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葬儀

2024.04.30

湯灌(ゆかん)とは?相場や手順、メリットを解説!立ち会う時のマナーも

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湯灌(ゆかん)とは何かをご存知でしょうか?
湯灌とは、エンゼルケアの一種で遺体を清潔にする場殿目的で行われる儀式のことです。

この記事では、誰が立ち会うのかや立ち会わなくてもよいのか、マナーなどについて詳しく説明します。

湯灌(ゆかん)とは
病院
湯灌は、遺体の体や髪の毛を湯船に入浴させて洗浄することを指します。
そして、化粧をを行い身支度を整えて納棺します。
湯灌を行う理由は大きく分けて二つあり、

衛生上の理由
宗教上の理由
があります。
それぞれを詳しく見ていきます。

衛生上の理由
人は亡くなった時から腐敗が始まります。
腐敗によって体液が漏れたり皮膚の変色、悪臭が出ます。

これに対する簡易な処置は病院で執り行いますが、納棺や火葬までにさらに腐敗する可能性があるため、湯灌を行い 体を清潔にすることにより体に起こる変化を少なくします。

宗教上の理由
宗教上の理由は、生まれた赤ちゃんが産湯に浸かるように、今度は現世での汚れを洗って清めることにより、 魂を浄化させて極楽浄土に行けるようにと願いを込めて執り行います。

湯灌(ゆかん)の相場
費用
湯灌は、多くの場合は葬儀の値段に含みません。
そのため、行う際は追加で申し込み料金を払わなければなりません。

湯灌の種類    費用相場
古式湯灌型    約5万円
簡易浴槽型    約10万円
エンバーミング    15万円以上
上の表をさらに詳しく解説すると、故人の体を拭き、装束替えと化粧のみの古式湯灌を行う場合は 5万円程度 、簡易浴槽を持ち込みシャワーや髪を洗うと 10万円程度 、です。
さらにエンバーミングという全身の血液を専用の保存液に置き換えて腐敗しないようにするためには 15万円以上 が相場とされています。

エンバーミングについては、こちらも参考にしてみてください。

エンバーミングとは?依頼方法や費用相場、メリットを解説!手順も
第三人生編集部

湯灌(ゆかん)の手順
手順・流れ
湯灌の手順は以下のようになっています。

準備
遺体のマッサージ
遺体の移動
説明
お清め
洗体
着付け
です。
それぞれを詳しく見ていきます。

1.準備
斎場など自宅外で行う場合は、式場内の湯灌の設備がある場所に向かいます。
自宅で行う場合は、湯灌に使う専用の湯船と一緒に専門のスタッフが自宅へ行き準備を執り行います。

2.遺体のマッサージ
環境や温度によって異なりますが、亡くなってから2~3時間経過すると死後硬直が始まるため、遺体が固まります。

固まった状態だと湯船に入れられないため、ほぐすようにマッサージを執り行います。

3.遺体の移動
儀式の前に遺体を槽まで移動します。

4.説明
湯灌師という湯灌を行う方より、儀式の説明が行われます。

5.お清め
お湯で、遺体のお清めを執り行います。 遺族が参加するときは順番に、足元から胸元までお湯をかけます。
湯灌を行う業者によって異なりますが、約36℃~40度と通常のお風呂の温度より温めの温度で執り行います。

この際、逆さ水でお湯を入れます。
通常お湯を適温にするときは、熱湯に水を足して温度を調整するのです。

湯灌では、逆さ水という水に熱湯を足して調整する方法をとります。
わかりやすく言うと、先に水を入れるか後から水を入れて適温にするかという違いです。

このように、普段と反対の順序で行うことは死と日常を区別する考え方です。

6.洗体
シャンプーを用いて体を洗います。
この時に髭を剃ったり爪を切ったりします。

そして、タオルで体を拭きドライヤーなどを用いて体を乾かします。

7.着付け
洗体が終わったら、故人に服を着せて死に化粧を執り行います。
白い仏衣や故人のお気に入りの服、故人の希望によってはウェディングドレスを着せることもあります。
死に化粧は、遺族が希望すれば行えます。
また、この時に、遺体から体液が出てこないよう、耳や口、鼻などに脱脂綿を詰めます。

