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葬儀

2024.09.17

納棺師、湯灌師とは?仕事内容から依頼方法、費用相場まで完全解説【2024年最新版】

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かつて日本アカデミー賞を受賞した映画をきっかけに話題になった「納棺師」。
「湯灌師」とも呼ばれる職業ですが、「納棺師の仕事ってどのような内容なの?」と思う方も多いのではないでしょうか?
この記事では、納棺師の仕事内容という職業について、その仕事内容から依頼方法、費用まで、詳しくご紹介いたします。大切な人との最後の別れを前に、納棺師の役割を知ることで、より深い理解と心の準備ができるでしょう。

納棺師、湯灌師とは?

納棺師は、故人を最後に美しく整え、棺に納める専門職です。
納棺師は別で「湯灌師」とも呼ばれ、日本の伝統的な葬儀文化において重要な役割を果たしてきました。「納棺師」という言葉自体は比較的新しく、映画「おくりびと」の影響で広く知られるようになりました。しかし、その役割自体は古くから存在し、かつては家族や地域の人々が担っていました。
現代では、この大切な役目を専門的な技術と知識を持った納棺師が担うことが一般的になっています。納棺師は単に遺体を扱うだけでなく、故人の尊厳を守りつつ、遺族の心に寄り添う非常に繊細で重要な仕事を行っているのです。

納棺師の仕事内容

納棺師の主な仕事内容は以下の通りです。

1. 遺体の清拭(湯灌)

湯灌(ゆかん)は、故人の体を清める儀式です。これは日本の伝統的な習慣で、故人の魂を清めて、安らかな旅立ちを願う意味があります。

湯灌には2種類あります。
  • 普通湯灌

  • 温かいお湯をシャワーから出して体を丁寧に洗います。これにより、死後硬直が和らぐ効果もあります。

  • 古式湯灌

  • お湯を使わず、濡らしたタオルやアルコール綿で体を丁寧に拭きます。

湯灌の所要時間は通常1時間から1時間半程度です。
かつては家族が行っていましたが、現在では納棺師や専門の湯灌師が行うのが一般的です。
湯灌についての詳細はこちらで詳しく解説しています。ぜひあわせて読んでみてください。

2. 死化粧

死化粧は、故人の顔を生前の姿に近づけ、安らかな表情に整える作業です。
  • 肌の色を整える
  • 髪を整える
  • メイクを施す
これは、遺族が最後に見る故人の姿を美しく整えるための大切な工程です。

死化粧と似たようなものとして「エンバーミング」を聞いたことがある人もいるかもしれません。死化粧とエンバーミングの具体的な違いについてはこちらで解説しています。

3. 納棺

納棺は、整えられた遺体を丁寧に棺に納める作業です。
簡単にまとめると
  • 遺体を慎重に棺に移す
  • 故人の好みや遺族の希望に応じて、思い出の品や花を一緒に納める
  • 棺を閉じる前に、遺族に最後の対面の機会を提供する
この一連の流れに沿って、対応します。
納棺について詳しくこちらの記事で紹介しています。
あわせてぜひ読んでみてください。

4. 遺族へのケア

納棺師の仕事は、単に技術的な作業だけではありません。遺族の心のケアも重要な役割です。
丁寧な説明と遺族の質問や要望への柔軟な対応が求められますが、最も大切なことは故人との最後の時間を大切にできるようサポートすることです。

5. 葬儀全般のサポート

多くの納棺師は、葬儀社に所属しているため、葬儀全般のサポートも行います。
葬儀の準備や進行のサポートだけでなく、必要書類の準備や手続きの助言、宗教や文化に応じた適切な対応も行います。

納棺師の依頼方法

納棺師の依頼方法は、主に以下のルートがあります。
葬儀社を通じての依頼
最も一般的な方法です。多くの葬儀社には、専属または提携の納棺師がいます。
葬儀全般のサポートを受けられ、手続きが簡単というメリットがあります。

葬儀社に連絡し、打ち合わせの際に納棺師の依頼を伝えるとよいでしょう。ただし、一般的な納棺の儀であれば既にプランに含まれていることが多いです。こうした場合、納棺師ではなく葬儀社のスタッフが担当することになりますが、どのスタッフも研修を受け、葬儀の数を多くこなしているため、特に心配する必要はないでしょう。
病院や施設からの紹介
病院や介護施設で最期を迎えた場合、施設側から納棺師を紹介してもらえる場合があります。施設との連携がスムーズで、信頼できる納棺師を紹介してもらえることが多いでしょう。
紹介された納棺師と直接やり取りする場合もあるので、その際は具体的な内容や料金を確認したうえで依頼しましょう。

