を喉につまらせる
などがあります。

擦り傷や打撲ならまだしも、ちょっとした転倒でも高齢者の場合は骨折などの重傷に繋がることが多々あります。

また、脚立やはしごなどの高い位置から転落して、そのまま亡くなられたという痛ましい事故も起きています。

リフォームすべき理由:災害対策

同じ住宅に住み続けることは、そこに住み続ける人と同じだけ住宅も年齢を重ねています。
高齢者の方の身体機能や認知機能が衰えていくように、住宅自体も衰えて老朽化していきます。

老朽化が進めば、地震や台風、大雪などの自然災害が発生した際に、大きな被害を受ける可能性が高くなります。

また老朽化に関係なく、最近では
・停電対策として家庭用蓄電池の設置やソーラーパネルの設置
・断水対策として雨水タンクの設置
などを取り入れている住宅もあります。

どれだけの費用をかけられるかにもよりますが、自然災害の多い日本で暮らしていく以上、なんの対策もしないまま安心・安全に暮らすことは難しいかもしれません。

では具体的にどのようなリフォームを考えていけばよいのでしょうか

老後リフォームのポイント

トイレのバリアフリー

バリアフリー化

冒頭で述べた通り、自宅での転倒事故が多発しております。まずは安全に家の中を移動できるようにバリアフリー化を目指すのが良いでしょう。

規模がそこまで大きくはないので、比較的安価でリフォームできます。
下記にバリアフリー化の例をいくつか紹介しておきますので、参考にしてください。
・玄関
間口が狭い場合は、車いすがスムーズに出入りできるぐらい間口を広げる。
可能な限り段差をなくすためにスロープを設置する。
身体を支えられるように手すりを設置する。
・水回り
滑りやすい箇所には、座れるように椅子を設置する。
床材に滑りやすいタイルを使用している際は、滑りにくい素材に替える。
ヒートショックの発生を防ぐため、暖房器具を設置し寒暖差をなくす。
浴室と脱衣所の段差をなくす
・その他リビング、キッチン、寝室など
段差の排除。
動き線に合わせた手すりの設置。
足元にフットライトを設置。
ガスコンロからIHクッキングヒーターへの変更。

介護を見据えた間取り

少々規模が大きくなりますが、間取りの変更もリフォームの重要な要素です。
特に老後の介護を見据えた間取りを意識しましょう。

下記に介護を見据えた間取りの例をいくつか紹介しておきますので、参考にしてください。
・寝室のすぐ横にトイレを設置する
・脱衣所と浴室を寝室の近くに配置する
・各部屋を回遊できる間取りにする。
・使わなくなった子供部屋などは、仕切りをなくし広い空間にする。

ヒートショック対策

ヒートショックというのは、急激な温度変化により、血圧が急上昇・急下降して心臓や血管に負担がかかることを指します。

そしてその結果、心筋梗塞や不整脈、脳梗塞といった生命にかかわる病気が発症しやすくなるのです。

そのため老後のリフォームを考えるなら、このヒートショック対策として、自宅の断熱性を高めるようにしましょう。

部屋と部屋の間で極端な温度差が生じなければ、ヒートショックは起こりにくくなります。

耐震工事

自然災害の多い地域で生活する以上、住宅はどれだけ補強しても補強しすぎということはないでしょう。

特に地震が多い日本では住宅の耐震性を担保することは非常に重要な要素です。

1980年以前に建てられた住宅は、旧耐震基準で建てられた家ですので、今の新耐震基準に合わせて、しっかりと補強する必要があります。

地震が起こってからでは遅いので、取り返しのつかない事態になる前に耐震改修工事を行いましょう。

リフォームで活用したい制度

補助金
住宅のどこをどの程度の規模でリフォームを行うかにもよりますが、リフォームを行うには決して安くない費用を捻出しなければなりません。

ですのでリフォームを行う際は、少しでも金銭的な負担を減らすために補助金制度を活用しましょう。
下記に、リフォームに関連する補助金制度を紹介していますので、参考にしてください。

長期優良住宅化リフォーム推進事業補助金

既存の住宅に対して、適切なメンテナンスによる長寿命化等に資する優良な取り組みへの支援を行ってくれる制度です。

住宅の性能向上を図るリフォーム工事に対して補助金が支払われます。
参照:国立研究開発法人 建築研究所 「長期優良住宅化リフォーム推進事業補助金」

居宅介護住宅改修費

手すりの取付けや、段差の解消などにかかったリフォーム費用に対して補助してくれる制度です。
参照:厚生労働省 「介護保険制度における住宅改修の概要」

リフォーム減税

耐震工事、バリアフリー工事、省エネ工事など、特定のリフォームを行った場合、リフォームを行った方の所得税が一部控除、またはリフォームを行った住宅の固定資産税が減額される制度です。
参照:国土交通省 「住宅をリフォームした場合に使える減税制度について」

我が家を安心・安全な場所にするために

年齢を重ね体力が衰えることによって、今まで安全だと思っていた我が家が危険な場所に変わるというのは、あまり信じたくないことですよね。

ですが、そこに住まう方と共に月日を重ねてきた自宅をねぎらう意味でも、しっかりとリフォームを進めることが重要です。

人生100年時代、まだまだ先は長く続いています。人も建物も同様に変化を受け入れながら共に歩んでいきましょう。

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