この際、末期の水という儀式も執り行います。
末期の水とは、故人が生き返ることを願い、故人が渇きに苦しめられないようにとの願いを込めることから始まった儀式とされてます。

実際に水を飲むわけではないため、口の中に水を入れず 唇をぬらす程度にします。
以前では亡くなる前に行っていましたが、亡くなってから後の湯灌の儀式の時や納棺の前などに行うことが増えています。

死装束に関しては、こちらを参考にしてください。

【図解解説】死装束とは?左前はなぜ?金額相場・購入場所!着物で代用できる?
第三人生編集部

湯灌(ゆかん)の利点
メリット
遺体を清潔で綺麗な状態に保てる
顔を見れる
遺体を清潔で綺麗な状態に保てる
病院でも、顔を拭くなどの処置は執り行いますが、故人の遺体は亡くなった時から腐敗が起こります。
病院での処置だけではなく、 生きているときの介護に近い形での入浴により全身が清潔になります。

病院で処置してもらってから納棺までの間や葬儀までの間に腐敗してしまうことがあります。
特に東京など都心の場合は、火葬場が混雑していて予約が取れず、何日間も遺体を置いておかなければならないこともあります。

遺体の腐敗が進行すると、皮膚の変色や腐敗臭、体液が漏れることもあります。

そのため、処置を行ったうえで入浴させ、ドライアイスなどで腐敗の進行をできるだけ遅らせます。
つまり、奇麗な状態で送られることが利点になります。

顔を見れる
事故や自殺によって亡くなり、顔や体に損傷がある時は、特殊な技術を用いて傷や変色などを復元させることもできます。

どのような状況でも、 最期に顔を見られることは、湯灌の利点と言えます。

湯灌(ゆかん)の注意点
! 注意
湯灌の際の注意点としては

服装
立会人
があります。
以下でそれぞれを詳しく見ていきます。

服装
湯灌は、故人の体を清めるための儀式のため立ち会う時も喪服でなくてはならないと考える方もいるでしょう。

しかし、 不安着などの洋服や平服でも差し支えありません。
普段着で立ち合いを行っても差し支えありません。が、赤や黄色などの派手な色や柄シャツなど派手なものは避けましょう。

湯灌に続いてすぐにお通夜を行うケースでは、お通夜で喪服を着用するため、喪服を着用して立ち会うと円滑に進みます。

平服に関しては、こちらを参考にしてください。

【図解】平服とは?女性・男性の葬儀での平服を解説!バッグや化粧も
第三人生編集部

立会人
湯灌の際に立ち会えるのか疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。
多くの場合は、 故人に近い親族が湯灌に立ち会います。

また、遺族が許可した場合に限り知人も立ち合いの場にいても問題はありません。
注意点は、小さい子供や赤ちゃん、妊婦の立ち合いに関しては心理的効果を考慮しましょう。

遺族が親族のみで行いたいなどの理由で、知人など親族以外の人の参加を断っても差し支えありません。

湯灌(ゆかん)に立ち会う
病院
湯灌に立ち会う時のポイントは

立ち会う人
立ち会わなくてもよい
マナー
子供の立ち合い です。 以下ではそれぞれを詳しく見ていきます。
立ち会う人
戦術しましたが多くの場合、 湯灌に立ち会うのは故人と近い親族のみで執り行います。
遺族が許可した場合に限り、近所の方や知人も立ち会えます。

もし、親族以外の方で立ち会いたいと申し出があった場合は、親族だけで行いたいと考えているときはお断りしても差し支えありません。。

立ち会わなくてもよい
立ち会うことは強制ではありません。
湯灌を行ってあげたいけど見たくないなどの場合は立ち合いは不要です。

マナー
前述しましたが、服装は普段着や平服で差し支えありません。

湯灌した当日にお葬式を行うために喪服に着替える時間がないなどの場合は喪服でも構いません。

子供の立ち合い
子供を湯灌に立ち会わせることはできます。
しかし、遺体であることには変わらないため、生前かわいがってもらったとしても注意します。

本人が湯灌に立ち会うことを望んだとしても、幼い心にどのような影響を与えるのかわかりません。
よく考慮したうえで判断しましょう。

湯灌(ゆかん)とエンゼルケアの違い
違い
エンゼルケアとは、 亡くなった方に対して化粧をするなどの施術すべてを指します。
つまりは、湯灌はエンゼルケアの一部になります。