依頼時の注意点

! 注意
事前の情報収集
納棺師の経験や評判、提供するサービスの内容をよく確認しましょう。

料金の確認
事前に料金体系や追加料金の有無を確認し、予算との調整を行いましょう。

希望の伝達
故人や家族の希望(特別な衣装や化粧、一緒に納める品など)をはっきりと伝えましょう。

宗教や文化への配慮
特定の宗教や文化に基づいた要望がある場合は、事前に伝えて対応可能か確認しましょう。

時間の確認
納棺の時間や所要時間を確認し、他の葬儀の準備と調整しましょう。

立ち会いの希望
家族が納棺に立ち会いたい場合は、その旨を伝えて調整しましょう。

適切な納棺師を選び、丁寧に依頼することで、故人の最後を美しく送り出し、遺族の心の支えとなる納棺を行うことができます。

納棺師の費用相場

納棺師の費用は、地域や依頼内容によって異なりますが、一般的な相場をご紹介します。
ただし、これはあくまで目安であり、具体的な料金は各納棺師や葬儀社に直接お問い合わせください。
基本料金
納棺のみ 30,000円〜50,000円程度
湯灌込み 50,000円〜80,000円程度
オプションサービス
特殊メイク +10,000円〜30,000円
着付け(和装)  +10,000円〜20,000円
髪結い +5,000円〜15,000円
時間外対応
深夜・早朝料金: 基本料金の20%〜50%増し

出張費
近距離の場合、無料〜5,000円程度
遠距離の場合、実費または10,000円〜30,000円程度
葬儀パッケージに含まれる場合
多くの葬儀社では、葬儀パッケージに納棺師の費用が含まれています。この場合、個別の料金は発生せず、パッケージ料金に含まれます。
一般的な葬儀パッケージ: 500,000円〜1,500,000円 (この中に納棺師の費用が含まれています)
費用に影響する要因

地域
都市部は地方より高めの傾向があります。

納棺師の経験
ベテラン納棺師はより高額になる場合があります。

依頼内容の複雑さ
特殊な要望や難しい作業がある場合は追加料金が発生することがあります。

時間帯
深夜や早朝、休日は割増料金が発生することがあります。

移動距離
遠方への出張の場合、交通費や宿泊費が加算されることがあります。

費用を抑えるためには?

複数の見積もりを取る
可能であれば、複数の納棺師や葬儀社から見積もりを取り、比較検討しましょう。

パッケージプランの活用
葬儀社のパッケージプランを利用すると、総合的に費用を抑えられる場合があります。

必要なサービスの精査
本当に必要なサービスだけを選択し、オプションは慎重に検討しましょう。

事前準備
故人の衣装や必要な品を事前に準備することで、追加費用を抑えられることがあります。

時間帯の調整
可能であれば、割増料金のかかる深夜や早朝を避けて依頼しましょう。

納棺師の費用は、故人への最後の贈り物の一部と考えることもできます。しかし、高額だからといって必ずしも良いサービスとは限りません。故人と遺族の希望、そして予算のバランスを考慮して、適切な納棺師を選ぶことが大切です。

これからの納棺師の役割

社会の変化とともに、納棺師の役割も少しずつ変わってきています。
家族葬や直葬など、簡素化する葬儀スタイルに合わせた柔軟な対応が求められます。その一方で、故人の個性を反映した個性的な葬儀にも対応する必要があります。
最近は在日外国人の増加に伴い、様々な文化や宗教に対応できる知識と技術が必要になってきています。
そして日本は地震大国です。今後起きる可能性が高いと言われている「南海トラフ地震」などの大規模災害時には、多数の遺体を丁重に扱う技術が求められます。
平時からの訓練や準備が重要になるでしょう。
他にも日本は高齢化社会の真っ只中。高齢者の一人暮らしが増えているように、核家族化や地域のつながりの希薄化により、遺族の心理的サポートの重要性が増しています。
技術的な面を見ても、エンバーミング技術の発達やデジタル技術の発達による遠隔オンライン葬儀の増加など、納棺師が身に着けておくべきスキルは多岐にわたります。
葬儀の在り方に変化がある昨今、新しい課題への対応も求められるでしょう。
これらの変化に対応しながらも、納棺師の本質的な役割—故人の尊厳を守り、遺族の心に寄り添うこと—は変わらないでしょう。
社会の変化に柔軟に対応しつつ、この大切な役割を果たし続けることが、これからの納棺師に求められる姿勢と言えるでしょう。

結びに

納棺師という職業は、人生の最後の瞬間に深く関わる、非常に尊い仕事です。
技術と心の両面が求められ、常に自己研鑽が必要な職業でもあります。

私たちの社会が、死を忌み嫌うのではなく、人生の自然な一部として受け入れられるようになるためにも、納棺師の存在は重要です。故人の尊厳を守り、遺族の心に寄り添う納棺師の姿勢は、私たちに生と死について深く考えるきっかけを与えてくれます。

これからの時代、納棺師の役割はますます重要になっていくでしょう。技術の進歩や社会の変化に柔軟に対応しながらも、「人の心に寄り添う」という本質的な役割を大切にし続ける納棺師たち。彼らの存在が、私たちの社会をより豊かで、思いやりに満ちたものにしていくのです。

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