病院での処置は、医師により死亡が確認された後、点滴の管など医療道具を取り除き、体液が出てくるのを防止したり、遺体をアルコールで拭いたり、安らかな顔でお眠りいただくために口や目を閉じたりします。

エンゼルケアの意味
エンゼルケアは、主に

体を清潔にする
心遣い
安らかな表情にする
の意味があります。

体を清潔にする
故人が亡くなると、体の機能は止まりやがて腐敗します。
腐敗することにより体液が流れ出たり皮膚の変化、悪臭が出ます。

そのためにも、耳や鼻に穴詰めを行い少しでも清潔な状態で遺族とお別れをするために執り行います。
また、 体液の流出により病原体となるものや虫がわくことを防止する意味合いもあります。

心遣い
病院で行われる処置は、 故人の遺体を見た遺族の方の精神的な衝撃を少しだけでも減らすためにも 行われます。

安らかな表情にする
死に化粧などを行うエンゼルケアを希望する方の意見は 故人が眠っているかのような安らかな表情で送り出したい と考える遺族が多いため行うます。
事故などで遺体が傷ついてしまったり、苦しみながら亡くなってしまったり、闘病期間が長かったりと、顔が歪んだり苦しそうな表情の状態で亡くなられることがあります。

病院で行う簡易の処置だと顔が苦しげな表情のままな場合があり、最後にお見送りをするときは奇麗な姿で、安らかな表情で送ってあげたい、などの思いやりから専門業者に依頼する方がいらっしゃいます。

故人の死を受け入れて、遺族の方が前を向いて動くきっかけになるのもエンゼルケアを行う意味の一つになります。

エンゼルケアについては、こちらも参考にしてみてください。

エンゼルケアとは?手順・相場費用は?エンバーミングとの違いも解説
第三人生編集部

湯灌(ゆかん)とエンバーミングの違い
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エンバーミングは遺体の衛生保全を目的とした遺体の処置方法のことです。
著名人の遺体を安置する時や、海外で亡くなられた方を移送するときに行われます。
多くの場合は故人の血液を保存用の液体と入れ替えることにより腐敗を防止します。
湯灌との違いはここにあります。

湯灌では、遺体を湯船で洗い清潔にすることで腐敗の進行を遅らせますが、エンバーミングでは血液を全て入れ替えます。
土葬が中心で行われる西洋地域において、感染症防止のため行われていましたが、日本でも徐々に行われてきています。

利点
エンバーミングを行うことでの利点は

安置期間の延長
腐敗が起こらない
感染防止
です。
それぞれを詳しく見ていきます。

安置期間の延長
湯灌のみを行うのではなく、エンバーミングも行う上での利点は 遺体の長期保存が可能 である点です。
通常の措置では3~4日、夏場では2日程度しか安置できないこともあります。

しかし、行うことにより 10~14日程度安置するできます。
また、処置によってはより長期の保存を行うこともできます。

注意点は、日本遺体衛生保全協会の規定により、50日以内に火葬しなければならないと決められていることです。

腐敗が起こらない
エンゼルケアや湯灌では完全に腐敗を防止することはできません。
そのため、時間の経過により体液が出てきたり悪臭が出てきたりと悩まされることも多くなります。
しかし、エンバーミングは消毒や殺菌、薬剤の投与を行うなどにより軽減できます。

感染防止
前述しましたが、エンバーミングは滅菌措置が行われるため、遺体との接触による感染の恐れがほとんどありません。

遺族の方などが体に触れても安全はとされています。
また、二次感染のリスクが無いため、海外で亡くなった時には遺体に処置をすることを義務付けている国々があります。
しかし、血液を入れ替える大がかりな処置を執り行うため、海外で処置を行う際にも前もって海外で密葬を執り行うこともあります。

その場合は、本葬を日本で執り行います。

エンバーミングとは?依頼方法や費用相場、メリットを解説!手順も
第三人生編集部

結局、湯灌(ゆかん)は行った方がいいの?
湯灌には、少なくとも 5万円以上 の多額の費用がかかります。
故人の体を清潔にする目的では、病院での処置で十分であるともいえます。

しかし、故人に安らかに眠っていただきたいなどの理由で行う方も多くいらっしゃいます。
親族などと十分に話し合って決めるとよいでしょう。

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